後、書き方をこの話から変えております。
その方が分かりやすいのもあるかと思うので…!
#1 新入生百生吟子
新学期が始まり、初日。
あちこちから、新入生達の悲鳴が聞こえてくる。
「ああ…今年もか…」
「花帆みたいに脱走しようとする子が居なければいいのだけれど…」
「花帆ちゃんは例外だって…」
こずがいきなりそんな事を言い出すから、こっちがびっくりしてしまった。
花帆ちゃんの脱走の話は、当時聞いた時は驚いたけど。
「そうだ。こず」
「何かしら?」
「生徒会から頼まれごとがあったの思い出したからさ、今日は部活出れないわ」
「分かったわ」
「助かるよ」
その頃、部室では_
「よーし、新入生が来るかもしれないし。きょうはあたしが部室にいちばん乗り!みく先輩と梢先輩に褒められる為に、部室のお掃除でもしちゃおっかなー」
花帆が部室の前に居てそう息込んで部屋に入ると、そこには
「?」
「はぁ ここが、芸楽部……」
ネクタイの色からして新入生である吟子が横になっていた。
もちろんだが、この時点では花帆は吟子の事は知らない。
「……」
花帆は恐る恐る吟子に声を掛けた。
「…あの」
「…耳を澄ませば、部員たちの声が聞こえてくるよう…」
花帆の声は吟子に届いていなかった。
「…もしもし」
「やけにハッキリと……。はえ」
花帆の声にようやく気付いた吟子は目を開ける。
「なにしてるの?」
「っ――、う、うわあああああああああああ!」
吟子は悲鳴を上げるのだった。
******
花帆は、吟子を一旦落ち着かせて、椅子に座らせる。
「えーと、さっきのは…」
花帆は、さっきの事を吟子に聞く。
「…蓮ノ空の、伝統を、感じたくて…」
「伝統…?」
吟子は身体をプルプルと振るわす。
「あ、あの、あたし、そうだ!紅茶いれてあげるね!」
花帆は席を立ち、紅茶を淹れようとした。
「あっ、ポットにお水入ってない!えーと、えーと、茶葉はどれがいいんだっけ……?確か、ティーポットにこれぐらいの量を入れて、いたような………!いや、でもちょっとだけお湯を注いで、蒸らす……!?」
上手く行かなかった…そして最終的に行きついた結果
「ご、ごめん!ティーバックでもいいかな!?」
「あの、お構いなく……」
今度は無事に入れる事が出来た花帆は、紅茶を吟子に前に差し出す。
「あはは……えーと、一年生の子、だよね?もしかして、入部希望……だったりする?」
「…はい。…不法侵入者が、許されるのなら」
「だ、大丈夫だよ!鍵かかってなかったんだし、つい入っちゃうときってあるよね!」
吟子の言葉に、花帆はすぐさまフォローに入る。
「お名前は?」
「あっ、すみません、百生吟子、です。吟ずるに子と書いて、吟子です」
「吟子ちゃん!そっか、だから声きれいなんだね!」
「いえ、そんな……」
「あたしは二年生の日野下花帆だよ。よろしくね!」
ここでお互いに名前を認識する。
「…はい、あの、入部テストとか、あるの?あっ…ある、んですか?」
「えーそんなのないよーあ、だったら、志望動機とか聞いてみたいな!」
「志望動機…」
「うん、あなたはどうしてスクールアイドルクラブを志望したんですか?ってやつ!なんでもいいよ!」
花帆が吟子にそう聞くと、吟子は手帳を取り出す。
「…手帳?『目指せ、№1スクールアイドル!』…?」
「す、すみません、挟んでいた紙が散らばって、すみません」
その時、吟子は手帳の中に挟んであった紙を机の上にばら撒けてしまった。
「これって…もしかして、衣装デザイン?こんなに、いっぱい!?」
花帆は、その中で一枚の紙が目に入った。
「その…力作を集めてきました。すべてが会心の出来、というわけでは…ありませんが…」
吟子はそう言い、続けて言う。
「…っ、私は、この蓮ノ空学院に入学することが、夢でした。この学校で、立派なスクールアイドルになりたいです」
「ーー!」
「若輩者ですがーー目標は、ラブライブ!優勝です。この学校なら、それが叶えられると信じています」
吟子ははっきりと、自分の想っている気持ちを花帆に伝えた。
それを聞いた花帆は_
「ね」
「ねっ?」
「熱意っ!」
「ね!吟子ちゃん!あたしたちと一緒にーースリーズブーケ、やろうよ!」
「……え?」
花帆は勢いのまま、吟子をスリーズブーケに誘った。