「私と君の色をのせて 花がパッと咲いた キャンバスの上
世界は変わる この手を伸ばした瞬間から
創造できる どんな風景も」
「未来…」
「梢…眠れないの?」
「違うわ、通りかかったら私達の曲が聞こえてきて」
大倉庫での話があったその日の夜、公園で1人で弾き語りをしていると梢が声をかけてきた。
「花帆さんに撫子祭に四人でやりたいって言われたわ」
やっぱり、花帆ちゃんならそう言うと思っていたけど…行動が早いなぁ…
「僕はやっていいと思ってる。けど…梢は悩んでるの?」
「ええ」
「ステージで踊るのは梢達、それにスクールアイドルはやらされてやる物じゃないから。どれでも言える事だけど…梢が決めたら良いと思う」
「…本当にそれでいいのか…」
「…綴理ならそう言うと思うけどなぁ…」
「本当にどうしたらいいの…」
「二人で何の話してるの?眠れないの?」
梢と話をしていると、綴理が話しかけてきた。
「綴理…あなたこそ、まだ起きているなんて珍しい」
「眠れない訳ではないよ…綴理はどうしてここに?」
「…うん、未来の音が聞こえてきたからもしかしたらここにいるかもって。それにさっき、さやが来た」
ギターの音が聞こえるって…結構近くまで来てたのかな
「…そう。私の所にも、花帆さんが来たわ」
「そっか」
「多分、言われた事は、同じではないかしら」
そう言って、梢は空に向かい顔を見上げた。
「綴理は、どう返したの?」
「何も」
「ただ…お礼は言ったかな。二人は、ボク達の事を心配してくれてたから」
「…そう」
「で、こずは?」
「…それが分からなくて、ここに居るのよ」
「…こずが決めればいいんだと、思う」
「…どうして」
「ーースクールアイドルは、やれされるものじゃないから」
ね、言ったでしょ。綴理ならこう言うって
「…綴理」
「確かに、もう二人でステージには立たないって約束したけど…四人でっていうのは、考えた事無かった、だから」
「そう、そうなのね、後は、私次第」
梢はそう言って、目をつぶって何かを考える。
「…あの時の、曲」
「あの時の曲を、もう一度私が頑張れたら…あなたにも、顔向けできるかしら」
「顔向け?顔なんて、そんなのいつもこっち向いててほしいけど。でも、あの曲は…」
「ちゃんと…次こそ、ちゃんとした振りで」
「…そ、っか。そっか」
「何?」
「確かに、前とは違うから。きっと前よりも良くなるはずだ」
「そう、ね。今の私達と、昔の私達は違うって…教えて貰ったから」
「うん、さやと、かほが居る」
「私もあの二人の気持ちに、応えてみたい」
「そうだね、もしそれが出来たら、今度こそボクはキミとも、スクールアイドルになれるのかもしれない」
「ええ、やってみましょう」
『ふふっ』
「そういう訳だから、未来よろしくね」
「…えっ?なんで僕」
「あの時の振り付けよりもっと良い振り付け出来るでしょ未来なら」
「うん、ボクも未来なら出来ると思ってる」
「まぁ…やるだけやってみるか…最初はどうするのよ…あの難しい所はいれるべきだと思うけど…」
「そこは、ほら、なんとかして」
「…心配しかない…」
******
「やりましょうか四人ライブ!」
「わぁっ…!」
「やりましたね、花帆さん!!」
「うん!」
次の日、梢は二人に向けて四人でライブをすると伝えた。
二人はとてつもなく喜んでいた。
「そこでひとつ、二人にはお願いがあるの」
「ふぅ…実は、この撫子祭でやる曲を私に決めさせて欲しいの」
「どんな曲なんですか?」
花帆ちゃんに聞かれて、梢は僕と綴理を一旦見て、花帆ちゃんに振り返る
「その曲はね、すごく難しいの、そして、去年のラブライブ!予選で、私と綴理がやった曲。情けなくも私が、綴理の隣に立てる程のパフォーマンスが出来なくて…二度と一緒にやらないって決めた曲、だからーー」
「じゃあリベンジですね!!」
「えっ?」
「分かりました、任せてください!!あたし、梢先輩の為に精一杯サポートします!!」
「花帆さん…」
「やりましょう!ねえ、さやかちゃん!!」
「はい。先輩がたの為に頑張ったんですから」
「花帆さん…村野さん…ええ。私…頑張るわ」
「ありがと」
「え?」
「四人でライブをやろうって、って言ってくれなかったら…リベンジをしようって思わなかったから」
「はい!よーっし、頑張りましょー!」
「ですね」
「…綴理先輩」
「うん?」
「曲を教えてください。乙宗先輩でも…難しいと言ったその曲を」
「そう、だね」
「じゃあ始めようか。こず、振りは覚えてる?」
「…もちろん、でもその前に」
そう言って、梢は僕の方を向く。
「はぁ…やればいいんでしょうに」
「ふふっ、お願いするわ」
梢からお願いされて、予め動きやすい服装に着替えていたので、レッスン室に移動し、例の難しい踊りを僕は綴理と一緒に踊った。