なんとか無事に退院して、2.3日の安静の日々も過ぎ、今日から普通の生活に戻った。
安静の時に、ゲームをしていたんだけど、ゲーム配信のストリーマー「ツマヨウ寺」さんと戦う事になって、無我夢中でやったら勝ててしまい、そのまま友達となって、今後も一緒にゲームをする約束をしたので、友達が増えて個人的には満足の3日間だった。
それはさておき、花帆ちゃんを追いかけた梢だったが見つける事が出来なかったらしいがさやかちゃんが救いの手を出したとかなんとか。流石さやかちゃんという所か。
「夜空先輩!」
「おっ、花帆ちゃん元気だった?」
「あたしは元気です!聞きたい事があるんですけど」
「うん、何かな?」
「これって先輩が書いてるんですか?」
花帆ちゃんはそう言って、ノートを見せてきた。
「ううん、そのノートはみんなの物なんだ。だから綴理のもあったでしょ?」
「はい、それじゃ、これって」
花帆ちゃんはそう言ってとあるページを広げて見せてきた。
「うん、その部分は梢が書いた物だね。梢の気持ちが書いてあるよ」
「梢先輩の…」
花帆ちゃんはそう言いながらノートに目を落とした。
「梢の居場所知りたい?」
「は、はい!知りたいです!」
「じゃ、付いて来て」
******
「な、な、なんなんですかここー!?」
「大倉庫だよ、ここには色んな部活の記録が眠ってるんだよね」
「迷宮じゃないですかここ!」
「花帆ちゃん、僕から離れないようにね、僕を見失ったら帰れなくなるよ」
「怖い事を言わないでくださいよ先輩…」
花帆ちゃんはそう言いながら、僕の制服の袖を掴んでそう言う。
「あれ、何してるの?」
「うわぁ!?迷宮の…妖精さん!?」
「沙知先輩はここで何してるんですか…」
僕達の目の前に現れたのは、妖精ではなく沙知先輩だった。
「え?あ…生徒会長!?」
花帆ちゃんも気づいたようだった。
「あたしは、見回り兼荷物整理ってところかな」
「なるほど、お勤めご苦労様です」
「うむ、それで君たちは?」
「梢がここにいるかもって思って」
「それならスクールアイドルの所に居るよ」
「やっぱり…沙知先輩、ありがとうございます」
「うむ、未来君も気をつけてね」
「大丈夫ですって先輩…」
「あははそうだね。それじゃ、あたしは見回り続けるから」
「はい。頑張ってください」
沙知先輩はそう言って、僕達に手を振って去っていった。
「夜空先輩って生徒会長とも仲が良いんですね」
「まぁね、スクールアイドルの所はこっちだから付いておいで」
花帆ちゃんは袖を掴むのは辞めないまま、僕に付いてくる。
そして、スクールアイドルクラブの所までやってきた。
「ここが…スクールアイドルクラブの…」
「そう、梢どこかに居ると思うから探しに行くね」
僕はそう言って、梢の事を探しに行こうとしたのだが、花帆ちゃんは袖を掴んでいる手を放してくれなかった。
「夜空先輩…行かないでくださいよ…」
「ここそんなに暗くはないと思うんだけど…」
「そうじゃなくて…ここ、不気味じゃないですか…」
「分かるけど…」
花帆ちゃんはそう言って棚を見通す。
すると、とある写真に視線がいった。
「えっ…これって」
「それはねラブライブで優勝した時の写真だね」
「ええ、蓮ノ空の先輩達が、スクールアイドルの頂点に立ったその瞬間を写したものね」
「梢先輩」
「なんで未来と2人きりで居るか聞きたい所だけど…」
「えっと…」
花帆ちゃんはそう言って、掴んでいた手を放す。
すると、梢はもう片手に持っていたノートに目が入った。
「そのノート」
「えっ、あっ、すみません。持ってきちゃって」
「少し恥ずかしいけれど…いいのよ、これはスクールアイドルクラブみんなのものなんだから」
「それ夜空先輩も言ってました。みんなの物だって」
「迷ったり、考えを整理したくなったときにね、ノートを広げるの。このノートに触れていると、なんだが安心して」
「安心…?」
「どうすればもっと、うまく出来るのかなって悩んでいる時でもね」
「私が憧れたスクールアイドルの先輩方も、こんな風に毎日悩んで、頑張っていたんだって分かるから」
「…梢先輩でも、そんな風に悩むことがあるんですか?」
「いっつもよ。だから背筋を伸ばして、後輩の前ではせめて恰好つけようって、前を向いているの。私が先輩からしてもらった事を今度はきちんと後輩にお返しできるように。未来の新入生に、憧れだってそう言って貰えるように」
「未来だって同じ事を思っている筈よ」
梢はそう言って僕の事を見てくる。
「なんでそこで僕に話を振るかなぁ…」
「一緒の気持ちでしょ?」
「そうだけど…」
「…あの、あたし…ノート、ちょっと読みました。たくさんの弱音だったり、お互い励まし合っていたり、あたしもなんだが、胸に響きました、先輩達、あたし、先輩達が作ってくれたメニューをはみ出して、無茶をしていました。だから、あたしの事をちゃんと叱ってください」
「日野下さん…」
「だって先輩達はあたしの事、信じてくれていたのに…あたしが勝手に練習していたのは、先輩達の言葉を信じられなかったってことですもん、そんなのだめじゃないですか。だから、梢先輩。あたし、これからも先輩と一緒にユニットを続けていきたいですから、ここでちゃんと叱ってください!」
「…そうね」
花帆ちゃんの言葉を聞いて、梢も決心したようだった。
「分かったわ日野下さん、あなたがしたのは良くない事よ。あなたが怪我をしたら、私達が悲しいわ。もうしないで」
「…はい」
「それじゃあ、次は私の番、私もあなたに叱ってもらわなくちゃ」
「え?」
「ライブの日取りを強引に決めてしまったでしょう。そのせいであなたは無茶をしてしまった。もっとあなたの不安を向き合って、2人でしっかりと話し合うべきだったわ」
ライブの日程がえらい近いと思ったけど…そういう事だったのか。
梢のやり方が怖いのってこういうのがあるからなんだよね。
「それはでも、叱られるようなことじゃ」
「貴方が誤ってしまったように、私も完璧な先輩ではなかった。どうかしら。だから、お互いにこれから…手を取り合って、一緒に歩いて行くというのは」
「ねえ、日野下さん、もし、貴方が良ければ、なのだけれど。私は不器用で、思い込みが激しく、融通の利かない先輩かもしれないけど、改めて、私と一緒にスクールアイドルをしてもらえないかしら」
「私とあなたで、この衣装を着て」
「でも…あたしに、その衣装を着る資格は…」
「お願い花帆さん」
「私ともう一度、ユニットを組んで」
「頑張るあなたの、その隣に立っていたいの」
「そんなのあたしこそ!朝練だってこないだ始めたばっかりで、体力もなくて、歌もダンスもまだまだですけど!でも、先輩とこれからもスクールアイドルしたいです!」
「わ」
「梢先輩!あたし、頑張れば一人でも花咲けるって思っていました。でも、今はスクールアイドルとして、梢先輩と一緒に花咲きたいんです。先輩、どうかお願いします!あたしと一緒に、スクールアイドルしてください!」
「花帆さん」
「…ええ、もちろん、そしてありがとう」
「先輩…!」
「私とあなたで、ステージに、満開の花を咲かせましょう」
「はい!」
「盛りあがってる所悪いけど…僕も花帆ちゃんに叱って貰ないといけないね」
「えっ!?なんでですか?」
「梢を止めれなかった事と花帆ちゃんが足に違和感があるのに止めれなかった事かな」
「そうね、未来には色々と言いたい事があるから…」
「なんで梢が怒ってるの…」
その後、何故か梢に怒られる僕だった。
また違う作品を書きたくなってしまったので、裏で進めております。