蓮ノ空のアイドルクラブのマネージャーの話   作:桜紅月音

23 / 39
22.祭り

 

「あの子達、ちゃっかり私達の外出許可まで…初めて見る手際だわ…」

 

「そうだね…ここまで綺麗にやられると尊敬の領域だけど…」

 

「こず、みく」

 

「あ、ごめんなさい。何かしら」

 

「おうい、こっちこっちー!!」

 

「あっ、れいかさんだ」

 

「行こ」

 

「そうね」

 

「うん、行くか」

 

三人で仲良く、れいかさんの元まで行く。

そして、れいかさんから軽く説明を受けた。

 

「という訳で三つの屋台を掛け持ちしてるので!二人にはここを基本お願いさせてほしいの」

 

「ど、どうしてそんな事に?」

 

「どこも人手不足で頼られちゃってねえ。気付いたらあたし自身も大変だったのよー!」

 

れいかさんは変わらないね、本当に…

 

「れいかさんは変わりませんね。じゃあ任されました」

 

「ありがとう梢ちゃん!!綴理ちゃんも、ごめんねえ!」

 

「ん。店番得意」

 

「ありがとう。ありがとう!それじゃあ、行ってくる、か、ら…?」

 

れいかさんは、何か違和感を感じ取ったようだった。

 

「どうしてそんなにくっ付いてるの?」

 

「そ、それは…」

 

「ん、試練」

 

「まぁ…色々とありまして…」

 

「んー?二人一緒に見るのも久しぶりだし、面白いからいっか。それじゃあ今日はお世話になるわ!ごめんねえ、ちょくちょく見には来るから!」

 

そう言ってれいかさんは、去っていくのだが

 

「れいかさん!!!!僕はどこに行けばいいんですか!!!」

 

「未来君は、焼きそばの屋台で!!」

 

「なるほど…」

 

「ところで何のお店?」

 

「知らずに任されたのね…」

 

こっちも変わらないなぁ…

 

 

 

 

 

*****

 

かき氷屋を任された梢と綴理の屋台は、ちょくちょくと人が来るが、焼きそばの屋台を任された僕の所はいうと…

 

 

「はい、焼きそばお待たせしました!次の方どうぞー!」

 

滅茶苦茶大変な事になってました。

料理は、おっちゃんに任せて僕はレジ担当だったけど、それでも休みは無かった。

 

「みく、大変そうだね…」

 

「そうね。こんな狭い場所で二人で作業するのも危ないし、そこまでしなきゃいけないほど。忙しくはないのよね…むしろ、未来の方を手伝いに行った方がいいくらいにはね」

 

「ふむ…じゃあ、行ってくる」

 

「待ちなさい綴理」

 

「どうしたのこず」

 

「あなたが行ったらもっと大変な事になるわ」

 

「それもそっか…でも、お客さんあんまり来ないね」

 

「ねえ、綴理、確かに「お客さん少なかったです」とれいかさんに伝えるのもしのびないし、どうせなら盛況にしたいのよね、未来の屋台のように」

 

「ん?うん」

 

「少し、お客さんを集める方法を…相談してもいいかしら、こういう屋台のお手伝いをするの、私は初めてだから、どうせなら忙しくしてみたいの」

 

「分かった、頑張って考えるよ、こずは、お客さん来た時のために構えてて」

 

「構える、はちょっと違うけれど…分かったわ。準備しておくわね」

 

「よし…なにかないかな」

 

 

-その後-

 

「ぜえ、ぜえ。未来君…手伝いに来たわよ」

 

「れいかさん、こっちは完売ですよ。それよりもあっちの方の方ですよ」

 

それからしばらく経って、れいかさんが僕の屋台の所まで走ってきたのだが、材料が尽きた為。僕は休憩を取っていた。

 

「やだ、凄い盛り上がり。あれは…」

 

れいかさんがそう言ってみる先では、梢と綴理の屋台が大盛況だった。

なんでもかき氷にアートを書くという案を綴理が思いついたらしい

 

「…は、いけないいけない。梢ちゃーん、綴理ちゃーん!!追加の氷は本部にたくさん用意しておくから、思う存分やっちゃってねー!!」

 

「でも…ふふ。本当に、あの二人に頼めて良かったわ」

 

「れいかさん…」

 

「もちろん、未来君もね」

 

「そう言って貰えて何よりですよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*****

 

「今の人はやっぱり…いえ、それよりも私にお手紙って」

 

「え?」

 

「さっき、○○高校のスクールアイドルと話してたけど、何かあった梢?」

 

「!?何もないわって…随分と楽しんでるわね…未来」

 

「こっちは何もする事ないし…本部でアナウンスするくらいしかないからね」

 

焼きそばの屋台の仕事を終えた僕は、何故か本部に連行されてアナウンスを任されていたのだが…その休憩中、他校のスクールアイドルを話す梢を発見した、手には何かの手紙を持っていた。まぁ…スカウトとかそういう話?

 

「まぁ…梢が言う気がないから僕からは何もしない…」

 

「もしかして…見た?」

 

「見てないよ。なんとなくそういう事なんだろうなって去年もあったし、僕にも似たような事あったし」

 

「…そうね…」

 

「まぁ…考えすぎないようにね」

 

「それと…未来」

 

「ん?」

 

「今回の話は、貴方もよ」

 

「…またか…」

 

そして、祭りも終わりに近づいた頃、僕は梢の屋台までやってきていた。

 

「れいかさんが遅れそうだから、僕が先に来たけど…何かあった?」

 

「仕入れの数が合わないの…」

 

「ボクじゃないよ」

 

「誰も綴理の事は言ってない」

 

「数え直してみないと…後の事はれいかさんとやっておくから、二人は先に戻っていて」

 

「えっ?」

 

「彼女をほって帰る彼氏なんてここには居ないんですわ」

 

梢がここを任せて欲しいって言ってきたけど、まぁはいそうですかと言って帰る程の僕と綴理ではないんですよね

 

「…ボク、数学は好きだよ?」

 

「数学…ああ、大丈夫よ。計算ならスマートフォンの電卓があれば平気。心配しないで」

 

「さっき充電がないって言ってなかったっけ…」

 

「…」

 

「…こず?」

 

「…そうね、じゃあ…三人で手分けしましょうか」

 

「去年はいつも先に帰ってた」

 

「そうね。それでも、良かったけれど」

 

「でも…きっとこっちの方が良かったって、今思った」

 

「…そう」

 

しかし、その判断は無情だというのか…物凄い雨が降ってきた。

 

「こず、みくと残る選択は悪かったというのか」

 

「う、嬉しかったわよ」

 

「そうそう。三人で居る時間も最近は無かったし」

 

「そう?じゃあいいか」

 

「結局、計算もちゃんと合っていたし」

 

「天気予報だと降らないって言ってたから…傘持って来なかったんだけど…」

 

「どちらにしても寮に帰る頃にはびしょ濡れだわ」

 

「山登りはつらい」

 

「あ、歩くつもりはなかったけれど」

 

「ご、ごめんねぇ!こんなことになるとは思わなくて!」

 

「れいかさんは悪いではないので…」

 

「い、いえ、中入ってください」

 

「本当にごめんなさい!三人の事は責任を持って送るから…!!」

 

「れいかさん…車乗ってましたっけ…?」

 

「そうそう…ちっちゃいバイクだよね?」

 

「…責任持って送るから!」

 

「無理ですよ!!」

 

「で、でもそれじゃあ三人に申し訳がーー」

 

「あ」

 

れいかさんが必死に頭を下げてくれてる中、綴理が何かを思い出したようだった。

 

「どうしたの綴理」

 

「二人、うち来る?」

 

「そういえば、綴理の家ここから近くだったっけ」

 

「そう、だから来る?」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。