創世のアームズ・ディーラー〜現代と異世界を駆け回る貧乏高校生の武器商売奮戦記!   作:大和タケル

40 / 88
第40話 魔物召喚

 虹色の魔石を鑑定した結果は以下の通り。

 

虹色の魔石 『鴉』

付随スキル 千里眼

 

『千里眼とは、遠くを見るだけでなく、レベルが上がれば相手の心や近未来を感じ取る事ができる』

 

 早速、オレは千里眼を発動させた。すると、自分の視界がゆっくりと上昇していく。やがて上空に達すると、そこから下界の街が見下ろせ、まるで幽体離脱をしているかの様であった。

 

 続けて街の外を見ようとしたが、まだそこまでは見えなかった。

 

「タケじい、この能力はかなり凄いよ」

 

「そうじゃ。千里眼は戦場を俯瞰して、戦況を有利に導く事が出来るのじゃ」

 

「なんだか、オレが戦場へ行くみたいに聞こえるんだが……」

 

「まぁ今は気にせんでも良いぞ、カッカッカッ!」

 

 タケじいの含みのある言葉に思う所はあるが、夜も遅いので今日は素直に眠る事にした。

 

・・・・・

 

 チュン、チュン……。

 

 目覚めるとアイズウィンドウが点滅しており、今回はレベルの高い魔鳥を数多く仕留めたので、大きなレベルアップが見込める。

 

 オレは期待を込めてステータスを開いた。

 

「オープン!」

 

大和創真 Lv10 

ジョブ 商人(アームズ・ディーラー)

魔法障壁 Lv1

スキル

1、英雄遺伝子

2、異世界転移

3、交渉術

4、短剣術

5、剣術  必殺技:連撃、切払い、後の先

6、念話術

7、飲酒

8、大食い

9、ボッカ

10、召喚

 

「こ、これは……異世界アニメで誰もが憧れる召喚ではないか!」

 

 だけど、どうやって使うんだろう?

 

「ドラゴン召喚! なんちゃってぇー」

 

 すると、呼んでもいないのにタケじいが現れた。

 

「ドラゴンなんぞ出てくる訳がなかろう。百年早いわっ」

 

「分かってるよ。言ってみただけだよ。それじゃ何が召喚できるのさ?」

 

「なんじゃと思う?」

 

 また、タケじいのもったい癖が始まった。

 

「うざっ」

 

「いやーすまなんだ。お主が、なんちゃってなんて可愛い言葉を使うもんじゃから、つい調子に乗ってしもうたわい。しかし、創真も昔は可愛かったのー。今じゃ小憎らしいガキになってしもうて、じじいは悲しいぞえ」

 

 今度はオレの昔話。先日も長い話を聞かされてウンザリしたものだ。

 

「それで、何が召喚できるんだよ?」

 

「ふふん! 鴉の御守袋を握って、召喚と唱えるのじゃ」

 

 タケじいに言われた通り御守袋を握りしめ召喚と唱える。すると、目の前に空間の渦が現れ、そこから八咫烏が飛び出してきた。

 

 八咫烏はキョロキョロと周りを見回してオレを睨みつける。

 

「てめぇ、俺様の食事中に呼び出すなんて、いい度胸だなあ、アァーン!」

 

「ご、ごめん」

 

「口に気を付けんかぁー、このバカモーンッ!」

 

「あっ、主様、す、すんません」

 

「主様ではないわ! 今の主は創真じゃ、また笛を吹かれたいかっ」

 

 タケじいに怒られた八咫烏は、こちらに向き直り拙い挨拶を始める。しかし、よっぽど(あるじ)と呼びたくないらしい。

 

「あ、主……様……」

 

「もう、創真でいいよ」

 

 八咫烏はニヤッとして調子に乗った。

 

「じゃあ創真、召喚したんだから何か食わせろー!」

 

「タケじい、仲良くなれる気がしないよぉー」

 

「創真よ、ヤタは必ずお主の役に立つはずじゃ。だから、今は多目に見てやってくれ」

 

 タケじいに説得されて、しぶしぶヤタに携帯食を分けてやる。

 

 ガリガリガリ。

 

「不味いなあ、主ならもっと良いモン食わせろー!」

 

 何だぁ、コイツぅー?

 

「タケじい、やっぱり仲良くなんて無理ぃぃー」

 

「創真よ、今は我慢じゃ」

 

 コンコン、コンコン。

 

「お客さん、部屋からカラスの鳴き声が聞こえるんですが、大丈夫ですか?」

 

 普通の人にはヤタの声がカラスの鳴き声に聞こえる様だ。

 

「だ、大丈夫です」

 

 とりあえず返事をしてごまかすと、宿の店員は去って行った。

 

 ガリガリガリ、ガリガリガリ……。

 

 八咫烏を見ると、携帯食という名のかっぱえびせんを美味しそうに食べている。

 

 こいつ、実は美味いんじゃねーのかあー?

 

 だんだん腹が立ってきたので八咫烏を帰す事にした。

 

「タケじい、ヤタを帰すにはどうすればいいの?」

 

「なんだ、もう帰すのか? では、御守袋を握って戻れと唱えるのじゃ」

 

 早速、御守袋を握り締めて「戻れ」と唱える。すると、再び空間に渦が現れ、両腕に携帯食を抱えた八咫烏が「まだ帰りたくないぞー」と叫びながら渦の中へ吸い込まれていった。

 

「やれやれ……」

 

 ヤタを戻して無性にお腹が空いたオレは、朝食バイキングをたらふく食べて宿屋を出た。

 

 武器屋へ向かう道中、召喚スキルについて色々と考える。

 

「タケじい、もしかして因幡さんも召喚できるのかな?」

 

「もちろん出来るぞ。しかし、あの白うさぎはレベルが低い。あまり役には立たんがな」

 

「そ、そうだね。ところで、ディーンの盾は凄かったね。一つ買ってみようか?」

 

「うむ、槍と弓も欲しい所じゃが、まずは盾から買ってみるかのう」

 

 オレ達は武器屋の隣にある防具屋に入った。すると、武器屋とそっくりなおやじが、手を揉みながらニコニコして現れた。

 

「いらっしゃーい。お客さん、今日は何をお探しですか?」

 

「盾が欲しいんだけど……その、ご主人は武器屋さんと関係があるんですか?」

 

 オレは盾よりも、おやじの顔が気になった。

 

「ああ、武器屋は私の兄貴なんです。元々は1つの店だったんですが、武器と防具は職人が違うし、目利きの知識も大変なんで兄弟で店を分けたんですよ」

 

「なるほどね」

 

 確かに、武器屋のおやじの剣の目利きは流石だった。ただ商売っ気が強すぎではあるが……。

 

 防具屋のおやじが商品の説明をしてくれる。

 

「うちの商品には鎧兜や盾がありまして……」

 

 商品は隣の武器屋と同じ様に安物が入口、高級品が奥に陳列されていた。その中で、鋼の小盾がバーゲンセールになっており一律銀貨5枚との事だ。

 

 ちなみに、鋼の盾の構造は表が鋼で覆われているが、裏は木製で革の持ち手が付いており、上部に魔石が埋め込まれている。

 

 サイズは小型と中型と大型があり、小型は軽くて取回しが便利だが、中型以上はそれなりに重くて、武器との併用は相当鍛えないと出来ないらしい。

 

 ディーンの盾も中型だったので、相当鍛えている事が分かる。

 

 一通りの説明を受けたオレは、防具屋の主人にオススメを聞いた。

 

「ご主人、防具を買うのは初めてなので、何を買ったら良いですか?」

 

「そうですねぇ、お客さんの剣と合わせるとしたら小型の盾が良いですね。腕にも肩にも装着できますよ。ホルダーは別売りで銀貨一枚ですがね」

 

 オレは自分用と販売用に、鋼の小盾をホルダーとセットで2つずつ購入した。

 

「ありがとうございましたー」

 

 続いて隣の武器屋で鋼の剣を6本購入し、麻袋に入れて転移の丘を目指したのだが、たいした疲れもなく丘の上まで荷物を運ぶ事が出来た。

 

 どうやら、地味スキル『ボッカ』が発動していた様だ。

 

 

【第40話 魔物召喚 完】

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。