蓮ノ空のアイドルクラブのマネージャーの話   作:桜紅月音

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32.合宿の予定

 

「ハロめぐ~!全国五千万人のめぐ党のみなさん、藤島慈だよ。今日も元気だった?どう?めぐちゃんに会えなくて寂しかった~?」

 

部活内の慈の配信、が流れていた。

 

「あっ、この人!」

 

「去年の撫子祭にいた…」

 

「それにみく先輩のお見舞いにも来てた!」

 

花帆ちゃんとさやかちゃんがそんな反応をする中、僕は梢は複雑そうな表情を浮かべていた。

 

「めぐちゃんはね、ルリの幼馴染なんだよ、前からね、誘って貰ってたんだ。スクールアイドル楽しいから、一緒にやろうよ、って」

 

あの頃、ずっと言ってた幼馴染ってルリちゃんの事だったのか

 

「でも…」

 

「うん…部活では、一度も見た事ないよね…」

 

「…。でもね、いつからかな、急に自分の話をしなくなって、聞いてもはぐらかされるようになって。ルリもちょっとおかしいなって思ってたんだ。それが、まさかクラブにも顔を出してないなんて、めぐちゃん、どうしたんだろー…」

 

そう言ってルリちゃんは再び自分のスマホ画面に目を落とした。

 

「最近は動画制作のほうが忙しくて、なかなか生配信できなくてごめんね~ でも、みんなのこと、いつだって考えているからね。愛してるよ☆」

 

「瑠璃乃さん、それで二年生の教室に」

 

「うん、まぁ、会えなかったけどね。避けられてたりして…そもそも会う前に、ルリのほうが辞めそうになったりしてたけど…でも、もうルリは大丈夫だから。みんながルリのことを受け入れてくれたおかげだよ。だからあ、もし理由があるなら、ちゃんと聞きたい」

 

ルリちゃん…

 

「めぐちゃん、いっつも楽しそうにスクールアイドルのこと話してくれてたんだもん。会うのは、まだ、ちょっと怖いけど。だけどね、ルリなら、きっとめぐちゃんの力になれると思うから。ルリだって、めぐちゃんと一緒にスクールアイドルしたい」

 

ルリちゃんの言葉を聞いて、花帆ちゃんが梢達の方を向いた。

 

「そうね瑠璃乃さんには、話した方がいいわよね未来」

 

梢は窓から景色を見て黄昏ていた僕にそう聞いてきた。

 

「うん、言うしかないよ」

 

「ええ、瑠璃乃さん…しっかりと聞いてね…慈は、藤島慈さんは、きっともう、スクールアイドルクラブには戻ってこないわ」

 

「えっ…」

 

「彼女は去年の竜胆祭で、ステージから落ちて怪我をしてしまったの。怪我自体はもうとっくに、完治しているのだけれど…」

 

「完治…?前に聞いたときには、怪我で辞められたって」

 

「じゃあ、なんで」

 

「慈は…」

 

「…その時から、めぐはステージに上がると、足が動かなくなったんだ。めぐはもう踊れない、だから、スクールアイドルであることを、やめてしまった」

 

綴理がそう言うと、ルリちゃんが椅子から立ち上がった。

 

「ルリ、めぐちゃんに会いに行かなくちゃ!」

 

「あっ、瑠璃乃ちゃん!」

 

「わ、わたしたちも行きます!」

 

さやかちゃんがそう言って、部室から出て行った瑠璃乃ちゃんの事を二人で追いかけてしまった。

 

「みく…あなたは知ってるんでしょ」

 

「えっ?みく知ってるの」

 

三人が居なくなって梢は僕に話しかけてきた。

 

「まぁ…な。本当は帰ってきたい事はな」

 

みんなに隠れて、ダンスの練習をしてる所を見た事だってある。

 

「みく…」

 

「綴理…こればっかりはあいつの気持ち次第だから、僕が出来る事は限られてるよ、とは言っても何をしない訳じゃないけど…」

 

「未来、何か作戦はあるの?」

 

「いや…今の所は何もない。ただ…」

 

「ただ…?」

 

「いいタイミングでルリちゃんがやってきてくれたのだけは分かると言う事だけは言っておくよ」

 

『?』

 

僕の言葉を理解できない二人は頭を横に傾けて、?マークを浮かべていた。

慈がここに帰ってくるラストピースは、多分ルリちゃんだと思うし

 

まぁ…過度な期待はしないけど、ルリちゃん期待してるよ

 

 

そんな会話をした次の日

 

 

「ルリ、夏休み中にすっげーライブをします!」

 

「えっ!?」

 

「めぐちゃん、蓮ノ空スクールアイドルクラブの大きなステージは、欠かさず見てるみたいだから!だったらmめぐちゃんをその気にさせるために、まずルリががんばることにしたんだ!めぐちゃんの心に火をつけるような、メラメラのスペシャルサマーライブやっちゃえばいいじゃん!って!」

 

「瑠璃乃ちゃん…いいね、それすっごくいいと思う!」

 

「なるほど…そうきたか」

 

「そう、ライブ、いいわね、ただ、入部早々ライブをやり切るのは、いくら瑠璃乃さんでも大変よ?人の心を動かすものなら、なおさら」

 

「そこは先輩方に、どーんっと特訓をしてもらって!」

 

「へえ…どーんと…」

 

あー梢が何かを企んでる顔をしてる…

 

「だめだよ瑠璃乃ちゃん!気軽に梢先輩にそんな事を言っちゃ!ミイラにされちゃうよ!?」

 

「花帆ちゃん…そんな事を言ったら…」

 

「花帆さんのドライフラワーは、さぞかし綺麗でしょうね」

 

「ひぃ!」

 

すると、綴理が手を挙げた。

 

「綴理どうしたの?」

 

「合宿したい」

 

「あー合宿か…」

 

「去年、海行こうかって話があったでしょ」

 

「海!?」

 

「そういえば、あったわね。なんだかんだで立ち消えになっちゃったけれど。よく覚えていたこと」

 

「うん。『今日は海行くのかな。どうかな』って毎日思ってた」

 

「去年の今頃、随分とフワフワしてたのはそれが理由だったのが…」

 

「サンタさんからのお手紙を待っている子みたいですね…」

 

「え!?海!海行きたいです!ね、瑠璃乃ちゃん、ね、ね!」

 

「うん。いつも波が荒れて、ひとっこひとりいないような冬の海とか、最高だよね」

 

瑠璃乃ちゃん、それって日本海の事を言ってるよね

 

「あたしの思ってる海とは違う!?」

 

「くぅ…うっ…でもでも、たとえめちゃくちゃ人ばっかりの海水浴場だとしても…合宿は行きたい!」

 

「えっと、大丈夫ですか?その、普段より一緒に過ごす時間が長くなると思うんですけど。充電とか…」

 

「ぜったいにだめだとおもう!」

 

ルリちゃんだめなんかい…

 

「でも、ぜんぶめぐちゃんをその気にさせるためだから。だめなりにやりたい!めぐちゃんメラメラファイヤーのために…!」

 

「うん、ルリちゃんの気持ちも分かるし、何より…花帆ちゃんから海行かせろオーラーが凄いので…今年は合宿の予定入れますか」

 

「やったー!海だー!」

 

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