メティー&ベルのアトリエ ーオラリオの錬金術士ー 作:斎藤 晃
ダンまち世界ならなおさらだと思います。
ある日、私はお店の片付けをするとアミッドさんとともに、ディアンケヒト・ファミリアの経営する病院へとやって来ていた。目的はとあるエルフの女性を診察するためだ。
「フィルヴィスさん、診察の時間ですよ。」
アミッドさんは病院の制服に着替えて、私を連れて目的の患者がいる病室へと入っていった。この病室はフィルヴィスさんだけしかいない個室となっている。私たちが入った時、エルフの少女がフィルヴィスさんと談笑している最中だった。
「あら、お友だち?」
「はい。私はレフィーヤ・ウィリディスと申します。あの、フィルヴィスさんを治療してくださり、本当にありがとうございました。」
そう言ってフィルヴィスさんは丁寧に頭を下げてきた。エルフとは思えない腰の低さと丁寧さに、私は思わず呆気にとられてしまった。
「まったく、来なくていいというのにこうして毎日のように押しかけてきて。まあ、退屈はしないがな。」
「でも、お見舞いに来てくれる人がいて嬉しいでしょ?」
「そ、それは……。」
私も入院したことはあったけど、入院中は病室でできることが少な過ぎて本当に退屈なのよね。まあ、私の場合はファミリアのホームに居るときですら、部屋から出られない時のほうが多かったけど。あの頃に暇つぶしで始めた絵かきが、今では錬金術の素材採集で大いに役立っていることを考えると、とても皮肉に思えてくる。
話を戻すと、フィルヴィスさんはモンスター化の呪いに掛かっていた。アミッドさんがディオニュソス様が作った毒酒の影響を受けてないか、ディオニュソス・ファミリアの団員を診察している時に見つけたらしい。
幸いにしてなんとか治すことは出来たけれど、正直言って魔石までが形成されていたのは驚きだった。それを見せる時の彼女の涙を見て、必ずこの人を治して見せると私は心に誓ったのだ。モンスター化の呪いにかかった人の診察をしたのは彼女で3人目だったので、確実に治せると口にすることは出来なかったけど。
でも、フィルヴィスさんにとっては、私は一筋の希望に見えたことだろう。そういえばモンスター化の呪いに関する昔話の中では魔石には言及されていなかったけど、やはり万能厄除け香で消滅したのかしら?
治療では呪い自体は万能厄除け香で治療できたけれど、それと同時に魔石も消滅した。魔石が消滅すると同時にフィルヴィスさんの身体は、まるでモンスターのように灰となって消え去り始めてしまった。
さすがの私も慌てて、秘密バッグの中からとっさに取り出した回復アイテムを使ったことで、なんとか蘇生することが出来たけど。問題は、その時使ったアイテムだった。エリキシル剤を使ったのだけど、それが原因でフィルヴィスさんの恩恵は消え去ってしまったのだ。
今はそのことについては秘密にしてあるけど、いつかは話さなくてはならないのよね。アミッドさんにはこっそりと話したけど、理解が追いつかなかったのか気絶してしまったし。はぁ、どうしようかしら。
「はい、これで今日はおしまい。あと何回か念のために万能厄除け香を使っておきましょうね。」
「はい。本当に……、本当にありがとうございます!」
「私からもお礼を言わせてください! ありがとうございました。」
私の言葉に、フィルヴィスさんとレフィーヤさんは涙を流しながら、何度も感謝の言葉を口にしてくる。それを聞いて、私は少し顔がにやけてくるのを感じた。こうして人を治療するのは、何度やっても気持ちいいのよね。
アミッドさんは、フィルヴィスさんが何年か前にモンスター化の呪いにかかったのではないかと言っていた。その頃に、フィルヴィスさんは強力なモンスターに襲われてしまい、その時の数少ない生き残りなのだとか。その時のモンスターは強化種では無いかと言われているようで、アミッドさんはモンスターが強化種になると、モンスター化の呪いを持つようになるのではと推測しているようだ。
一方でフィルヴィスさんは、長年この事を誰にも話せずにいたらしい。いつかモンスターとなり人を襲うことになるのだと諦めかけていた時に、アミッドさんが呪いを見つけ出したという。だから、呪いについて知られた時に逃げ出そうとしたので、説得するのにかなり苦労したと、アミッドさんは言っていた。
「あの、ディオニュソス様のことですけど……。」
「ごめんなさい、私は知らないの。アミッドさんは知ってる?」
「私も詳しくは知りませんが、ガネーシャ様とアストレア様が身柄を確保したそうです。流石に、こうなるまで放置しておくのは、私も許せません。」
フィルヴィスさんは、ただ1人だけディオニュソス様に自分の事を話したそうだ。その上でディオニュソス様はフィルヴィスさんを受け入れてくれたそうだ。でも、フィルヴィスさんの身体については、どうすることも出来なかったらしい。
「もし、もっと早く相談してくれていたら、アミッドさんだったらどうしてたと思う?」
「……私だけでは正直なんの治療もできなかったと思います。セシルさんの時ですら、何も出来ずに呆然としていただけでしたし。ベルさんが診察してモンスター化の呪いだと言い出しても、そんなものあるはず無いと心の何処かで思っていましたし。」
アミッドさんはオラリオで最高の治癒師と呼ばれているけれど、モンスター化の呪いの前では無力なのだと言う。だからこそ、私に弟子入りしようと思ったのだという。
でも、彼女ってここのところ成長が停滞してしまっていて、錬金釜を爆発させる回数も増えているのよね。私の教え方が悪いのかしら?
「……私は、これまで未来のことなど考えられませんでした。どう死のうかとかばかり……。でも、あなたが私に未来をくれました。本当にありがとうございます。」
「ふふふ。私も昔酷い病気になってね、余命1週間とか言われたことがあるのよ。」
「嘘でしょ、先生。」
「そんな!」
「でも、その時に現れたのが、私の錬金術士の先生のフリッツ先生だったのよ。もうベッドから起き上がる事すら出来なかった私に、凄い薬を処方してくれてね。たった3日で立ち上がるまで回復したのよ。」
「すごいです! さすがはフリッツ大先生。」
「そんな物語みたいな話が本当にあるなんて!」
「私と同じ......。」
私の話を3人とも興奮気味に聞いていた。私もつい時間を忘れて、フリッツ先生に弟子入りして、旅について行き世界中を廻った話をしていった。
ある遺跡で封印されていたモンスターを倒して、ドロップアイテムを素材にして新しい道具や薬を調合したこと。
ある村では流行病を治すための薬を作って、村人を治療して回ったこと。
ある街では過度な森林伐採によって精霊が暴発寸前だったのをなだめて、街の住人との間を取り持ったことなどを話した。……そういえばあの後、その精霊が超絶パワーアップしてしまったのよね。
「旅ですか……。私もいつかは行ってみたいですね。」
「冒険者の私たちでは難しい面もありますが、メティー先生がしたような旅には憧れますね。」
フィルヴィスさんとアミッドさんは、私の話に感化されたのか旅に行きたいと思うようになってしまった。まあ、将来の目標を持つのは何ら悪いことではないでしょうから、大丈夫でしょ。
「それじゃあ、また来週来ますね。無理はしないように。」
「はい。本日はありがとうございました。」
こうして、私の唯一の患者であるフィルヴィスさんの診察は終わったのだった。
「次はリドさんね。」
「正直あの人を治す方法があるとは思えないのですが……。」
病院を離れてバベルへと向かう道すがら、私たちはリドさんについて話していた。リドさんというのは、アリーゼさんたちがダンジョンから連れ帰ってきたモンスター化の呪いに冒された男性のことだ。完全にモンスターと化してしまっていたけれど、人間の心は奇跡的に残っていた。
彼がオラリオへと姿を表すと大騒動になってしまい、ギルドはバベル内の病室に軟禁してしまった。彼に接触できるのは限られた医療系ファミリアの人たちだけで、私は数少ない例外らしい。意外なところだと、フェルズさんも私と同じ例外らしく、結構お見舞いに行っているらしい。
「リドさん、診察の時間ですよ。」
「お、もうそんな時間なのか。」
病室に入ると病人服を着たリドさんは静かに本を読んでいた。彼は最初の頃はあまり文字の読み書きができなかったけど、フェルズさんを教師役にして文字の勉強を続けた結果、かなりの読書家になっていた。
「ダンジョンじゃ本を読むこともなかったからな。贅沢をいうと外を出歩きたいが、あんな騒ぎになっちまったからな。」
「申し訳ありません。私たちの力が足りないために……。」
外を歩きたいとリドさんの零した言葉にアミッドさんが謝罪をする。リドさんはこんな事を言っているが、その気になれば自力で外に出ることだって出来るはずだ。アリーゼさんが言うにはリドさんはかなり強いらしいし。
「諦めないで。私もあなたを治すために全力を尽くすから。」
「そう言ってもらえるだけでオレっちは嬉しいぜ。」
リドさんはあまり私の言葉を素直に受け止めてはくれなかった。けれど、私は諦めるつもりはない。彼の体を人間に戻すことは諦めたけれど、元の体に限りなく近くすることは出来るはずだ。ダミアー・ファミリアの畑を使ってその準備はもう始めている。きっと良い結果が出てくれるはずだ。
リドさんの診察が終わった後、私はアミッドさんに見て欲しい物があると言われて、再び病院へと戻ってきた。病院の中でもかなり奥まったところにある廊下を歩いていく。私は部外者なのにこんな所にまで来てしまって良いのだろうか?
「事前に話はしていますし、団長権限で許可しています。オラリオで唯一あの呪いを治療できる人を拒むなんて、私が許しません。」
「それって、組織的に大丈夫なの?」
正直言って頭が痛い。アミッドさんが私を慕ってくれるのは嬉しいけれど、それが原因で他人に恨まれたくはないのだ。
「それは大丈夫だと思いますよ。これからお見せするものは、ベルさんが抽出したあの呪いですから。」
「そういえばベルが抽出してアミッドさんに渡したって言っていたわね。」
この時になって、私はようやく合点がいった。アミッドさんは、私に抽出したという呪いを見せてアドバイスを貰いたいのだろう。以前聞いた話では、非常に強力な呪いのために、治療薬の開発は頓挫したと聞いていたけれど……。
「治療薬自体の開発は今も細々と続けています。呪いを判別するための試薬も、その過程で生まれました。ただ、肝心の治療薬の開発に繋がる道筋が見えてこないのです。」
アミッドさんと話しながら入ったのは、厳重に鍵がかけられた小部屋だった。部屋の中の棚には様々な薬品や素材が保管されていた。これって、竜のウロコかしら。こっちは何の卵だろうか、両手で抱えないといけないような大きな卵が置いてあった。
「この中にあります。」
アミッドさんは鍵の束を取り出して、大きくて頑丈そうな金庫を開いた。その中にも様々な薬品の入った瓶や素材が並べられている。この中には、私が見知った素材はなかった。薬品には一部効果が発現しているものがあるので、アミッドさんが作ったのも置かれているようだ。
「嘘……。ない……。」
その時、金庫内を見渡したアミッドさんは固まったように動かなくなった。
「どうしたの?」
「この中に入れてあったモンスター化の呪いを抽出した毒瓶が無くなっているんです!」
「あの呪いを紛失したなんて大事じゃない! 数分でミノタウロスになるんでしょ?!」
「ああっ、どうしましょう……。まずは皆を呼んで確認をしなければ。」
混乱していたのは一瞬だけで、すぐに団員を集めようと動き出した。アミッドさんって、家では結構抜けている所があるけれど、ここではしっかりとしているのね。でも、その前に。
「金庫はきちんと閉めたほうが良いわよ。」
「……はい。」
金庫の鍵を開けっ放しで、部屋から出ていこうとしたアミッドさんを、私は呼び止めた。私の指摘に素直に金庫を閉じて鍵を閉めると、部屋から出ていく。
「まずは皆を集めなくては。」
アミッドさんは病院内を駆けずり回り、30分ほどで保管室に入れる資格のある人全員を集めてきた。人数は8人ほど。
そして、アミッドさんが何があったのかを説明すると、集まった人たちは皆して驚きの声を上げた。
「最後に金庫を開けたのはお前だったよな?」
「いや、その後にこいつが開けたはずだ。」
「私は先々週に保管庫に入りましたけど、それ以降は全く入っていません。」
「入室記録を持ってきましたが、ほとんど空白ですね……。書いてるのは団長の他には2、3人ほどです。」*1
あの部屋や金庫の鍵は凄く厳重な作りだったけど、管理は結構適当なのかしら? アミッドさんの方を見てみると、頭を手で押さえて必死に頭痛と戦っているようだった。
「モンスター化の呪いの毒瓶に触れた人は手を上げてください。」
アミッドさんがそう言うと、7人が手を上げた。
「では、今週触った人は?」
今度はゼロだった。こういうやり取りを暫く続けた後に、どうやら毒瓶を最後に触ったのは、エルザという少女らしかった。それが17日前の事だという。
「17日間もあの毒瓶がないことに気が付かなかったなんて……。」
とうとうアミッドさんは床に倒れ込んでしまった。集まった人たちが慌てて駆け寄るけど、アミッドさんはそれを気にすることなく頭を抱えてブツブツ何かを呟いてばかりいた。
これ、どうしましょう?
寝込んでしまったアミッドさんに一言告げて、ディアンケヒト・ファミリアから愛しい家に帰ってきて小一時間が経った頃、アーシャが慌てて調合室に駆け込んできた。
「大変だ! ベルが拐われたらしい!!」
「なんでっ!」
アーシャが言うには、バイトの面接をしている最中に、応募者の1人が突然拐っていったのだという。この事を知らせてくれたのは、リリルカという小人族の少女だった。ベルの傍にいつもいるあの子だ。
「とりあえずベルのお店に行きましょう。」
ベルのアトリエは、ここから少し遠いところにあるが、そこまで時間がかかるわけでもない。ベルのお店に着くと、アストレア・ファミリアの団員が既に来ていた。
「メティーさんも来たんだ。ごめんなさい、メティーさん。ベル君のことを守れなかった……。」
アリーゼさんが頭を下げてきたけど、そんな事よりも息子がどうなったのか、今何処にいるのかを調べる方が大事だ。何処に連れて行かれたのかを話し合っていると、顔に傷のあるいかつい男性冒険者がやって来た。ゴロツキっぽいわね。何のようかしら。
「済まねえ、途中で見失った。」
話を聞くと、この冒険者はベルのアトリエの常連客らしく、今回のバイトにも応募していたらしい。レベル3の冒険者らしいけど、レベル5の女冒険者にベルが連れ去られるのを見ているしか出来なかったことが歯がゆくて、追いかけていたらしい。
見かけによらず良い人そうね。
「ナイスだぜ。その方向なら多分イシュタル・ファミリアのホームに連れて行ったんだろうな。」
「ホームに連れ込まれていたら、取り戻すのは至難の業だぞ。」
「とは言え、何もしないわけにもいかないでしょ。とりあえず、イシュタル・ファミリアのホームの近くまで行くわよ。それからの事は、後で考えましょ。」
「実質ノープランか。団長らしいな。」
アストレア・ファミリアの団員で、ここに集まっているのは、アリーゼさん、輝夜さん、ライラさん、ネーゼさん、リャーナさん、セルティさんの6人だった。残りは『星屑の庭』で待機しているらしく、私もアーシャと共にそこに行くように言われた。
それと、モルドさんという男の人は流石にこれ以上は助力できないらしい。ファミリア同士の抗争にまで発展するとなると、自分1人で決めるわけには行かないと肩を落として帰っていってしまった。
そんな彼の後ろ姿を見送りながら、私は怒りに燃えていた。
「私のベルを拐っておいて、何もしないなんてこと、出来るわけがないでしょ。」
私はポーチ型の秘密バッグ*2からはたきを取り出し、ついで終末の種火を取り出した。アーシャが少し驚いた顔をしているけど、私はそれほど怒っているのだ。「可愛い子には旅をさせよ」なんて言うけれど、こんなことのために冒険者になるのを認めたのではないのだ。
一方で、終末の種火について知らないアリーゼさんたちは頭を傾げていた。
「た、種火なんて取り出して……。だ、駄目だよ、メーテリア君! そんなの使っちゃ下界が火の海に……。」
「大丈夫ですよ。オラリオを更地にするくらいですから。」
「それが駄目だって言うんだよ! ほら、皆も止めるのを手伝って。」
ヘスティア様はアリーゼさんたちに終末の種火について説明しているようで、アリーゼさんたちの顔がだんだん驚きと恐れに満ちた顔になっていった。
「あ、あのー、その種火だっけ? それ使わないでいてくれたらなー、って思うのですけど……。」
「大丈夫よ。拐った連中は魂まで消し飛ばすから。」
「は、話が通じない。と言うか魂まで消滅するんですか、それ!」*3
「母さん、流石に終末の種火まではやりすぎだと思う。せめてメテオールにしよう。」
「メテオールもダメーッ!」
アリーゼさんやアーシャの説得に、渋々と私は終末の種火を元に戻した。仕方がない。メテオールで我慢するか。
「と、とりあえずアストレアに会いに行こう! 君が出張ったらアストレアにも迷惑がかかるよ。」
ヘスティア様の言葉に、流石に頭に血が上っていたかと少し反省する。これまでもアストレア様には迷惑をかけっぱなしだったのだ。ここで更に迷惑をかけるのは本意ではない。
「分かりました。アストレア様のもとへ向かいます。アリーゼさん、ベルのことをお願いします。」
「わ、わかりました! ベル君は無事に届けますから、大船に乗ったつもりでいてください。だから、その、早まらないでくださいね?」
「おい団長、下手をしたらイシュタル・ファミリアと抗争になるのだぞ。簡単に言ってくれるな。」
「仕方ないじゃない輝夜。私たちが出来なかったら、最悪の場合地上は焼け野原になっちゃうんだし。」
流石に終末の種火にそこまでの威力はないし、オリンピアにある原初の火が穢れた炎を吸収してくれるので、その心配は的外れだった。
ただ、よく考えればオリンピアにいる先生達には、私が終末の種火を使ったということがバレるってことよね。不用意な使用は控えるように、と先生やヘラ様に言われているので、ここで私が使ったら何を言われるか分かったものじゃない。使用を思い留めさせてくれた、アーシャとアリーゼさんに感謝しないとね。
「あ、あの、ライラ様、私も連れて行ってください。」
「あ? レベル2に成りたてが来ても足手まといになるだけだぞ。大人しく待ってろ。」
「ちょっと耳を貸してください。私は―――という魔法を―――して。」
「マジで! アリーゼ、こいつも連れて行くぞ。」
「なになに? 突然どうしたの?」
「多分こいつを連れて行ったら役立つはずだ。ここで話すのは不味い。」
「分かったわ。目的地に行きながら話しましょう。」
リリルカさんがアリーゼさんたちに同行することになったらしい。私は駄目だったのに、何でと思う。
「終末の種火を見せたのが原因だろ。」
「そうなのかな……。」
「それしか無いだろ。」
アーシャは呆れたような表情をしながら、ため息を吐いた。
その後、私たちは『星屑の庭』へと移動することになった。そこでアリーゼさんたちが、ベルを無事に連れて帰ることができるように願いながら、短くも長い時間を過ごす事になったのだった。ベル、絶対に無事でいてね。
アミッドやメティーは、ディオニュソスとフィルヴィスのやってきたことは知りません。これからも知ることはないでしょう。(多分)
リドは大人しく病室で本を読んでいます。そろそろダンジョンに戻りたいな、とか考えてたり。
リリルカがライラに言ったのは、自分の変身魔法です。これでイシュタル・ファミリアのホームに潜入できることをアピールしました。