オープンキャンパスを終え、蓮ノ空も雪が積もる12月に入った。
「はい、あと10秒!、みんなでがんばって!」
その中で、ラブライブが近づいているスクールアイドルクラブは、練習により一層力が入っていた。
「ふぅ…みんな、お疲れ様、練習メニューを増やしたばかりなのに、よく頑張ってくれてるわ」
「そりゃ、いよいよラブライブ!北陸大会だからね!ここでがんばらなきゃ、いつがんばるのって話だよ!」
梢の言葉に慈がそう返した。
「さや、動ける?」
「あ、はい。わたしは問題なく」
「じゃあ、全体での練習はここまでにして、後はユニット毎で練習って事で」
「よっしゃ。るりちゃんいくよー」
「お、おっしゃー!みらくらぱーく魂ー!」
「おー!」
慈とルリちゃんはそう言って、部屋から去っていく。
二人に感化されたのか、綴理とさやかちゃんも『DOLLCHESTRA魂』と言って、部屋から出て行った。
みんな気合入ってるなぁ
「花帆さん」
「す、すみません、梢センパイ…。息が落ち着くまで、もう少し」
そう言って、息を整える花帆ちゃん。
「はぁ…あたしだけまだこんなんで…ごめんなさい」
「なに言っているの。今回のメニューをぜんぶやり切れるなんて、昔のあなたじゃ考えられなかったわ。ちゃんと、成長しているのよ」
「うんうん」
出会った頃の4.5月の花帆ちゃんと見比べると本当に成長したと感じる。
「…。あの、梢先輩、みく先輩」
『うん?』
「北陸大会って、その、予選大会と同じように、3ユニットそれぞれで出るんですよね」
「だから、ユニット練習もみんな、いつも以上に張り切っているでしょう?」
「…でも、北陸大会から全国大会に進めるのは、たった1ユニットだけで…」
「それは…そうね」
蓮ノ空は3ユニット_どこか一つが突破したとしても、2ユニットが落ちてしまう訳で_
「た、例えばなんですけど!今から変更して、6人で出る、っていうのは…ほら、あたしたちも、たまに6人でイベントに出たりしていますよね?北陸大会まで時間がないのはわかってます。でも、あたしもがんばりますから!」
花帆ちゃんがそう言うと、梢が僕の方を見てきて、再び、花帆ちゃんの方に振り向いた。
「あなたの言いたいこともわかるわ。けれどね、肝心なときにばかり全体で出場していたら、私たちがユニットを組んで切磋琢磨している理由が、なくなってしまうの」
「…それは、その、はい」
「少し、厳しいことを言ってしまうけれど…私たちはみんな、それぞれにやりたいことがあってユニットを組んでいる。グループで出るというのは、その色を無くしてしまうことだわ」
梢はそう言い、続けて言う。
「私はあなたと、スリーズブーケで出場したい。スリーズブーケだからこそ、表現できること、伝えられることがあると思っているの」
「梢先輩…。すみません、あたし…余計なことを言っちゃって」
「…ううん。ねえ、花帆さんーー」
梢が何かを言おうとした時、勢いよくドアが開いた。
「た、た、大変だ!」
「えっ、生徒会長?」
沙知先輩が慌てて入ってきた。
「沙知先輩…?どうしたんですか?」
「く、詳しいことは部室で話すよ。大変なことになっちゃったんだ」
沙知先輩はそう話して、一呼吸を置いて
「このままだと、来年度以降スクールアイドルクラブが活動できなくなる!」
沙知先輩がそう言うと、花帆ちゃんが大き悲鳴を上げるのだった。