転生99回目のエルフと転生1回目の少女は、のんびり暮らしたい!   作:daisukenote3397

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第9話

ここはウエス国の森の中。

 

「俺についてきてください。」

ゴブリンのゴブローの先導で、フィーネたちは、ゴブリン村に向かっていた。

「何で、こんなことになったのかしら……?」

フィーネはブツブツ言いながらも歩いている。

「冒険♪冒険♪」

リリィとモックは、初めての冒険に心を躍らせている。

「ドリアードとの交渉は、ぼくに任せてくれ。」

イブは、少し宙に浮いた状態で飛んでいる。

森の中をしばらく行くと、視界が少し開けた場所に出た。

かやぶき屋根の家が何件も立ち並び、畑が広がっている。

「ここがゴブリン村だ。」

ゴブローが自慢げに言った。

「うわー!凄い!」

リリィは、見るものすべてに興味津々だ。

「まずは、村長の話を聞いてほしい。」

ゴブローはフィーネたちを村長の家に案内した。

 

ひと際大きな家の前にゴブローは止まった。

「村長。ゴブローです。客人を案内してきました。」

「ご苦労、入りなさい。」

村長に促されて、ゴブローを先頭に中に入る。

木の柱とかやぶきで出来た家は、意外と広く、家族で住むにも十分なくらいだ。土の上には、藁が敷いてある。

その奥に老齢のゴブリンが座っていた。あれが村長だ。

「エルフ殿、よくぞ来られました。ありがとうございます。わしがゴブリン村の村長です。」

「お力になれるかわかりませんが、できる限りの努力はします。」

村長がことの経緯を話し始めた。

 

 

ーーーーひと月ほど前のこと、突然、ドリアードの長がやってきた。ゴブリン村の村長が、代表して話を聞くことになった。ドリアードが言うには、子供の一人が数日前から行方不明になっている。捜索をしている時に、ゴブリンの服の切れ端を見つけた。子供はゴブリンにさらわれたに違いないという。ゴブリン村の村長は、否定したが、ドリアードは聞く耳を持たない。一か月後までに子供を返さなければ、村を潰すと言って、帰ってしまった。そして、今夜が、その1か月後だという。ーーーー

 

 

 

 

「わしらは、ドリアードの子供など知らん。誤解じゃ。」

「まずは、ドリアードの子供を探さないといけないわね。」

フィーネがつぶやく。

「イブの力で探せないの?」

リリィが聞くと、

「やってみよう。モックと同じような気配を探すことが出来れば……」

そういうと、イブはモックを連れて出て行った。

「あまり時間が無いわね。もし、子供が見つからなかった時は、私がドリアードと話をするわ。」

フィーネが村長にいうと、

「それは、助かります。」

村長は、ほっとして言った。

 

 

フィーネが村長の家を出ると、イブが精神を集中して、ドリアードの子供の気配を探していた。

体全体が青白く光り、光の粒が体の周りを回っている。森の木々が青く照らされる。イブは、目を閉じ、両掌を合わせている。

イブが目を開いた。

「わかったぞ!ドリアードの子供は、この近くの遺跡にいる。」

「遺跡?ゴブロー、場所はわかる?」

フィーネが聞くと、

「すぐ近くだ、案内しよう。」

ゴブローが答える。

 

 

 

 

フィーネたちは、すぐに遺跡に向かった。

 

 

森の中をしばらく進むと、石で作られた廃墟が現れた。

壁だけが残っているよういな状態で、全体に木の蔦が這っている。

「これは……昔の町の跡かしら?」

フィーネがつぶやく。

「すごーい!遺跡だ!」

リリィは目を輝かせている。

「モック、何か感じないか?」

イブがモックに聞くと、

「なんだか、仲間の匂いがするキー。」

モックがこたえた。

「ここで間違いなさそうね。手分けして探しましょう。」

 

フィーネたちは手分けをして遺跡の中を探し始めた。

 

遺跡は、あちこちが崩れて、入り組んでいる。

まるで迷路のようだ。

「何か嫌な気配がするわね。」

フィーネは敏感に邪悪な気配を感じ取っていた。

 

ゴブローは、一人で遺跡の奥まで来ていた。

すると、何かネバネバしたものに引っかかった。

「何だ?これは?」

背後から、巨大な爪が迫る。歴戦の戦士であるゴブローだが、ネバネバに気を取られて気づいていない。

 

「うわーっ!」

 

ゴブローの反射神経をもってしても避け切れず、ワサワサと蠢く見えない何かに捉えられ、遺跡の中に引きずり込まれた。

 

 

 

 

そのころ、

イブとモックは、遺跡の中心部にいた。

「今、叫び声が聞こえなかったかキー?」

「うん、ぼくも聞いた。何か嫌な予感がする。」

2人は慎重に先に進んだ。

「何だ?これは?」

山のように何かが積まれている。赤黒いそれは……

「これは、たくさんの骨だキー!!」

「骨?こんなにたくさんの魔物を食べた奴がいるのか?」

イブとモックがその骨に近づくと、ネバネバしたものが体に触れた。

「何だ?これは。」

イブがそう言った瞬間。ズルズルッと何かが動き、イブとモックの体は、すごい力で奥へと引き込まれた。

 

「うわー!」

「キキーッ!!」

 

2人は、あっという間に遺跡の奥に消えていった。

 

 

 

 

そのころ、

フィーネとリリアは、遺跡で一休みしていた。

「何か、叫び声が聞こえなかった?」

フィーネが言うと、リリィがうなずく。

「先を急ぎましょう。」

2人は、遺跡を奥へと進んだ。

すると、広くなっている場所に出た。

何か、白い糸のような膜のようなものが上からぶら下がっている。

「ここは、何かしら?」

フィーネが言うと、奥の方に何かが動いた。

あれは、無数の足だ。それは、次第にはっきりと姿を現す。

「大きなクモ!?」

リリィが叫ぶ。

人間を丸ごと呑み込みそうなほどの巨大な蜘蛛だ。

無数の足が地面を叩くたびに振動がビリビリと伝わって来る。

真っ赤な複眼が一斉に視線をこちらに向け、ジロリと見据えた。

 

そして、よく見ると、そのクモの横には繭のような白い球が3つある。

「助けて!」

繭の中から声が聞こえた。その声は、イブだ。

「キキー!!」「助けてくれ!」

モックとゴブローも捕まっている。

 

「ねえ、みんな捕まってるみたい。どうしよう?」

リリィが怯えた顔で言う。

巨大なクモは、口の周りの触手を動かしながら、こちらの様子を伺っている。

 

「ああもう、面倒くさいなあ。虫は苦手なのよ。」

フィーネは巨大なクモを見て、ため息をついた。

 

 

 

 

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