東京京都姉妹校交流会——それは年に一度行われる、東西二つの呪術高専に所属する生徒たちが一堂に会する数少ない親睦の場である。しかし、その爽やかな名目とは裏腹に、実態は更なる昇級を目指す若き術師たちの壮絶なお披露目の場であった。横のつながりが希薄で、常に死と隣り合わせにある呪術師の世界において、己の術式と可能性を上に指し示し、より高い等級へ駆け上がるための絶好のアピール機会。各々の野望や思惑、政治的な利害が複雑に交錯する品評会の傍らで、賑わう校庭から少し離れた静かな校舎の廊下に仲睦まじく言葉を交わす二人の女子生徒の姿があった。
一人は、髪色が珍しいという実に大雑把な理由でシン・陰流の最高師範から直接スカウトされ、右も左も分からぬまま呪術界へと足を踏み入れ入校した『三輪霞』。もう一人は、土師菅公の幼馴染であり、密かに彼へ甘い恋心を寄せ続ける乙女『禪院真依』である。
二人はまだ一年生であるため、今年の交流会への参加資格そのものは持っていない。だが三輪は先輩術師たちの洗練された技術や立ち回りを少しでも学び取るために、そして真依は、東京校側からやってくるはずの菅公の姿をその目に焼き付けるために、窓越しに遠くのグラウンドを見つめていた。
「どんな試合が観られるか楽しみですね、真依!」
三輪が少女らしい素直な好奇心で目を輝かせながらはしゃぐと、真依はフンと鼻を鳴らし、そっぽを向いてつっけんどんに返した。
「別に試合自体には興味ないわよ。顔見知りが出るから仕方なく観てあげるだけよ」
「顔見知りって、土師菅公君ですよね? 彼が来るって分かってから、ずっとソワソワしてましたもんね、真依」
三輪にズバリと言い当てられ、真依の整った顔立ちが瞬時に揺らいだ。
「そ、そんな訳ないでしょ!」
「またまた〜。彼から連絡が来てから、日を追う毎に『服どうしよう』とか『ちょっと体重落とさないと』とか『何でこんな時に私のお肌は調子悪いのよ〜』とか、部屋でブツブツ呟いてましたもんね〜」
ニヤニヤと意地悪な笑みを浮かべて囃し立てる三輪に対し、真依は耳の先端まで真っ赤に染め上げ、恥ずかしさのあまり叫んだ。
「ぬ、盗み聞きしないでよ!」
激怒しながらも顔を覆う真依の姿は、普段の毒舌な彼女からは想像もつかないほど年相応の可愛らしさに満ちていた。幼少期、禪院家の冷酷な格差と抑圧の中で落ちこぼれとして扱われていた真依と真希にとって、同い年でありながら気さくに接してくれた菅公は唯一の救いだった。当時ポニーテールにする前の真希と共に、三人で屋敷の裏手で遊んだ記憶は、真依にとって今も宝物だ。
二人がそんな風に微笑ましく(?)談笑していると、廊下の奥から重苦しい足音と共に、かすかに金属が擦れ合うような機械音が響いてきた。
「此処に居たのか、二人共」
若干のノイズが混ざった独特の声で話しかけてきたのは、長身の異形——金属の装甲に身を包んだ異様な男(?)であった。
「あ、メカ丸!」
三輪がパッと振り返りながら明るく声をかけ、それに釣られるように真依も視線を向けた。
「アンタも見学?」
真依が尋ねると、メカ丸と呼ばれた巨躯は淡々と応じた。
「あぁ。任務も丁度なかったからな」
『アルティメットメカ丸』。それが彼を象徴する表向きの通り名であった。本名は『与幸吉』。彼は禪院真希の「身体能力の飛躍的な向上」とは真逆の天与呪縛——広大な呪術ラインと引き換えに、生まれつき右腕と膝から下が無く、皮膚は月光にすら焼けるほど脆弱で、全身の毛穴から針で刺されたような激痛が絶え間なく走るという、あまりに過酷な肉体を背負わされていた。自らの肉体では動くことすら叶わない彼は、特注の呪骸(昔観た特撮ヒーローから着想を得たという無骨な鋼鉄の躯)を広範な呪術波で遠隔操作し、外界と関わっているのだ。そんな彼もまたピカピカの一年生であり、今回は見学に徹していた。
「メカ丸は、どっちが勝つと思いますか?」
三輪が投じた素朴な疑問に、メカ丸は頭部のセンサーを水平に動かし、冷静沈着な分析を口にした。
「ふむ……戦力的に見れば、東京校が有利だろうな。二年の秤に星は言うに及ばず、土師菅公の実力は桁違いだ。ソレに、乙骨と言う不確定要素がどう動くか全く分からん」
「そうですか……」
東京校の層の厚さを突きつけられ、思わず不安そうに表情を曇らせる三輪。それを見たメカ丸は、無骨な仮面の奥で小さく息を吐き、言葉を付け加えた。
「だが、逆にソレが相手側の弱点でもある。特に、場慣れしていない乙骨を集中的に狙えば、或いは勝機も有るかもしれない」
落ち込む仲間をさりげなく元気づけようとするメカ丸の気遣い。外見こそ無機質な鋼鉄の塊だが、その内面は誰よりも思いやりに満ちている。それこそが『アルティメットメカ丸』という男であった。
そんな三人の和やかな空間に、突如として尋常ではない破壊的な気配が乱入してきた。
『真依ーーーー!』
廊下全体にエコーがかかったような、異様に通り抜ける大声が響き渡る。驚いた三人が振り返った瞬間、視界に飛び込んできたのは、満面の笑みを浮かべた一人の長身の少年だった。
183センチという子供離れした恵まれた体躯、引き締まったしなやかな四肢。土師菅公——五条家の先祖である菅原道真の、さらに先祖にあたる古代の超名門『土師家』の末裔である男が、弾丸のような速度で真依へとハグをかまそうと突進してきていたのだ。
だが、長年の付き合いで彼の暴走パターンを熟知している真依は、一切の躊躇なく身体を真横にスライドさせて回避した。
「えっ」
空を切った菅公は、制御を失ったまま超スピードで突っ込んでいき——ズゴゴゴーーーッ!!と凄まじい落雷のような音を立てて、壁際にきれいに整理整頓されていた机と椅子の山へ顔面からダイブした。
激しい粉塵と木の葉のような木片が舞い散る中、三輪とメカ丸は開いた口が塞がらず、真依は呆れ果てた顔で不機嫌そうに佇んでいた。やがて崩れ去った木材の山から、ニョキと頭を持ち上げた菅公が、目角に涙を浮かべながら訴えかけてきた。
「何で避けるの、真依〜」
「避けるに決まってるでしょう!? あんな勢いで突っ込まれたら、私死んじゃうわよ!!」
廊下に真依の怒号が響き渡る。菅公は頭に刺さった木くずを払いながら、悪びれもせずに屁理屈を捏ねた。
「だって、久しぶりに真依に会えたんだよ!? 嬉しさが込み上げすぎて、タックルの一つもしたくなるよ!!」
「だからあんな突撃喰らったら死ぬってば! もう少し手加減しなさいよ!! というか今、ハッキリと『タックル』て言ったわよね!?」
息の合った(?)夫婦漫才のようなやり取りを目前で繰り広げられ、三輪とメカ丸はただただ呆然と立ち尽くすしかなかった。
「あ、あの〜……」
三輪が控えめに、おそるおそる声をかける。すると、ヒートアップしていた二人は同時にビクッと反応し、
「「なに!!」」
と凄まじい迫力で同時に振り返った。
「ヒッ……!」と思わず腰が引きかけながらも、三輪は持ち前の礼儀正しさでペコリと頭を下げた。
「は、初めまして! 真依と同じクラスの三輪霞と言います!」
実に良く出来た子である。菅公はハッと我に返ると、すっと立ち上がり、服の汚れを軽く払って爽やかに微笑んだ。
「あ、あぁ、お見苦しい所をお見せしました。東京校から来ました、土師菅公です」
しかし、丁寧にあいさつを交わしたその直後であった。菅公の視線が三輪の隣に佇む、金属の装甲に包まれた重厚な人型機械に向けられた瞬間、彼の呼吸がピタリと止まった。琥珀色の瞳が輝きを増し、次の瞬間にはメカ丸との距離をゼロに詰めていた。
「アイアンマンだ! アイアンマンがいる!!」
「い、いや俺は……」
突如として至近距離で目を輝かせる菅公の異常な熱量に圧倒され、メカ丸は困惑しながら訂正しようと口を開く。だが、テンションが最高潮に達した菅公の耳には一切届いていなかった。
「実物のアベンジャーズ、めちゃくちゃカッコいいーーー!」
菅公はポケットからスマホを取り出すと、カシャカシャと様々な角度からメカ丸の写真を撮影し始めた。
そのあまりに無鉄砲で失礼な振る舞いに、深く深〜く溜息を吐いた真依が、懐から愛用の大型拳銃を取り出した。そして、迷うことなくそのずっしりと重い銃床を、菅公の後頭部へと振り下ろした。
ガンッ!!
「フゴッ!?」
変な声を上げながら、あまりの激痛に頭を押さえてその場にうずくまる菅公。真依は銃を懐に戻すと、仁王立ちになって一喝した。
「人の話はちゃんと聞きなさい!」
「ご、ごめんなさい……僕、アイアンマンのファンなもので……」
涙目になりながら頭を押さえ、消え入るような声で謝罪する菅公。183センチの大男が縮こまる姿はどこかシュールであった。メカ丸はゴホンと咳払いをするような合成音を鳴らし、改めて自己紹介をした。
「あ、改めて……アルティメットメカ丸だ。念の為に言っておくが、アイアンマンではない」
菅公は少しキョトンとした顔で頭を傾げた。
「それって……通り名だよね? 本当の名前はなんて言うの?」
「…………本名を教え合う程、お前を知らない」
メカ丸は俯き気味に、どこか壁を作るように短く答えた。天与呪縛の身体を持つ己へのコンプレックスと、他者との隔絶が彼にそう言わせたのだろう。
「たはは、そりゃそうだよね。確かに君とは初対面だし、そこまで教えてもらえるほど親しくはないか。ごめんね、不躾に聞いて」
素直に非を認め、爽やかに笑う菅公。その屈託のない反応に、メカ丸は思いがけず言葉を詰まらせ、黙り込んでしまった。菅公はまっすぐにメカ丸の仮面を見つめ、静かに言葉を繋いだ。
「僕の名前は土師菅公。いつか本名を教えてもらえるように努力するから、よろしくね」
敵対者や呪霊に対しては一切の容赦なく「皆殺し」を徹底する冷酷さを秘めながらも、味方や身内に対してはどこまでも温かく、まっすぐな人間性。それが土師菅公という少年の本質だった。
「菅公君ー! 何処ににいったの〜! そろそろ作戦会議が始まるよー!」
廊下の遠くから、乙骨憂太の呼ぶ声が響いてきた。
「あ、乙骨君の声だ! ごめん、行かなきゃ!」
菅公は慌てて走り出すと、去り際に振り返り、真依に向かって弾けるような笑顔で手を振った。
「真依! 交流会が終わったら、一緒に出かけようね!」
「ちょっと、勝手に決めないでよ!」と叫ぶ真依の声を背に受けながら、菅公は一目散に待たせている乙骨の下へと走り去っていった。
その嵐のような去り際を見送りながら、三輪がポツリと呟いた。
「色んな意味で、パワフルな人でしたね……」
「……興味のある事に暴走気味なのは、東堂と似ているな」
メカ丸がしみじみとボヤくと、真依は眉をひそめて即座に噛みついた。
「あんな筋肉ダルマと一緒にしないでよ!」
激昂する真依を前に、三輪とメカ丸は顔を見合わせ、苦笑いを浮かべるのだった。
場所は変わり、京都校内の一角に設けられた東京校生徒たちの待機部屋。
重厚な木造の部屋の中には、独特の緊張感が漂っていた。今回の交流会における試合の作戦会議が、まさに始まろうとしていたのである。
集まっているのは、二年の秤金次、星綺羅羅、一年の乙骨憂太、そして土師菅公の四名。
「で、敵で一番厄介そうなのは誰だ?」
足の長いパイプ椅子に深く腰掛け、鋭い眼光で問いかけてきたのは秤金次だった。賭術のような独特の勝負勘と圧倒的な呪力量を誇る無頼漢である。
菅公は間髪入れずに即答した。
「間違いなく、東堂君ですね」
「東堂……あの京都の看板か」
「はい。今の京都校の面子の中でも、体術、術式、呪力操作……どの分野においても突出しているのは彼です」
菅公は淀みなく東堂の実力を称賛する。
「そんなに強いんだ……」
星綺羅羅が目を丸くして呟くと、菅公は頷いた。
「流石は九十九由基に鍛えられただけの事はあります。秤先輩とも互角にやり合えるレベルですよ」
「へぇ……なら、東堂は俺が直接相手するか」
秤が口元を歪め、拳を鳴らす。だが、菅公は首を横に振った。
「多分、東堂君は秤先輩のところには最初には来ませんよ」
「あ? どういう事だ?」
首を傾げる秤に対し、菅公は確信に満ちた声で言い放った。
「東堂君が真っ先に狙うのは……乙骨君です」
「え、僕!?」
突然指名された乙骨憂太は、裏返った声を上げてオロオロと慌て出した。菅公は淡々とした口調で解説を続ける。
「東堂君が一番興味を惹かれるのは『性癖が自分好みの奴』……そしてもう一つ、『実力が未知数の奴』です。秤先輩や綺羅羅先輩、そして僕の実力や噂は既に知れ渡っていますが、乙骨君の実力は東堂君にとって完全な未知数。ましてや『祈本里香』という規格外の特級過呪怨霊を内包する存在である乙骨君を、あの好奇心旺盛な獣が見逃すはずがありません」
「確かに……一理あるな」
「うん、東堂君なら間違いなく喰いつきそう」
秤と綺羅羅は納得の表情を浮かべる。一方で、自分が真っ先にあの怪物に狙われると知った乙骨は、みるみるうちに顔を蒼白にさせていた。
「乙骨はまだ格上相手の戦闘には慣れてねえだろ。誰かが付き添ってフォローしてやらねえとな」
一見、豪快で粗暴に見える秤だが、根は後輩思いで面倒見が良い。
しかし、その提案に静かに“待った”をかけた人物がいた。
「……ココは敢えて、乙骨君一人でやらせましょう」
冷徹とも取れる菅公の発言に、部屋の空気が凍りついた。秤と綺羅羅が驚きに目を見開き、何より当事者である乙骨の動揺は凄まじく、半ばパニック状態に陥った。
「ちょ、ちょっと待ってよ菅公君!」
乙骨は思わず立ち上がり、悲鳴に近い声を上げた。
「東堂先輩って物凄く強いんだよね!? 今の僕が一人で戦ったって、勝てるわけないよ!」
必死に食い下がる乙骨。だが——
『乙骨……』
静まり返った室内を切り裂いたのは、普段の菅公の爽やかな声ではなかった。地底から響く地鳴りのような、機械の合成音を思わせる重苦しく低い声。
その圧倒的な「圧」に、秤や綺羅羅すらも思わず身体を強張らせ、息を呑んだ。
菅公の瞳は、まるで飢えた獣のように琥珀色に爛々と輝いている。
『何時まで甘えるつもりだ』
鋭利なナイフのような視線が、乙骨の胸元を正確に貫く。
『これから先も、強敵との戦いを避け続けるつもりか?』
「っ……!」
『高専に居ると忘れがちだが、呪術師は個人プレーが基本だ。お前がこの道を進み続ける限り、格下であろうが格上であろうが、いつか必ず一人での対処を迫られる。その時になっても……まだ逃げ続けるのか?』
容赦のない正論。呪術界の残酷な現実を突きつけられ、乙骨はぐうの音も出ず、固く拳を握りしめて俯いた。
菅公の胸中には、過酷な鍛錬と死線の記憶があった。
父・土師宗矩の紹介により、五条悟への憧れから自らの意志で冥冥に弟子入りした日々。金銭と引き換えに一切の妥協を許さない冥冥の厳しい指導の下で叩き込まれた体術。
和歌山の古びた古墳の奥底で発見した古代の遺物『光盤文書』。手のひらサイズの金のピラミッドに秘められた赤水晶から手に入れた古代土師家の技術と、特級呪具『緋蝕刃』。ありとあらゆる物質、呪力、術式、果ては概念さえも切り裂くその光刃を扱うため、三年の月日を費やして習得した七つの型(基本の一の型、技の二の型、防威の三の型、機動の四の型、重撃の五の型、変幻の六の型、捨身の七の型)。
そして、自らの血統を完全に覚醒させたことで、術式『落落雷雷』により放たれる稲妻は不吉なまでに「赤く」染まり、その破壊力は数十倍へと跳ね上がった。普段の戦闘ではあえて術式を使わず、体術と剣技のみで敵を粉砕し、敵対者は例外なく「皆殺し」にするという冷酷な信念を育んできた菅公だからこそ、強さへの覚悟の意味を知っていた。
静まり返る部屋の中で、菅公は琥珀色の鋭い圧をすっと収めると、俯く乙骨の頭の上に優しく大きな手を置いた。
「……怖い気持ちは、よく分かるよ」
声はいつもの温かい菅公のものに戻っていた。
「僕も初めて格上の呪霊を相手にした時は、歯が噛み合わなくてガチガチになって、全身が竦み上がっていたからね。でも、そいつを一人で倒した時に——『あぁ、自分はこの世界で生きていけるんだ』って、心から実感できたんだ。そんな実感が、今の乙骨君にも必要なんだよ」
菅公は柔らかく微笑み、言葉を重ねる。
「それに、五条さんも言ってたろう? 『この交流会で、憂太の有用性を示すんだ』って。そう考えると、東堂君は最高の相手だよ。彼は16歳にして既に一級の実力者だ。彼に認められるということは、実質、呪術界全体に認められるのと同義だからね。そうなれば……未だに君のフィアンセ(祈本里香)の力を疑って排除しようとしている上層部の連中も、黙り込むしかない」
諭すような菅公の言葉を聞きながら、乙骨は自らの左手の薬指に嵌められた銀の指輪をじっと見つめた。
亡き幼馴染・祈本里香との約束の証。自分を庇い、愛し続けてくれる呪いの女王。いつまでも彼女の圧倒的な力に守られているだけの存在でいていいはずがない。
「で、でも……やっぱり一人くらい、物陰から見守ってた方がいいんじゃ……」
見かねた綺羅羅が心配そうに口を挟もうとした、その瞬間であった。
「やります!」
乙骨が顔を上げた。その瞳からは先ほどまでの怯えやパニックは消え去り、澄み切った力強い光が宿っていた。
「やらせてください! こんな所で逃げてちゃ、せっかく機会をくれた五条先生や皆さんに顔向け出来ない! それに……里香ちゃんにも証明しないと! 僕はただ守られているだけの男じゃないって事を!!」
静かに、しかし激しく燃え上がる乙骨憂太の闘志。
その姿を見届けた菅公は、満足そうに深々と笑みを零した。
「ひゅ〜〜! 言うようになったじゃねえか、一年!」
秤が口笛を吹き、綺羅羅も「ふふ、いい顔になったね」と嬉しそうに目を細める。
覚悟は決まった。東西の若き術師たちが激突する呪術高専交流会。
今、乙骨憂太の、そして東京校の激闘の幕が上がろうとしていた。
いや〜本編に無い話を1から考えるのは疲れますね〜。でも書いてて楽しいのでこのまま書き切ります。次回をお楽しみに!