転生99回目のエルフと転生1回目の少女は、のんびり暮らしたい!   作:daisukenote3397

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第48話

ここはウエス国の森の中。

 

フィーネは、一通り話終えると、ふぅっと息を吐いた。

それを聞いていた、リリィも、イブも、ハクも、モックとドンキーさえも、固唾を飲み微動だにしない。

リビングに重い空気が立ち込めていた。

「フィーネ、大変だったんだね。」

リリィが、やっと口を開いた。

「おいら、フィーネがそんなに辛い目に遭ってたなんて知らなかった。ごめんよ。」

ハクが声を絞り出すように言う。

「フィーネ、可哀想キー。」

「可哀想キキー。」

モックとドンキーも言葉が出ない。

 

「フィーネ、よく話してくれたな。ありがとう。」

イブが神妙な顔で言う。

 

フィーネは黙って紅茶を淹れた。

フィーネが紅茶を口に運ぶと、他のみんなも紅茶を一口飲んで、ふーっと息を吐いた。

 

「私はこの丸太小屋にたどり着いた後、古い魔法の本を見つけた。それで魔法を覚えたわ。運良くこの丸太小屋は空き家だったから、手直しして住むことにした。」

フィーネが昔を懐かしむように話した。

 

「さあ、食事にしましょう。」

フィーネが、言う。

その夜は、エルフの里の人たちを弔うような満月が浮いていた。

 

 

翌朝。

フィーネは、町の人に頼まれた薬を届けるため一人で町に向かった。

今回はリリィたちは留守番である。

 

歩くこと1時間と少し。森が終わり、町が見えた。

薬を届ける家に向かう。

トントン。

玄関の扉を叩くと、中年の女性が出てきた。

「あ。フィーネさん。」

「お薬を持ってきました。」

「わざわざありがとう。はい、代金ね。」

「ありがとう。それじゃ。」

中年の女性は、薬を受け取ると、直ぐに家の中に引っ込んだ。

 

「これで用件は終わりね。オルガの所にでも行こうかしら。」

フィーネは、オルガの家に行くことにした。

「オルガ!いる?」

オルガの家の前でフィーネが呼び掛ける。

「今、行きます!」

家の裏の方から声がした。

玄関の扉が開いて、オルガが顔を出した。

「フィーネさん!今日はどうしたんですか?」

「他に用事があって、ついでに寄ったのよ。」

フィーネが言う。

「フィーネさん、どうぞ中へ。」

オルガがフィーネを誘い入れる。

「お邪魔します。」

フィーネは家の中に入った。

「どうぞ、そこにかけて。」

オルガに促されてフィーネは椅子に座る。

「オルガ、今日はお仕事?」

フィーネが尋ねると、

「今日は休みだよ。」

紅茶を淹れながら、オルガが答えた。

「ホウオウとスザクは?」

「二人も休みだから、何処かに出掛けてるんじゃないかな?」

「そうなんだ。」

フィーネは紅茶を一口飲んだ。

「やっぱりオルガが、淹れた紅茶は美味しいわ。」

「ありがとう。」

 

オルガも座り、しばらくの間、フィーネと他愛の無い話をして過ごした。

 

「そうだ、フィーネさん。町の市場に遊びに行こうよ。」

「良いわよ、行きましょうか。」

オルガとフィーネは市場に行くことにした。

 

町の市場は、沢山の人で賑わっている。衣料品の店、野菜を売る店、小物や雑貨を売る店、肉や魚を売る店、料理を振る舞う店......

様々な店が立ち並び、呼び込みの声が引っ切り無しに聞こえて、活気がある。

「このお店、見て良い?」

フィーネが言うと、オルガはうなづいてついて行く。

色とりどりの髪飾りやアクセサリーが置いてある店だ。

「欲しいものがあったら買うよ。」

オルガが言う。

「じゃあ、本気で選ぼうかな?」

フィーネが笑って言った。

「安いので頼むよ。」

オルガが小声で言うと、二人同じタイミングで笑った。

 

同じ頃。

「姉さん!この串焼美味しいね。」

「スザク、落ち着いて食べなさい。」

ホウオウとスザクの姉妹も市場にいた。

「あれ?もしかしてオルガじゃない?」

ホウオウが指差した方に、オルガがいた。笑っている。

「本当だ。一緒にいるのは...フィーネ!?」

「デートかしら?」

ホウオウはそう言った後、しまった!と言う顔をした。

スザクは、明らかに嫉妬している。

顔を赤くして拳を握り、体が小刻みに震えていた。

「姉さん、オルガの後を尾けるわよ。」

スザクが言う。

ホウオウはやれやれという顔をして

「わかったわ。」

と言った。

 

 

そうとは知らないオルガとフィーネはデートを楽しんでいた。

「うーん、この青いのも綺麗だな。こっちのも素敵。あ、それも可愛いな。」

フィーネは相当迷っている。

「ゆっくり考えて決めて良いからね。」

オルガが言う。

「ごめんね。なるべく速く決めるから。」

フィーネは申し訳なさそうだ。

それからしばらく選び続けて、何とか一つに決まった。

「おじさん、この髪飾りにするわ。」

「お嬢さん、ありがとう。」

オルガが代金を払い、早速、フィーネの髪に髪飾りをつけた。青い蝶の形をした髪飾りだ。

「フィーネさん、似合ってるよ。」

オルガが言うと、

「ありがとう。オルガ。」

フィーネは、少し顔を赤らめながら言った。

二人は店を出て歩き出した。

 

 

「姉さん、ターゲットが動き出したわ。」

「スザク...放っといてあげれば?」

「ダメよ、姉さん。二人に怪しい動きがないか、見張らないと。」

「もう、気が済むまでやれば良いわ...」

真剣なスザクにホウオウは呆れ気味だが、二人の尾行はまだ続くようだ。

 

 

そんなこととは知らず、オルガとフィーネは市場を歩いていた。

 

 

 

 

 

 

 

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