鬼になった化物の子   作:すも

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鬼滅の刃の二次は初投稿です。


化物と恐れられた子供

"やだ、この子生まれた時から痣があるわ。それに身体もすごく熱いし……気味が悪い"

 

"ずっと押し黙ってて何を考えてるのかよくわからない子ねぇ"

 

"俺は、俺は見たんだ。あのガキが大人を軽く投げ飛ばしたのを!まだ三つにもならない幼子がだぞ?あれは人じゃねえ!"

 

"これを見ろ、アイツに手を掴まれた跡だ。とんでもない力で握られたんだよ。吾作の言う通りだった、アイツはバケモンだ!"

 

"村の者達が皆怯えておる。お前達もわかっておるじゃろう?その子が人ではない事を……儂もこんな事はしたくないが村の為じゃ、わかってくれ"

 

 

 

 

 

「化物、ですか?」

 

戦国の時代が終わり徳川による太平の時代が訪れた頃、その日は太陽が分厚い雲によって遮られ鬼も昼間に外を出歩く事ができていた。始祖の鬼である鬼舞辻無惨は久々の散策を楽しみつつ情報収集を行っていたところ、とある情報を聞いて興味を惹かれる。

 

「ええ、この町の近くにある村でバケモノの子供が生まれたという噂がありましてねぇ。最近になって追放されたそうですが、なんでも生まれながらに痣があって怪力の持ち主だったとか」

「……ほぉ」

 

商人から話を聞いていた無惨は詳しい話を聞きつつ考え込んでいた。

 

(痣、か。まさかな……すこし調べる必要があるかもしれん)

 

暫く考えていた無惨はこれを放置する事は出来ないと結論し調査する事を決意したのであった。

 

(念のために護衛も呼ぶか。もし最悪の場合が起きたとしても時間稼ぎぐらいならできるだろう)

 

 

 

 

 

"兄上、私たちはそれ程大そうなものではない。長い長い人の歴史のほんの一欠片"

 

"私たちの才覚を凌ぐ者が今この瞬間にも産声を上げている……彼らがまた同じ場所まで辿り着くだろう"

 

「……馬鹿……な」

 

その後夜となり噂になっていた村の周辺を捜索していた無惨達は目当てである子供を見つけていたが、主人である無惨の護衛として付き添っていた黒死牟は目の前にいるやせ細った子供を見て絶句していた。修練の果てに体得した透き通る世界で子供の肉体を確認した黒死牟は、子供が尋常ではない存在……あの忌々しい弟に近い存在だと察していたのだ。

 

「チッ、貴様の反応を見る限り、どうやらアレは()の同類のようだな」

 

信じられぬものを見たと呆然自失となった護衛の姿を見て無惨は舌打ちしつつも何時でも逃げられるよう警戒態勢を取っていた。……傍から見ればやせ細った子供に怯えている情けない大人であったが耳飾りの剣士の強さを知る者ならば臆病者だと笑う事はできないだろう。

 

「あなたたちは、だれ?」

「私は鬼舞辻無惨、鬼だ」

「おに?」

 

不思議そうな顔をしている目の前の子供の様子を観察しつつ無惨は慎重に言葉を重ねる。

 

「町で君の噂を聞いて気になったのだよ。何も悪くない子供を追放するなんて酷い人間達だ。私達が君を保護しようじゃないか」

「あなたたちも僕とおなじバケモノなの?」

「…………あー、うむ、まあ、そうだな。私達も君と同じ化物だよ」

 

無惨は子供の問い掛けに思わず形容し難い表情を浮かべていたが、引き続き説得を行う事にした。

 

「どうかね、同じ化物同士仲良くしようじゃないか。君もこのまま一人ぼっちで暮らすのも寂しいだろう?」

「……うん、わかった」

「よし、いい子だ」

 

子供があっさりと説得に応じたのを見て無惨は安堵しつつ自分の血を与える事にしたのであった。

 

「ところで君の名前は?」

「わかんない」

「そうか……では鬼魅(きみ)と呼ぶ事にしよう」

 

 

 

 

 

「……そんなわけで僕は無惨様に拾われたんですよ」

「へぇーいい話だなぁ~!」

 

その後数百年の月日が流れた。鬼舞辻無惨の住処である無限城にて上弦の壱である鬼魅(きみ)は自分の過去を話しており、それを聞いていた同僚の上弦の参の童磨は笑顔を浮かべて感心していた。

 

「なるほどなるほど!鬼魅(きみ)殿は生まれながらの化物だったのか!化物が鬼になったらそりゃ強いのは当然だよな。黒死牟殿や猗窩座殿が勝てないわけだ!」

「えへへ、褒めてくれるの嬉しいです」

「でもあの二人も懲りないよねぇ。何度も何度も負けているのにムキになって挑戦してくるんだから。無駄な努力を何時まで続けるつもりなのかな?」

「御二人は弱いのに頑張っていてスゴイですよね。諦める事なく修行に励む姿勢は僕も見習いたいです」

「うわぁ、はっきり弱いって笑顔で断言したなぁ。まあ事実だから仕方ないか!」

 

呑気な様子で会話を楽しんでいる二人は偶々波長が合ったようで時折こうやって会話を楽しむ仲になっていた。

 

「そう言えば鬼狩りの駆除は終わったのかな?」

「ええ、一番強い人の首を落としたら他の人達は素直に剣を捨ててくれましたよ。短い命を大事にするよう説得したら簡単でした」

「ふーん、剣を捨てたら殺さないとは相変わらず鬼魅(きみ)殿はお優しい事だねぇ。まあ無惨様も了承されているなら問題ないか」

 

そんな調子で雑談を続けていた二人の鬼であったが、琵琶の音が響いた瞬間に瞬時に平伏していた。二人の主人である鬼舞辻無惨が現れたのを察したからだ。無惨は少し渋い表情をしつつ上弦の壱に新しい仕事を命じる。

 

鬼魅(きみ)、鬼狩りの掃除はいつも通り終わったようだな」

「はい」

「ならばもう一仕事頼む。耳飾りをつけた鬼狩りがいるとの情報があった……ソイツを見つけ出して処分しろ。いいか、何時ものように情けを見せず確実に殺すのだぞ」

「かしこまりました」

「うむ、では行け」

 

鬼魅(きみ)が了承したのを確認した無惨は頷くとその場から立ち去る。その姿を見送った二人は少し悲しげな様子を見せていた。

 

「あらら、前から思ってたけど鬼魅(きみ)殿って無惨様からほんの少しだけ嫌われてるよなぁ……俺と同じだね!」

「僕は恩人である無惨様を裏切るつもりなんて一切ないのに……」

「まぁ仕方ないさ!化物が怖いのは当たり前の事なのだから!鬼魅(きみ)殿は気持ちを切り替えてお仕事を頑張ればいいと思うぜ!」

「そうですね!」

 

主人から敬遠されているのを察している二人は気持ちを切り替えて前向きにいこうと思い直すのであった。

 

「あ、そうだ。耳飾りをつけた鬼狩りを始末するんなら俺もついて行っていいかな!」

「別にいいですよ」

「おお!ありがとう!やっぱり鬼魅(きみ)殿は優しいなぁ、流石俺の親友だね!」

 

 

 

 

 

「フン、奴め童磨を連れていくのか。まあいい、童磨も行くなら取り逃がす事はないだろう」

 

二人が和気藹々とした様子で無限城を出るのを確認した無惨は渋い顔をしつつも二人なら確実に始末するだろうと安心していた。

 

(奴は甘いが忠誠心は本物だ。仕事はしっかりこなしてくれるだろう……しかしあの化物の同類が私の配下となるとはな。思わぬ拾い物だった)

 

自分を追い詰めた耳飾りの剣士を思い返した無惨は、あのような化物が自分の敵として出てくる事を非常に恐れていた。自分の脅威となりえる存在を排除するためなら上弦の鬼達を派遣する事に不満はなかった。

 

(あのような化物が何人も出てくるとは考えたくないが……鬼魅(きみ)という例があるからな。とても楽観的に考える事はできん)

 

耳飾りの剣士に匹敵する化物もとい人間がいるかもしれないという事実は無惨を少しばかり恐怖させていたが、その化物に対抗できる存在がいるのでそこまで心配していなかった。

 

「奴が耳飾りをつけた鬼狩りを始末するまではここで待つとするか。早く仕事を終わらせてほしいものだ」

 

万が一の事を考えた無惨は本拠地である無限城にて上弦の壱と参が仕事を終えるのを待つ事にしたのであった……非常に情けない考えであったが無惨本人は微塵も恥だとは考えていないので何も問題ないのだ。

 

 

 

 

 

<人物紹介>

鬼魅(きみ)(オリ主)

→いたよ!第二の継国縁壱が!でも周囲から化物扱いされ齢3つにして村から追放されてしまった可哀想な子。でも生まれながらに痣があって透き通る世界が使えて体温が滅茶苦茶高くて異常な身体能力を持った子供なんて化物扱いされても仕方ないよね。悪いのは碌な加護をつけず現世に放り出した神仏達である。

 

 追放された後は縁壱並みのフィジカルと才能を活かして山奥で一人暮らしていたが、自分以外にも化物がいると知って喜び無惨の誘いにホイホイ応じてしまい鬼となった。ちなみに鬼魅(きみ)が鬼になった時に無惨様は思わずガッツポーズをしていた。自分の自認は化物であり、自分を拾ってくれた無惨に対しては強い感謝と忠誠心を持っている。自分を追放した両親や村人達については「まあ化物が傍にいたら怖くて仕方ないよね」と恨んではいない様子。

 

 戦い方は血鬼術を使わず日輪刀を怪力で握りしめて赫刀にした上で斬りかかるシンプルな戦闘スタイルだが、黒死牟や猗窩座はいつも瞬殺されてしまう模様。縁壱よりはほんの少しだけ弱いが他人から見れば誤差である。

 

 現在は上弦の壱として鬼狩りの駆除を行っているが、そもそも弱すぎて鬼殺隊を敵と認識してないので剣を捨てれば命は助けてあげている。他の鬼達から敬遠されているが童磨とは仲がいい。というより童磨に対して嫌がる素振りを見せず対応してくれるのが鬼魅(きみ)だけである。

 

 

 

●鬼舞辻無惨

→鬼の始祖。自分のトラウマである耳飾りの剣士の同類がいて恐怖するが、勇気を振り絞って勧誘した結果素直に鬼になってくれたので化物への対抗手段が手に入ってよかったと喜んでいた。それと自分があの化物の同類扱いされたのには微妙に納得できなかった模様。

 

 オリ主である鬼魅(きみ)の事は嫌いではないし信頼しているが少し苦手意識があるようだ。感謝の念や忠誠心が本物なのは理解しているが怖いものは怖いのだ。

 

 

 

●黒死牟

→お労しい兄上。鬼魅(きみ)を見て弟の同類だと瞬時に理解し絶句する。「本当に奴に匹敵する者が出てくるとは思わなかった」とは本人の談である。

 

 現在は上弦の弐。かつて鬼魅(きみ)の剣の師匠だがすぐに追い抜かれてしまい乾いた笑みを浮かべていたとか。最強の剣士にならんとオリ主に何度もボコられつつ修行に励んでいるうちに猗窩座と仲良くなった。

 

 

 

●童磨

→上弦の参。自分の事を嫌わず対応してくれるオリ主によく絡んでいる。鬼魅(きみ)の過去を聞いて「なるほど!生まれながらの化物が鬼になったらそりゃ強いよね!」と納得していた。黒死牟と猗窩座の努力については「無意味な努力をずっと続けられるとはなんて素晴らしいのだろう!尊敬するぜ!」と称賛して二人をピキらせていた。

 

 鬼魅(きみ)の鬼狩り狩りに同行する事になった。相手は泣いていい。

 

 

 

●耳飾りをつけた剣士

→オリ主に狙われる事になった原作主人公。勝ち目?あるわけないよ?縁壱がいれば何とか……

 

 

 

●鬼狩り(鬼殺隊)

→誰かさんのせいでボロボロである。最高戦力である柱がすぐに殺されるか無力化されてしまい心をへし折られる者が続出している模様。酒柱さんも心を折られてしまった。

 

 ちなみに無惨様は鬼狩りについてはもはや脅威とは認識していないようだ。




今回はかなり短めに終わると思います。
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