蓮ノ空のアイドルクラブのマネージャーの話   作:桜紅月音

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81.気持ちの問題

慈を探しに動く瑠璃乃は、えなとびわこに出会った。

そんな二人に、瑠璃乃は声を掛けた。

 

「やほ。ねえねえ、めぐちゃん見なかった?」

 

『えっと…』

 

「慈先輩なら、さっき屋上に…」

 

「お、ありがとー」

 

何も情報が無かった瑠璃乃にとっては、貴重な情報だった。

その為、瑠璃乃の表情はパッと明るくなり、屋上へと向かおうとした。

 

「でも…なんか、すごく怖い顔してたよ?」

 

びわこの言葉を聞き、瑠璃乃はすぐさま屋上へと向かった。

 

 

 

******

 

屋上では、慈がダンス練習をしていた。

 

「足は動く。違和感もない。でも…」

 

「何悩んでんの?」

 

「みく…」

 

「また、ルリちゃんと喧嘩した?」

 

いつもみたいに、屋上で一休みをしていたら、足音が聞こえてきたので音がする方を見ると、慈が一人で居たので声をかけた。

 

「…そうじゃないけど…」

 

「…めぐちゃん?」

 

タイミングが良いのか悪いのか…ルリちゃんがやってきた。

 

「…ごめ、るりちゃん。ちょっとさ、休憩がてら景色が見たくーー」

 

「さすがに苦しくない?」

 

るりちゃんに図星を突かれたのか、めぐは完全に黙ってしまった。

 

「ねえ、めぐちゃん。ひとりで悩まないでよ、めぐちゃん。こう言っちゃなんだけど、ルリ頑張ったと思う。スクールアイドルのことだって、前よりめぐちゃんと色々話せると思う。だからーー」

 

「分かってるよ。めぐちゃんは頑張ったよ、すごかったよ」

 

「じゃあなんでルリがいないとこで練習してるのさ、合わない理由とかならルリも、ルリも一緒にちゃんと考えるから!」

 

「…るさいなあ」

 

「え?」

 

「うるさいなあって言ったの!」

 

めぐがるりちゃんに対して、怒鳴った。

なんで…こんな事になってるんだ…

 

「見て分かんない?私が出来てないの!私がるりちゃんに遅れてんの!もう見せたくないの!」

 

「めぐ、ちゃん…!?」

 

「るりちゃんは私よりずっと、スクールアイドルのこと分かってたよ!私の負け!ぎゃふん!るりちゃんの作戦大成功!」

 

「くぅ~~~~!!そこまで言うことないじゃん!!」

 

「私がやんなきゃ!るりちゃんが考えたって意味ないの!わざわざ離れたんだから分かってよ!るりちゃんならもうちょっと気を遣ってくれると思ってた!」

 

「なんだよ、それ!!めぐちゃんのばーか!!勝手にしろ!!なんでっ…なんで、こうなるんだよ!!」

 

るりちゃんは、瞳に涙を浮かべながら走り去ってしまった。

 

「ばかじゃないし!勝手にするし!」

 

めぐはそう言って、反抗する。

 

「ああもう…!なんでこうなっちゃったかなんて、私が知りたいよ…」

 

そう言った慈は、僕に近づいてきて

 

「みく」

 

「ん?」

 

「どうしてこうなっちゃったんだろう…」

 

「…よく分からないけど…一旦、頭を空にしてさ。ルリちゃんと話したらいいんじゃないかな」

 

「…うん…それとさ」

 

「めぐ?」

 

「るりちゃんのこと、よろしくね」

 

「えっ?」

 

めぐはそう言って、僕の前から去っていった。

すぐさま、めぐを追いかけたが、既にめぐの姿は既になかった

 

 

 

 

-中庭-

 

「あそこで…ルリ萎れてない?」

 

「わ、ほんとだ!瑠璃乃ちゃーん!」

 

綴理と花帆は、瑠璃乃に声を掛ける。

 

「あっ…花帆ちゃんに、綴理先輩。不思議セット」

 

「チーム自由」

 

「わ、いいですねそれ!」

 

「あはは……ごめ、ちょっと充電切れ気味だから…」

 

「うぅ…じゃあお邪魔だったよね…」

 

「チーム自由は屈しない。みらくらぱーく!だけ、おかしい」

 

「えっ」

 

綴理はみらぱの様子がおかしいことに気付いていた。

 

「まあ、うん、スリーズブーケもDOLLCHESTRAも、うまく行ってるんですよねー」

 

『うん…』

 

「ルリだって、思ってたことをまとめてさ。ちゃんと、めぐちゃんにもルリの気持ちを伝えられたはずなのに…どうしてこうなっちゃったんだろう」

 

「めぐは、なんて言ってた?」

 

「『出来てないのは私』って、でもそれ、ルリにはあまりピンと来なかった」

 

「かほ、分かる?」

 

綴理は、瑠璃乃の言葉を聞き、花帆に話題を振った。

 

「え!?慈センパイのことですか?」

 

「そう。今のめぐのことは、今のかほが知ってる」

 

「えっ」

 

「えぇっと?えっと、そうだなあ、慈センパイができてない…?でも、あたしとライブやってたときの慈センパイは、相変わらず凄かったですし。改めて瑠璃乃ちゃんと組み直したって、慈センパイが見劣りするってことは…ないと思う、んですけど…」

 

「だったら、気持ちの問題?」

 

「ただ単に息が合わなくなったのを、慈センパイが自分のせいにだって思ってる…ってことですか?でも、それって…」

 

「じゃあやっぱり、ルリが勝手だったのかな」

 

瑠璃乃はそう言い、落ち込む。

 

「…るり。ボクはめぐと組んでないから、めぐのことは分かんないけど、るりのことはちょっと分かるよ、きっと、今のるりだから出来ることがあると思うんだ」

 

「今の、ルリだから?」

 

「ステージの上から、るりがみんなにお願いしたこと。すごく綺麗だったよ。あのときのるりは、明るい桃色に、きらきらしてた。みんなに元気を分けてあげて。そして、元気がなくて、るりが知らない子にはーーみんなから気持ちを届けてあげてとお願いして」

 

「…」

 

「るりは、目の前に元気のない子がいたらーーそれが誰であっても、元気にしてくれる。ねえ、るり。きみはめぐの幼馴染だけど、もうそれだけじゃない。きみはひとりのーースクールアイドルだ」

 

「そっか。そりゃ…そうだ。綴理先輩。花帆ちゃんもありがとね」

 

「えっと…力に、なれたかな。言葉にできなかったこと。今なら伝えられる気がするんだ」

 

「ルリはーースクールアイドルだから」

 

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