ダークネスウォリアー孫悟飯   作:晴歩

21 / 35


 ザマスは手を振り上げ、破壊の気をブウへ向けて放った。

紫の閃光が一直線に走り、大地を抉りながらブウを飲み込む。

爆風が吹き荒れる。だが、煙の中から、ブウが歩み出てきた。

体の一部が吹き飛んでいる。しかし、すぐに再生し、元の姿へ戻る。

 

ザマスの瞳がわずかに細くなる。

 

「再生能力か。なるほど、ただの生物ではないようだ」

 

次の瞬間、ブウの姿が消えた。ザマスの目の前に現れ、拳を叩き込む。

 

衝撃が空気を裂き、ザマスの体が後方へ吹き飛ぶ。

 

ザマスは空中で体勢を立て直し、すぐに反撃の気弾を放つ。

ブウはそれを手で受け止め、柔らかい体で吸収し、そのまま弾き返した。

 

ザマスは驚きの色を隠せない。

 

「攻撃を……跳ね返しただと……?」

 

ブウは無言のまま、再びザマスへ向かって飛び込む。

二人の拳がぶつかり合い、衝撃波で地上の建物が破壊される。

 

大地に亀裂が走る。

 

ザマスは怒りを帯びた声で叫ぶ。

 

「正体不明の怪物め……神の正義を阻むなら、消し去るまでだ!」

 

 

 ブウとザマスの拳がぶつかり合うたび、ナメック星が震え、大地が裂けた。二人のエネルギーは、どちらも底が見えない。無限に湧き上がる力が、衝突のたびに爆発を生み出す。

 

ザマスは不死身。ブウは再生し続ける。

 

「貴様は一見、不死身のようだが……」

 

ザマスの声は冷たく、確信に満ちていた。

 

「神の気で完全に消し飛ばされれば、そうは行くまい」

 

ブウの再生能力に遅延が起こり始める。

ブウの再生の瞬間に生じるわずかな間を、ザマスは正確に狙い続けた。

 

界王神はその事実に気づき、息を呑む。

 

ザマスの破壊の気が大地を裂き、ナメック星の大地が悲鳴を上げる。

 

ブウはその攻撃を受け止めながら、星への被害を最小限に抑えようと必死に力を分散させていた。その心は、ブウ自身の物だった。今のブウの体から溢れる光は、確かに大界王神の神気を宿している。

 

だが。

 

悟飯と過ごした日々。トランクスと笑い合った時間。ビーデルに叱られたこと。パンに抱きつかれて照れた瞬間。そのすべてが、ブウの中に、優しさという形で積み重なっていた。

 

ザマスの攻撃が迫るたび、ブウは星を守るように動く。

それは本能ではない。命令でもない。大界王神の残滓だけでもない。

 

ブウ自身が選んだ行動だった。

 

ザマスは苛立ちを隠さず、破壊の気をさらに高める。

ブウは、両腕を広げて攻撃を受け止める。

 

界王神は、そのブウの心を感じ取る。

 

「ブウ…!」

 

ザマスは叫ぶ。

 

「悪あがきを!」

 

破壊の気がさらに膨れ上がり、ナメック星の空が裂ける。

ブウはその光を受け止め、体が吹き飛ばされながらも、星への被害を抑え込むように動いた。

 

 

 ザマスの放つ、紫の光が渦を巻き、ナメック星の空と大地が悲鳴を上げる。ブウも、再生能力があろうと、この神の破壊には耐えられない。

ブウにとって初めての経験。痛み、疲労、苦しみ。しかし、ブウは、諦めずに立ち向かう。

 

持ち前の身体能力だけではない、悟飯との日々の訓練で育てた技、力、そして今、神の気を纏ったブウは、無敵を得たザマスにもくらいついた。

 

何度も吹き飛ばされ、再生し、苦しみ、しかし、立ち上がる。

だが、消耗は激しい。限界は近かった。

 

界王神は叫びそうになるのを必死に堪えた。

 

『ブウ…!私は…またしても無力だ…!』

 

ザマスの掌がゆっくりと前へ突き出される。

 

「終わりだ。正体不明の怪物よ」

 

界王神がザマスに対し、金縛りを仕掛ける。

 

「一秒でも!刹那でも!時間を稼ぐ!」

 

その行為にザマスは、強くいら立つ。

 

「無駄だと言っている!」

 

そして界王神に向けて気弾を放つ。

 

界王神は、カッチン鉱を出現させなんとか防御するも吹き飛ばされる。

両腕の骨が折れた。

 

「うぐ…!まだだ…!」

 

界王神は視線による念道力でザマスを封じようとする。

 

ザマスのいら立ちが高まる。

 

「ふざけているのかぁぁぁっ…!!!」

 

界王神は、気を爆発させ、無駄だと分かっていても、ザマスの気を引こうとする。

 

ザマスの手から、破壊の光が放たれた。

 

ブウが両腕を広げ、その光の前に出る。界王神と、星を守るように。

その体は光に飲まれ、輪郭が崩れ始めた。

 

界王神の心臓が凍りつく。

 

「ここまでか…!」

 

その瞬間だった。

空気が震え、ナメック星の空に新たな気が現れた。

 

ブウと界王神を破壊の光から救い出す。

 

ザマスが眉をひそめる。

 

「……何だと!?」

 

黒髪が風に揺れ、その瞳は迷いなくザマスを捉えている。

 

悟飯だった。

 

ザマスは怒りで震える。

 

「次から……次へと……よくも……」

 

悟飯はブウに静かに言った。

 

「ブウ……よく耐えてくれた。もう大丈夫だ」

 

ブウはかすかに笑った。その笑顔には、悟飯と過ごした日々の温かさが宿っていた。

 

「界王神様も、ありがとうございました」

 

「悟飯さん…いえ、私など…!」

 

ザマスは怒りを露わにし、悟飯へ向けて気を高める。

 

悟飯は、ザマスを真正面から見据えた。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。