映画館に行き、寮に戻ってくると、めぐは自分の部屋に戻り、歌詞作りを開始した。
あの調子なら、もうめぐに任せても大丈夫。
そして、僕は梢と寮の外で遭遇し、中庭の方に向かうと突っ立っている綴理を発見した。
「つづ、そんな所で突っ立ってたら風邪引くよ」
「こずとみくだ。曲できた?」
「ええ、だいたいね」
「うんうん」
とそこにめぐもやってきた。
「お、揃ってるねー。さては進捗、余裕ですな?」
「あ、めぐだ」
なんだかんだで揃ってしまう僕達四人。
「結局、揃ってしまう運命なのか」
「お?梢と別れて、そのままめぐちゃんとくっ付いちゃう?みく」
「それとこれとは話が違う…でも、冗談を言えるくらいには余裕がありそうで良かった」
「まあね」
昼間まで様子のおかしかっためぐが、立て直す事が出来てよかったよほんとに
「慈がずいぶんと呻いていたと、瑠璃乃さんから聞いたのだけれど」
「いやー…難敵でしたね。でもまあ、少し夜風に当たりに来るくらいの余裕はできたよ。明日の朝には、出せると思うな」
「そっか、じゃあ、明日の朝は、みんなで合わせよう」
「ええ」
梢がそう言うと、四人は黙り込む。
「…やっぱり、寂しいね」
「…ま、なんだかんだ2年の付き合いだからね!」
「あっという間ではあったけれど。ほんと、よくこんな問題児たちをまとめたものだわ」
「それ梢が言う?」
「わ、私が一番まともでした!」
「どっちもどっち」
「綴理が言わないで!/綴理が言うな!」
「…まったく、面白い3人だよ、ほんと」
「ふふ、今となっては…懐かしいわ。あの頃のこと」
それは、二年前の四月。僕達が入部して間もない頃の話。
「なるほど…なるほど?」
スクールアイドルクラブに集められた一年生三人。
「えーっと、とりあえず1人遅れると連絡があって…と、でもまあ、自己紹介してもらおうかな。初めてだし、じゃあ…乙宗ちゃんから」
沙知先輩がそう言うと、席からスッと立ち。挨拶を始めるのは梢
「はじめまして、乙宗梢と申します。目標はーーラブライブ!優勝です」
『おー』
目標の高い梢の言葉に、三人は声をあげた。
「…ラブライブ!ってなに?」
綴理のその言葉に、梢が突っかかった。
「なんですって?夕霧さん、あなたそんなことも知らずにこの名門にーー」
ひと悶着が起こりそうな雰囲気になりそうになると、沙知先輩が止めに入った。
「わー、待った待った!はい、じゃあそんな夕霧ちゃん次はよろしく!」
「?よろしく~」
自己紹介とは…?と突っ込みたい所だが、沙知先輩は困惑しながら慈に話を振る。
「…OK、じゃあ最後、藤島ちゃん」
「はーい、藤島ちゃんでーす。呼ばれたので来ましたースクールアイドル?だっけ?まあ私のネームバリューは使えると思うよ☆」
舐め腐っている態度に、再び梢が突っかかった。
「どうやらあなたにも、スクールアイドルのなんたるかをいうものを教えなければならないようね」
「ん、なに?乙宗さんってばそーゆー感じ?沙知先輩、止めてあげてください☆」
その時だった。扉が開き、未来が入ってきた。
「遅れてすみません…」
「いや、構わないよ。今は自己紹介をしていた所だ」
「あ、そうなんですね。では自己紹介を…こほんっ。一年生の夜空未来ですっ!えっと…梢とは幼馴染で、皆さんの事しっかりとサポート出来ればと思ってます。目標はラブライブ!優勝ですっ!ピアノの練習で来れない日もあるとは思いますが…皆さんよろしくお願いします」
「やだぁ//イケメンじゃん//」
未来が現れるとこの時には慈は未来に惚れていた。
「うん?あれ」
「どうしたの未来」
「いや…昔、テレビで見たような気がして…」
未来もまた、慈を見てそう言った。
「そうだよっ!私、タレントやってからね☆」
「なるほど。それで見たのかな…うん。よろしくね、えっと…」
「私、藤島慈。めぐとかで呼ばれてるよ」
「オッケー。めぐって呼んでもいいかな?」
「うんっ!乙宗さんと違って感じも良い!幼馴染って言うの信じられないくらい」
慈の言葉に梢がカチンときた。
「なんですって!いいわ!未来の素敵な所をあなたにたっぷりと教えてあげる」
「梢ー!それは恥ずかしいからやめてー!」
今でこそそういう事に抵抗が無い未来だったがこの頃はまだ恥ずかしかったようだ。
「チョコのケーキ食べたい」
三人がわーわやっている中で、綴理は我関せず。
「よぅし分かった!これが第102期スクールアイドルクラブだ!ちくしょーやってやる!」
沙知はこの時そう決心するのだった。