蓮ノ空のアイドルクラブのマネージャーの話   作:桜紅月音

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56.本選に向けて

 

オープンキャンパスを終え、蓮ノ空も雪が積もる12月に入った。

 

「はい、あと10秒!、みんなでがんばって!」

 

その中で、ラブライブが近づいているスクールアイドルクラブは、練習により一層力が入っていた。

 

「ふぅ…みんな、お疲れ様、練習メニューを増やしたばかりなのに、よく頑張ってくれてるわ」

 

「そりゃ、いよいよラブライブ!北陸大会だからね!ここでがんばらなきゃ、いつがんばるのって話だよ!」

 

梢の言葉に慈がそう返した。

 

「さや、動ける?」

 

「あ、はい。わたしは問題なく」

 

「じゃあ、全体での練習はここまでにして、後はユニット毎で練習って事で」

 

「よっしゃ。るりちゃんいくよー」

 

「お、おっしゃー!みらくらぱーく魂ー!」

 

「おー!」

 

慈とルリちゃんはそう言って、部屋から去っていく。

二人に感化されたのか、綴理とさやかちゃんも『DOLLCHESTRA魂』と言って、部屋から出て行った。

みんな気合入ってるなぁ

 

「花帆さん」

 

「す、すみません、梢センパイ…。息が落ち着くまで、もう少し」

 

そう言って、息を整える花帆ちゃん。

 

「はぁ…あたしだけまだこんなんで…ごめんなさい」

 

「なに言っているの。今回のメニューをぜんぶやり切れるなんて、昔のあなたじゃ考えられなかったわ。ちゃんと、成長しているのよ」

 

「うんうん」

 

出会った頃の4.5月の花帆ちゃんと見比べると本当に成長したと感じる。

 

「…。あの、梢先輩、みく先輩」

 

『うん?』

 

「北陸大会って、その、予選大会と同じように、3ユニットそれぞれで出るんですよね」

 

「だから、ユニット練習もみんな、いつも以上に張り切っているでしょう?」

 

「…でも、北陸大会から全国大会に進めるのは、たった1ユニットだけで…」

 

「それは…そうね」

 

蓮ノ空は3ユニット_どこか一つが突破したとしても、2ユニットが落ちてしまう訳で_

 

「た、例えばなんですけど!今から変更して、6人で出る、っていうのは…ほら、あたしたちも、たまに6人でイベントに出たりしていますよね?北陸大会まで時間がないのはわかってます。でも、あたしもがんばりますから!」

 

花帆ちゃんがそう言うと、梢が僕の方を見てきて、再び、花帆ちゃんの方に振り向いた。

 

「あなたの言いたいこともわかるわ。けれどね、肝心なときにばかり全体で出場していたら、私たちがユニットを組んで切磋琢磨している理由が、なくなってしまうの」

 

「…それは、その、はい」

 

「少し、厳しいことを言ってしまうけれど…私たちはみんな、それぞれにやりたいことがあってユニットを組んでいる。グループで出るというのは、その色を無くしてしまうことだわ」

 

梢はそう言い、続けて言う。

 

「私はあなたと、スリーズブーケで出場したい。スリーズブーケだからこそ、表現できること、伝えられることがあると思っているの」

 

「梢先輩…。すみません、あたし…余計なことを言っちゃって」

 

「…ううん。ねえ、花帆さんーー」

 

梢が何かを言おうとした時、勢いよくドアが開いた。

 

「た、た、大変だ!」

 

「えっ、生徒会長?」

 

沙知先輩が慌てて入ってきた。

 

「沙知先輩…?どうしたんですか?」

 

「く、詳しいことは部室で話すよ。大変なことになっちゃったんだ」

 

沙知先輩はそう話して、一呼吸を置いて

 

「このままだと、来年度以降スクールアイドルクラブが活動できなくなる!」

 

沙知先輩がそう言うと、花帆ちゃんが大き悲鳴を上げるのだった。

 

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