蓮ノ空のアイドルクラブのマネージャーの話   作:桜紅月音

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20.難曲

「私と君の色をのせて 花がパッと咲いた キャンバスの上

世界は変わる この手を伸ばした瞬間から

創造できる どんな風景も」

 

「未来…」

 

「梢…眠れないの?」

 

「違うわ、通りかかったら私達の曲が聞こえてきて」

 

大倉庫での話があったその日の夜、公園で1人で弾き語りをしていると梢が声をかけてきた。

 

「花帆さんに撫子祭に四人でやりたいって言われたわ」

 

やっぱり、花帆ちゃんならそう言うと思っていたけど…行動が早いなぁ…

 

「僕はやっていいと思ってる。けど…梢は悩んでるの?」

 

「ええ」

 

「ステージで踊るのは梢達、それにスクールアイドルはやらされてやる物じゃないから。どれでも言える事だけど…梢が決めたら良いと思う」

 

「…本当にそれでいいのか…」

 

「…綴理ならそう言うと思うけどなぁ…」

 

「本当にどうしたらいいの…」

 

「二人で何の話してるの?眠れないの?」

 

梢と話をしていると、綴理が話しかけてきた。

 

「綴理…あなたこそ、まだ起きているなんて珍しい」

 

「眠れない訳ではないよ…綴理はどうしてここに?」

 

「…うん、未来の音が聞こえてきたからもしかしたらここにいるかもって。それにさっき、さやが来た」

 

ギターの音が聞こえるって…結構近くまで来てたのかな

 

「…そう。私の所にも、花帆さんが来たわ」

 

「そっか」

 

「多分、言われた事は、同じではないかしら」

 

そう言って、梢は空に向かい顔を見上げた。

 

「綴理は、どう返したの?」

 

「何も」

 

「ただ…お礼は言ったかな。二人は、ボク達の事を心配してくれてたから」

 

「…そう」

 

「で、こずは?」

 

「…それが分からなくて、ここに居るのよ」

 

「…こずが決めればいいんだと、思う」

 

「…どうして」

 

「ーースクールアイドルは、やれされるものじゃないから」

 

ね、言ったでしょ。綴理ならこう言うって

 

「…綴理」

 

「確かに、もう二人でステージには立たないって約束したけど…四人でっていうのは、考えた事無かった、だから」

 

「そう、そうなのね、後は、私次第」

 

梢はそう言って、目をつぶって何かを考える。

 

「…あの時の、曲」

 

「あの時の曲を、もう一度私が頑張れたら…あなたにも、顔向けできるかしら」

 

「顔向け?顔なんて、そんなのいつもこっち向いててほしいけど。でも、あの曲は…」

 

「ちゃんと…次こそ、ちゃんとした振りで」

 

「…そ、っか。そっか」

 

「何?」

 

「確かに、前とは違うから。きっと前よりも良くなるはずだ」

 

「そう、ね。今の私達と、昔の私達は違うって…教えて貰ったから」

 

「うん、さやと、かほが居る」

 

「私もあの二人の気持ちに、応えてみたい」

 

「そうだね、もしそれが出来たら、今度こそボクはキミとも、スクールアイドルになれるのかもしれない」

 

「ええ、やってみましょう」

 

『ふふっ』

 

「そういう訳だから、未来よろしくね」

 

「…えっ?なんで僕」

 

「あの時の振り付けよりもっと良い振り付け出来るでしょ未来なら」

 

「うん、ボクも未来なら出来ると思ってる」

 

「まぁ…やるだけやってみるか…最初はどうするのよ…あの難しい所はいれるべきだと思うけど…」

 

「そこは、ほら、なんとかして」

 

「…心配しかない…」

 

 

 

 

******

 

「やりましょうか四人ライブ!」

 

「わぁっ…!」

 

「やりましたね、花帆さん!!」

 

「うん!」

 

次の日、梢は二人に向けて四人でライブをすると伝えた。

二人はとてつもなく喜んでいた。

 

「そこでひとつ、二人にはお願いがあるの」

 

「ふぅ…実は、この撫子祭でやる曲を私に決めさせて欲しいの」

 

「どんな曲なんですか?」

 

花帆ちゃんに聞かれて、梢は僕と綴理を一旦見て、花帆ちゃんに振り返る

 

「その曲はね、すごく難しいの、そして、去年のラブライブ!予選で、私と綴理がやった曲。情けなくも私が、綴理の隣に立てる程のパフォーマンスが出来なくて…二度と一緒にやらないって決めた曲、だからーー」

 

「じゃあリベンジですね!!」

 

「えっ?」

 

「分かりました、任せてください!!あたし、梢先輩の為に精一杯サポートします!!」

 

「花帆さん…」

 

「やりましょう!ねえ、さやかちゃん!!」

 

「はい。先輩がたの為に頑張ったんですから」

 

「花帆さん…村野さん…ええ。私…頑張るわ」

 

「ありがと」

 

「え?」

 

「四人でライブをやろうって、って言ってくれなかったら…リベンジをしようって思わなかったから」

 

「はい!よーっし、頑張りましょー!」

 

「ですね」

 

「…綴理先輩」

 

「うん?」

 

「曲を教えてください。乙宗先輩でも…難しいと言ったその曲を」

 

「そう、だね」

 

「じゃあ始めようか。こず、振りは覚えてる?」

 

「…もちろん、でもその前に」

 

そう言って、梢は僕の方を向く。

 

「はぁ…やればいいんでしょうに」

 

「ふふっ、お願いするわ」

 

梢からお願いされて、予め動きやすい服装に着替えていたので、レッスン室に移動し、例の難しい踊りを僕は綴理と一緒に踊った。

 

 

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