蓮ノ空のアイドルクラブのマネージャーの話   作:桜紅月音

60 / 60
57.ネット禁止令

 

散らばっていった四人を部室に集めて、沙知先輩から話を聞くことにした。

 

「本当に、申し訳ない。今回の件は、あたしの力不足だ」

 

「…さち」

 

「あの、どういうことなんでしょうか…?来年以降、活動できなくなるって…」

 

さやかちゃんは、率直な意見を沙知先輩にぶつけた。

 

「そうだね、順を追って話そう、蓮ノ空には、前々からひとつの議題があがっていたんだ。それが『ネット禁止令』。校内や寮での、ネットの使用を禁止する校則だ」

 

「ネット禁止…!?」

 

沙知先輩から出てきた言葉に、ルリちゃんがそう口に出した。

 

「沙知先輩…ネット禁止令って今年はまだしないって話では…」

 

「そうだよ!そんな校則できちゃったら、配信どころか、動画投稿だって!」

 

「まぁ…無理だね…」

 

「うん、そもそもスクールアイドルコネクトーースクコネに繋げられなくなってしまう。蓮ノ空に携わっている運営の中には、派閥がいくつかあって、その派閥もそれぞれ主義出張が違っていてね。蓮ノ空は全寮制の学校だ。それなのにネットが使えたら勉学の妨げになる、っていう陣営もある。実際、それについては一理あると思う」

 

沙知先輩がそう言うと、みんながめぐの事を見る。

辞めてあげて…気持ちは分かるけど

 

「私ひとりが勉強がんばればどうにかなるんだったら、学校一位だって取ってやるけど!?」

 

めぐ…

 

「はは…それはぜひ見てみたいねぃ」

 

「学校側では、『ネットを禁止するべきだ』という論調がずっとあったんですよね。この時期にまたそれが問題として持ち上がってきたのは、やっぱり、スクールアイドルクラブが原因ですか?」

 

「えっ!?なんであたしたちが?」

 

「関係ないと思う」

 

「未来の言う通りだと思う。この学校のネット活動として、一番目立っているのはスクールアイドルクラブだけど、キミたちが特別やり玉にあげられているわけじゃない、強いて言えば、時代の流れってやるだろうねぃ。環境的に、蓮ノ空にとって『ネット禁止令』はいつかどこかで浮上する問題だったんだ」

 

今はネット社会だから、沙知先輩が言う通り。どこかのタイミングで発生する問題だろう。

それが今回になってしまっただけで…

 

「ええい、こんなときに!」

 

「来年度のこととはいえ、どうするんですか?どうすれば…」

 

「あたしが生徒会長の間は、毅然とした態度で反対の意を示すつもりだ。ただ、悔しいことに時間の針はいつだって前に進んでいてね。12月の末で任期が切れてしまった後、あたしには打てる手がなくなってしまう。反対勢力を止められるのは、現職の生徒会長だけだ」

 

「つまり、来年にはネットが禁止されちゃう…!?」

 

「あるいは…」

 

「僕達の活動を応援してくれる誰が生徒会長になって、学校側と正面でやりあうしかないね」

 

「それって…」

 

「例えば、私や二年生の誰かが、沙知先輩のようにスクールアイドルクラブを辞めて」

 

梢がそう言うと、花帆ちゃんが辞めないでと言った。

 

「蓮ノ空って、生徒会長になったら部活出来ないってルールがあるんだ…こればっかりは仕方居ないけど…」

 

「先輩方…」

 

「でもそれは、最後の手段、でしょ?」

 

「うん、もちろん、まだ任期の満了までは時間があるからね。あたしも、やれるだけのことはやってみるつもりだよ。どうせなら、刺し違えてもね、ってねぃ!」

 

「…無茶はほどほどにですよ。今度こそ」

 

「ごめんごめん」

 

すると、一年生達が小さい言葉で何か相談を始めた。

何について話をしてるかは分からないけど、そんな中、花帆ちゃんが声をあげた。

 

「あの、生徒会長!だったらあたしたちも、お手伝いさせてください!」

 

「キミたちが…?でも、もうすぐラブライブ!北陸大会じゃ」

 

「練習の時間は、削りません!ちゃんとやります!でも、スクールアイドルクラブのピンチを、黙って見過ごすなんでできません!」

 

「…そっか、だったら、みんなもいろいろと考えてみてほしい。ごめん、クラブを辞めた

後も迷惑をかけてしまって」

 

沙知先輩がそう話すと、綴理が首を横に振って話し始めた。

 

「ありがと、そうやって、真っ先に話してくれて、それだけでボクは…すごく嬉しい。このあいだのボクにはできなったことだから」

 

「そうだね、なんでもすぐに話し合えばよかったんだ、まさかこんなに簡単なことだったなんて…わかんなったよ、あたし」

 

「沙知先輩が悪い訳じゃないですよ」

 

と僕が言うと、梢とめぐの二人はクスっと笑った。

 

「よっし、それじゃ、練習外の時間を使って、早速やってみましょう!」

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

天才ピアニストとスクールアイドル(作者:桜紅月音)(原作:ラブライブ!)

中学のピアノコンクールで金賞を受賞した主人公は、ピアノの先生の誘いもあり、結ヶ丘高校に入学する。▼幼馴染の嵐千砂都や渋谷かのん、昔からの知り合いの平安名すみれを始めとした彼女達とのスクールアイドル物語▼*小説タイトル変更可能性有り▼*結ヶ丘は共学設定です。


総合評価:26/評価:-.--/連載:32話/更新日時:2026年06月21日(日) 00:00 小説情報

虹ヶ咲学園(共学)の御手洗君(作者:どこかのSさん)(原作:ラブライブ!)

何年か前、共学になった虹ヶ咲学園に通う御手洗君▼これは、そんな彼とスクールアイドル同好会の少女たちの、少しの山や谷があったりなかったりする……かもしれないお話▼※1息抜きがてらにノリで書いていくので基本的に不定期更新です▼※2本筋はアニガサキ基準で進めます▼※3のんびり完結目指すので、よろしくお願いします▼※4 この作品関係で質問があったら気軽に聞いてくださ…


総合評価:20/評価:-.--/連載:11話/更新日時:2026年06月11日(木) 12:00 小説情報

蓮ノ空スクールアイドル録(作者:松兄)(原作:ラブライブ!)

俺の名前は日野下淳平。ここ、蓮ノ空学院スクールアイドルクラブでマネージャーを努めている。▼そこへ、従兄弟の花帆や後輩、後に幼馴染達も加わりてんやわんやの毎日が始まる!!(そして時々恋模様)▼石川県金沢市を舞台に、スクールアイドルに青春を賭ける少女たちと、それを支える男子生徒の物語が始まる!!


総合評価:184/評価:6.33/完結:343話/更新日時:2026年06月13日(土) 11:00 小説情報

僕に甘い三船栞子(作者:ぽぽろ)(原作:ラブライブ!)

何故かは知らないけれど、僕の学校の生徒会長は、僕によく構ってくれて話しかけてくれてクラスメイトにも見せない姿を見せてくれる、そして僕に甘い


総合評価:305/評価:8.17/連載:11話/更新日時:2026年04月05日(日) 00:00 小説情報

Blooming My Fleur (作者:黒破リンク)(原作:ラブライブ!)

十数年前、新設校ながら『ラブライブ』5連覇、ワイルド・バトル・フェス6連覇という偉業を成し遂げ伝説となった『結ヶ丘高等学校』のスクールアイドルを両親に持つ『出雲良太』は、そんな両親と比べられ劣等感を抱く日々を送っていた。▼父がかつて訪れたことがあり、ラブライブ優勝経験のある伝統ある高校『蓮ノ空学院』に入学した彼が、スクールアイドルに出逢い、学び、秘めた才能を…


総合評価:8/評価:-.--/連載:3話/更新日時:2026年07月02日(木) 02:15 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>