シャッフルユニットをやると決めてから、二週間
いよいよ本番の日がやってきた。
「まさか、こんなにたくさんの方にライブ会場へ来てもらえるなんて、シャッフルユニットは、予想以上に注目されていたようね…」
「みくがたくさん宣伝してた。それにるりが、期間限定には弱いって言ってた」
会場内で、こずとつづがそんな会話をしていた。
「瑠璃乃さんの話は、きっとそれは飲み物か何かの話だと思うのだけれど。今回の件とあながちズレていないのが、諭しづらいわ」
「うわー、ライブ緊張してきたー!いつもより、下手なこと出来ないって言うか…!」
「ふふ。外から見る梢先輩に期待していてくださいね。花帆さんの目にかなうものをお見せしますから」
「なんか複雑~~!楽しみだけど!」
「めぐちゃん」
「ん?」
「今日はめぐちゃんをびっくりさせるから!見てろよ!」
「るりちゃんこそ!やっぱりめぐちゃんさいきょーすぎ!一生ついていきますー!って言わせてやるんだから!」
それぞれで会話をしている中、僕はみんなを呼ぶ。
「みんなそろそろやるよー」
「いやー、楽しみだねえ諸君! 蓮ノ空学院スクールアイドルクラブ、ワンデイシャッフルユニット・スペシャルステージの始まりだー!」
沙知先輩がそう言い、トップバッターである花帆ちゃんと慈のユニット『かほめぐ♡ジェラ〜ト』がステージに立つ。
「やりたいことだけ突っ走れ!そんな感じでお届けしました!」
『かほめぐ♡じぇらーと、でした!!』
「カワイイの全力、受け止めてくれたかな♡」
そして、入れ替わりでさやかちゃんと梢のユニット『蓮ノ休日』がステージに立つ。
「以上」
『蓮ノ休日でした』
「わたしたちのこれまでを…表現できたでしょうか」
「どうかこれからも、蓮ノ空学院スクールアイドルクラブを」
『よろしくお願いします』
二人は頭を下げて、ステージを後にした。
「お疲れー水分取ってね」
「ありがとうございます。それと梢先輩ばっかり見てないですよね」
ステージを降りてきたさやかちゃんにペットボトルを渡すと、さやかちゃんがそんな事を言ってきた。
「あはは、しっかりとさやかちゃんの事は見てたから安心して」
そして、梢にもペットボトルを渡す。
「こずも」
「ありがとう」
「それじゃあ、最後はつづとルリちゃんだけど…」
「ま、お手並み拝見、かな」
そして、綴理とるりちゃんのユニットである『るりのとゆかいなつづりたち』がステージに上がる。
「ほいじゃあ最後にーーっと、ちょっと待って綴理先輩」
ルリちゃんはステージを見渡して、つづに声をかけていた。
「ん?…あ、今、ペンライトの色変えてる子、まだいるね」
「ちょっと待ってあげて…よし、みんなだいじょぶそー」
ちょっと時間を置いて、会場全体の準備が整ったのを確認して
「それじゃ今日の最後!ルリがみんなに伝えたい気持ち、綴理先輩が形にしてくれたんだ。だから良かったら・聞いてって」
『
そして、曲が流れ始めて二人は歌い。観客の人達も聞き入ってくれていた。
「これが…るりのとゆかいなつづりたち、の全力だぜっ。みんなせんきゅー!今日は最後まで付き合ってくれて、本当にありがと!」
「こっちのライブも…楽しかったね。みんなも、そうだよね」
「…だれひとり、今日を嫌な気分で終わることがないように、ルリは祈ってます。あ、座っていいよ。まずルリが座る」
「じゃあボクも」
二人はステージに座った。
「綴理先輩いえーい、みんな楽しかった?楽しかったら、声上げたり、ペンライト振ったりしてほしい。どぞ!」
ルリちゃんがそう言うと、会場のあちこちでペンライトが揺れる。
「ありがと、今日初めて来た人も、そうじゃない人も。それから、配信で見てくれてる子も。みんなほんとにありがとうね。おかげですっごく楽しかった」
ルリちゃんはみんなに感謝の言葉を伝えた。
「みんなには、楽しかったって、元気になって帰って欲しい。それで次来るときを、次の配信を、楽しみにしてて欲しいなあ。あとね、ルリからみんなに、お願いがあるんだ。もしも今、楽しいことが何もなくて、なんにもする気が起きない子がいたらーー誘ってあげて欲しい。声をかけてあげて欲しいんだ。ルリたちのライブを、見に来てって。配信画面を開いて、ってさ」
ルリちゃんは続けて
「そしてこう伝えてあげて 『大丈夫、全然疲れないから。嫌な思い出なんて、嫌な思い出なんて、ひとつも残さない。ルリたちが、ちゃんと楽しい思い出にするから、任せて』ーーってさ」
「るり るりの気持ちしか届かない人も、いる気がした。いて…今、届いたと思う」
「よかった。じゃあ、今日は本当に、おつかれっしたー!!!」
そんなルリちゃんの姿を見ためぐが一言。
「これが、るりちゃんがやりたかったこと…凄いね。間違っていたのは、私みたい」
「めぐ…?」