5
玄関ドアを開ければ、リビングへと続く廊下に脱ぎ捨てられた服が点々と落ちているのが目に入った。制服のブレザーにベスト、リボン、挙句の果てには靴下まである。
今日はずいぶんと暑く、天気予報で夏日だと言っていただけあって、こうして日が沈み始めてようやく気温が下がってきた。落ちた服を見ただけで、持ち主の「暑い、暑い」という文句が容易に想像できて、高遠は知らずその口元を小さく緩めた。
落し物を拾いながらリビングに入る。西日に赤く照らされた室内で、ハジメはなんの悩みもないような吞気な顔で眠っていた。つけっぱなしのテレビは動画の再生が終了したことを伝える画面のまま止まっている。大方、最近ハマっている海外ドラマを見ていて寝落ちしたのだろう。
ソファに投げ出された身体はリラックスしきっていて、女子高生としてどうかと思うほどスカートが捲り上がっていた。無意識に視線が少女の爪先から続く膝を、太ももをなぞる。柔らかな肌は健康的に焼けているが、少年だったときよりも少しだけ白い。
その呼吸からハジメが深く寝入っていると判断して、高遠は手に持っていたものをその場に置き、少女へと近づいた。
無防備な姿を見ても、以前のような苛立ちは感じない。
いつの間にか当たり前になってしまったこの日常を、高遠はもう受け入れている。それでも、ときおり襲われる寂寥じみた感情に背を押されて、眠るハジメへとそっと手を伸ばした。
頬に触れた指先からじんわりと彼女の温かさが伝わってくる。
静かに眠る少女を見るのは苦手だった。どうしても
「金田一君……」
あえて彼女の眠りを妨げないよう抑えて声をかける。
空気を震わすだけのそれは、口にした高遠の耳にも届くことなく、静かな室内にとけていった。少女はまだ眠ったままだ。
ゆっくりとした規則的な呼吸を聞きながら、高遠の視線はハジメの身体を辿る。
第一ボタンの外されたブラウスからのぞく首にはもちろん喉仏はない。横になるとほぼ平坦に近い薄い胸は呼吸に合わせて小さく上下している。スカートから引っ張り出されたブラウスの裾からは白い腹が見えた。
なんとなくそのままブラウスの裾をたくし上げ、筋肉などろくについていない腹を露出させる。目立った傷のない腹部は、どうしてか金田一一には相応しくない気がした。銃創も刺創もない肌の感触を確かめるように、指先でそれらがあったはずの場所を撫でる。
もうここに傷ができることは二度とない。
それがうれしいのか、悲しいのかは高遠自身にもわからなかった。いや、自分が惜しんでいるのが一回目のハジメだということは理解している。
喪われてしまった高遠の平行線。
決して交わることのない十七歳の彼。
「……なにしてんの?」
寝起きのかすれた声に、高遠は腹へと向けていた視線を上げる。きょとんとした顔には戸惑いも羞恥も恐怖も浮かんでいない。そのハジメの反応に呆れながら、高遠ようやく撫で続けていた手を止めた。
「この状況で、第一声がそれですか?」
「ほかになに言えってんだよ。それとも“変態!”って罵られたいわけ?」
「…………」
「あっ、ちょっと待って。やっぱりいまのナシ。聞きたくないから答えんな」
「なにか失礼な想像してません?」
べつにハジメに罵られたいわけではないのだが。
ハジメは高遠の言葉を無視し、ソファから上半身だけを起こしてぐっと伸びをした。乱れた服を気にすることなく胡坐をかいて、「今日晩飯食ってっていい?」と問いかけてくる。
意志の強い大きな瞳を向けられ、自分のなかにあった感傷が幻かなにかのように薄れていくのがわかった。
「リクエストは聞けませんよ」
「そこまで図々しくねぇわ」
ハジメが連絡もなしに高遠の家にやって来るのはいまに始まったことではない。高遠がいてもいなくても、彼女はこの家で好きに過ごしている。それでも、こうして夜に食事をして帰るというのは珍しかった。高遠はひとりならそれほどちゃんとした食事をとらないし、それはハジメも知っている。
さて冷蔵庫に彼女の胃袋を満たせるだけの食材はあっただろうかとキッチンに向かえば、事情を説明する声が後ろからついて来る。
「“お友だちとコンサートに行くから晩ごはんはテキトーにしてね”ってメッセージだけで、小遣いも置いてってくれてねぇんだぜ。父さんも今日は残業らしいしさー」
「たまには自分で料理をしてみたらどうです? お母さんから言われているんでしょう?」
「ええー。俺は食うの専門でいいや」
そうは言いつつ、一回目よりは料理などの家事を手伝う機会は多いらしい。口ぶりから察するに、それは意識しての行動で、そこにあるのが両親をおいて逝ってしまった後悔なのは想像に難くない。
「金田一君。メバルとアジならどっちがいいですか?」
「んー。アジなら南蛮漬けが食べたい」
「君が味をなじませる時間が待てるなら、いまから作ってもいいですけど」
ハジメが答える前に彼女の腹の虫が抗議の声を上げた。
高遠は笑いながら冷蔵庫からメバルを取り出す。こちらの行動に不服そうな顔をするが、少女は「待てる」とは言わなかった。
「メバルなら煮付けですかね」
「……酒蒸し」
「はいはい」
今日は暑かったので、さっぱりしたものが食べたい気持ちはわかる。
頭のなかで残りのメニューをざっと考え、高遠は図々しい子どものリクエストを叶えるために包丁を手にとった。
◆
エプロンをつけキッチンに立つ高遠の後ろ姿を見ながら、ハジメはぼんやりと先ほどの彼の行動について考えていた。
高遠が触れていたその場所に、いったいなにがあったのかは自分が一番わかっている。
声をかける前、気づかれぬように盗み見た男の顔に浮かんでいたのは――後悔、だったのだろうか。悲しみと、懐かしさを孕んだそれに、どうしてかハジメは一瞬声をかけるのを躊躇った。
ああいう表情を見てしまうと、自分の死が高遠遙一に与えた影響を思い知らされてしまう。
こんなにも長く高遠との付き合いが続くなんて、再会した当初は想像もしなかった。だから、ずっと聞きそびれていることがある。
――俺が死んだあと、あんたってどうしたの?
自分たちの間でお互いの一回目の死についてはいっそ不自然なほどに触れられていない。
ハジメは自分が通り魔によって殺されたことはもちろん覚えている。自分が死んだあとの両親や美雪の様子が気にならないと言ったら嘘になる。聞いたところでどうなるものでもないし、本当に知りたいのか自分でもよくわからないが、ハジメはそれを高遠に尋ねる気にはなれない。
あの男はどういう感情に起因するものかは知らないが、金田一一の死を惜しんでいる。そしてその想いは、いまのハジメのそばを離れられないほどに強い。
高遠の指先から伝わる熱を思い出し、ハジメは無意識になんの傷痕もない自分の腹を撫でていた。
「そんなにお腹が減ったんですか?」
「……あんた、やっぱり後ろに目でもついてんだろ」
黙々と料理を作っていた高遠はハジメの言葉に振り返って「まさか」と笑う。ちょうど完成したのか、そのままできたそれらをトレーに載せてこちらへとやって来た。
メバルの酒蒸し、きゅうりとワカメの酢の物、豆腐と長芋の出汁あんかけ、炊き立てご飯と味噌汁。テーブルに並べられた料理にぐうっとハジメの腹が鳴る。
年々レパートリーが増えていく高遠の料理を堪能するのは、もったいないことにいまのところハジメしかいない。
いただきますと手を合わせて、リクエストした酒蒸しに箸を伸ばす。
「うめぇ!」
「それはよかった。アジの南蛮漬けも食べたいなら、そのうち作っておきますよ。ゴールデンウィークのご予定は?」
「あー、なんか何日か部活があるっぽい」
結局ミス研に入ったのかと聞かれ、今日参加したミーティングからの流れを一通り説明する。
「不動高校のミス研って、そんな感じの部活でした?」
「それな。三年の先輩たちの方針なのかなぁ。まあ、桜樹先輩も『放課後の魔術師』について調べたりしてたし、もとから謎の解明とか好きそうではあったけど」
「いまもあるんですか、七不思議」
「あるらしいぜ。『魔の十三階段』はほぼそのまんまみたいで、あとは真夜中に音楽室からピアノが聞こえてくるとか、鏡になんか映るとか、オーソドックスなやつだったけど」
「今度は死体が出てこないといいですね」
さすがにもうないだろうと思いつつも、その言葉のせいで啜った味噌汁がしょっぱく感じた。六人もの死体が隠されていた学校なので、新たな死体よりも本物の幽霊がいる確率の方が高そうな気がする。
「あんたは予備校のバイトだろ?」
高遠は深町充の死を回避するため、講師として四ノ倉学園に潜り込んでくれていた。深町がイジメの末に殺される正確な日時がわからない上に、そのときだけ介入したとしても、古谷たちからのイジメが続けば以降も同じようなことが起こる可能性がある。
ならば可能性の芽もなくしてしまいましょう、と言ったのは高遠の方からだった。
品行方正かどうかは議論の余地があるが、本人の申告通り、高遠は非常に優秀で頼りになる協力者として行動してくれている。
「俺もなんか手伝えることある?」
「いいえ。とりあえず学園内の空き教室の施錠を徹底し、ダミーも含めて目立つところに監視カメラを設置させたので、園内での事件のリスクはだいぶ減らせたはずです」
予定通り五月いっぱいは勤めるが、それ以降の介入は必要なさそうな状況らしい。
「そもそもイジメの主犯である古谷直樹はもう学園にいませんしね」
「は? えっ、なんでいねぇの??」
「おや、伝えていませんでしたか? 学園の教育方針が合わなかったそうですよ」
ニッコリ笑った顔がどこまでも噓くさい。
こういうところが、善良でも、品行方正でもないというのだ。一回目のとき、あれだけ自殺者を出しておいてなんの対策もしていなかった四ノ倉学園が、高遠がバイトを始めてたったひと月ほどで監視カメラまで設置することになっているのも、よく考えると恐ろしい。
しかし、高遠がとった手段が絶対に正攻法ではないと知りつつ、それについてハジメはもう言及しないことにしていた。
6
食後のお茶を飲みながら、互いのゴールデンウィークの予定について話し合う。高遠は異母妹から、近々プレオープン予定の美咲蓮花が経営する温室カフェに誘われているらしい。
散々だった昨年の世界薔薇博覧会に代わる、これが『世界初の完璧な青薔薇』の正式な発表の場となるのでぜひ見に来てほしいということだった。
「ふ~ん」
「なんですか?」
「べっつに~。どうでもいいとか言いながら、ちゃんと妹と連絡とり合ってんじゃん」
あのときローズグランドホテルの大規模火災自体はきちんと回避できたのだが、ハジメはどういう巡り合わせなのか、まったく関係のない火事に巻き込まれてしまい、高遠が異母妹とどんなやりとりをしたのかは知らなかった。聞いても「もう関わりがない」的な返答だったので、いままでてっきり交流を絶ってしまったものだとばかり思っていた。
興味のないふりをしていても、半分とはいえ血の繋がった妹にはこの男も関心があるのかと、ハジメはニヤニヤとした笑みを浮かべて男を見る。
『お兄ちゃん』をしている高遠など想像だけで面白い。
「君がなにを期待しているのかは知りませんが、美咲ジゼルと連絡をとったのは『蜉蝣』を増やせないかと思ったからです。彼女の母親が優秀な薔薇ブリーダーなのは事実ですし」
「兄妹なんだから仲よくするのに理由とかいらなくね?」
「仲はよくないですよ。本当は美咲蓮花と直接やりとりをしたかったんです。その方が話が早いですから。ただ、ジゼルが腹違いの僕を自分の母親に近づけたがらなかっただけで」
「あー……」
高遠の血縁上の父親がどういう人間なのかはわからないが、高遠とジゼル、それぞれの家族の現状からすると、父親としてはだいぶろくでもなさそうではある。そうでなくとも薔薇十字館の事件から察するにジゼルは母親に対して深い愛情を持っている。母親が存命な状態で、腹違いの兄を諸手で歓迎するのは彼女の心情的にも難しいのかもしれない。
(その義兄が、コレだしなぁ)
気に入られようと思ったらいくらでもそう振る舞えるくせに、この様子ではあえて距離を置かれるような言動をしている可能性すらあった。
こういう、高遠のどこか排他的な一面は、再会してからちっとも変わらない。
たとえ余計なお世話だと言われても、ハジメとしては友だちだとか、恋人だとかを作る気はないのかと気を揉んでしまう。
「そういうお節介は僕以外にしてください」
「まだなんも言ってねぇだろ」
「顔に書いてあるんですよ」
お互いそれなりに相手の思考や感情が読めるようになってしまっているので、これはあながち噓ではないなと、ハジメはなんとなく自分の頬を引っ張った。もちろん、そんなことでこの男から心のうちが隠せるわけではないけれど。
「なにしてるんですか」と伸びてきた手をペシリと叩き落す。
高遠は最近ちょっと気安くハジメに触りすぎだ。可愛い幼馴染ならいざ知らず、高遠に頬を触らせてやる気はない。
「そろそろセクハラで訴えんぞ」
「――さっき、どこから起きてました?」
思わぬ質問にとっさに目を逸らしてから、墓穴を掘ったことを自覚した。
どこで気づいたんだ。いや、鎌をかけられたのか。どちらにせよ、いまのハジメの態度は間違いなく相手に確信を与えてしまったはずだ。
「ずいぶん、狸寝入りがお上手なようだ」
久々に聞いた不機嫌全開な声に、背中に冷たい汗がつたう。
高遠の反応から、これは詰問するタイミングを図っていたパターンだと察した。
ハジメとしては意図がはっきりしていた腹より、ただ触れられた頬の方がよほど気まずかったので、ついそれを思い出して言ってしまったにすぎない。
それを的確に理解し、不意打ちで揺さぶりをかけてくる男の性格の悪さが恨めしかった。
そもそもハジメは最初から深く寝入っていたわけではない。玄関の鍵が開く音で意識は半ば覚醒していたし、高遠が近づいてきた時点で「ただいまくらい言えよ」と起き上がるつもりだった。そのあとが高遠のいう狸寝入りになってしまったのはいわゆる不可抗力である。
「金田一君」
名前を呼ばれて視線を向ければ、高遠はハジメとぴたりと目を合わせたまま、テーブルから身を乗り出してきた。もう一度伸びてきた手を、今度はそのまま受け入れる。
ゆっくり近づいてくる男の顔。相手の瞳に自分が映っているのがわかる距離までそれが近づいても、ハジメには高遠の真意が読めなかった。
すっと目の前が暗くなる。一拍置いて、高遠に手のひらで目隠しをされたのだと気づいた。
「君の聡明さは気に入っているんですが……見透かされるのは好きじゃない」
「どの口で言ってんだよ」
見透かしているのは高遠の方じゃないのか。
ハジメはまだこの男の望む、自分たちの関係の『決着』がなにかもわからないのに。それどころか、自分自身がどうなりたいのかという答えすら見つかっていない。
温かい暗闇のなか、一瞬だけお互いの吐息が混じった気がした。
「……っ」
さすがに驚いて肩が跳ねる。
それが合図だったようにパッと光が戻ってきた。眩しい視界に思わずぎゅっと目を閉じる。ハジメが再び目を開けて高遠を見たとき、彼はもう何事もなかったかのような顔でもとの場所に座っていた。
「……いまの、なんだったんだよ」
「なんだったと思います?」
「質問に質問で返す男は嫌われるぜ」
「おや、それは困りますね。――ただの、確認ですよ」
「確認?」
「ええ。君がどこまでわかっているのかという確認」
「で? 俺がなぁんにもわかってねぇのがわかって満足したってか?」
わざとらしいまでのニコニコとした笑顔が心底ムカつく。
自分はこの目の前の男のことをどこまで知っているのだろう。理解している、なんて豪語する気はないけれど、なにも知らないと言われるのはどうしてか業腹だった。
「私のことを知りたいと思ってくれるんですか?」
「……教える気なんてねぇくせに」
「ふふ。そうですね。どうせなら、暴かれたいな。無遠慮に……心の奥底まで」
「シンプルにキモい」
「ひどいな。素直な気持ちなのに」
大げさに肩を竦めてみせる男に白い目を向ける。
それが本当に素直な気持ちだというなら、ハジメが高遠を理解できる日は一生来ない。というか、理解したら人としてダメな気がしてきた。
あの取引の日から、ときどきいまのようなよくわからないやりとりを仕掛けられることがある。
意味があるのかないのかもわからない。高遠から向けられる感情の強さだけを刻みつけられるみたいなやりとり。たいていはその場限りで、あとから話を蒸し返されたりはしない。
いまだって高遠のなかでは一区切りついたのか、マイペースに飲み終わったティーカップを片付け始めている。
今回もハジメは高遠の行動を追及しないことにした。事件でもないのに、人の心のうちなど暴くものじゃない。いまのところ、なにか実害があるわけでもないし。
自分のカップに残っていた紅茶をぐいっと飲み干し、ハジメは話題をもとに戻した。
「それで、その温室カフェって近くにあんの?」
「近くとは言えませんが、車でせいぜい一時間くらいの場所です」
ゴールデンウィーク中の部活動は二日間だけで、それも午前中のみだ。気になっていた四ノ倉学園の方は高遠に任せていれば大丈夫そうだし、ほかの予定は千景の店でのバイトくらいしかない。
「君が行きたいなら連れていってあげますよ。青薔薇を見損ねたと残念がっていたでしょう」
「うん。美雪にも見せてやりたいから、一緒に行ってもいい?」
高遠の了承の返事を聞きながら、つくづく変な関係だと思う。
友だちでも、恋人でも、ましてや家族でもないのに、こうして多くの時間を共有して、当たり前みたいな顔で一緒に食事をする。高遠と出掛けることにも、とっくに理由なんて必要なくなってしまった。
本当は相手のそばにいる理由なんて小難しく考えなくていい。そんなもの「一緒にいたいから」でいいのだとハジメは知っている。ただ、それを自分たちには当てはめられないだけで。
(いや、まあ、一緒にいたいわけじゃねぇんだけど)
たぶん好きじゃない。それでも……決して、嫌いにはなれない。認めたくはないがそれは一回目のときからで、絶対に許せないのに、どうしても嫌うことができない。
いっそお互いに相手への好意だけがあれば、この関係にも名前をつけられるのだろうか。
名前のない関係はひどく曖昧で頼りない。そのくせ、その奥には執着だの後悔だのというぐちゃぐちゃした重苦しい感情が渦巻いて、ろくに離れることさえできないのだから質が悪かった。
高遠のいう『確認』の意味を、ハジメがその身でもって思い知らされるのは――もう少しだけ先の話。