あの仲直りから数日後_
「じゃあ、あのふたりは生徒会室に呼び出し中、と」
「はい…」
みらぱの二人を除いた五人で部室に集まっていたのだが。
「なにしたの」
「屋上からバレンタインチョコをばらまいたんです。ぶわーって!」
めぐとルリちゃんの二人が、屋上からチョコを大量にまいたのだ。
まぁ…男子達がほとんど持っていったらしいけど…
「行かなきゃ」
「もう無いですよ。みんな来た人が喜んで持っていっちゃったみたいなので」
「はぁ…沙知先輩は注意だけで済ましてくれるからいいけど…他の生徒会長だったら…ああ…考えたくもない…」
「ああ、みく先輩が壊れてます。大丈夫ですか!?」
そう言うさやかちゃんだって壊れてるよ…心配してくれて僕としては嬉しいけど。
「あらら…ここ最近、未来頑張っていたものね…今日は休んだらどう?」
「その言葉を言ってくれるだけで嬉しいよ」
こずとそんな会話をしていると、話題の中心の二人が入ってきた。
「ごめーん!遅れちったー!!」
「ソーリー!」
本当に謝っているのか怪しい謝罪だけど…まぁいいや。
「チョコだ」
「お、そうだそうだ。どぞどぞ皆さん。さっき来れなかった子にはひとりひとり配ってるの。ハッピーバレンタイーン!」
ルリちゃんはそう言いながら。みんなにチョコを配ってくれる。
綴理はとっても嬉しそう。
「はあ…慈。瑠璃乃さん」
『?』
「遅刻の謝罪は受け取ったけれど、生徒会室に呼び出されるほど周囲に迷惑をかけたことの方が問題よ」
『ごめんなさーい』
あー梢、静かに怒ってるなぁ…
「まったく、とんだお菓子パーティーもあったものね」
「お菓子パーティーなのかな…あれ…」
「あはは…」
「でも、すっごく楽しかったですよ!屋上から振るチョコレートが、まるで花吹雪みたいに綺麗で!蓮ノ空が遊園地になったみたいでした!」
「でしょでしょ!いやー、これぞみらくらぱーく!」
「楽しいが一番ってね!」
「ふたりとも?」
「お、怒られたことはもうしないから!」
怖えぇ…僕に対してはしないけど、今のこずの圧力怖いな…
「こずの言う通り、次からはしないでね?」
「分かってるって」
「ならいいけど」
僕の言葉にめぐが慌てて返してきた。
今日は、ここまでにしておこう。これ以上怒っても仕方ないし
「あっ…そうだ、綴理先輩」
「ん?まだチョコあるの?」
「まだありますよー。じゃなくて、今回はありがとうございました。めっちゃ成長できたし、これからのみらくらぱーく!は最強になりました!」
「おー、それは良かった」
「…一応、私からもお礼」
めぐはそう言って、籠いっぱいに入ったチョコを綴理の前に置いた。
「わ、全部食べたらさやに怒られそう」
「日を分けましょうね」
「あそーだ!こっちは花帆ちゃんの分だよ!」
ルリちゃんはそう言って、綴理に渡した物と一緒の物を渡す。
「わー、ありがとー!」
「いろいろ、お話聞いてくれてさんきゅーね」
「友達だもん、当たり前だよ。えへへ。シャッフルユニット、やってよかったね!」
「うん!」
なんだかんだあったけど、めぐとルリちゃんの問題が解決したようで良かった。
「そうだ。みくにもお礼あげる。ま、今回はみくにも助けて貰ったしね」
「何もしてないけどね」
「何言ってんの。ルリちゃんの事見守ってくれてたじゃん。だからありがと」
「なら、今度はルリちゃんを困らせるような事はしないようにね」
僕はそう言って、めぐからのチョコを貰う。
「当たり前だよ。なんだって私とルリちゃんは最強だからね」
その日の夜
慈の部屋に、慈と瑠璃乃の姿があった。
「ありがとね。るりちゃん」
「ぽへー」
「ありゃ、聞こえてない?…充電切れか。まったく…ちっこいくせにさ。いつの間にか。こんなにでっかくなっちゃってまあ。半年間…ううん、それよりもずっと前から、がんばってきたんだもんね。かっこいいじゃん、大沢瑠璃乃」
「私、どんなるりちゃんも大好きだけどね。私と一緒にがんばってくれるるりちゃんのことが、いちばん好き…だよ」
「あそーだ」
瑠璃乃がいきなり目を覚ました。
「わあああ!?なに!?」
「なんだー?まいっか。もちろんめぐちゃんにもあるよ。チョコ」
「あ、ああそういうこと」
「ふっふっふ、ならこっちにも当然あるんだなーるりちゃんびっくりするぞー」
「なにー!?じゃあ勝負だ!せーの!」
『はい!』
二人は同時に出したチョコをお互いに見た。
「…嘘でしょ?るりちゃんもおんなじもの作ってたの?」
「みらくらチョコ、びっくりすると思ってたのに!」
『あはは、引き分けじゃん!』