蓮ノ空のアイドルクラブのマネージャーの話   作:桜紅月音

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57.ネット禁止令

 

散らばっていった四人を部室に集めて、沙知先輩から話を聞くことにした。

 

「本当に、申し訳ない。今回の件は、あたしの力不足だ」

 

「…さち」

 

「あの、どういうことなんでしょうか…?来年以降、活動できなくなるって…」

 

さやかちゃんは、率直な意見を沙知先輩にぶつけた。

 

「そうだね、順を追って話そう、蓮ノ空には、前々からひとつの議題があがっていたんだ。それが『ネット禁止令』。校内や寮での、ネットの使用を禁止する校則だ」

 

「ネット禁止…!?」

 

沙知先輩から出てきた言葉に、ルリちゃんがそう口に出した。

 

「沙知先輩…ネット禁止令って今年はまだしないって話では…」

 

「そうだよ!そんな校則できちゃったら、配信どころか、動画投稿だって!」

 

「まぁ…無理だね…」

 

「うん、そもそもスクールアイドルコネクトーースクコネに繋げられなくなってしまう。蓮ノ空に携わっている運営の中には、派閥がいくつかあって、その派閥もそれぞれ主義出張が違っていてね。蓮ノ空は全寮制の学校だ。それなのにネットが使えたら勉学の妨げになる、っていう陣営もある。実際、それについては一理あると思う」

 

沙知先輩がそう言うと、みんながめぐの事を見る。

辞めてあげて…気持ちは分かるけど

 

「私ひとりが勉強がんばればどうにかなるんだったら、学校一位だって取ってやるけど!?」

 

めぐ…

 

「はは…それはぜひ見てみたいねぃ」

 

「学校側では、『ネットを禁止するべきだ』という論調がずっとあったんですよね。この時期にまたそれが問題として持ち上がってきたのは、やっぱり、スクールアイドルクラブが原因ですか?」

 

「えっ!?なんであたしたちが?」

 

「関係ないと思う」

 

「未来の言う通りだと思う。この学校のネット活動として、一番目立っているのはスクールアイドルクラブだけど、キミたちが特別やり玉にあげられているわけじゃない、強いて言えば、時代の流れってやるだろうねぃ。環境的に、蓮ノ空にとって『ネット禁止令』はいつかどこかで浮上する問題だったんだ」

 

今はネット社会だから、沙知先輩が言う通り。どこかのタイミングで発生する問題だろう。

それが今回になってしまっただけで…

 

「ええい、こんなときに!」

 

「来年度のこととはいえ、どうするんですか?どうすれば…」

 

「あたしが生徒会長の間は、毅然とした態度で反対の意を示すつもりだ。ただ、悔しいことに時間の針はいつだって前に進んでいてね。12月の末で任期が切れてしまった後、あたしには打てる手がなくなってしまう。反対勢力を止められるのは、現職の生徒会長だけだ」

 

「つまり、来年にはネットが禁止されちゃう…!?」

 

「あるいは…」

 

「僕達の活動を応援してくれる誰が生徒会長になって、学校側と正面でやりあうしかないね」

 

「それって…」

 

「例えば、私や二年生の誰かが、沙知先輩のようにスクールアイドルクラブを辞めて」

 

梢がそう言うと、花帆ちゃんが辞めないでと言った。

 

「蓮ノ空って、生徒会長になったら部活出来ないってルールがあるんだ…こればっかりは仕方居ないけど…」

 

「先輩方…」

 

「でもそれは、最後の手段、でしょ?」

 

「うん、もちろん、まだ任期の満了までは時間があるからね。あたしも、やれるだけのことはやってみるつもりだよ。どうせなら、刺し違えてもね、ってねぃ!」

 

「…無茶はほどほどにですよ。今度こそ」

 

「ごめんごめん」

 

すると、一年生達が小さい言葉で何か相談を始めた。

何について話をしてるかは分からないけど、そんな中、花帆ちゃんが声をあげた。

 

「あの、生徒会長!だったらあたしたちも、お手伝いさせてください!」

 

「キミたちが…?でも、もうすぐラブライブ!北陸大会じゃ」

 

「練習の時間は、削りません!ちゃんとやります!でも、スクールアイドルクラブのピンチを、黙って見過ごすなんでできません!」

 

「…そっか、だったら、みんなもいろいろと考えてみてほしい。ごめん、クラブを辞めた

後も迷惑をかけてしまって」

 

沙知先輩がそう話すと、綴理が首を横に振って話し始めた。

 

「ありがと、そうやって、真っ先に話してくれて、それだけでボクは…すごく嬉しい。このあいだのボクにはできなったことだから」

 

「そうだね、なんでもすぐに話し合えばよかったんだ、まさかこんなに簡単なことだったなんて…わかんなったよ、あたし」

 

「沙知先輩が悪い訳じゃないですよ」

 

と僕が言うと、梢とめぐの二人はクスっと笑った。

 

「よっし、それじゃ、練習外の時間を使って、早速やってみましょう!」

 

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