蓮ノ空のアイドルクラブのマネージャーの話   作:桜紅月音

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72.招待状

 

花帆と沙知は、れいかさんに招待状を渡すために近江市場にやってきていた。

 

「生徒会長~…あたし、作詞で頭がいっぱいなんですけどぉ…」

 

「まーまー。そーゆーときこそ、気分転換ってもんが必要なんだよ」

 

「あたしもよくよく、煮詰まったときには学校の周りをぐるぐる散歩したもんさ」

 

「気分転換…お気持ちは、嬉しいです、けど…」

 

「あの~生徒会長。作詞のコツって、あったりします…?」

 

「人それぞれだからねえ。今までは、梢とどうやって作ってたんだい?」

 

沙知にそう聞かれた花帆は、作曲方法を話すことにした。

 

「えーと…今回は、こういう歌を作りたいですよねーって話をしてーそうしたら梢先輩が色々と質問してくれるので、それに答えてるとー…。いつの間にか梢先輩が、魔法みたいに完成されてくれてます…」

 

「あはははは、参考にならねー!」

 

「だから困ってるんじゃないですかぁ!」

 

「大丈夫だよ。花帆。キミはあの12月のピンチを乗り越えたんだ。あたしは、キミのスクールアイドルパワーを信じてる!」

 

「今はあのときよりピンチかもなんですけど!」

 

その時だった。

 

「沙知先輩が花帆ちゃんと二人で居るなんて珍しいものがあるんですね」

 

未来が声を掛けてきたのだった。

 

「みく先輩。どこに行ってたんですか!」

 

「えっ…なになに、花帆ちゃんに怒られるような事した!?」

 

「そうじゃないですけど…」

 

「あはは、花帆はみくのことを探していたんだよ」

 

沙知先輩にそう言われて、思い当たる事を考えた。

僕を探すような事…

 

「あっ、もしかして作詞の事?」

 

「そうなんですけど…今は違くて…」

 

「えっと…沙知先輩、説明を頼んでもいいですか…」

 

「あはは…了解」

 

沙知先輩は、今までの事を話してくれた。

 

「なるほど。招待状を渡すために近江市場に来たと」

 

「そーゆーこと、みくはなんでここに?」

 

「ステージ用の材料の買い出しのついでに来たって感じです。ほら」

 

僕は、そう言って袋の中身を見せた。

 

「なるほどねぃ、そうだ!みくも一緒に招待状を渡すために付いてきてくれないかい?」

 

「別にいいですけど」

 

「よし、それじゃ行こうか」

 

そして、沙知先輩に付いて行くと、れいかさんが僕達の事を発見して声を掛けてきた。

 

「あら?花帆ちゃん?それに…沙知ちゃんと未来君も!珍しい組み合わせね!」

 

「こんにちは。れいかさん、生徒会長のことも知ってるんですか?」

 

「そうよ、イベントごとで、色々とお世話になったもの!綴理ちゃんと未来君を紹介してくれたのだって、沙知ちゃんなのよ。ね?」

 

「ねー」

 

「それで、きょうはどうしたの?」

 

れいかさんにそう言われて、花帆ちゃんが口を開いた。

 

「あっ、実は…あたしたち、おかげでラブライブ!の全国大会に行くことがができました。なので、お世話になった人に、お礼のライブを開こうと思いまして…」

 

「ああー!見た見た、ラブライブ!決勝!すごかったー!」

 

「うっ…でも、あたしたち負けちゃって…」

 

「私、少し泣いちゃった!知ってる子たちがあんなに大きな舞台に立って…すごいよ、スクールアイドルクラブ!」

 

「え?」

 

「なんだがいっぱいエネルギーもらっちゃった!お礼だったら、こっちがお礼をしたい気分だわー!」

 

「あ、あの、これ、招待状で…」

 

花帆ちゃんはそう言って、れいかさんに招待状を渡した。

 

「わー!ありがとー!その日はぜったいに空けておくから!またねー!」

 

れいかさんはそう言って、仕事に戻っていった。

 

「なんだが、すごく喜んでくれました…よね?」

 

「だねえ」

 

「うん、この調子で回って行こう」

 

「は、はい!」

 

そして、ゆのくに天祥さん、そして、僕とルリちゃんがよく行くバッティングセンターに行く。

 

「瑠璃乃ちゃんから、招待状をもってきました!」

 

管理人のおっちゃんが花帆ちゃんから招待状を貰って

 

「ありがと~ね。今日は打っていくかい?」

 

「いえ、今日はこのまま帰ります。またルリちゃんと一緒に来ます」

 

「それじゃ、瑠璃乃ちゃんにぜったい見に行くって言ってって伝えてくれるかい?」

 

「もちろんですよ」

 

そして、花帆ちゃんが竜胆祭の時の服を貸してくれた喫茶店に渡して、最後はさやかちゃんのお姉さんの元に

 

「ふふっ、がんばる姿に、勇気をもらえたよ!ライブ、楽しみにしてるね!」

 

「は、はい!」

 

 

そして、招待状を渡し終えて、帰りのバスの中

 

「~♪みんな、喜んでくれたねい」

 

「ですね」

 

「みんな『エネルギーをもらった』とか『勇気をもらった』って、言ってくれて…応援してもらったのは、こっちなのに」

 

「なんでだろうねえ。不思議だねえ。でもさ。花帆も、そういう経験あったりしない?」

 

「あたしも…みんなの配信とか、ステージを見て、キラキラしてるのがすっごく眩しくて、あたしもがんばらなきゃって、思ったり…これって、おんなじですか…?あたしたちの夢見る気持ちが、繋がった人たちに響いていくのって!応援してくれた人たちから、エネルギーをもらうばっかりだと思っていたのに、それって巡ってるんですね! だって、スクールアイドルってーー!」

 

花帆ちゃんがその先を言おうとした時、沙知先輩が止めた。

 

「おっと、そこまでだよ。その先は、ステージ上から伝えてほしいな。キミの歌詞(ことば)でね」

 

「生徒会長…」

 

「言ったろ?キミはもう、大丈夫。あたしはキミのスクールアイドルパワーを、信じてる、ってね」

 

「ありがとうございます!あたし、伝えたい気持ちが、いーっぱいあるんです!」

 

「楽しみにしてるよ!キミたちのライブ!」

 

 

 

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