蓮ノ空のアイドルクラブのマネージャーの話   作:桜紅月音

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28.新入部員(仮)

 

「一緒のステージにあがった梢先輩と綴理先輩、凄かったですね~」

 

「ええ、ありがとう…でも花帆さん、そう言ってくれるのは嬉しいけれど…」

 

「あれから、結構な日が経ちましたよ」

 

「あたしの瞼の裏では、つい五分前のことのように~」

 

「記憶力いいね、賢い」

 

「そういう話かしら」

 

ライブから結構な日が経ったある日、僕達は部室に集まって話を行っていた。

 

「実際、チャンネル登録者はグングン増えているみたいですね」

 

先日のライブを動画サイトにアップしてからというもの、登録してくれる人が増えたのである。

 

『流石みく先輩!』

 

「あはは…ありがとう」

 

花帆ちゃんとさやかちゃんからそう言われて、勢いに押されてしまって変な声になってしまった…

 

「どうして張り合うの、あなたたち」

 

「流石みく」

 

「あなたまで、やめなさい!」

 

二人(花帆 さやか)に乗って言う綴理に梢も勢いで返した。

 

「梢先輩も、すっかり元通りですね」

 

「…そうね、さやかさん。いろいろと迷惑をかけてしまったけれど、本当にありがとうね」

 

さやかちゃんに梢はそう言った。

 

「いえいえ、そんな、こ、梢先輩」

 

「二人もすっかり仲良くなったみたいで、嬉しいです、だからあたしはーこの調子で新入部員が入ってくれないかなーって、思っているんですよ!」

 

「新入部員?」

 

「うん、だってDream Believersって、本当は3ユニットで歌う曲なんでしょ?」

 

「ああ、そういうことですか」

 

「ね!だったら、部員が増えたら、パーフェクトなDream Believersが出来るんだよ!」

 

「きっと、もっともっと凄い事が出来るかもしれませんね!」

 

二人が盛り上がっている中、僕達二年生三人は渋い表情になっていた。

そういえば、先生達が転入生がいるとかなんとか言ってた気がするけど…まあ、いいか。

 

「もう一つのユニット…かぁ」

 

「…どっちにしても来年には新入部員は入ってくると思うなぁ僕は」

 

「えー!待てませんよぉ!」

 

「気持ちは分かるけど、一年ってあっという間だからすぐだよ」

 

花帆ちゃんにそう言うが、花帆ちゃんは

 

「どこかに新入部員落ちてないかなあ…あ、綴理先輩って実は三つ子だったりしませんか?」

 

「何恐ろしい事を言いだすんですか」

 

「嫌な事しか想像できない…」

 

さやかちゃんの言葉通り、綴理が三人も居たら色んな意味で終わるんだけど

 

「悪夢だわ」

 

「ボクなんなの」

 

そんな会話をしていると、部室のドアを叩く音が聞こえてきて、すぐさま誰かが入ってきた。

 

「たのもーう!ここがスクールアイドルクラブでお間違いないですかー!?」

 

入ってきたのは、金髪の女の子だった。

さっき新入部員がどうだこうだ言っていたけど、噂をすればって事か

 

「え、ええ、そうだけれど、あなたは?」

 

「大沢瑠璃乃!入部志望です!」

 

そう言って、彼女は入部届を梢の前に差し出す。

 

「し、新入部員だーー!」

 

席を立ちあがり、大きな声でそう言う花帆ちゃんだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*****

 

「大沢瑠璃乃って言います!今月から、蓮ノ空に転入してきました。ペーペーの一年生です!」

 

「へえ、これまでカリフォルニアの学校に通っていたのね」

 

梢が手に持っている紙を見ながらそう言った。

転入生がいる事は先生達から聞いていたけど、彼女の事だったのか

 

「いえす!ほんとは夏休み明けに転入してくる予定だったんですけど、待ちきれなくって、帰ってきちゃった!あ、来ちゃいましたです!」

 

「ううん、全然気にしないでいいからね。普段通りで構わないから」

 

「そうよ、堅苦しくなくて大丈夫よ」

 

「そうそう!よろしくね、瑠璃乃ちゃん!」

 

「じゃあ、お言葉に甘えちゃって。よろよろ!気軽にルリでもなんでも呼んでね!」

 

「よろよろ、ルリ」

 

流石、綴理。こういうのに慣れるのは早い。

 

「流石の順応力…ええと、よろしくお願いします、瑠璃乃さん」

 

「それでそれで、瑠璃乃ちゃん!どうしてうちに来たの!?」

 

花帆ちゃんがそう言った。

確かになんでここに来たのか気になるなぁ

 

「そうね、私も興味があるわ」

 

「こないだのライブですか?」

 

「うん、良かったらでいいんだけど、教えて貰えないかな?」

 

「なんか、楽しそうだから!!」

 

「た、楽しそう?」

 

ルリちゃんの言葉に困惑をしているさやかちゃんと違って

 

「分かる!いいよね、スクールアイドル!」

 

花帆ちゃんは全く逆の反応をしていた。

 

「そうそう!みんなでわーって盛り上がって、うおーって感じになって、キラキラーって輝いて!」

 

そう言いながら手を大袈裟に広げて言うルリちゃん。

なんかすごい元気のある子だな

 

「それがなんかもうメッチャ眩しくて!すごーい!いいじゃーん!って、ルリ思った!ゆえにルリ有り!」

 

「うんうん、だよねだよね。なっちゃうよね!」

 

「ルリ、楽しいこと大好きだから、これはぜひともスクールアイドルにならなきゃなーって思って、急いで帰ってきたわけなんだー!」

 

「そこまで具体的に言ってくれてるならいいんじゃない?梢」

 

「そうね。配信でライブを見て、そう思ってくれたことよね。それは嬉しいわ」

 

「流石こず」

 

「それはいいから」

 

「瑠璃乃さん、入部届もありがとう。これは受理するわね」

 

梢はそう言って、ルリちゃんから入部届を預かってそのまま僕の前に置く。

 

「ええと、でも転入してきたばかりなら、最初から本格的に活動するのは、色々と大変じゃないかしら?授業のカリキュラムも違うものだし」

 

確かに梢の言い分もそうだな。

 

「それは…確かに」

 

「なら、仮入部でいいんじゃない?それなら、行けそうな日だけ来てもらう形でも問題ない訳だし、それなら、新しい生活に慣れながらでも行けると思うから」

 

「お気遣い、ありありっす!ルリもそれで問題ないっていうか、おーるうぇるかむです!」

 

ルリちゃんがそう言ってくれたおかげでこの話はすんなりと終わった。

 

「逆に、入部審査とかなくて、命助かったー!」

 

「そんなのあったら、あたし今ここにいないよーあはは」

 

「胸を張って言う事ですか!?」

 

堂々と言える事ではないね

 

「あはは、そいじゃあ、仮部員ってことで、どーかひとつよろしくぅー!」

 

「うん、よろしくね」

 

我が蓮ノ空スクールアイドルに新入部員がやってきました。

仮ではあるけど

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