ザマスは手を振り上げ、破壊の気をブウへ向けて放った。
紫の閃光が一直線に走り、大地を抉りながらブウを飲み込む。
爆風が吹き荒れる。だが、煙の中から、ブウが歩み出てきた。
体の一部が吹き飛んでいる。しかし、すぐに再生し、元の姿へ戻る。
ザマスの瞳がわずかに細くなる。
「再生能力か。なるほど、ただの生物ではないようだ」
次の瞬間、ブウの姿が消えた。ザマスの目の前に現れ、拳を叩き込む。
衝撃が空気を裂き、ザマスの体が後方へ吹き飛ぶ。
ザマスは空中で体勢を立て直し、すぐに反撃の気弾を放つ。
ブウはそれを手で受け止め、柔らかい体で吸収し、そのまま弾き返した。
ザマスは驚きの色を隠せない。
「攻撃を……跳ね返しただと……?」
ブウは無言のまま、再びザマスへ向かって飛び込む。
二人の拳がぶつかり合い、衝撃波で地上の建物が破壊される。
大地に亀裂が走る。
ザマスは怒りを帯びた声で叫ぶ。
「正体不明の怪物め……神の正義を阻むなら、消し去るまでだ!」
ブウとザマスの拳がぶつかり合うたび、ナメック星が震え、大地が裂けた。二人のエネルギーは、どちらも底が見えない。無限に湧き上がる力が、衝突のたびに爆発を生み出す。
ザマスは不死身。ブウは再生し続ける。
「貴様は一見、不死身のようだが……」
ザマスの声は冷たく、確信に満ちていた。
「神の気で完全に消し飛ばされれば、そうは行くまい」
ブウの再生能力に遅延が起こり始める。
ブウの再生の瞬間に生じるわずかな間を、ザマスは正確に狙い続けた。
界王神はその事実に気づき、息を呑む。
ザマスの破壊の気が大地を裂き、ナメック星の大地が悲鳴を上げる。
ブウはその攻撃を受け止めながら、星への被害を最小限に抑えようと必死に力を分散させていた。その心は、ブウ自身の物だった。今のブウの体から溢れる光は、確かに大界王神の神気を宿している。
だが。
悟飯と過ごした日々。トランクスと笑い合った時間。ビーデルに叱られたこと。パンに抱きつかれて照れた瞬間。そのすべてが、ブウの中に、優しさという形で積み重なっていた。
ザマスの攻撃が迫るたび、ブウは星を守るように動く。
それは本能ではない。命令でもない。大界王神の残滓だけでもない。
ブウ自身が選んだ行動だった。
ザマスは苛立ちを隠さず、破壊の気をさらに高める。
ブウは、両腕を広げて攻撃を受け止める。
界王神は、そのブウの心を感じ取る。
「ブウ…!」
ザマスは叫ぶ。
「悪あがきを!」
破壊の気がさらに膨れ上がり、ナメック星の空が裂ける。
ブウはその光を受け止め、体が吹き飛ばされながらも、星への被害を抑え込むように動いた。
ザマスの放つ、紫の光が渦を巻き、ナメック星の空と大地が悲鳴を上げる。ブウも、再生能力があろうと、この神の破壊には耐えられない。
ブウにとって初めての経験。痛み、疲労、苦しみ。しかし、ブウは、諦めずに立ち向かう。
持ち前の身体能力だけではない、悟飯との日々の訓練で育てた技、力、そして今、神の気を纏ったブウは、無敵を得たザマスにもくらいついた。
何度も吹き飛ばされ、再生し、苦しみ、しかし、立ち上がる。
だが、消耗は激しい。限界は近かった。
界王神は叫びそうになるのを必死に堪えた。
『ブウ…!私は…またしても無力だ…!』
ザマスの掌がゆっくりと前へ突き出される。
「終わりだ。正体不明の怪物よ」
界王神がザマスに対し、金縛りを仕掛ける。
「一秒でも!刹那でも!時間を稼ぐ!」
その行為にザマスは、強くいら立つ。
「無駄だと言っている!」
そして界王神に向けて気弾を放つ。
界王神は、カッチン鉱を出現させなんとか防御するも吹き飛ばされる。
両腕の骨が折れた。
「うぐ…!まだだ…!」
界王神は視線による念道力でザマスを封じようとする。
ザマスのいら立ちが高まる。
「ふざけているのかぁぁぁっ…!!!」
界王神は、気を爆発させ、無駄だと分かっていても、ザマスの気を引こうとする。
ザマスの手から、破壊の光が放たれた。
ブウが両腕を広げ、その光の前に出る。界王神と、星を守るように。
その体は光に飲まれ、輪郭が崩れ始めた。
界王神の心臓が凍りつく。
「ここまでか…!」
その瞬間だった。
空気が震え、ナメック星の空に新たな気が現れた。
ブウと界王神を破壊の光から救い出す。
ザマスが眉をひそめる。
「……何だと!?」
黒髪が風に揺れ、その瞳は迷いなくザマスを捉えている。
悟飯だった。
ザマスは怒りで震える。
「次から……次へと……よくも……」
悟飯はブウに静かに言った。
「ブウ……よく耐えてくれた。もう大丈夫だ」
ブウはかすかに笑った。その笑顔には、悟飯と過ごした日々の温かさが宿っていた。
「界王神様も、ありがとうございました」
「悟飯さん…いえ、私など…!」
ザマスは怒りを露わにし、悟飯へ向けて気を高める。
悟飯は、ザマスを真正面から見据えた。