蓮ノ空のアイドルクラブのマネージャーの話   作:桜紅月音

45 / 45
43.部長代理

 

梢を寝かせて、僕達は部室に戻り、今後の作戦を練る事にした。

 

「えっと…どうしましょう」

 

「竜胆祭は今週末。梢は全力で風邪を倒してくるとして…」

 

「あ、あたし、梢先輩の看病頑張ります!」

 

「それなら、花帆ちゃんと僕で梢の看病する感じで行く?」

 

「でも、そうなると…」

 

「部長業務を誰かにやってもらう必要があるけど…」

 

「そうなると…この数日の練習スケジュールについてと…他の部活や学校とのやり取りについてですね」

 

さやかちゃんがそう言うと、綴理が声をあげた。

 

「…うん、分かった」

 

「綴理?(綴理先輩?)」

 

「ボクが部長代理だ」

 

『えー!?』

 

みんなが驚く中、僕は綴理の意思を呑んであげる事にした。

 

「分かった、綴理の気持ち受け取ってあげる」

 

「みく…ボク頑張る」

 

「数日間だけだけど頼んだ」

 

「待った」

 

綴理と話が纏まりかけた時、慈がそう声をかけてきた。

 

「めぐちゃん? あ、なにか言うか分かったぞぅ?」

 

「もしも部長代理ーーつまり、次のリーダーが必要だと言うのなら、それは私じゃないかな!」

 

慈がそう言うと、花帆ちゃんとルリちゃんがこそこそ話をして、慈が怒った。

 

「ええい!もう少し『おおー!』とか、『そうだよね!』とか、歓迎のリアクションをしなさい、そこのふたり!」

 

「めぐ。負けないよ」

 

「…むっ。綴理も、ここで折れないなんて。昔とは違うね」

 

「成長したからね」

 

綴理と慈がバチバチとし始めた。

 

「これはどうすれば良いんでしょうか…」

 

「んー確かにリーダーってことなら、めぐちゃんで間違いないと思うんだけど…」

 

「だけど?」

 

「梢先輩、みく先輩の代わりってことは、部長としていろいろお仕事をするってことでしょ?…めぐちゃんかあ」

 

「るりちゃん!?」

 

「そこまで言うなら、綴理と慈の二人でやってもらって…それに花帆ちゃんも僕と梢のお仕事、見てたし、なんとかなるでしょ」

 

「はい!ある程度分かりますので!」

 

「いいよ。受けて立つ」

 

「どちらがリーダーに相応しいか見せてあげようじゃないか!」

 

「え、これ勝負なんですか!?」

 

「勝負のつもりじゃなかったんだけど…」

 

「みく先輩…大丈夫なんですか…これ」

 

「大丈夫でしょ。竜胆祭と期限のない書類分けておいたからね」

 

と言って、机の上を指さした。

 

「あの…期限のない書類多くないですか…」

 

「あーね…色々と頼まれるからね…あっちはやらなくていいから。それとさやかちゃん」

 

「は、はい」

 

「あの二人が暴走しそうになったら止めてね」

 

「えっ?それはどういう?」

 

「そういうことだから」

 

僕はさやかちゃんにそう言って、部室を後にする。

 

「あっ、みく先輩、待ってください~!」

 

 

 

その後_

 

 

 

「おかしい」

 

「間違ってる」

 

「まずめぐちゃんは、もっと漢字読めるようになろうね…」

 

「漢字なんてこの世に要らないんだよ!るりちゃんだってアルファベットさえあれば良いでしょ!?」

 

「うぇ!?あ、あー、た、確かに英語さえあればベリーせんきゅーあんだすたん?」

 

「綴理先輩も…さすがに、練習スペース貸し出し理由が『れんしゅう』じゃ通りません」

 

「『じゅうれん』にするべきだったか」

 

「ぐぬぬ、じゃあ誰に二人の代わりができるっていうの!」

 

「思ったよりも苦戦してるみたいだね…」

 

さっきの会話_扉の外から聞こえてきて、口を挟んでしまった。

 

「みく!?」

 

「なんで戻ってきたの?」

 

「いやぁ…仕事が無くて梢が寝ているとやることがないもんで…そっちの書類だけで終わる仕事を取りに来たんだけどね…」

 

「みく、ごめん…ボクはみくみたいにはなれないみたいだ」

 

「…どこで躓いてるの…」

 

「これ…」

 

「どれどれ…」

 

綴理から渡された書類を見た。

本当に『れんしゅう』って書いてあった。

 

「綴理らしいね。理由はともかく」

 

「みく!もっと簡単なのないの!」

 

「いや…簡単って言っても…そんなのないよ…」

 

「因みになんですが…そっちの書類ってなんですか?」

 

「うん?気になるなら見てもいいよ」

 

さやかちゃんに聞かれたので、そう答えるとさやかちゃんは竜胆祭と違う方の書類を確認する。

 

「…花壇の修理…経理の仕事…って生徒会の仕事じゃないですか!これ!」

 

「あはは…沙知先輩に頼られると断る事が出来なくて…」

 

「笑いごとじゃないですよ!」

 

「そんな事はどうでもよくて」

 

僕がそう言うが、さやかちゃんは『どうでもよくない事はないです』と返してきたけど、無視して…

 

「綴理と慈の二人にやらしてみたら面白そうと思ったのは事実で_」

 

「みく!?」

 

「さやかちゃんやってみない?部長代理?」

 

「わたしがですか?」

 

「うんうん、二人はどうかな?」

 

「さやかちゃんがやってみたいなら」

 

「ん。さや、いつでもなんでも手伝う」

 

「皆さんがそうおっしゃるなら…不肖村野さやか、部長代理の臨時リーダーを務めさせていただきます。頑張ります!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

******

 

あの後、仕事を持っていこうとしたけど、みんなに止められたので、一旦自室に戻って、本を持って梢の部屋に戻ってきた。

 

「うぅ……未来…?」

 

「随分と寝ていたね」

 

「なんでここに…?」

 

「梢が風邪引いてるのに、自分の部屋に入れる訳ないでしょ」

 

「部長の仕事…」

 

「それは、さやかちゃんが代理部長で、みんなに代わってもらってる」

 

「それは申し訳ないわね…」

 

「梢は、風邪をしっかりと治す事」

 

「分かってるわ。竜胆祭までにはどんな手を使っても」

 

「はいはい…何か食べる?」

 

「そうね…今は背中を拭いて欲しいかも…」

 

「了解」

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

天才ピアニストとスクールアイドル(作者:桜紅月音)(原作:ラブライブ!)

中学のピアノコンクールで金賞を受賞した主人公は、ピアノの先生の誘いもあり、結ヶ丘高校に入学する。▼幼馴染の嵐千砂都や渋谷かのん、昔からの知り合いの平安名すみれを始めとした彼女達とのスクールアイドル物語▼*小説タイトル変更可能性有り▼*結ヶ丘は共学設定です。


総合評価:23/評価:-.--/連載:31話/更新日時:2026年03月15日(日) 00:00 小説情報

虹ヶ咲学園(共学)の御手洗君(作者:どこかのSさん)(原作:ラブライブ!)

何年か前、共学になった虹ヶ咲学園に通う御手洗君▼これは、そんな彼とスクールアイドル同好会の少女たちの、少しの山や谷があったりなかったりする……かもしれないお話▼※1息抜きがてらにノリで書いていくので基本的に不定期更新です▼※2本筋はアニガサキ基準で進めます▼※3のんびり完結目指すので、よろしくお願いします▼※4 この作品関係で質問があったら気軽に聞いてくださ…


総合評価:17/評価:-.--/連載:9話/更新日時:2026年04月24日(金) 07:00 小説情報

蓮ノ空スクールアイドル録(作者:松兄)(原作:ラブライブ!)

俺の名前は日野下淳平。ここ、蓮ノ空学院スクールアイドルクラブでマネージャーを努めている。▼そこへ、従兄弟の花帆や後輩、後に幼馴染達も加わりてんやわんやの毎日が始まる!!(そして時々恋模様)▼石川県金沢市を舞台に、スクールアイドルに青春を賭ける少女たちと、それを支える男子生徒の物語が始まる!!


総合評価:180/評価:6.33/完結:339話/更新日時:2026年05月11日(月) 18:00 小説情報

Blooming My Fleur (作者:黒破リンク)(原作:ラブライブ!)

10数年前、新設校ながら『ラブライブ』5連覇、ワイルド・バトル・フェス6連覇という偉業を成し遂げ伝説となった『結ヶ丘高等学校』のスクールアイドルを両親に持つ『出雲良太』は、そんな両親と比べられ劣等感を抱く日々を送っていた。▼父がかつて訪れたことがあり、ラブライブ優勝経験のある伝統ある高校『蓮ノ空学院』に入学した彼が、スクールアイドルに出逢い、学び、秘めた才能…


総合評価:7/評価:-.--/連載:2話/更新日時:2026年04月13日(月) 20:35 小説情報

偽典・蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ106期小話(作者:マーケン)(原作:ラブライブ!蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ)

石川県金沢市にある蓮ノ空女学院。▼106期を迎えた学舎で今日もまたスクールアイドルクラブの面々が日々を過ごしている。▼これはそんな少女達のちょっとした日常風景。▼重大な話などなにもない、本当にちょっとした物語。▼リアルタイム、よりちょい遅い更新。▼視点が毎話変わります。▼※Link!Like!ラブライブ!のサービス終了、ならびに106期のストーリーがアニメま…


総合評価:9/評価:-.--/連載:57話/更新日時:2026年05月28日(木) 19:57 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>