蓮ノ空のアイドルクラブのマネージャーの話   作:桜紅月音

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30.新入部員を追いかけろ

 

「夜空君」

 

「あっ、先生」

 

結局、ルリちゃんはともかくとして、花帆ちゃんとさやかちゃんも戻ってこなかったので学校内を捜索していると、普段仲良くしてもらっている先生に声をかけられた。

 

「日野下さんと村野さんがバスに乗ったって聞いてね。外出許可届確認したんだけど出してないのよ…」

 

「ええ!?二人バスに乗っちゃったんですか…」

 

「そうみたいなの。何か聞いてる?」

 

「いえ、特には聞いてないですけど…ル、大沢さんを探しに行ってるんですけど…もしかしてそれですかね…」

 

「なるほどね、大沢さんを追いかけていった感じかな?」

 

「だと思います」

 

「分かった。こっちの方でなんとかしておいてあげるから、日野下さんが帰ってきたらしっかりと言うのよ」

 

「はい。先生の言う通りにします。ありがとうございます」

 

そんな感じで先生と軽く話を済ませ、この話を梢と綴理にすると、彼女達が帰ったきた後に叱るという事で話がまとまった。

 

そして、花帆ちゃん達が帰ったきたのを聞いて、梢と合流してラウンジへと向かった。

ラウンジで花帆ちゃんは1人で落ち込んでいた。

 

「かーほーちーゃーん?」

 

「えっ?あっ、みく先輩、梢先輩…」

 

花帆ちゃんに怒ってますという感じで声をかけると花帆ちゃんはびっくりしていた。

 

「急にバスに乗ったって聞いて、びっくりしちゃったわ。寮母さんには、どうにかごまかしておいたけれど…」

 

「本当に説得するの大変だったんだからね…」

 

寮母さんに梢と協力してなんとか対応したけど

 

「それで一体何があったの?」

 

「梢先輩…みく先輩…、先輩~~~!」

 

すると、花帆ちゃんは泣き出してしまった。

 

「えっ、ちょっと、ど、どうしたの?」

 

「とりあえず…落ち着く場所に行くか」

 

そうして、僕達3人は梢と僕がいつも天体観測をする場所までやってきた。

 

「花帆ちゃん、とりあえずこれ飲んで」

 

「あ、ありがとうございます。いただきます」

 

花帆ちゃんは僕が渡した飲み物を呑む。

 

「…あったかい」

 

「この時期は冷えるからね。まだ温かいのが染みるよね」

 

「それにしても、瑠璃乃さんにそんな二面性があったなんてねえ、あんなに明るくて、積極的な子に見えたのに。未来が言ってた通りね」

 

「言ったけどここまでと言ってない」

 

「人は見かけじゃ、分からないものだわ。ずっと、退部届を持っていたなんて。やっぱり心のどこかで、自分には無理かもしれないって、思っていたのかしらね…」

 

「…」

 

「花帆さん、こちらにいらっしゃいな」

 

梢はそう言って、花帆ちゃんを自分の方に手招きをする

 

「今日は晴れていて、星がよく見えるわ。望遠鏡、覗いてごらん」

 

「ええと…はい」

 

梢に言われるがまま、花帆ちゃんは望遠鏡を覗く。

 

「わ…すごい、目で見えない星が、こんなにいっぱい…!」

 

「ふふ、面白いでしょう」

 

「もうすぐ夏季休暇じゃない。それで自由研究の課題が出されたから

、早速手を付けようと思って」

 

「梢はもうやるのか、流石」

 

流石、しっかり者の梢。

既にやり始めているとは。僕もある程度は決めてるけど、

 

「未来もしっかりと決めてやらないとね。未来なら大丈夫だと思うけれど」

 

「うん、やりたい事は決めてるから後は行動に移すだけだよ」

 

と話合っている中で_

 

「うぅ…夏休み、宿題…」

 

花帆ちゃんは頭を抱えていた。

 

「ふふ、だから、家の望遠鏡を引っ張り出して、送ってもらったのよ」

 

「あっ、これ。学校の備品じゃなくて、梢先輩の」

 

「ええ、なんとなくね、昔から好きなの。天体観測。肉眼で観測できる星はほんのわずか。だけど、空にはいつだって満天の星が浮かんでいる。それってまるで、スクールアイドルみたいだわ。私が狙うのは、当然、一番か輝く一等星だけれどね。ふふっ。花帆さん、あなたがなりたいのは、どんな星かしら?」

 

「あたしは……梢先輩、みく先輩、あの、ちょっと聞いてもらっていいですか…」

 

「ええ、こないだのお礼…って訳じゃないけれど、ずっと、何か話したそうにしていたものね」

 

梢がそう言って、僕は花帆ちゃんの方を向いて、頭を縦に振った。

 

「あたし、瑠璃乃ちゃんの気持ち、ぜんぜんわからなくて。っていうか、ひとりで考えていて、気付いたんです。たぶん、わかろうとすらしていなかったんだろうな、って。新入部員に入ってほしくて、それだけで。瑠璃乃ちゃんのこと、見てあげられなかった。でも、スクールアイドルってひとりひとり違っていて…まるで星みたいで。そどこにも『新入部員』なんて名前の子は、いないんですよね!」

 

「そうね」

 

「あたし、今度こそちゃんと、瑠璃乃ちゃんと向き合ってみます! 後、ちゃんとあたしの事を見てくれて、あたしを甘やかしてくれて、ありがとうございました、梢先輩」

 

「な、なに急に、だから私は、甘やかしてなんて」

 

「だから、あの、良かったら先輩方にも手伝って欲しい事があるんですけど」

 

「もちろん、いいけれど…これはあなたを甘やかす訳じゃないから」

 

「僕もやれる範囲でいいなら手伝うよ」

 

「えへへっ、ありがとうございます先輩方!それと!あたしはどんな星になりたいのかは、まだ分からないですけど!でも、みんなで空におっきな大輪の星座を描きたいです!その為に、瑠璃乃ちゃんが絶対に必要なんです!」

 

そして、花帆ちゃんの作戦を聞いた僕と梢は目を点とするのだった。

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