蓮ノ空のアイドルクラブのマネージャーの話   作:桜紅月音

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4.新マネージャーの仕事

 

-次の日-

 

梢と一緒に朝早くから部室にやってきていた。

梢はギターで、昨日話していた曲を弾いていた。

 

僕はパソコンを開き、こないだのライブのコメントを確認していた。

 

「梢、かなり評判だね」

 

「本当?それなら嬉しいわ」

 

すると、部室のドアが開き、花帆ちゃんが入ってきた。

梢は全然気づいていなかった。

 

「おはようございますー」

 

「花帆ちゃんおはよう、随分と眠たそうだね」

 

「そうなんです~って誰ですか!?」

 

「えっ!?」

 

花帆ちゃんと僕の声で気づいた梢が声を出した。

 

「あら、来ていたの?ごめんなさい、気づかなくて」

 

「梢先輩!この人誰ですか!」

 

花帆ちゃんはそう言いながら、梢に抱き着いた。

 

「えっと…未来よ」

 

「えっ!?未来先輩なんですか!?」

 

「そうよ、眼鏡をかけるとかっこよくなりすぎて分からなくなるわよね」

 

「さやかちゃんも同じ反応だった」

 

と言いながら眼鏡を外す。

眼鏡をかけただけでそんなにイメージ変わるとは思わないんだけど…

さやかちゃんの場合、顔が真っ赤だったけど

 

すると、花帆ちゃんは梢のギターを見て、また大きな声を出した。

 

「っていうか、梢先輩って楽器も弾けるんですか、凄い!」

 

「人並にはね。我が家はみんながみんな、音楽に携わっているの。子供の頃から一通り」

 

「一通りって…ギターの他にもピアノとか!?」

 

「後はバイオリンとトランペット、フルートにサックスなんかも」

 

「かかかかっこいいぃ~」

 

「ありがと、でも未来は、小学生の時にピアノで全国に行ったことあるのよ」

 

梢…余計な事は言わないでいいのに…

 

「未来先輩も凄いです!」

 

「ありがとね、もう辞めちゃったけど」

 

「どうして辞めちゃったんですか?」

 

「コンクールに出る為に弾くのが嫌になってね、今はキーボードを使ってるよ。作曲に使うから」

 

「作曲って!えっ、曲を作るって書いて!?」

 

「そういう事。梢と一緒に作曲する事が多いよ」

 

「ええ、せっかくだから、新入生歓迎会で新しい曲を披露しようと思って、今作ってる所なの」

 

「そうだ!せっかくだし、花帆ちゃんにも聞いて貰うのはどう?」

 

「いいわね。途中までだれけど聞いてもらえないかしら?」

 

「聞きます!聞きたいです!聞かせてください!」

 

「それで何か気になるところがあったら、指摘してもらいたいの」

 

「うんうん」

 

「そうですか!えっ、むりですね!?」

 

花帆ちゃん、元気よく断ったなぁ…

 

「そんな元気に断らないで」

 

「いい曲を作りたいのよ、お願い。日野下マネージャーさん」

 

「うっ…そんな業務があるなんて知りませんでしたけど…」

 

業務って…

 

「今、付け加えました、貴方の為だけに心を込めて歌うから、ね?」

 

「うう、ずるいですよそんな言い方…分かりましたよぉー」

 

「ありがとう」

 

「梢もそんな言い方したら…断れないでしょ…」

 

「そうかしら?」

 

その後、梢はギターを弾きながら歌った。

 

「どうだったかしら?」

 

梢は拍手をしながら

 

「凄い、凄いです!梢先輩、声綺麗!ハリもあって、伸びやかで、もう、世界一でした!音楽のテストだったら満点通り越して120点です!」

 

「あ、ありがとうね、なんだが照れるわねえ…ここまで力いっぱい褒められる事はあんまりないから…」

 

「未来先輩は褒めてくれないんですか?」

 

「未来は別」

 

「…気になった事あるんですけど…いいですか?」

 

「うん、曲の事で?」

 

「いえ、梢先輩って未来先輩の事…好きなんですか?」

 

おっと…なんか変な事になってきたなぁ…

梢はこっちを見て

 

「ええそうね。好きね」

 

「ええええ!?」

 

「なんで聞いて来たのに驚いてるのかしら?」

 

「って事は付き合ってるって事ですか?」

 

「そうね、去年の冬から私達付き合ってるよ」

 

「そうだったんですか!」

 

「もしかして…未来の事狙ってるのかしら?」

 

「いえいえ、未来先輩の事はとても良い人ですけど、狙ってるとかじゃないです!」

 

良い人と思われていて安心したよ、

嫌な感じに思われていたらどうしようと思う所だった。

 

「そういえば梢、新入生歓迎会の実行委員の仕事どうなってるの?」

 

「あっ…忘れていたわ…」

 

「何やってんの…」

 

「日野下さん…手伝って貰っていいかしら?」

 

「えっ、あっ、はい」

 

「ごめんね…花帆ちゃん、色々とやって貰って…」

 

「いいですけど…」

 

と言って、三人で部室から出る。

 

「本当に大量だよねこれ…」

 

「ええ、今まで先輩達が頑張ってきたのがよく分かるわね」

 

「それじゃ、やっていきますか」

 

と僕はぱっぱとやっていく中で、

 

「さ、焦らずゆっくりと急ぎましょう。1時間以内に終わらせて、作曲の続きもしなきゃ」

 

「ええっ!?この後、また部室に戻るんですかぁ!?」

 

「ええ、ステージだって作っている途中なんだもの。大丈夫よ日野下さん。上に積み重なっているものを一つ一つ取り除いていけば、いつか机の天板が見えてくるものよ」

 

「積みあがっていくスピードの方が早かったら、いつまでも見えませんよね!?」

 

「そうよ、いい所に気づいたわね。つまり焦らずゆっくりと急がなくっちゃだめって事」

 

「一日が、一日があっという間に過ぎてゆくんですけど~!」

 

その後、この資料の整理が終わったのは数十分後の話である。

 

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