くじを引いて、シャッフルユニットが決まった次の日、瑠璃乃は悩んでいた。
「2週間後のお披露目ライブまでに、ルリが考えてることをまとめる。そして、ステージでそれをめぐちゃんに見せつける。それがうまく行くかは分かんないけど…そもそも前提、やることそのものはしっかり決めなきゃ、みんなまで巻き込んだ意味がない…」
瑠璃乃はそう言って、シャッフルユニットで組む相手を見る。
「みく~見て、右がのどくろ、左はのどしろ」
「左のあれはマグロでしょ」
「あれ~?」
雲の形を見ていて、偶々通りかかった未来を瑠璃乃が捕まえて、綴理と会話をしていた。
「ルリ、最初から崖っぷち!!」
瑠璃乃は気を取り直して、先輩2人の元へと向かう。
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「あー先輩方!へいへーい!今回はめっちゃよろしくです!!綴理先輩とルリで、超楽しいライブ作りましょー!」
「ん、がんばろー」
綴理はそう言って、手を上に掲げたが…
『……』
何か…間が合わないような…
「やー、めぐちゃんとか、さやかちゃんに負けないように、盛り上げていかないとですね!いえー!」
「…いえー」
「やっべ、めちゃめちゃ気ぃ遣って合わせてくれてるじゃん…!」
「るり、みく、いえー」
「いえー」
「い、いえー!」
なんか僕も混ざってしまったけど、さっきと同じで間が悪い…
「?ごめん」
「いやいや謝られるようなことは何も!!…やばい、このままじゃルリの充電がほんとにヤバい。ここで充電切れたら終わる、一生先輩に合わせる顔がねぇ…!」
ルリちゃんはそう言って、こっちに振り向く。
「あー先輩方!ちょっと、他のみんなの…そう!てーさつ!てーさつに行きましょー!敵を知り己を知ればってやつです!さあ!」
「?」
「いいんじゃない。僕も見に行きたかったし」
ここは、ルリちゃんの案に乗っかってあげよう。
「それじゃあ!行きましょう!」
ルリちゃんはそう言って、僕と綴理の背中を押して、もう2つのユニットの元へと向かい始めた。
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その頃、慈の部屋では、慈と花帆が配信を行っていた。
「それじゃあ」
「バイめぐー!」
「ぽちっ」
花帆が配信終了のボタンを押して、配信を終える。
『だあああ…!』
長時間の配信をしていた二人にドッと疲れが襲っていた。
「や、やりきったー!楽しー!」
「うわー…こんなにぶっ通して配信したのいつぶりだろー…みくと配信した時以来かな。今、何時ー?」
「わ、もう6時ですよ?慈センパイ」
「8時間配信!あはは、ぜんぜんやれちゃうねえー」
「はー……このあとどーしますかー?」
「お風呂入るでしょー?ご飯食べるでしょー?寝るでしょー?」
「はい、起きたら?」
「みくも誘って、また配信しちゃう?☆」
「いいですね!みく先輩も一緒に!慈センパイ最高!」
「花帆後輩最高!」
相変わらず未来の事を推している慈だが、花帆とは相性はかなり良さそうだった。
「はぁ…お風呂は行くけど、ちょっと休もっか」
「ですねー…そういえば、慈センパイ」
「んー?」
「そのー。瑠璃乃ちゃんと、なにかありました?」
「…べっつに、なんにもないけどー?」
「それはあった人の言い方だと思います!」
花帆の言う通り、何もなければこんな言い方はしないだろう。
「瑠璃乃ちゃん、言ってましたよ。このままじゃなにを言っても聞いてもらえないから、見せつけなきゃー、って」
「はいはーい、花帆先生ー」
「はい、藤島さん」
「一方の言い分だけ聞くっていうのはどうかと思いまーす」
「それはたいへんもっともなので、どうぞ証言台へ」
「とはいっても、私にも同じ言い方があるってだけなんだけど、何にも聞いてくれないのはるりちゃんの方じゃんって」
「瑠璃乃ちゃんがなにも聞いてくれないなんてことあるんですか!?充電ある限り『いーよいーよ全然きくー』って、なんでも聞いてくれるの間違いじゃ!」
「るりちゃんのことなんだと思ってんだ…まあ、頑固なるりちゃんはお外じゃあんま見せないかもね。普段はケンカとか、世界一嫌いだろうし。スクールアイドルのこと好きになってくれたのは嬉しいけど、あとで嫌な思いするのはるりちゃんの方なのになー」
「……」
「みんなを楽しませようと思ったら、先にそういう盛り上がる場所を作って、『ついてこーい!!』ってやる方が良いに決まってるじゃん?」
「瑠璃乃ちゃんは、違うことをしようとしてるんですか?」
「まだ仲良くない子たちに、『良かったら来てほしいな』って、遠慮がちに言ってる感じ。それじゃせいぜい、みんなに『行けたら行くね』って言われておしまいだよ」
「…経験あるんですか?」
「ま、ね、失敗して初めてわかることがあるって、知ってるけどさ、それでも私は、るりちゃんに失敗してほしくない、だけ」
「でも、瑠璃乃ちゃんはーー」
その時、部屋のドアをどんどんと叩く音が聞こえてきて、二人はドアの方を向いた。
「開けろ!偵察だ!」
「ていさつだー」
「警察!?」
「偵察っつったけどあの子、…花帆ちゃん、出るね」
「あ…はい」
慈はそう言って、ドアを開けるとそこには、瑠璃乃と綴理、未来が居た。
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るりちゃんがドアをどんどんとしてから、ちょっとしてからめぐが出てきた。
「るり、手帳手帳」
「おー!手帳手帳!偵察だー!」
「なんか本当の警察みたい」
「るりちゃん、降参する気になった?」
「誰がだ!」
「じゃあ私からは言うことは何もないね!今、花帆ちゃんと超楽しく、配信に来てくれたみんなをメロメロのめぐ党にするので忙しいの!」
「めぐ党だけにするつもりないんですけど!」
「花帆ちゃん」
「花帆ちゃんだよ」
「綴理ちゃんだよ」
「……えっ、これ乗って良かった奴…?」
「みくまでやらなくていいから」
ルリちゃんとつづが面白い事をやっていたから乗ろうと思ったけど、乗り遅れた。
そして、めぐに突っ込まれてしまった。
「あ、綴理先輩、みく先輩もこんばんは、えっと…遊びのお誘い?」
「ふたりがどんな感じなのか見に来ただけだよ。みく先輩に言われてここに来たけど、居なかったら補習室に行くところだったよ」
「そこは真っ先に私の部屋でしょ!」
「あたしたちはとりあえずたっくさん配信したよ。明日は、配信でコメントしてくれた子の学校でライブやる予定」
「順調そうで良かった」
「いいね、楽しそう!」
「るりちゃんがフッた、私のアイディアだけどね。るりちゃんがフッた」
「べつにあの時も、楽しそうだねとは言ったじゃん」
「まぁまぁ…」
ここで言い合いをしたら、関係ない寮の子にも迷惑をかけそうだったので、二人の間に入って慰める。
「そ・れ・で、るりちゃんは誰かを楽しませることは、できてるのかな☆」
「むぐっ」
めぐにそう聞かれたるりちゃんは図星を突かれた声をあげた。
「今探してる。だから…そのための偵察?」
「探す…?」
「いや、えっと、それはその。つ、綴理先輩…!」
「へーーー!残念だけど、私たちは超楽しくこの先のイベントも、みんなと超盛り上がってくるから!こっちに合流するならいつでも超考えてあげる!」
「ぐ、ううう!お、覚えてろー!」
ルリちゃん…
「綴理、ごめんね。るりちゃんのこと、よろしくお願いします。って、これはまじすぎかー」
「よくわかんないけど、るりは大丈夫だよ?めぐも頑張ってね。みく行こ」
「うん」
つづに言われて、るりちゃんの後を追いかけようとしたら、めぐに手を掴まれた。
「みくは私たちのメンバーだから」
「違うよ?ボクたちのメンバーだよ」
「それも違うからね」
その後、なんとかめぐを説得して、るりちゃんの事を追いかけたのだった。