「よーし、放課後だ!それじゃあさやかちゃん、瑠璃乃ちゃん、また後でね!」
「はい、いってらっしゃい」
花帆は、さやかに言い、吟子の居る一年生の教室へと向かった。
「おおー、花帆ちゃんメラメラしてんねえ」
「ふふふっ。ですね!」
一年生の教室に着いた花帆は、吟子の事を聞く。
「あ、ねえねえ、百生吟子ちゃんいるかな?もうどこかに行っちゃった? そっか、ありがとー!」
クラスメイトから情報を得た花帆は、そのまま彼女を探しに行く。
「昨日までの練習メニューは……こう、だから……ちゃんとしっかり、復習、を……」
彼女の姿は、中庭のベンチにあった。
吟子を発見した花帆は、彼女に声を掛けた。
「ぎーんこちゃんっ」
「うわああああ!」
声をかけられた吟子は、びっくりのあまり悲鳴を上げた。
「か、花帆先輩!?なにしとらん!?」
「しとらん?」
「な……なんでもない、です……ていうか、な、なに?部室には、今から行きます。けど」
「それより!今の手帳すごかったね!あたしの言ったこと、ぜんぶメモってくれてたの!?」
花帆は、吟子の手帳に書かれた文字を見て、喜び吟子に聞く。
「〜〜っ! そ、それは!」
花帆に見られたくなかったのか、吟子は顔を紅くしていた。
「そりゃ、スクールアイドルの先輩からの、お言葉、だし……」
「吟子ちゃん……かわいい!」
「は、はあ!?て、ていうか!なんなの!なんなんですか!いっつも距離が近い、ですけど!」
「ええー?そんなことないよ。ふつーだよー」
「そういうの、困る……」
「えっ、嫌だった!?ごめんね!」
花帆は、吟子に謝る。
「〜〜っ、そうじゃなくて……。その………。私………。今まで、年の近い人と、あんまり仲良かったことなくて……」
「そうなの?」
「地元でも、じいじ、ばあば……年配の方とは、楽しくお喋りできるんだけど。みくさん以外に同年代の友達とか、いないし……作り方も、わかんないし……」
「そっかぁ。だったら……うん、決めた!あたしが吟子ちゃんのお友達になるよ!」
「え?……は?」
花帆の言葉に、吟子は戸惑った。
「それは、どういう……?」
「友達みたいに接してもらえばいいからさ。そうしたら、吟子ちゃんとも、もっと仲良くなれるでしょ? あたし、吟子ちゃんのこともっと知りたいんだ!」
「ほら、まずはやってみて!」
「そう言われても……………」
「じゃあじゃあ、試しに『花帆ちゃん』って呼んでみるのは?あ、敬語もなくて大丈夫だよ!」
「先輩……それは、さすがに……」
「もう一声!」
「……か、花帆先輩」
「うんうん」
「もう、なんなんですかこれ!芸の世界において「上下関係は絶対」っていうのが、伝統なのに!」
「あたし、そういうの知らないし! あ、でも、吟子ちゃんが嫌だったら、無理矢理とは言わないからね?吟子ちゃんの気に入るやり方でいこうね。あたし、吟子ちゃんのことをしっかり考えるから!」
「あーもう!ぐいぐい来すぎ!わかった、わかりましたから!でも、花帆先輩呼びまで!それでいいですよね!?」
「うん、わかった!ありがと!」
「ヘンな人……なんでそっちがお礼言うんですか……」
「ほら、部活いきますよ!部活!」
「えへへ」
「…………今度は、なんですかー」
「なんだか、吟子ちゃんとちょっと仲良くなれた気がして、嬉しいなーって」
「む、むう……………」
「これからも吟子ちゃんのこと、ずーっと見てるからね!」
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二人は、屋外練習を行い、体幹トレーニングをするために室内に戻ってきた。
「それじゃあ、次はプランク!まずは20秒から、やってみよ!」
「あの、前から思ってたんですけど……もう少し厳しくても大丈夫ですよ?」
「えっ?」
「初心者だから、手加減してくれるのは、わかりますけど……。筋トレは、ひとりでもそれなりにはしてましたから」
「そ、そんな…………あたし、入部したばかりの頃は、なんにもできなかったのに!」
吟子の言葉に、花帆はショックを受ける。
「………やっぱり20秒にしときます?」
「いえ!だったら、あたしの限界値まで……!」
二人でプランクを始めた。だが
「あ、あれ……………?」
花帆は、吟子に持続勝負で負けた。
「あれあれ!?もしかして吟子ちゃん、あたしより体力ある!?」
「花帆先輩……………だ、大丈夫ですよ。今回は、その、たまたまだから」
「トレーニングにマグレはないんだよお! じゃあランニング!ランニングで勝負!」
「どうして勝負になってるんですか!?」
「ほらよーいどんー!」
「なっ。こら! せこいー!」
「ふふっ……。さすが花帆。どうやら、もう大丈夫そうね」
「そうだね」