メティー&ベルのアトリエ ーオラリオの錬金術士ー   作:斎藤 晃

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あんまり話は進みません。
グダグダする話が書きたかったんです。


ランクアップ!

 モンスター化の呪いの騒動が終わって1週間後、セシルさんが無事退院した。

 

 退院するまで毎日セシルさんのお見舞いにいっていたけど、特に後遺症もなく退院できた。

 

 そんなセシルさんだけではなく、アストレアファミリアの皆から感謝をされた。薬を作ったのも、セシルさんに使ったのもお母さんなのだけどなぁ。

 

「いやいやいや、ベル君がモンスター化の呪いなんてことに気づかなかったら、セシルはあのままモンスターになってたんでしょ? それを考えたら、ベル君の功績は大きいよ!」

 

「そもそも、モンスター化の呪いなんてものがあるなどとは、夢にも思いません。あなたの功績は十分に誇れるものです。」

 

「ベルのおかげで私はこのとおり無事でいられたんだから、もっと胸を張りなさいよ。」

 

 アリーゼさんとリューさんに褒めちぎられて、更にセシルさんにももっと堂々としろとまで言われた。

 

 そこまで言われてしまい、僕は恥ずかしくなってつい頬を指で掻いてしまう。こんなにも褒められたことなど人生でもそうあるものじゃない。

 

「しかし、これからはモンスター化の呪いにも気をつけなければならなくなるのか。しかも、セシルはエンゼルリボンを装備した状態でもなったって言うから、治療薬の確保は急務だよな。」

 

 ライラさんは僕の方を見ながらそんな事を言ってきた。

 

 どうやらライラさんは、今の僕が作るエンゼルリボンを発展アビリティ『耐異常』と似たようなものだと考えているらしい。

 

 そして、セシルさんは『耐異常』を持ってない。僕が作ったエンゼルリボンを装備していたにも関わらず、モンスター化の呪いにかかってしまったのだ。僕が作ったエンゼルリボンは、素材や調合技術の低さから十分な効果*1を発揮できていない。

 

 それでも、毒を無効化して状態異常にかかりにくくする効果があるのだ。*2それなのに呪いにかかってしまったのだ。

 

「はっきり言うと、僕の作ったエンゼルリボンの性能が低かったのが原因です。ごめんなさい。」

 

「そんな訳無いです! ベル君の作ったエンゼルリボンのお陰で私たちはどれだけ助かったことか。」

 

 僕が謝罪すると、マリューさんがそれを否定してきた。

 

 だけど、僕がきちんと作れなかったのが原因なのは間違いなかった。

 

 もし、きちんと作れていたら、状態異常無効化の効果を発現することが出来ていたら、セシルさんがこうなることはなかったはずなのだ。

 

「ならばこれからより精進して、より良いものを作ってくれれば良い。」

 

「はい! 頑張ります!」

 

 輝夜さんの言葉に僕は大きく頷いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんなやり取りがあった後に、無事復帰したセシルさんを交えてこれからの方針の決定をすることになった。

 

 なお、今回の話し合いは『星屑の庭』で行うことになり、ヴェルフも女の園に足を踏み入れることになった。

 

「ヴェルフ、ようこそこちら側へ。」

 

「お、おう。女ばかりのところに入るってのも結構勇気がいるもんだよな…。お前は本当に度胸があるな。」

 

「慣れだよ、慣れ。」

 

 ヴェルフと軽い冗談を言いながら、皆が揃うのを待つ。

 

 前回のダンジョン探索以降、僕はヴェルフと呼び捨てにするようになっていた。あれだけの激戦を共にして、他人行儀にさん付けするのもおかしいなと思って、僕から提案したものだった。

 

 それに対するヴェルフの反応は、「ようやくかよ。」というものだった。どうも、もっと前から呼び捨てにしてほしかったようだった。

 

 でも、僕にもけじめとかきっかけとかいうものが必要だったんだよ。

 

 それと、セシルさんも呼び捨てで構わないと言ってくれた。モンスター化の呪いの件で、セシルさんにも心境の変化があったようだった。これまで壁があるように感じていたけど、昔からの友人のように話し合えるようになって、とても嬉しくなった。

 

 今まで着込んでいた猫を脱ぎ去ったセシルさんは、凄く感情的な人だと思った。今までの知的な雰囲気は全て演技だったそうだ。女の人ってそういう所あるよね。

 

 ただ、年上の女性を呼び捨てにするのは抵抗があったので、これまで通りセシルさんと呼ぶことになったけど。

 

 ちなみに、リリは年上だと最近知って、呼び方をどうしようかと密かに悩んでいたりする。リリ自体はこれまで通りに呼んで欲しいと言ってきているけど。

 

「ベル君は、というよりもあなた達親子は私たちの命の恩人だからね? むしろこちらが敬意を払わなきゃならないのよ?」

 

 とはアリーゼさんの言葉だった。何でも、以前お母さんに命を助けられたことがあるとか。

 

 そして、今回のモンスター化の呪いの騒動で、アストレア・ファミリアの皆はお母さんのみならず、僕にまで恩義を感じるようになったとか。

 

「さて、雑談もこれくらいにして、錬金鍛冶研究会のこれからの方針を話し合いましょう。」

 

 セシルさんが手を叩いて場の雰囲気を静める。

 

 この研究会のリーダーはセシルさんになっていた。メンバーの中で唯一のレベル2ということもあって、誰からもそれには異論が出なかった。そう、今日までは。

 

「その前に、ヴェルフのランクアップを皆で祝いましょう。」

 

「おう、これからもよろしくな。リーダー。」

 

 セシルさんの言う通り、ヴェルフはレベル2になっていた。念願の鍛冶アビリティを取得し、上級冒険者の仲間入りを果たしたのだ。その上で、ヴェルフはこれまで同様にセシルさんにリーダーをお願いしていた。

 

 残念ながら、僕とセシルさんはランクアップは出来なかった。僕については、神様曰く基礎アビリティーも偉業も足りないらしい。

 

 ちなみに、リリは少しはステータスが上昇したとか。

 

「そして、アーシャちゃんもレベル2になったと。」

 

 アリーゼさんの言葉に、皆の視線がアーシャに向かった。アーシャはつい先日レベル2になっていた。

 

 冒険者になってから、つまりは恩恵を受けてから僅か1ヶ月弱でのランクアップ。

 

 これまでの最速記録はアイズ・ヴァレンシュタインさんの1年が最短記録だったと言う。それを大幅に塗り替える記録を出してしまった事で、アーシャはオラリオ中から注目を浴びることになってしまったのだ。

 

「1ヶ月でランクアップとか、訳わからなすぎない?」

 

「というか、何をしてレベル2になったの?」

 

 皆アーシャに疑問をぶつけるけど、アーシャは口を噤んだままだった。僕にもどうやってランクアップしたのか教えてくれていないので、真実は闇の中だった。

 

 だけど、僕は薄々感づいていた。たぶん、アーシャは単独で中層以降に潜っている。そして、中層のモンスターをバッタバッタなぎ倒したのだろう。

 

 それができるだけの実力も装備も、アーシャは持っているのだ。

 

「ねえアーシャ、1人でどれくらいまで潜ったの?」

 

「…18階層だ。」

 

 僕の質問に、アーシャはしばらく思案した後に答えてくれた。僕はその答えに対して、手を頭にやりため息を吐いた。

 

「は? 18階層って、ゴライアスと戦ったってこと?」

 

「いや、ゴライアスはいなかった。ロキ・ファミリアが倒したんだろう。」

 

「それでも無茶…ってわけじゃないのよね? あの【女帝】の弟子なんだし。」*3

 

 アーシャの言葉に場は騒然となった。レベル1が単独で18階層まで潜ったという事実はそれだけ重いのだ。

 

 だけど、アーシャはそれが出来てしまうのだけの力がある。

 

「アーシャはそれが出来てしまうんですよ。詳しくは話せませんが。」

 

 僕はアーシャのステータス表の写しを盗み見したことがあった。スキルも魔法も盛り沢山で羨ましかった。その後バレて滅茶苦茶ボコられたけど。

 

 以前に僕は自分のステータスを輝夜さんたちに話した事があったので、アーシャはそれを警戒して僕にも写しを見せてくれなかった。

 

 盗み見た内容はほんの少しだけだったけど、アーシャにも僕と同じく【靈魂収奪】のスキルが現れていた。恐らく、“魂を奪う”や“魂を吸収する”の特性が付いたアイテムや武器を過去に使っていたら、このスキルが現れるのだろう。

 

 問題は、その数値だった。僕が300くらいだったのに対して、アーシャのそれは20000を超えていたのだ。僕が錬金術の勉強をしている間、イクセルとともにレジーさんと戦いの訓練をしていたので、それが原因だと思うけど。モンスター相手に実戦もかなりしていたようだし。

 

 神様が言うには、恩恵を刻んだ当初のアーシャのステータスは、レベル3以上の能力があるのではないかと言っていた。その時の神様の顔は、本当に疲れ切っていたのが印象的だったけど。

 

「それと、アーシャはお母さんが本気で作った装備を持っているので、それも原因だと思います。そして、それが僕達の目指すべき目標です。」

 

 レベル1が単独で18階層まで往復できる装備。それを聞いた皆は目の色を変えた。

 

 神様の話も合わせると、今のアーシャは装備込みでレベル4から5くらいの力はあるのかも知れない。もしかしたらそれ以上かも知れないけど。

 

「なぁ、もしかしてレベルが上がる装備とかあるのか?」

 

「レベルは知りませんけど、ステータスを倍にしたりする事はできるはずです。」

 

「待って、待って。情報が、情報が多すぎるから!」

 

 今更ながらに僕たちの目指す目標がどれほど出鱈目なのかを話すと、皆が酷く驚愕した顔をしていた。ヴェルフとセシルさんですら同様だった。

 

 だって、2ヶ月前はアビリティーが10上がっただけでも大騒ぎだったのだ。それが2倍になるなんて、もはや次元が違う話だった。

 

「そ、そんなに滅茶苦茶なんですか!?」

 

 セシルさんが冷や汗を流しながら尋ねてきた。

 

「そもそも、僕の作った“鳥と陽の杖”の事も知っていますよね?」

 

 僕が作った“鳥と陽の杖”には最大4つの(スキル)が使えるようになる効果が存在している。残念ながら、僕の持っている素材と実力では“ガードブレイク”と“強化の術法”しか発現させられなかったけど、それでも破格の性能だということは、皆から教えてもらったことだ。

 

「杖を装備するだけで魔法が使えるようになるなんて、普通は妄想の産物と言ってしまえるほどなんだけどね…。」

 

 セルティさんがため息を吐きながら呟いた。“鳥と陽の杖”はアストレアファミリアに既に幾つか渡していて、使いこなすために練習をしていると言う。

 

 もっとも、まともに使えるのはセルティさんやリューさんを始めとする数人だけだった。どうも、扱いが難しいらしく、何回も魔力暴発を起こしているらしい。

 

「なんちゅうか、俺達の目指す先って出鱈目だな。」

 

 ヴェルフも引きつった顔で僕達の目指す先を見ていた。皆の視線が僕とアーシャに集まる中、アリーゼさんが深呼吸をした後に手を叩いて空気を入れ替えた。

 

「まあ、出鱈目なのは今更でしょう。あのメティーさんの作るものなんだし。それよりも、どうやればそこにたどり着けるかを考えましょう! バチコーン!」

 

 アリーゼさんの明るく脳天気な言葉に、皆がため息を吐いた。

 

「まずは現状で足りないものを整理しようぜ。」

 

 ヴェルフは何が足りないのかを幾つかあげていった。

 

 まずは、とにかく素材が足りない。数も質も両方共に。

 

 次に、錬金術を使うための知識と技量が足りない。

 

 これには誰も異論はないようで、ヴェルフの話に静かに聞き入っていた。

 

「1つ目はダンジョンに潜り続けていればいずれ解決するだろうな。」

 

「2つ目はとにかく数をこなさなくてはならないですね。私もヴェルフも、とにかくまだまだです。ただ、錬金術の知識や技術に関しては完全にベル頼みになってしまいます。」

 

 ヴェルフに続いてセシルさんも問題と解決策を言った。

 

 そして、僕がどうやらこの研究会の要となってしまうらしい。…まあ、オラリオで唯一の冒険者兼錬金術士だしね。

 

「そして、技量を磨くためには沢山の素材が必要になるってわけか。つまりは、当面の間は普通の冒険者がやることとあまり変わらないわけだな。」

 

 ライラさんはこれからの方針を総括して言った。だけどそれだけじゃないんだ。一番の問題は錬金術士と冒険者との知識の深刻な乖離なんだ。

 

「7階層辺りまでの素材については大体分かっています。それと、これが一番の問題ですけど、僕の知る素材と皆さんの知る素材とで、かなり呼び方や認識の違いが大きいということですね。例えば、フラムの原料になるカーエン石*4やフロジストン*5という素材があるのですが、これって、オラリオでは特に決まった名前もついていないみたいです。素材として扱われてないみたいなので。」

 

「えっ? それ本当なの?」

 

「他にも色々ありますけど、冒険者が採集しないので、市場に出回らない素材も多いんだと思います。」

 

「うそー。」

 

「話を元に戻すと、錬金術の習熟のためには何百回と調合を繰り返して、熟練度を上げていかないといけないと思います。それと同時に、自分に見合った材料や作り方の研究もしないといけないと思います。」

 

「自分に見合った材料や作り方? そんなの皆作り方は同じじゃないのか?」

 

「多分、自分独自の作り方を確立しないと、より上を目指せないと思うんですよね。基本的に錬金術士って、一人一人調合の仕方が微妙に異なるんです。僕とお母さんですら少し違ってたりするんで。多分、ヴェルフもセシルさんも微妙に違う材料や作り方になると思います。」

 

 同じアイテムを作るのに複数のレシピが伝わっているのだ。過去の錬金術士が各々で、自分にあったレシピを見出していた可能性は高いと思う。

 

 それと、僕とお母さんとの最大の違いは錬金スキルの有無だろう。これがあるのと無いのとでは天地の開きがある。

 

 それを使ってすらも、今の僕では逆立ちしたってお母さんには敵わないけど。

 

「ああ、鍛冶師も似たようなもんだな。皆、自分の癖とか独自の配合とかの秘伝ってものがあるからな。」

 

「そうね。基本は同じでも応用が違うことは沢山ありますし。それに加えて流派とか家系とかで、色々と違っていたりするし。」

 

 鍛冶師の2人は僕の言葉に納得の表情で頷いた。2人とも鍛冶師の家系だけど、結構やり方が異なることがあるので言い争いと言うほどではないけど、意見の違いがあったりするのだ。

 

「はぇー。魔法は一人一人違うものが発現するけど、それに似たようなものかしら?」

 

「まあ、そう考えて間違ってはいない、とは思う。間違ってないよな?」

 

「だと思うけど。」

 

 セルティーさんの疑問にヴェルフは首を傾げながらそう答えた。同意を求められたセシルさんも頷いたことで、皆が何となく僕の言いたいことを理解してくれた。

 

「話を戻すと、結局ダンジョンで素材を集めなければならない。だが、今のお前たちの実力ではそれもままならないということか。」

 

 輝夜さんがこれまでの事を総括して言った。

 そうだ。結局はそこに戻ってきてしまうのだ。

 

「より深く潜らないといい素材は得られないし、かといって他の冒険者に任せてると得られない材料が出てくる。とは言っても、モンスター化の呪いなんてものが見つかった今は、ダンジョンに潜るのは何となく躊躇してしまうもんな。」

 

「幸い治療法は分かっている。メティーさんも幾つか例の薬を作ってくれた。ならばやることは1つだ。」

 

 今回の話し合いをなぜ『星屑の庭』でやったかと言うと、アストレア・ファミリアがバックアップをしてくれることになったからだ。何故ヘファイストス・ファミリアではないかと言うと、現在ロキ・ファミリアと共に、主力がダンジョンの遠征に同行しているためだ。

 

 そして、アリーゼさんたちは僕たちが前回の探索で出会った、ミノタウロスの強化種のような存在がまた現れてもいいように、助力してくれるらしい。

 

 と言っても、基本は僕達だけで探索して、強化種のような僕達では手に負えない敵が現れたときだけ、手助けしてくれるらしい。

 

 僕を失うのは何とかして防ぎたいと言われたのだ。アーシャにも冒険者として大成するよりも、錬金術士として大成できるように努力しろと言われている。*6

 

 なお、モンスター化の呪いについては既に公表されていた。ディアンケヒト・ファミリアには僕の知っている限りの情報を渡したし、セシルさんを隅々まで調べ尽くしたと言っていたから、今現在、一番例の呪いに詳しいのはあそこになると思う。

 

 それと、呪いを治したのはアミッドさんということになっているそうだ。お母さんは目立つのを嫌がったので、ディアンケヒト様がそういう事にしてしまった。アミッドさんは若干嫌そうな顔をしていたそうだけど。

 

 ギルドはモンスター化の呪いを知らされて恐慌状態になったらしい。冒険者たちにも少しずつ周知されていて、ダンジョンへ行くのを控える人もちらほらいるのだとか。

 

 世間では、『ダンジョンの悪意がまた1つ見つかった。』と恐れおののいていたり、いつものことだと気にしなかったりと、反応はまちまちらしい。

 

 幸いなのは治療法が確立されていることだけだろうか。

 

 お母さんからは、1年以内に“万能厄除け香”を調合できるようになれとの課題をもらった。出来なければ罰金100万ヴァリスらしい。

 

 お母さんでも調合するのが難しいものを、1年で作れとは厳しすぎるけど仕方がない。お母さんの言うことは絶対なのだ。言うことを聞かなければどうなるのか、考えるだけで恐ろしい。

 

 でも、手元にエリキシル素材が無いので、まずはそれを探すところから始めるしかない。それに加えて、神秘の力素材もほとんど手持ちはなかった。採取できたものの殆どを、エンゼルリボンを作るのに使ってしまったからだ。*7

 

 もともと旅をしていた頃でも、この2つのカテゴリーの素材は採取地が限られていたのだ。ダンジョンでも似たようなものなのかも知れない。

 

 ちなみに、エリキシル素材には失敗作の灰も含まれているけど、効果を発現できるだけの錬金成分がないので使えるものは作れない。

 

 そして、素材を揃えた上で、少しずつ難易度の高いものを調合していって、錬金術の腕を上げていき、1年以内の“万能厄除け香”を調合できるようになるのが目標になる。

 

「という訳で、ダンジョンへの出発は明日。目指す階層は18階層。アストレア・ファミリアからは、団長たる私とライラとリオンが参加するわよ。」

 

 レベル5が1人、レベル4が2人という戦力が僕達と一緒にダンジョンに潜ってくれる。もちろんアーシャも参加するし、リリはアーシャが強制的に連れて行くと言っていた。*8

 

 アリーゼさんたちが参加するのは、早急に“万能厄除け香”の材料を見つけ出す必要があるためだ。現状ではお母さんしか作れないのは、色んな意味で問題らしい。

 

 また、18階層が目的地なのは、その辺りで僕達が限界だと考えたからだという。同時に、モンスターの出現しない安全地帯であるため、採集もしやすいだろうということだった。

 

 18階層での採集は僕も期待している。なんといっても大規模な森があって、水場もあるらしいのだ。鉱石もそれなりにあるようなので、採集をするにはうってつけの場所になる。

 

 最終的な参加戦力は、レベル5が1人、レベル4が2人、レベル2が3人、レベル1が2人の合計8人のパーティーになる。リリとともに僕が一番レベルが低い事を知り、つい「リリは僕を裏切らないよね?」なんてことを言ってしまったくらいショックを受けてしまっていた。

 

「あなた達の成果を早く見たくてウズウズするわね。」

 

「私はワクワクかしら。」

 

「僕からしたらちょっと複雑だよ。ベル君が成長するのはいいけどさ。お願いだからあんなもの*9作らいないでね。」

 

「ん? なんか言った?」

 

 ヘファイストス様達は僕達を見ながら何事かを話しているようだった。

 恐らく僕達のだす成果を楽しみにしているんだろうけど、それを考えると身が引き締まる思いだ。

 

 でも、明日からの冒険を考えると、とても楽しみだ。いろんな素材や特性を見つけられるといいな。

 

 

 

 

「ところでよ、セシル嬢がこの研究会のリーダーなのに、アストレア・ファミリアの幹部が仕切る形になってるな。」

 

「私としてはそっちのほうが有り難いけどね。先輩達を差し置いて司会役をするのはやっぱ気後れするから。」

 

 

*1
状態異常無効化のこと。

*2
アリーゼが効果を実証した。

*3
そういう事になっている。

*4
不思議シリーズでのフラムの原料。

*5
黄昏シリーズでのフラムの原料。

*6
アストレア・ファミリアからもそれを望まれている。

*7
アストレア・ファミリアの人数分を作っている。それに加えて、リリルカとヴェルフの分も。

*8
サポーターとして優秀すぎるのが悪い。

*9
終末の種火のこと




何故セシルを出したかと言うと、原作のアストレア・ファミリアでクラフターなのが、セシル(鍛冶師)とライラ(爆弾や毒薬を作っている)くらいしかいないからです。ライラはレベル4なので、ベルたちとは組ませにくいよなと思ってセシルにしました。
あと、セシルが勝ち気な性格なのが気に入りました。ヴェルフといいコンビになりそうだし。

なお、スキルの【靈魂収奪】はアトリエ的なレベルを神の恩恵のレベルへコンバートする機能もあります。


この作品における、ダンまちの属性での強化とアトリエの効果や特性での強化の違い。

属性:攻撃力を上げたり防御力を上げたりできる。それらはステータスやレベルに依存する。また、火や氷などの付与ができる。

効果と特性:上記に加えてステータスそのものを直接強化できる。場合によってはレベルも上がる。経験値の獲得量を上げたり、幸運や状態異常無効などのスキルや発展アビリティと同じような働きをする。
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