旧型サラミスで生きる1年戦争   作:カズkaz

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ルウム戦役も終盤になりつつあります。なんとか今のところは生き残っている主人公たち第1001巡洋艦戦隊ですが、ルウム戦役ってジオンによって残敵掃討がなされるようになってからのほうが、生き残るの難しいと思うんですよね。その当たりの事を書けたら、と思います。
では、どうぞ。


7話 ルウム戦役③

オレたち第1001巡洋艦戦隊の後方に布陣していた筈の第35巡洋艦戦隊。その残存艦は被弾したピッツバーグのみになっているらしい。 コロンブス改型の戦闘機母艦の直掩部隊だったから狙われやすかったのもあるだろう。現在は定位置から加速し、本戦隊に追い付いてきた、というところらしい。

ピッツバーグは戦技優秀艦として表彰されてたほどだがそれでもやられたのか。 艦長のファリハ中佐は人柄も良くオレも良く声をかけてもらっていたのだが。

 

「ピッツバーグの指揮は今誰がとっている?」

 

「CICから副長のミタス中尉がとっているようです。ただ、負傷されていると。」

 

「負傷?指揮は問題ないのか?それと、艦橋が被弾したというが艦の被害は?」

 

戦闘の指揮を取りつつ、ピッツバーグの状況を手早く確認していく。 艦橋にザクのパンツァーを直撃され、艦橋は基部から大破。艦長以下の艦橋要員も全滅。

その際にCIC要員も転倒などで負傷者が出て、現在の指揮官であるミタス副長も頭部に裂傷と。ただ、応急措置は済んでいて指揮に問題はなし。むしろ問題は・・・

 

「艦橋のレーダーセンサーが全滅か。照準もまともにつけられそうにないな。おまけに左右両舷のサブ艦橋にあるレーダー類も被害を受けてるって、航行にも支障があるだろうが。」

 

「ミタス副長からは光学機器のデータで我々の航跡のトレースは可能だと。」

 

「逆にトレース以外は出来ないんだろうが。やれやれ見捨てる訳にもいかんか。現在の加速を続け本艦の後方5000に付けるように伝えろ。ヤハギとウィンチェスターに連絡。後方のピッツバーグ支援のため、後方のメガ粒子砲の射撃レートを上げるように、と。砲術長、本艦も射撃レートを出来るだけ上げてくれ。」

 

「「アイサー」」

 

「本艦左舷、MS編隊を確認!!数4、距離50000!」

 

副長と砲術長の返事と、監視員からの報告が重なる。

4機編隊、いよいよめぼしい獲物が少なくなって雑魚にも手を出し始めたな。

 

「本艦とウィンチェスターで迎撃する、ミサイルもばら撒け!目眩ましにはなる!」

 

収束率の低いままの状態の主砲では、50000も離れては装甲を貫けないかもしれないが、敵が怯んでくれれば儲けものだ。

その間に対空砲で被害を与えてやれば良い。

 

「ヤハギより戦隊右舷下方にムサイ級2隻を確認。敵はMS数機を伴う!レールガンにて迎撃を試みるとのことです!」

 

「本艦のレールガンもムサイに向けろ!ピッツバーグにもムサイに対して砲撃を指示!MSは直掩だろう、ムサイを沈めれば無理にせめては来んはずだ!」

 

「艦長!左舷側MSよりミサイルパンツァー来ます!更に2機が接近!!」

 

「迎撃急げ!!!主砲、射撃レートを最大に!!ミサイルはなんとしても打ち落とせ!!砲術っ、大変だろうがミサイル迎撃のメガ粒子砲とレールガンでジェネレーターが過負荷にならないよう調整を!」

 

 

「無茶ですがしなければ沈むだけですな。なんとかやってみます!」

 

矢継ぎ早に指示を出しつつ、次々と変わる状況に目が回りそうだ。敵のムサイ級については、こちらが上方からというレールガン攻撃ができる。相手艦の投射面積が大きくなる位置関係だから2隻で撃ちまくればなんとかなるだろう。それよりMSのミサイルはなんとしても迎撃をしなくてはならない。

直撃を受ければ当たりどころが悪いと撃沈、マシでも対空砲や主砲を損傷して手数が減り、確実にこの後の撤退戦を生き残ることは難しくなるだろう。

更に言えば、ミサイルの後方から接近してくるMSが脅威だ。艦体に取りつかれてしまえば迎撃も出来ず、あのバカでかいトマホークで艦橋ごと乗組員が御陀仏もあり得る。(その場合、オレももちろんMIAになっているだろう。)

 

あぁ、そういえば御陀仏という言葉はもう使わなくなったのだったか。それとも地球の東南アジア方面ではまだ仏教が残っているから意味は通じるのだろうか。

 

頭の片隅で戦闘とは関係ないことを思考して現実逃避をしつつ、それでも戦闘指示は出し続けていく。

 

 

幸いにもザクのミサイルは残り一発になっている。ジェネレーターもなんとか運用できている。大丈夫だ、まだ、ミカサは沈まない。

 

「艦長、下方のムサイ級1隻のエンジンブロックを破壊、敵は撤退に移りつつあります。」

 

「撤退する艦は放っておいて構わん。まだ接近しているもう1隻にレールガンの砲火を集中させろ。」

 

「左舷のミサイル、全弾の破壊を完了!接近しつつあるMSも1機を撃破!もう1機とともに撤退していきます!」

 

「下方のムサイ、艦橋に直撃弾!撃沈を確認!!」

 

「よーーーし!!なんとか凌いだな!各部署、状況報告!」

 

「航法、前方のデブリ帯を避けるため、取り舵を取りつつあり。後方のピッツバーグも追従できています。」

 

「砲術、3隻とも主砲、レールガンに被害は無し。ウィンチェスターの2番主砲も使用可能になっています。ヤハギ対空砲は残り2基ですが、本艦とウィンチェスターでカバー出来ます。ピッツバーグは3番、5番主砲は使用不可。対空砲は全基使用できます。ミサイルは各艦残数5割を切っています。」

 

「副長よりダメコン班、本艦のダメコン作業は完了。ヤハギも間もなく完了の予定。ピッツバーグはなんとかサブ艦橋のレーダーを復旧させようとしていますがまだ見通しはたっていません。」

 

「運用、各艦の酸素、推進剤、医療品は残数6割。あと1会戦はできます。ただ、医療品については各艦の被害が大きすぎてルナツーでも補給が出来ないかもしれません。」

 

「艦長、了解。進路このまま取り舵反転180度。本艦は航宙部隊の救援に向かう。」

 

各部署の報告を聞けば我々の状況が現状ではかなり好条件であることが分かる。

 

進路をどうするか悩んだが、ピッツバーグですら被害を受けていることを考えれば後陣のコロンブス改型らの残存は絶望的だろう。先陣がマゼラン型中心でまだ防御力が高いことも考えれば、ある程度の余力を残す我々が救援に向かう方が良い。

気になるのは、戦闘開始時にすれ違いざま砲火を浴びせてきたジオンの艦隊が反転をしてきているだろう事だ。

先程の撃退したムサイ級2隻のように散開しているとは思うが、場合によっては砲撃戦があるかもしれない。

 

「副長、戦隊全艦へ通信。ピッツバーグにもデータ通信を。」

 

「了解です!どうぞ。」

 

「艦長より達する。本戦隊はこれより、後方の航宙・輸送部隊の救援に向かう。敵ムサイ級らとの砲撃戦も予想される。各員警戒を厳とせよ。コロンブス型は良い船だがいかんせん脆い。我々が味方を助けてやろう。」

 

「「アイアイサー!!!」」

 

今のところはなんとか生き残れている。今後の戦闘に少しでも繋がるよう、味方を助けなくては。たとえ旧型でも、我々ならやれる。何としても生き残ってやる。

 

ルウムの死闘は、まだ終わらない。




ルウム戦役part3でした。
これといった被害を受けずにすんでいるミカサたち旧型サラミス達ですが、次回はいよいよルウムからの撤退戦です。果たして彼らは生き残れるのか。
お楽しみに。

また、誤字のご報告や読後感想、誠にありがとうございます。
多くの方のコメントにとても元気をいただいています。
遅筆ですが今後もぜひ、よろしくお願いします。
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