蓮ノ空のアイドルクラブのマネージャーの話   作:桜紅月音

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#3 基礎練習

次の日。早速、吟に練習を見て貰おう事になり、花帆ちゃんは吟に梢の事を紹介していた。

 

 

「じゃーん、このすっごい美人の三年生が、乙宗梢センパイ!あたしと一緒に、スリーズブーケっていうユニットをやっているんだ!文武両道!容姿端麗!なんでもできちゃうんだよ!完璧な先輩なんだ!」

 

 

「は、初めまして!蓮ノ空学院一年生。百生吟子です!どうぞ、よろしくお願いします!」

 

 

「吟、そんなに緊張しなくていいよ」

 

 

「その通りよ。緊張しなくてもいいわよ。それに、花帆が少し大げさに紹介してくれたけれど、乙宗梢よ。未来から話は聞いているわ。よろしくね吟子さん」

 

 

「は、はいっ!」

 

 

梢の言葉に、吟はそう返事を返す。

 

 

「吟もいつもみたいにやったらいいからね」

 

 

「みくさんもよろしくお願いします」

 

 

「うんうん、よろしくね吟」

 

 

僕がそう言うと、吟の表情はパッと明るくなっていた。

これでちょっとでも緊張がほぐれてくれたらいいんだけど

 

 

「それで…こずと話したんだけど、花帆ちゃん」

 

 

「は、はいっ!なんでしょうかみく先輩」

 

 

「吟の基礎練習は、当面の指導は、花帆ちゃんがやってね」

 

 

僕がそう言うと、花帆ちゃんは一瞬戸惑いを見せたが

 

 

「えっ?あっ、はい!わかりました!」

 

 

「えっ?みくさんが見てくれるんじゃないですか?」

 

 

「うん、練習は基本的にみんなに任せてるからね。練習頑張って」

 

 

「花帆」

 

 

「なんでしょうか梢センパイ!」

 

 

「二年生らしいところを見せてあげてちょうだい。ね?」

 

 

「〜〜っ、はい! いこっ、吟子ちゃん!」

 

 

「は、はい!」

 

 

そして、花帆ちゃんと吟は二人きりで基礎練習を始める。

 

 

「それじゃあ、まずは基礎練習だよ、吟子ちゃん!最初から楽しい応用編をやりたいのはわかるけど、なんでも大事なのは基礎なんだからね!」

 

 

「いえ、基礎の大切さは、わかってますけど…」

 

 

「あ、そ、そう?そうだよね。じゃあね、最初は柔軟から!」

 

 

「はい」

 

 

花帆ちゃんから声を出して、コミュニケーションを取ろうとする。

 

 

「……どう? 地味で大変でしょ。でもね、この積み重ねが明日の筋肉を作るのよ!」

 

 

「はあ」

 

 

「そ、そうだ、吟子さん!あたくしね、今度こそちゃんと紅茶をいれてきたの!ほら、水筒!ね、喉乾いてないかしら!?」

 

 

「えと……まだ、大丈夫ですけど………?」

 

 

「え?あ、そう!?」

 

 

なんだが、空回りしてるというか…梢をお手本にし過ぎてるというか…花帆ちゃんには彼女らしい良い所もあるんだけどなー

そして、場所を移し、中庭まで降りてきた。

 

 

「それじゃあ、周りをぐるっと走ってきますね」

 

 

「う、うん、いってらっしゃい!」

 

 

吟はランニングに行くと、花帆ちゃんは悩みだす。

 

 

「ええと、梢センパイは、この後…確か…」

 

 

見かねた梢が花帆ちゃんに声を掛ける。

 

 

「ちょっといいかしら、花帆」

 

 

「な、なにかしら!?梢センパイ!」

 

 

「あのね、ムリして私の真似をしなくてもいいのよ。あなたには、あなたのやり方があるんだから」

 

 

「そうそう、花帆ちゃんのやり方でいいんだよ」

 

 

「で、でも…あたしは、これでスリーズブーケを好きになったので」

 

 

「花帆ちゃんはそうだったね。でも吟は花帆ちゃんじゃないでしょ?」

 

 

「あっ…それは」

 

 

「だから、ちゃんと吟子さんを見て、なにが1番彼女の成長に役立つのかを、あなたがしっかり考えなきゃいけないの」

 

 

「な、なるほど!瑠璃乃ちゃんのときの、応用…発展形…!えっ。でもそれって、大変ですよね!?」

 

 

「そうね、大変だったんだから」

 

 

「うっ……梢センパイでも大変だったのに、あたしにうまく、できるでしょうか」

 

 

花帆ちゃんは不安の表情を浮かべる。初めての経験だから無理もない。

 

 

「不安に思う気持ちもわかるわ。責任重大だものね。でもね、あなたがやらなきゃいけないのよ。吟子さんといちばん長い時間を過ごすのは、花帆。私や未来ではなく、あなたなんだから」

 

 

「大切なのはあなたたちふたりの気持ち、あなたたちだけのやり方、お互い話して、お互いを理解し合うこと」

 

 

「そうそう。困った時は僕とこずは力を貸すから。ひとまずは花帆ちゃんの思うようにやってみるといいと思う」

 

 

「センパイ……わかりました!まずは、仲良くなるところから、ですね!あたし、とにかくやってみます!」

 

 

「その調子だよ」

 

 

「みく先輩、吟子ちゃんの好きな物を教えてください!」

 

 

「そこからやっていくんだね。いいよ教えてあげる」

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