転生99回目のエルフと転生1回目の少女は、のんびり暮らしたい!   作:daisukenote3397

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第71話

 

ここはウエスの森。

 

丸太小屋では、2回目のアイリスの歓迎会が開かれようとしていた。

 

フィーネの魔法で料理が次々にテーブルに並んでいく。

「たーのしー!」

リリィが宙を飛び交う食器やグラスを見て、満面の笑みで言う。

「これはご馳走だな。」

ゴブローが涎を垂らしそうにしながら料理を見つめている。

「さあ、グラスにお酒を注いで。リリィはジュースね。モックとドンキー、お水は足りてる?」

フィーネも支度が終わって席に着く。

「足りてるキー!」

「ありがとうキキー!」

モックとドンキーも準備OKだ。

「おいら、もう我慢出来ないぞ。」

ハクは涎を垂らしている。

「カレーの香りが堪らないのう!」

「流石フィーネさんの料理は美味しそうだね。」

イブとオルガも待ちきれないと言う表情で唾を飲み込んでいる。

 

「では、今日の主役の精霊神アイリス様に一言頂きましょう。」

フィーネが場を仕切る。

 

アイリスがパタパタと飛んでテーブルの上に止まった。

「こほん。」

一つ咳払いをして話し出す。

「フィーネさん、皆さん。本日はこのような会を開いて頂き、ありがとうございます。わたくしが精霊神アイリスです。リリィさんの歌の特訓の間、この丸太小屋にお世話になることになりました。よろしくお願いしますわ。」

 

パチパチパチ。

一斉に拍手が起こる。

 

「じゃあ、みんな。グラスを持って。」

フィーネが皆に促す。

「私たちは、アイリスを歓迎します。乾杯!」

「乾杯!!」

 

宴が始まった。

 

「美味い!コレ本当にうまいぞ!」

早速ハクが料理に手を出す。

「ハク、がっつくと喉に詰まるぞ。」

オルガが嗜める。

「カレーはやっぱり美味いのう。」

イブは美味しいカレーライスにご満悦だ。

「姉さん、このお酒、本当に美味しいわ!」

「スザク、あなたお酒は強くないんだから、飲みすぎないで。」

ホウオウとスザクの姉妹もすっかり寛いでいる。

 

「クハーッ!オルガ、この酒は美味いな!」

グラスを一気に飲み干してゴブローが

オルガの肩を叩いた。すでに上機嫌だ。

「本当にこのお酒は美味しいわ。飲み口が爽やかで甘くて飲みやすい。後味も良い。ブルークリスタルのマスターにお礼しなきゃ。」

フィーネがグラスを片手に言う。

「フィーネさんは、お酒に詳しいね。」

オルガが感心して言うと、

「伊達に99回も転生してないわよ。」

フィーネは得意げに答えた。

 

「アイリスも飲め!」

「イブ...飲み過ぎですわ...」

赤ら顔のイブがアイリスに絡んでいる。

「この女神イブ様の酒が飲めないってか?」

「これはオルガが持って来たお酒ですわ...イブ。」

流石の精霊神も戸惑っている。

「イブって酒癖が悪いんだな。」

ハクが呟いた。

「人は見かけに寄らないって言うしね。」

ホウオウが料理に手を出しながら言った。

 

「アイリス!さっきからパタパタと飛び回ってて鬱陶しいぞ。」

イブの口調が荒っぽくなって来た。

「まあまあ、イブ。落ち着いて。」

スザクが嗜めると、

「ぼくは酔ってないぞ。スザクも飲め!」

今度はスザクに絡み出した。

「イブ。お酒はもうやめた方が良いですわ。」

アイリスがイブの目の前に飛んで行く。

「ああ!さっきから鬱陶しいぞ!」

イブが左手でアイリスを叩き落とした。そのまま、アイリスはお酒の注がれたグラスの中にハマってしまった。

「イブ!何してるの?!」

フィーネが慌ててアイリスを助けようとする。

 

ゴクゴクゴクッ

 

アイリスは、グラスのお酒を飲み干してしまった。

 

「アイリス!大丈夫?」

リリィも心配して駆け寄る。

 

アイリスがゆっくりと体を起こした。

顔が真っ赤で視点が定まっていない。

ふらふらと宙に舞い上がり、

「イブ、ふざけんじゃねぇぞぅ!」

とてもアイリスとは思えない口調で怒鳴り出した。

フィーネをはじめ、他の皆んなも凍りつく。

「アイリス、ハエみたいにパタパタ飛んで楽しいか?」

イブの目が座っている。

「お前は、フィーネとリリィに頼り過ぎなんだよ!」

アイリスがイブに噛みつく。

「ぼくにはぼくの都合があるんだ。文句あるなら、相手になるぞ!アイリス。」

イブがアイリスを捕まえようとするがその手は空を切る。

「イブ〜!お前は2人の気持ちを何にも考えずに振り回してる!」

フィーネもリリィも黙って聞いている。

「アイリス、君も女神なら分かるだろ?世界を救う為には犠牲も必要だ。」

イブが涙目になっている。

「イブ!お前は何かを犠牲にしたのか!?してないだろう?」

アイリスが捲し立てる。

 

「2人とも、もうやめて!」

リリィが叫んだ。

イブとアイリスは驚いてリリィの方を向く。

「アイリス、イブ、2人の気持ちは分かった。でも私たちは自分で世界を救う決心をしたの。あなた達のためじゃない。」

「リリィ...」

リリィの言葉にイブもアイリスもフィーネたちも黙って頷くしか無かった。

「アイリス、あなたのイブへの怒りも分かる。イブ、あなたの気持ちも分かる。でもね、今は家族同士で喧嘩している時じゃない。力を合わせる時よ。」

フィーネが落ち着いた声で語った。

「アイリスもイブも、私とフィーネのことをこんなに考えてくれて、ありがとう。」

リリィが2人を抱きしめた。それにフィーネも加わる。

 

その後、イブとアイリスは酔い覚ましに露天風呂に2人で浸かり、仲直りしたのであった。

 

 

 

 

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