蓮ノ空のアイドルクラブのマネージャーの話   作:桜紅月音

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89.心に響く歌詞

 

綴理とさやかが市場に向かったその日の夜。

 

未来の部屋に押し掛け、悩んでいる様子の慈と慈に付いてきた瑠璃乃。そして温かく見守る未来の姿があった。

 

「あ~~…」

 

「えー、大沢瑠璃乃です。ただいまめぐちゃんは、みくパイセンのベットを占領して、降りてくるの待ち、です。このめぐちゃんは、ルリ以外は知らないレアめぐです。脳をフル回転させてて、こういうもかわいいです」

 

「誰に説明してるのルリちゃん…」

 

僕は、配信をしていないのに説明をするルリちゃんに困惑しながらも二人にお茶を差し出す。

 

「ありがとうございます」

 

ルリちゃんはお茶を一口飲んで、話を続ける。

 

「でも、先輩に贈るための曲を作詞なんて、プレッシャーやばいんじゃない?だいじょぶ?」

 

ルリちゃんは心配そうに聞くが、めぐのことだから作詞自体は出来ていると思う。

 

「めぐのことだから、おおよそはできてそうだけど」

 

「うん、できてるはできてる」

 

「あっ、そうなの?」

 

ルリちゃんは驚いているが、好きな物に対してならなんでもできてしまうめぐは、出来れば早い。

という事は、何個かの案を作って悩んでいる可能性が高いと見た。

 

「やっぱりね…で、何個?」

 

「3案」

 

「え、すごっ。めぐちゃん天才!」

 

「こういうのって、パターンだからね。最初にテーマを決めて、それぞれの切り口で作るだけだよ」

 

めぐはそう言うが、実際そうだから。そして、めぐは続けて話す。

 

「例えば卒業ひとつ取っても、お別れの歌、旅立ちに背中を押す歌、遺される側の歌。あとは軸にするキーワードを決めて、その周りに言葉を配置していくだけ」

 

「めぐちゃん、どうして勉強できないの…?」

 

「これに関してはルリちゃんに同意だけど、人によって向き不向きはあるからねぇ」

 

「みくは分かってるじゃん、じゃなくて、私ができないってことは、勉強のほうが間違ってるんだよ。じゃなくて」

 

勉強が間違ってるって事はないと思うぞ。

 

「普段の作り方なら、これでいいんだけど、ほら、今回は私たち二年生から贈る曲ってことになってるじゃん?」

 

「うん」

 

「実際そうだし」

 

「作曲や振り付けはまだいいとしてもさ。歌詞を作るんなら、私の想いだけじゃなくて、梢と綴理、みくからの想いも盛り込んだ歌詞にしなくちゃいけなくってさ」

 

「あー…たいへんそう」

 

「大変だけど…頑張ってもらうしかないね」

 

「私は梢や綴理、みくじゃないから、三人が沙知先輩にどんな言葉を贈りたかったのかは、想像しなくちゃいけない。もしかしたら、いなくなってせいせいするぜ!って言いたいかもしれないし」

 

「それはないと思うけど!」

 

「野球部とかサッカー部じゃないんだから…」

 

「えっ!?」

 

僕の言葉に驚くルリちゃん。

実際、あったりするものなんだよ。

 

「でも、にゃるほど。それで悩んでたの?」

 

「んー。それじゃ、ここで質問!あなたがこの作詞を任されたらどう戦いますか?」

 

めぐはそう言って、ルリちゃんに聞いた。

 

「はい。ルリは梢先輩や綴理先輩にいっぱい思い出を聞いて、みんなの意見を合わせてがんばって平和的解決を図ります」

 

「ぶー!」

 

「ぶーとかあるんだ…」

 

「瑠璃乃ちゃんの考えも間違えではないからね。では、めぐ、正解をどうぞ」

 

「正解は、そんな小手先のパターンとか関係ないから、私の考える最強の歌詞をぶつける!です」

 

「つえー!」

 

「それでこそ、めぐ」

 

「だってこれは、みんなが私を信じて任せてくれたんだよ。それなら120点のものをぶつけて、その完成度で梢と綴理を納得させてやらなくっちゃ」

 

「なんたるパワー系。それでこそルリのめぐちゃん…!」

 

「というわけで」

 

めぐは作詞した3案を机の上に置いた。

 

「ここに100点の3案があるのに!そのどれかひとつを120点にしなくちゃいけないんだよ…!」

 

めぐはそう言って、僕の膝に頭を乗せてきた。

 

「僕なら、3案を120点にする方向に舵を切るね」

 

「おー!みくパイセン、流石です!」

 

「私はみくみたいに天才じゃないんだから無理に決まってるよ!」

 

ま、冗談はこれぐらいにしておいて…今回はめぐに託すって話をしたんだから、僕が出る幕もないから

 

「実際問題、どれも良くてこれを優秀を最優秀にするっていうのは大変だね」

 

「そうなんだよー」

 

すると、ルリちゃんがめぐのそばまで寄ってきて

 

「ねえねえ、ルリにできること、なにかある?それとも、めぐちゃんひとりでやり通したい?」

 

「いいものができるなら、なんでもいいー!パワーが足りない…。大賀美沙知をズタボロに泣かせてやるような、そんなパワーが…」

 

「そんな殺意込めて歌詞作ってたの!?」

 

「感動させられるならなんでもいいの!」

 

「えぇ…?で、どーする?好きなスクールアイドルのチャンネル見る?ルリもね、最近まったり系スクールアイドル見て、べんきょーしててねー」

 

「えらいねーるりちゃん!よーしよしよしよしよし」

 

「るぅあ~~」

 

「でも、スクールアイドルからパワーを貰うのもいいんじゃない?」

 

「うん、確かにそれもあり…って、ん?待てよ…?」

 

「めぐちゃん?」

 

「どした?」

 

「…それしか、ないか…?いや、でも、あまりにも私の体に負担が…けど、いいものを作りたい…!」

 

めぐの様子がおかしくなった…なんか嫌な予感がする。

 

「ありがとう、るりちゃん。おかげで見つかったよ、パワーのありか」

 

「おー!」

 

「私は禁断の力に……手を伸ばす!」

 

「お?おー……?」

 

「めぐ…まさか…」」

 

「そのまさかだよ!るりちゃん、みく!わたしに付いてきて!」

 

もう二度とないと思っていたが…めぐ、本当にやるのか…?禁断の配信動画を

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