梢を先に向かわせて、僕と花帆ちゃんは遅れながら体育館へと向かう。
「スクールアイドルクラブ…ですか?」
「そう、とは言っても僕はマネージャーだけどね」
「マネージャ…」
花帆ちゃんと話しながら体育館へと向かうと、花帆ちゃんに話しかける女の子が居た。
「あれ、花帆さんもライブ見にきたんですか?」
「あ、さやかちゃん。私は先輩に誘われて」
どうやらさやかちゃんというらしい。
「そうですか、私も、部活巡りをしている最中に、ある先輩に声をかけていただいて…」
「そう、なんだ」
花帆ちゃんとの会話が終わると、さやかちゃんは僕の方に視線を送ってきた。
「それで、そちらの先輩は…」
「えっと…」
「2年生の夜空未来、さっきの会話の感じ的に綴理に声をかけられた感じかな?」
「そうです、先輩って夕霧先輩とお知り合いなんですか?」
「同じ部活に居るからね」
「えっ?先輩がスクールアイドルクラブにですか…?」
「うん。マネージャーでね、流石にアイドルはやらないよ」
「そうですか。あ、ステージが始まるみたいですよ」
さやかちゃんがそう言って、すぐに梢のライブが始まった。
「すごい…!」
「綺麗ですね、花帆さん!」
梢のライブを隣で見る2人はそう言葉を発していた。
「うん…梢先輩、きらきらに、花咲いてる。こんな世界知らなかった」
梢が言っていた知らない世界を、花帆ちゃんが見てくれたようだ。
「みんな、今日は来てくれてありがとうね」
「次はもう一人のスクールアイドル、夕霧綴理のステージよ。最後まで楽しんで行って」
梢と入れ替える形で出てきた綴理、ステージを見に来ている観客のボルテージが更に上がった。
「やっぱりすごいです。この人は、これがスクールアイドル!」
さやかちゃんは、綴理に惹かれているようだった。
そして、綴理のライブも盛り上がりが冷めないうちに終わった。
「それじゃ、2人とも付いておいで」
「えっと…どこに…」
「あの2人の所だよ」
そう言って、2人を連れて舞台裏に入る。
そして、2人を見つけた梢が真っ先に声をかけてきた。
「どうだったかしら?」
「梢先輩…あの…なんだが、凄くて…」
「楽しんでもらえたら良かったよ」
「あっ、えっと」
「僕は夕霧綴理、こずとみくと同じスクールアイドルクラブの2年生だ、因みに好きな教科は数学だよ、答えが決まっているっていいね」
「あっ、はい、えっ?」
綴理の言葉に花帆ちゃんは困惑の声をあげていた。
「ごめんなさい、この子ちょっと距離感が独特でしょう、でもステージ上でのパフォーマンスは素晴らしいのよ」
梢の言葉に花帆ちゃんが返そうとしたのだが、隣のさやかちゃんに声に花帆ちゃんがびっくりしていた。
「お誘いいただいてありがとうございました!夕霧先輩の舞台、本当に綺麗で」
「ありがとう、褒められて嬉しい。うん、ここまでとは思わなかったけど」
「じゃあ、例の件は考えくれた?」
例の件…?
「はい、私、夕霧先輩にご指導お願いしたいです!どうか、スクールアイドルクラブに入れてください!1」
さやかちゃんの事を誘っていたのか。
適当に探してくるとは言っていたけど
「えええええ!?そうなの!さやかちゃん!」
「はい、花帆さん、私。決めたんです、せっかく、自分を変える為にこの蓮ノ空にやってきたんですから、この学校で新しい事を始めてみようって」
さやかちゃんもそういう気持ちでここにやってきたのか…
それなら、さやかちゃんの為にも頑張ってサポートしてあげないといけないよね
「それがスクールアイドルクラブ?」
「はい!」
「という訳で、今日からよろしくねさや、僕と一緒に、スクールアイドルになれるよう頑張ろう」
「は、はい!よろしくお願いします!」
「ふふ、良かったわ、綴理。あなたの後輩が出来て、これで少しは上級生としての自覚が芽生えるかしら」
「そうだといいね~」
「貴方の事でしょう貴方の」
「本当に頼みますわ綴理さん…」
「頑張る」
「という訳で、日野下さん、今はこの三人でスクールアイドル活動をしているの」
「今日から4人、嬉しいなぁ。よしよしよしよし」
綴理はそう言って、さやかちゃんの頭を撫でる。
「ちょ、ちょっと、夕霧先輩…恥ずかしいです…」
さやかちゃんとは対照的に花帆ちゃんはなんだが悲しそうな表情を浮かべていた。
「ねえ、日野下さん、貴方がもし良かったなんだけれど」
「えっ、あっ、あの、はい」
「…また来週にもライブがあるの。だけど、未来だけじゃ手が足りてないの。良かったら手伝ってもらえないかしら?」
「うん、僕からも頼むわ」
今日のライブは事前に準備してたからなんとかなったけど、人手問題は全然解決してないんだよね…
「あ…はい、それぐらいなら、あたしでよかったら」
「そう、嬉しいわ」
「あの!」
「?」
「ら、ライブ素敵でした!それだけは言いたくて!それじゃあ、さようなら!」
そう言って花帆ちゃんは走り去って行ってしまった。
かといって追いかける必要もないし、
「未来、入部届って今持ってる?」
「綴理が適当に誘ってくるって言った時にこうなると思って、持ってきてたよ」
僕はそう言って、鞄の中から入部届を1枚持ってさやかちゃんに差し出す。
「夜空先輩…なんでそんなに入部届持ってるんですか…」
確かにパッと見、数十枚はあるからなぁ…
なんでこんなに持ってるかは大は小を兼ねるって事で持っている。
全部は使わない事だろう
「一応、部長なんで…」
「えっ!?夜空先輩が部長なんですか!?」
「そんな驚くような事でもないでしょうに…」
「綴理先輩じゃないんですか?」
「僕には無理だよ~」
「そうね、綴理は無理よね」
「そういう事だから、書けたら僕の所まで持ってきてくれると嬉しいかな。基本的に部室に居るから」
「分かりました!明日持って行きます」
「はいはい、待ってるよ」
本来は梢ちゃんが部長なのですが…この作品では主人公が部長って事でお願いします。