原罪:自称ニセモノ名探偵     作:三日月ノア

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『すっごく怖い。だって、正しいって、言い方を間違えると逃げ場がなくなるから』


第36話 甘く戻れない嘘

 

 

ミリアは、嘘が得意ではなかった。

 

正確に言うなら、嘘をつくこと自体はできる。

 

年齢をごまかす。名前をごまかす。大人みたいな口調を混ぜる。笑い方を少し変える。自分を「おじさん」と呼んで、みんなが困った顔をするのを見て、少しだけ場の空気を柔らかくした気になる。

 

そういう小さな嘘なら、できた。

 

でも、それは手品のハンカチみたいなものだ。

 

広げて、畳んで、色を変えて見せる。

 

見ている人が、手品だと分かっているから成立する。

 

本当に誰かの目を塞ぐ嘘は、別だった。

 

「ミリアちゃん」

 

医務室の隅で、エマが呼んだ。

 

ミリアは棚の前で振り返る。手には、さっきメルルが渡してくれた温かいタオルがある。

 

エマはベッドに腰かけていた。顔色はまだ悪い。昨日の裁判のあとから、食べる量も減った。ヒロがいなくなってから、ずっと減っていたけれど、ノアが死んで、レイアが処刑されてから、さらに減った。

 

エマは手元の端末を見ていた。

 

画面は暗い。

 

「ボク、また何か間違えちゃうのかな」

 

ミリアはタオルを持ったまま止まった。

 

「何かって?」

 

「分かんない。でも、みんなが死んでいくのに、ボクが止められない。ヒロちゃんのことも、ノアちゃんのことも、レイアちゃんのことも」

 

「エマちゃんが殺したわけじゃないよ」

 

言ってから、ミリアは唇を噛みかけた。

 

こういう時の言葉は、まっすぐ過ぎると傷になる。

 

エマは、うん、と頷いた。

 

頷いただけだった。

 

「でも、ボク、裁判で名前を押したよ」

 

ミリアの手の中で、タオルが少し冷めた。

 

「みんな押したよ」

 

「押さなかったら、みんな死んでた」

 

「うん」

 

「でも、押したらレイアちゃんが死んだ」

 

エマは暗い端末の画面を指でなぞった。

 

「ボクの指は覚えてる」

 

ミリアは何も言えなかった。

 

エマは泣かなかった。

 

端末を膝の上に置いた。

 

「ヒロちゃんだったら、どうしたのかな」

 

その名前が出ると、医務室の空気が少しだけ変わる。

 

ミリアはタオルを畳み直した。

 

「おじさんは、ヒロちゃんじゃないから分からないけどね………」

 

「うん」

 

「ヒロちゃんだって、きっと全部は無理だったんじゃないかな」

 

「ヒロちゃんは正しい子だから」

 

「正しいからって、全部できるわけじゃないよ。」

 

エマが顔を上げた。

 

「ミリアちゃんは、正しいって怖い?」

 

「怖いよ」

 

今度はすぐ答えた。

 

「すっごく怖い。だって、正しいって、言い方を間違えると逃げ場がなくなるから」

 

 

「おじさんは、苦手かな。…でも必要なことなんだろうね。」

 

エマに聞こえないくらいに最後にぼそりと呟いた。

 

エマの視線が、ミリアの手元に落ちる。

 

タオルはもう、ほとんど温かくない。

 

「シェリーちゃんみたい?」

 

ミリアは、少しだけ笑った。

 

「シェリーちゃんは、正しいっていうより、順番かな。見えてるものを並べて、その通りに進める子」

 

「それも怖いね」

 

「うん」

 

二人で黙った。

 

廊下の向こうで、誰かの足音がした。看守ではない。軽い足音。たぶんメルルだ。薬品棚の整理に戻ってきたのかもしれない。

 

エマは端末を握った。

 

「…ボク、たまにね」

 

「うん」

 

「自分じゃない誰かだったら、もっと上手くできるのかなって思う」

 

ミリアの指先が止まった。

 

エマは続けた。

 

「ヒロちゃんだったら。シェリーちゃんだったら。メルルちゃんだったら。もっと上手く笑えて、もっと上手く怒れて、もっとちゃんと、誰かを助けられたのかなって。」

 

「エマちゃん」

 

「ごめん。変なこと言った」

 

「変じゃないよ」

 

変じゃない。

 

けれど、その言葉は危ない形をしていた。

 

ミリアは、それを知っている。

 

自分じゃない誰かになりたい。

 

別の身体なら、別の声なら、別の人生なら。

 

そう思っている人間の前で、そう思ったことのある人間が、軽く扱っていい話ではない。

 

「おじさんも、同じだから」

 

「ミリアちゃんも?」

 

「あるある。朝起きたら、もっとかっこいい大人になってないかなぁ、とか。ちゃんと強くて、ちゃんと守れて、誰かに何か言われてもへらへらしなくて済む人」

 

「ミリアちゃんは、へらへらしてないよ」

 

「してるよ。かなりしてる」

 

ミリアは自分で笑った。

 

笑えた。

 

でもエマは笑わなかった。

 

「ボクが、もしミリアちゃんだったら」

 

その言葉で、ミリアは息を止めた。

 

エマは気づいていない。

 

「もっと、みんなを笑わせられたのかな」

 

「それは」

 

ミリアは言葉を探した。

 

違うよ。

 

エマちゃんはエマちゃんだからいいんだよ。

 

喉元まで出かかった言葉を抑える。

 

そんな綺麗ごとは、今のエマには届かない。

 

届いても、表面だけだ。

 

「おじさんになったら、肩こりが増えるよー」

 

エマが目を丸くする。

 

「肩こり?」

 

「そう。あと、変な口調がうつる。ご飯食べるときに『おじさんはね』って言っちゃう。けっこう大変なんだよー」

 

「あはは」

 

少しだけ、エマが笑った。

 

ミリアはタオルを差し出した。

 

「はい。顔、拭きなよ。冷めちゃったけど」

 

「ありがとう」

 

エマはタオルを受け取る。

 

両手で顔に当てた。

 

そのまま、声がこもる。

 

「でも、入れ替われたら、ちょっといいかも」

 

ミリアは、聞かなかったふりをしようとした。

 

できなかった。

 

「エマちゃん」

 

「ごめん。冗談」

 

「そうだね。冗談だよ」

 

ミリアは言った。

 

冗談。

 

そういうことにした。

 

その日の午後、ラウンジで端末の確認をした。

 

シェリーちゃんが言い出したことだ。

 

端末を持ち歩く。着信音を確認する。録音機能を確認する。声を設定できるか試す。

 

みんなが少しだけ騒いだ。

 

ココちゃんは自分の声を着信音にしていて、再生したあと自分で嫌な顔をした。アリサちゃんは「うるせえ」と言いながらも、ちゃんと端末を持っていた。ハンナちゃんは呆れた顔で説明を聞いていた。メルルちゃんは両手で端末を持って、落とさないようにしていた。

 

アンアンちゃんは、膝の上に端末を置いていた。

 

スケッチブックには、

 

『我が輩の端末はここにある』

 

と書かれている。

 

ミリアは、その字を見て安心した。

 

アンアンちゃんの字は、いつも同じだ。

 

強い線。角ばった形。言葉が短い。

 

「アンアンちゃん、音量は最小なんだね」

 

『突然鳴るものは嫌いだ』

 

「分かるよ。びっくりするもんね」

 

『我輩は驚かされるのが嫌いだ』

 

「うん」

 

ミリアは頷いた。

 

アンアンちゃんは、急な音が苦手だ。

 

それは知っていた。

 

知っていたのに、ミリアは午後に録った自分の声を思い出した。

 

助けてー! おじさんだよー!

 

ふざけた声。

 

みんなが少しだけ笑った声。

 

すぐ消したはずの録音。

 

ココちゃんが操作してくれた。消した、と言った。だから消えた。

 

でも、端末は便利だ。

 

便利なものは、知らないところにコピーを作ることがある。

 

ミリアは自分の端末を開いた。

 

録音一覧を確認する。

 

何もない。

 

「どうした?」

 

ココちゃんが横から覗く。

 

「ううん。さっきの、ちゃんと消えてるかなって」

 

「消したって」

 

「だよね」

 

「何、疑ってんの?」

 

「疑ってないよ」

 

ミリアは笑った。

 

ココちゃんは舌打ちして、ソファの背に寄りかかった。

 

「おっさん、そういう顔すんな。なんかムカつく」

 

「そういう顔って?」

 

「全部まあまあです、とか、私は大丈夫です〜、みたいな顔」

 

ミリアは頬を触る。

 

「そんな顔してる?」

 

「してる」

 

「そっか」

 

ミリアは端末をしまった。

 

大丈夫ではない。

 

でも、大丈夫ではない顔をすると、もっと大丈夫ではなくなる。

 

夕食後、アンアンちゃんがミリアのところへ来た。

 

ラウンジの隅だった。

 

みんなの会話から少し離れた場所。ノアちゃんの席が見える場所でもあった。

 

アンアンちゃんはスケッチブックを開く。

 

『話がある』

 

「うん。どうしたの?」

 

『エマと何を話していた』

 

ミリアは瞬きをした。

 

「エマちゃん?」

 

『医務室』

 

「ああ」

 

ミリアは少しだけ周囲を見る。

 

エマちゃんはメルルちゃんと話している。シェリーちゃんはハンナちゃんに何か言われて、両手を上げている。アリサちゃんは壁際。マーゴちゃんは本。ナノカちゃんは、いつの間にかいない。

 

「大したことじゃないよ」

 

アンアンちゃんの手が止まる。

 

『大したことじゃない話を、なぜ隠す』

 

「隠してるわけじゃないって」

 

『なら書ける』

 

「え?」

 

『我が輩にも説明できる』

 

ミリアは困って、笑った。

 

「アンアンちゃん、裁判みたいだね」

 

アンアンちゃんは笑わない。

 

『今は笑う場面ではない』

 

「ごめん」

 

ミリアは姿勢を正す。

 

アンアンちゃんは怒っているわけではない。たぶん。

 

ただ、まっすぐなのだ。

 

閉じた部屋に置かれた本棚みたいに、決まった位置から動かない。そこが安心でもあり、苦しいところでもある。

 

「エマちゃんが、自分じゃない誰かだったら、もっと上手くできるのかなって言ったんだ」

 

アンアンちゃんの目が、少しだけ細くなった。

 

『誰かとは』

 

「たとえば、ヒロちゃんとか、シェリーちゃんとか」

 

ミリアはそこで止めるべきだった。

 

「あと、おじさんだったらって」

 

アンアンちゃんの指が、スケッチブックの紙を押した。

 

紙が少しへこむ。

 

『エマが、ミリアになりたいと言ったのか』

 

「そんな真面目な話じゃないよ。冗談。ちょっと疲れてただけ」

 

『冗談』

 

「うん」

 

『魂が入れ替わる、という意味か』

 

ミリアの喉が鳴った。

 

「えっと」

 

『ミリアは、ミリアの本当の魔法は、そういう魔法なのか』

 

「違うよ」

 

すぐ否定した。

 

否定したのに、アンアンちゃんはまだ見ている。

 

ミリアは焦って、言葉を足した。

 

「違う違う。本当に違うんだけど、おじさん、そういうネタを言うことがあるからさ。もし入れ替わったらどうなるかなぁ、とか。そういう、ただの話だよ」

 

『ただの話』

 

「そう。入れ替われたら、エマちゃんも楽かなって。おじさんが代わりに、嫌なことを引き受けられたらいいのになって。そう思っただけ」

 

言ってから、ミリアは自分の言葉が変な形をしたことに気づいた。

 

代わりに引き受ける。

 

それは優しい言葉のつもりだった。

 

でも、誰かにとっては違う。

 

「本当に、ただの例えだよ」

 

アンアンちゃんはスケッチブックに何かを書きかけた。

 

消した。

 

また書く。

 

『エマは、ミリアの中にいるのか』

 

「いないよ」

 

『今はいない?』

 

「今も、これからも、いない」

 

『では、入りたいと言ったのか』

 

「言ってない」

 

ミリアは少し強く言ってしまった。

 

アンアンちゃんの肩が小さく動く。

 

ミリアはすぐに声を落とした。

 

「ごめん。違うの。エマちゃんは、ただ疲れてるだけ。ヒロちゃんもノアちゃんもレイアちゃんもいなくなって、いっぱい考えちゃってるだけ」

 

『エマは危ないのか』

 

「危ないっていうか」

 

言葉が見つからなかった。

 

危ない。

 

それは、たぶん正しい。

 

でもエマちゃんは危険物ではない。

 

怪物でもない。

 

守るべき子だ。

 

少なくともミリアは、そう思っている。

 

「おじさんが見てるから」

 

 

 

「だから大丈夫。アンアンちゃんは心配しなくていいよ」

 

アンアンちゃんは、しばらく動かなかった。

 

それから、ゆっくり書いた。

 

『我が輩も見る』

 

「え?」

 

『我が輩も、エマを見ておく』

 

「うん。でも、あんまりじっと見すぎると、エマちゃん困るからね」

 

『分かった』

 

本当に分かったかは、分からなかった。

 

アンアンちゃんはスケッチブックを閉じた。

 

その表紙の角が、少し折れていた。

 

夜になった。

 

二十時前。

 

ミリアは自分の監房で、端末を見ていた。

 

録音一覧。

 

何もない。

 

通話履歴。

 

シェリーちゃんから昼にかかってきた試験通話だけ。

 

着信音設定。

 

初期音。

 

ミリアは画面を閉じた。

 

ベッドに座る。靴を脱ぐ。毛布に手をかける。

 

その時、端末が鳴った。

 

着信ではない。

 

チャットでもない。

 

録音の再生音。

 

『助けてー! おじさんだよー!』

 

自分の声だった。

 

ミリアは端末を落としかけた。

 

画面を見る。

 

再生履歴はない。

 

録音一覧にも、何もない。

 

もう一度、声が鳴る。

 

今度は、廊下の方からだった。

 

『助けてー! おじさんだよー!』

 

ふざけた声。

 

昼に自分が録った声。

 

軽い、間の抜けた声。

 

ミリアは立ち上がった。

 

「誰?」

 

返事はない。

 

扉を開ける。

 

廊下に出ると、冷たい空気が足元に来た。

 

少し先に、アンアンちゃんが立っていた。

 

スケッチブックを抱えている。

 

「アンアンちゃん?」

 

アンアンちゃんは、ミリアを見ていた。

 

暗い廊下で、白いページだけが妙に見えた。

 

『エマはどこ』

 

そう書いてあった。

 

「エマちゃん? たぶん監房だよ」

 

『ミリアの中ではない?』

 

「違うよ」

 

『本当に?』

 

「本当だよ」

 

アンアンちゃんは、スケッチブックをめくる。

 

次のページ。

 

『嘘は嫌いだ』

 

ミリアは、そこで笑うべきではなかった。

 

でも、笑ってしまった。

 

弱い笑いだった。

 

「うん。おじさんも、嫌いだよ」

 

『なら、確認する』

 

「確認?」

 

アンアンちゃんが歩き出す。

 

懲罰房の方へ。

 

「待って。どこ行くの?」

 

アンアンちゃんは振り返らない。

 

ミリアは端末を握り直した。

 

昼に消したはずの声が、まだ耳に残っている。

 

助けてー。

 

おじさんだよー。

 

あんな軽い声で、助けを呼ぶんじゃなかった。

 

「アンアンちゃん、待って」

 

ミリアは追いかけた。

 

廊下の角を曲がる。

 

懲罰房の前で、アンアンちゃんが止まった。

 

扉は閉まっている。

 

床は、朝より綺麗だった。

 

ミリアはそのことに、少し遅れて気づいた。

 

「ここ、入っちゃダメな場所だよ」

 

アンアンちゃんはスケッチブックを開く。

 

『ここなら、邪魔が入らない』

 

「何の話?」

 

『ミリアが嘘をついているか、確認する』

 

「だから、嘘じゃないって」

 

『なら怖くない』

 

ミリアは一歩下がった。

 

端末を開く。

 

誰かに連絡しようとした。

 

シェリーちゃん。

 

ハンナちゃん。

 

エマちゃん。

 

指が画面の上で滑る。

 

その前に、端末が鳴った。

 

『助けてー! おじさんだよー!』

 

また自分の声。

 

今度は、懲罰房の中から聞こえた。

 

ミリアは扉を見た。

 

中から。

 

今、確かに中から聞こえた。

 

「どうして」

 

アンアンちゃんが、ミリアの手元を見た。

 

その目は怒っていない。

 

泣いてもいない。

 

ただ、書かれていない白いページみたいだった。

 

『中にいる』

 

「いないよ。おじさんはここにいる」

 

『では、誰が中で助けを呼んだ』

 

「録音だよ。誰かが」

 

『誰か』

 

アンアンちゃんの手が動く。

 

『ミリアではない?』

 

ミリアは答えようとした。

 

違う。

 

そう言えばいい。

 

でも、昼のラウンジで録音したのはミリアだ。

 

消したと思っただけで、本当に消えたかは分からない。

 

エマに、入れ替われたら少し楽かもと言わせてしまったのもミリアだ。

 

アンアンちゃんに、代わりに引き受けられたらいいのに、と言ったのもミリアだ。

 

全部、ミリアの言葉だった。

 

「ごめん」

 

口から出たのは、それだった。

 

「おじさん、言い方を間違えた」

 

アンアンちゃんが、一文字ずつ書く。

 

『何を』

 

「エマちゃんは、誰かと入れ替わりたいわけじゃない。おじさんの中にもいない。誰かを乗っ取るとか、そういうことじゃない。ただ、疲れてて、自分じゃない人だったらって言っただけで」

 

アンアンちゃんは、最後まで聞いていた。

 

それから、スケッチブックを閉じた。

 

「アンアンちゃん?」

 

その時、懲罰房の方から、小さな金属音がした。

 

鍵の音。

 

ミリアは振り向いた。

 

扉の錠前が、ゆっくり動いた。

 

開いた。

 

理由もわからず自分の身体は房の中に吸い込まれる。

 

閉まった。

 

「え」

 

アンアンちゃんが、背中に手を当てた。

 

強くはなかった。

 

足元の掃除跡を踏んだ。

 

湿り気はもうない。

 

乾いている。

 

なのに、足が滑った。

 

視界が傾く。

 

懲罰房の中の暗さが、口を開けていた。

 

「ま、待って、アンアンちゃ」

 

名前を呼ほうとした。

 

言い終える前に、扉の内側へ倒れ込んた。

 

端末が手から離れ、廊下へ転がる。

 

画面が床に当たる。

 

暗くなる。

 

最後に見えたのは、アンアンちゃんのスケッチブックだった。

 

見開かれたページには、真っ白だった。

 

 

 

 

 

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