作戦会議を終えたスクールアイドルクラブのみんなは、それぞれユニットに分かれて話をしていた。
「配信ならできて、会場だとできない演出って、どんなのがあるんでしょうか」
「うーん…ロケーションとか、かな」
「なるほど、確かに、蓮ノ空の校庭でライブをするのは、シチュエーションとしても気持ちよさそうですね!」
「すごい雪に埋まって、動けるところだけで表現する。うん、会場じゃできない」
「できませんけど!できないからなんなんですか!?」
「そこで大爆発が起きて、全部の雪が水に、雫に変わって弾けるんだ。一瞬で、燃え盛る熱いステージになってーー」
「お外でも危なくてできませんよ!」
「みくならオッケー出してくれる」
「みく先輩もオッケーは出してくれませんから!」
綴理ワールド全開のDOLLCHESTRA、一方でみらくらぱーくは_
「スクコネでライブを配信するのって、実際メリットあると思うんだよね」
「ってーとー?」
「だってほら、会場だと見に来れない人もいっぱいいるでしょ?めぐちゃん推しのみんなは世界各地にいるんだから! そんな、すべての人がリアルタイムで応援してくれるとか、これはぜったい盛り上がるってわけだよ!」
「確かに。会場の控え室までダンボールハウスもってくのしんどみだけど、配信ライブなら開始一分前まで充電切れてていいんだもんね!」
「そうだね、それすっごく後ろ向きに前向きな意見だね!」
そして、場所は変わってスリーズブーケ_
「…」
『こんにちは!蓮ノ空学院スクールアイドルクラブ、日野下花帆ですっ!!』
花帆はスマホで過去の自分の配信を見ていた。
「そろそろ練習を再開しましょうか。花帆さん?」
「あっ、ごめんなさい!」
「なにを見ていたの?スクコネ?」
「あの、えっと、サボってるわけじゃなくて…」
花帆はそう言って、再びスマホの画面に目を落とした。
「うふふっ、花帆さんも、ずいぶん応援してくれる人が増えたわね、こまめに配信を続けてきたものね」
「は、はい。そうです。そうなんです。いろんな人が、応援してくれて、でも、『ネット禁止令』が校則になっちゃったら、もうみんなに会えなくなるのかなあ…って」
「…そうね」
「ネット配信で北陸大会に出るぞ!って思ってから、改めてよく考えてみたら…あたし、今までなんとなく『ネット禁止令』ってどういうものかわかってなかったっていうか。スクコネが使えなくなっちゃうなんて困るよ~ぐらいの気持ちだったんですけど…でも、昔の動画を見てて、思ったんです」
「スクコネには、あたしがスクールアイドルクラブに入ったばかりのつぼみだった頃から、ずっと見守ってくれてた人がたくさんいて……あたし、あんまり歌もダンスも、トークだって上手じゃなかったのに、 いっぱいコメントくれたり、応援してくれたりして………スクコネが使えなくなるってことは、そんな人たちとの繋がりが、ぜんぶ無くなっちゃうかもってことなんですよね」
「…ええ、そうよ。だからそんなことは、させない。大切な場所を守るために、がんばりましょう。みんなも、きっと同じ想いよ」
-翌日-
「朝からミーティングって、珍しいなあ…どうしたんだろう…。ふぁぁ…」
朝早くから蓮ノ空の全生徒が集められた。
「ーーとなりましたのでーー」
「むにゃ、むにゃ…」
「というわけでーー本日から蓮ノ空学院では、ネットが禁止になりますので」
「…ふぇ?」
「みなさん、この機会に勉学に集中して、実り多き学園生活を謳歌してくださいーーとのことですーー。以上ーー」
寮母さんから発せられた言葉に、あちこちから悲鳴の声があがった。
「ネット禁止令ってまだだったはず…?」
埼玉へ行ってきます!
(台風の予想進路気にしてたのは内緒ね)