天神の加護と共に   作:キヨシ

4 / 7
いよいよ、あの双子との邂逅です。え?どっちの双子ですって………本文にてご確認ください。では第三話ご覧ください。


第三話 双子との出会い①

菅公(すがきみ)side

おはよう、こんにちは、今晩は、菅公です。前回、火事になった事は皆んな知ってますよね?あの後、駆けつけて来てくれた父・母にコレでもかと言う程叱られました。父の顔は前に見た雷神様みたいな形相になってたし、母は母で『何でこんな事をしたのか!』『母が心配すると思わなかったのか!』などの言葉を涙目になりながら言って来るのでひたすら平心転倒しながら謝りました。かなりの罪悪感があるので全国のお母さんは母を真似てみましょう!……コホン、兎に角あんな自分勝手は金輪際しないと誓いました。『アレ、コレは父が言ってた縛りでは?』と思いましたが気にしない事にしました。

 

閑話休題、そんなわけで更に呪術と術式について古い本や父との修行で理解を深めて行きました。特に西日本に有る土師氏の遺跡の発見や遺物の収集に父と共に行きました。お陰でクタクタです。そして今日は京都に有る禪院?と言う家の御屋敷に行く事になりました。何でも親戚の五条家と仲が悪いみたいで御屋敷に近づくと肌がピリピリします。父に伝えたら『お前も殺気や悪意を感じ取れる様になったか』と褒められたり『まあ、気にするな無視しろ』と教えられたりとよく解りませんでした。しかし、僕はこの時気が付いていませんでした何故こんなにこの家に嫌な気持ちになるのか、何故父が“無視しろ”と言っていたのかを。

 

御屋敷に入って最初に綺麗な女の人に出会いました。この人が禪院家の一番偉い人の所に案内してくれるみたいです。でもこの女の人顔が全然動きません何だか人形みたいで少し怖かったです。父が前を進み僕がその後に続きます、その途中いろんな所から見られていました“ジロジロ”と見て来る人達が『居なくなってくれないかなぁ』と思うぐらいに見られてました。少し長い廊下を進んでいると大きなしょうじで閉じられている部屋の前に着きました。そこで女の人が中の人に何か伝えると『入れ』と言うしわがれた声が聞こえます、入る前に父が『自分と同じ様に入れば良い』とこっそり教えてくれました何だか緊張しますね。

父と同じ動きで中に入ると鼻が曲がる様な臭いがします、前に父と母が飲んでいた“お酒”と同じ臭いだと直ぐに気付きました、だって本当に臭いんだもん!部屋の中から強烈な臭いがしてるんだもん思わず変な顔になっちゃったもん!こんなのどうしようも無いよ!

 

菅公『は、はじめましゅて土師菅公ともうひまひゅ』

 

余りにも臭過ぎて思わずカミカミな挨拶をしてしまいました。

 

?『ほお、お前が清原の倅か?』

 

下げていた頭を上げながら声のする方を見た。其処には髭を生やした

半分裸のお爺さんが胡座をかきながらお酒を飲んでいた。最初の印象は“お行儀が悪い”でした。お酒飲みながら人に挨拶なんて内の家では絶対にしません。

 

菅公『はい!私が父、清原の息子です!』

 

声をかけられて元気良く返事をした。家では返事はハッキリと伝える事を最初に教わったから。……と言うかさっきからずっとお酒飲んでる、もしかして仕事無いのかな?近所の公園で仕事が無くて一日中ベンチでお酒を飲んでる人がいるけれど、母曰く“マダオ”と言うらしい。

 

?『随分と元気の良い小僧だな清原』

 

ニヤリと笑いながらコチラを見て来るマダオさん、そんな状況に思わず苦笑いを浮かべる父、清原。

 

清原『直毘人殿、余り倅を揶揄わんでやって下さい』

 

直毘人『ふん、貴様の餓鬼の頃にそっくりだと思ったまでだ。しかし本当に良いのだな?この小僧を禪院家で預かって』

 

うん?禪院家で“預かる”、え⁉︎聞いてないよそんな話‼︎どう言う事⁉︎

 

菅公『ち、父上!』

 

清原『狼狽えるな息子よ!“どんな事態でも常に冷静であれ”何時もそう教えているだろぅ‼︎』

 

菅公『っはい!申し訳ございませんでした‼︎』

 

驚いてアタフタしていた僕に父の一喝が炸裂し無理矢理、冷静にさせられた。でもこの一喝が今の僕には頼もしかった。

しかし、冷静になっても相変わらず分からない事だらけだった。この家に預けられる?やっぱり意味が分からない。

 

清原『直毘人殿、未だ肝が座らぬ不出来な息子ですがどうか宜しくお願いします。』

 

そう言って頭を深々と下げる父上こんな姿の父は初めて見た気がする。と言うか半裸のお爺さん“直毘人”って言うんだ「マダオさん」じゃなかったんだ今度から気を付け様!

 

直毘人『ガハハハ、今回の事、お前自分の倅に何も話さなかった様だな。見ろお前の息子を豆鉄砲をくらった顔をしておる』

 

清原『あくまで私は自身の教育を実践しているだけの事、御三家との約定には何一つ違反しておりません直毘人殿もそれはよくご存知の筈』

 

そう言って不敵な笑みを浮かべる父、その笑みを見て一瞬“怖い”と感じた僕でした。もう一度頭を下げる父を見た時、理解しました。父は僕の為に頼んでいる事、そしてコレは修行の一環でこの試練を乗り越えれば僕はまた一歩父に近づける事、なら僕のやる事は一つ禪院家で一人前と認められて凱旋する事、ただそれだけ!

 

直毘人『ふん、お前らしい考えだ“我が子に旅をさせる”か良いだろカビの生えた約定だがコチラで引き受けてやろう。しかし何故、五条家に預けなんだ?修行と言うならアチラさんでも出来た筈……』

 

清原『直毘人殿の以前の仰り用の通り同じ一族で囲っても意味がありません敢えて過酷な環境に放り込む事で一族の更なる進化を促します』

 

直毘人『教育的進化論か相変わらずの学者肌だな、嫁に散々流れたろうに』

 

清原『はい、其処が私の泣き所でして説得には骨が折れました。ですが止める事は出来ません我が一族は常に新たな地(血)を踏む事で繁栄してきました。今、更なる進化が求められているのならば息子にとっても有益な旅となるでしょう』

 

直毘人『渡来魂は未だ健在か、お前の倅がどの様な進化を見せるか特と見させてもらおう』

 

清原『はは!』

 

そう言って禪院直毘人様と僕の父との話は終了した。直毘人様から「部屋の準備が出来るまで親子で十分に話し合っておけ」と言われ別室に案内された。父と僕の二人きりの部屋がまるで今生の別れの様な雰囲気を作っていた。そしてコチラを見つめる父の瞳を見ると何も言えなくなるそんな気持ちになった。

 

清原『良いか息子よ先に説明できなかった事先ずは詫びさせてもらう。

お前を今日こうして他家に預ける事は千年前からの我が一族と御三家との決まり事だったのだなので決して私一人の一存でない事は理解して欲しい』

 

菅公『はい父上ですがあの…母上はこの事を?』

 

清原『無論、知っている…だがアレは結構な子煩悩でな、最初は強く反対された“如何しても連れて行くなら離縁する”と泣きながら主張して落ち着かせるのに苦労した』

 

と苦笑いしする父を見て相当に応えている事が僕の目から見ても分かりました。母上どんな“嫌がり方”したんだろう?そこはかとない疑問が浮かんだけど考えない様にしました。

 

菅公『僕はどの位、ここにいるの?』

 

そんな当たり前な疑問が思わず口から零れました。

 

清原『具体的な期間は不明だ。この家の当主、禪院直毘人殿が認めない限りお前はこの屋敷から出る事は出来ない』

 

菅公『じゃあ、僕がこの御屋敷で活躍出来れば戻れるの?』

 

清原『そう言う事になる。だが菅公、気をつけろよ』

 

菅公『如何言う事?』

 

清原『ここの屋敷の者達は基本的に余所者や術式を持た無い者達を見下している。恐らく余所者であるお前にも辛く当たるはずだ。だがな菅公よ自分の事を馬鹿にされたからと言って諍いを起こしてはならぬぞ。我らの力は示す為に有るのでは無い、守る為に有るのだ。其れを決して忘れるな』

 

菅公『はい、父上!』

 

清原『うむ、そう言えばこの屋敷にはお前と同い年の子供が二人いるそうだもし見かけたら仲良くして上げなさい』

 

菅公『はい!』

 

同い年の子供が二人、どんな子達なんだろう?不安と期待が入り混じった感情が頭の中を占めて行く…そんな時でした。

 

??『『失礼します、土師清原様はいらっしゃいますでしょうか』』

 

まるで鈴の様な透き通った二つの声が響いた。

 

清原『うむ、居るぞ』

 

??『『土師菅公様のお部屋の準備が整いましたのでご案内します』』

 

清原『分かった、入ってくれ』

 

??『『入ります』』

 

そう言って襖を開けて入って来た二人に僕は思わず言葉を失った。

藍色に近い黒髪のおかっぱの女の子、目は綺麗な黒でまるで黒曜石の様でした。

 

??『初めてお目に掛かります』

??『土師 菅公様のお世話をさせて頂く事になりました』

 

      『『禪院 真希・真依です』』

 

コレが僕の初恋の二人との出会いでした。

 

【挿絵表示】

 




お待たせ致しました 漸く真希さん真依さんとの邂逅が果たせました。と言っても最後に何とか登場させられた程度なので、本格的に関わっていくのはコレからです。その為『双子との出会い』は話を二話に分ける事にしました。矢張り難しいですね小説は。コレからも精進します。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。