慈を探しに動く瑠璃乃は、えなとびわこに出会った。
そんな二人に、瑠璃乃は声を掛けた。
「やほ。ねえねえ、めぐちゃん見なかった?」
『えっと…』
「慈先輩なら、さっき屋上に…」
「お、ありがとー」
何も情報が無かった瑠璃乃にとっては、貴重な情報だった。
その為、瑠璃乃の表情はパッと明るくなり、屋上へと向かおうとした。
「でも…なんか、すごく怖い顔してたよ?」
びわこの言葉を聞き、瑠璃乃はすぐさま屋上へと向かった。
******
屋上では、慈がダンス練習をしていた。
「足は動く。違和感もない。でも…」
「何悩んでんの?」
「みく…」
「また、ルリちゃんと喧嘩した?」
いつもみたいに、屋上で一休みをしていたら、足音が聞こえてきたので音がする方を見ると、慈が一人で居たので声をかけた。
「…そうじゃないけど…」
「…めぐちゃん?」
タイミングが良いのか悪いのか…ルリちゃんがやってきた。
「…ごめ、るりちゃん。ちょっとさ、休憩がてら景色が見たくーー」
「さすがに苦しくない?」
るりちゃんに図星を突かれたのか、めぐは完全に黙ってしまった。
「ねえ、めぐちゃん。ひとりで悩まないでよ、めぐちゃん。こう言っちゃなんだけど、ルリ頑張ったと思う。スクールアイドルのことだって、前よりめぐちゃんと色々話せると思う。だからーー」
「分かってるよ。めぐちゃんは頑張ったよ、すごかったよ」
「じゃあなんでルリがいないとこで練習してるのさ、合わない理由とかならルリも、ルリも一緒にちゃんと考えるから!」
「…るさいなあ」
「え?」
「うるさいなあって言ったの!」
めぐがるりちゃんに対して、怒鳴った。
なんで…こんな事になってるんだ…
「見て分かんない?私が出来てないの!私がるりちゃんに遅れてんの!もう見せたくないの!」
「めぐ、ちゃん…!?」
「るりちゃんは私よりずっと、スクールアイドルのこと分かってたよ!私の負け!ぎゃふん!るりちゃんの作戦大成功!」
「くぅ~~~~!!そこまで言うことないじゃん!!」
「私がやんなきゃ!るりちゃんが考えたって意味ないの!わざわざ離れたんだから分かってよ!るりちゃんならもうちょっと気を遣ってくれると思ってた!」
「なんだよ、それ!!めぐちゃんのばーか!!勝手にしろ!!なんでっ…なんで、こうなるんだよ!!」
るりちゃんは、瞳に涙を浮かべながら走り去ってしまった。
「ばかじゃないし!勝手にするし!」
めぐはそう言って、反抗する。
「ああもう…!なんでこうなっちゃったかなんて、私が知りたいよ…」
そう言った慈は、僕に近づいてきて
「みく」
「ん?」
「どうしてこうなっちゃったんだろう…」
「…よく分からないけど…一旦、頭を空にしてさ。ルリちゃんと話したらいいんじゃないかな」
「…うん…それとさ」
「めぐ?」
「るりちゃんのこと、よろしくね」
「えっ?」
めぐはそう言って、僕の前から去っていった。
すぐさま、めぐを追いかけたが、既にめぐの姿は既になかった
-中庭-
「あそこで…ルリ萎れてない?」
「わ、ほんとだ!瑠璃乃ちゃーん!」
綴理と花帆は、瑠璃乃に声を掛ける。
「あっ…花帆ちゃんに、綴理先輩。不思議セット」
「チーム自由」
「わ、いいですねそれ!」
「あはは……ごめ、ちょっと充電切れ気味だから…」
「うぅ…じゃあお邪魔だったよね…」
「チーム自由は屈しない。みらくらぱーく!だけ、おかしい」
「えっ」
綴理はみらぱの様子がおかしいことに気付いていた。
「まあ、うん、スリーズブーケもDOLLCHESTRAも、うまく行ってるんですよねー」
『うん…』
「ルリだって、思ってたことをまとめてさ。ちゃんと、めぐちゃんにもルリの気持ちを伝えられたはずなのに…どうしてこうなっちゃったんだろう」
「めぐは、なんて言ってた?」
「『出来てないのは私』って、でもそれ、ルリにはあまりピンと来なかった」
「かほ、分かる?」
綴理は、瑠璃乃の言葉を聞き、花帆に話題を振った。
「え!?慈センパイのことですか?」
「そう。今のめぐのことは、今のかほが知ってる」
「えっ」
「えぇっと?えっと、そうだなあ、慈センパイができてない…?でも、あたしとライブやってたときの慈センパイは、相変わらず凄かったですし。改めて瑠璃乃ちゃんと組み直したって、慈センパイが見劣りするってことは…ないと思う、んですけど…」
「だったら、気持ちの問題?」
「ただ単に息が合わなくなったのを、慈センパイが自分のせいにだって思ってる…ってことですか?でも、それって…」
「じゃあやっぱり、ルリが勝手だったのかな」
瑠璃乃はそう言い、落ち込む。
「…るり。ボクはめぐと組んでないから、めぐのことは分かんないけど、るりのことはちょっと分かるよ、きっと、今のるりだから出来ることがあると思うんだ」
「今の、ルリだから?」
「ステージの上から、るりがみんなにお願いしたこと。すごく綺麗だったよ。あのときのるりは、明るい桃色に、きらきらしてた。みんなに元気を分けてあげて。そして、元気がなくて、るりが知らない子にはーーみんなから気持ちを届けてあげてとお願いして」
「…」
「るりは、目の前に元気のない子がいたらーーそれが誰であっても、元気にしてくれる。ねえ、るり。きみはめぐの幼馴染だけど、もうそれだけじゃない。きみはひとりのーースクールアイドルだ」
「そっか。そりゃ…そうだ。綴理先輩。花帆ちゃんもありがとね」
「えっと…力に、なれたかな。言葉にできなかったこと。今なら伝えられる気がするんだ」
「ルリはーースクールアイドルだから」