オリキャラの遊戯王伝記~Ritual War~ 作:しがなくない
黒いローブの人物が去ってから数日後、遊記は倒れたルビデーの様子を見に、村長の家の別の部屋を訪れた
「…村長。そいつの容態は?」
「ああ、ユウキ様…まだ目が覚めないですじゃ」
「そうか…」
ルビデーはあの日以降気を失っていた
遊記とのデュエル後、ルビデーは村長の家に運び込まれ、部屋の一つを与えられた
「しかし村長もご苦労なこった…こんな奴の看護するなんて」
「ふぉっふぉっふぉっふぉ…別に大丈夫ですじゃ。それに仮にもこのお方は貴族様、ないがしろにはできないですじゃ」
「そんなもんか…まぁ、何かあったら言ってくれよ。いくらでも手伝うからさ」
「ユウキ様には、それはもう大変お世話になってますじゃ。これ以上の頼み事は逆に失礼に値する。ゆっくりしてほしいですじゃ」
「そうか・・・」
村長は「ああ、そうじゃ…」といって少し考え込んだ
「そういえば、ユナはどうしてますかのう?」
「ユナか?」
「はい。わしはあの出来事を直接見たわけではありませんが、ユウキ様の怪我の状態から見るに、とても熾烈な何かが起こったと考えてるんですが…」
「まぁ、そうだな。あんなデュエルはだいぶ久しぶりだった」
「久しぶり…?」
「まぁ、ともかく。ユナの方はたぶん大丈夫だと思う。ドラクレアがついているからな」
「おお、ドラクレア様が…それなら安心ですじゃ。ユウキ様はお怪我は大丈夫ですじゃ?」
「ああ、かすり傷だからな」
「それはよかったですじゃ」
「それじゃあ、俺はそろそろ行くよ」
「どこに行かれるので?」
「見回りがてら散歩。じゃあな」
「はい、おきをつけて」
遊記は部屋をでて、村長の家を出た
(…ユナと、ドラクレアか…しばらくはそっとしておくべきかな。あいつらにも、何か思うところがあるだろうし…)
~~~
一方そのころ、ユナとドラクレアは試練の道を歩いていた
「・・・」
『ユナ…』
「…ドラクレア」
ユナとドラクレアは互いに向き合った
『…心の方は、もう大丈夫なのか?』
「うん。そっちはもう大丈夫…思い出すと、まだ震えるけど…」
『そうか…』
「…私、あんな怖いデュエル、初めて知ったんだ。あの人…ルビデーっていったっけ」
『ああ。我も…これまで生きてきた中で、あれほど禍々しい力を大量に食らったのは、初めてだ』
「ドラクレアも初めてなんだ。・・・なんか、安心した」
『安心だと?』
「うん…ドラクレアは気付いた?ユウキさんが笑っていたこと」
『笑ってただと?ユウキが、あの状況でか?』
「気づいてなかったんだ…ユウキさんが攻撃を食らった時、口元が笑ってたんだ」
『なんだと…!?ありえない。あの状況を楽しむなんて、正気ではないぞ!?』
「私もそう思う。・・・だから私、怖くなっちゃって」
『…何がだ?』
「…あのデュエルが怖かったのもそうだけど…それ以上に、ユウキさんにも、怖くなっちゃったんだ…あの状況で、なんで笑っていられるんだろうって・・・わからなくなっちゃって」
『あるあるだな…人は未知のものを怖がるものだ。何であれ、それが自分の師匠であれ…』
「…私、あのままあの人に教わってていいのかな」
ユナはうつむいた
『ユナ…』
「デュエルに関しては、あの人の右に出る人はいないと思う。でも…」
『…まぁ、そうだな』
ドラクレアはユナの隣に移動した
『…実はな、我だってあいつが怖い』
「!…ドラクレアも?」
『ああ、そうだとも。考えてみろ、あの村で神格化されている我のことを、あがめるでもなく最初からタメ口で話してきたんだぞ?それに我のことを未知の戦術で一方的に叩きのめしてくる…これに恐れずに、他に何を恐れるというんだ!』
「・・・ふふっ」
ユナの口から、思わず笑いがこぼれた
『…ユナ、先に言っておくが…お前は1人ではない。なんてったって、我がいるからな!だから…何か悩み事があったら、こうやって話せ。聞いてやる』
「…ありがとう。ドラクレア」
『ああ…というより、我はユナの眷属だ。話したくなったら、『私の愚痴を聞け』って命令すれば、我はいつでも聞くぞ』
「…さすがに命令口調はちょっとできないかな」
『む、そうか…なら練習だ。何か我に命令してみろ』
「い、いきなり!?」
『こういうのは、思い立ったが吉日だ。さぁ、なんだ?』
「そ、そんな急に言われても…」
ユナは頭を悩ませた
「…な、名前」
『名前?』
「うん、名前…渾名で読んでもいいかな?」
『渾名か…いいぞ。って、命令になってないではないか」
「あはは…それはまた今度ってことで」
『しかたないな…それで?我の渾名は何だ?言ってみるといい』
「…『クレア』、じゃだめ、かな?」
『ふむ、クレア…いいな。うむ、いい。じゃあユナは我のことをクレアと呼ぶがいい!』
「うん、ありがとう。それじゃあ…そろそろ、村に戻ろうか。行こう、クレア」
『ああ』
ユナは村に向かって歩き出した
『・・・』
(…このままではだめだな…デュエルの腕は磨けても、人間性で成長できない。ならば…戻ったら、提案してみるべきだな)
「クレアー?」
ドラクレアが思案していると、ユナが少し歩いた先から振り返って呼んだ
『む、ああ、すまない、今行く』
ドラクレアは歩き出した
~~~
「学校?」
『ああ、そうだ』
村長の家に集まったドラクレア以外の3人は、ドラクレアの言葉に疑問を持った
「…どうしたのクレア?学校って…」
『村長、貴様も気づいているだろう。ユウキの手によってデュエルの腕は磨かれているが、人間面ではあまり成長が見られないと』
「…まぁ、そうじゃな。こんな閉鎖的な環境じゃと、同世代の友人とかはできないからのう…」
「村長…別に私は気にしてないよ。この村でも十分楽しい日々が送れてるし…今ではもう、デュエルの腕もあがったから、もう誰にも負けないよ!」
『だがそれもこの村の中ではだろう?』
「俺に勝ってからいうんだな」
「うう…」
『とにかく、この村にとどまり続けることはユナにとって…悪くはないが、良くもない。学校に行かせて成長させるべきだ』
「クレア…」
「…それもそうじゃな」
「村長!?」
「ドラクレア様の言う通りじゃ。この際ちょうどいい、儂の友人に、学園の関係者がおる。手紙を送っておこう」
「だ、大丈夫だよ村長。そんなことをしなくても、私は・・・」
「ユナ。本来ならその年の少年少女は、皆学園に通ってるものじゃよ。それに…わしはお前の保護者みたいなものじゃ。孫の成長を見たいんじゃよ」
「村長…」
「…ユナ、親切心には乗っかっとくべきだぞ」
「ユウキさん・・・?」
「人は死んでしまったら、その人に対して何もできなくなる。せいぜいできることは、成仏するように弔ってやることだけだ。それにある意味ラッキーじゃないか、学費とかなんとかなるかもしれないんだぞ」
「それに儂にもヘソクリがあるんじゃよ。だから…あとはユナ、お前の意志だけじゃ」
「わ、私の・・・?」
「ああ、そうじゃ。お前が学園に行きたいというのなら、儂たちは思う存分応援するぞ」
「・・・わ、私は・・・」
『…村長、さすがにいきなり返答はできないだろうし、少し時間をくれないか』
「おお、そうじゃの。なら…明日手紙をおくるから、それが帰ってくるまでというのはどうじゃ?」
『それで構わん。ユナもそれでいいな?』
「え、う、うん…」
「なら決まりじゃな。それじゃあ、きょうは遅いからもう寝なさい」
「あ、うん・・・それじゃあ、おやすみ・・・」
そう言ってユナは部屋に戻った
その後、他3人もそれぞれ部屋に戻った
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あれから3日後、遊記はユナとドラクレアに呼び出されていた
「…来たぞ、ユナ、ドラクレア。何の用だ」
『来たか、ユウキ』
「…きましたね」
遊記から少し離れたところで、ユナとドラクレアが立っていた
「…なんだ、何かあったのか?」
「…ユウキさん。私は…あなたに、勝負を仕掛けます!」
「…いいぞ、分かった」
遊記は構えた
「…聞かないんですね」
「何がだ?」
「どうして、私がユウキさんに勝負を仕掛けたか…」
「まぁ、何か考えがあるんだろうなとは思うが…俺が気にすることじゃないからな」
「…そうですか」
ユナも構えた
『…ユナ』
「うん、クレア…行くよ!」
「「デュエル」!」
遊記 LP4000
ユナ LP4000
~~~
デュエルは遊記の優勢で進んだ。
ユナが罠やドラクレアを出したりして応戦したが、遊記の出すモンスターやデュエルタクティクス
に翻弄され、追いつめられていた
「・・・っ!」
(やっぱり、つよい・・・!)
「どうした、こんなもんか?」
「…まだ、まだぁ!」
~~~
その後、ユナは奮闘したが負けた
「・・・」
「…前にも言ったが、強くなってはいる。まぁ、まだ俺には勝てないが…」
「…学園に行ったら」
「ん?」
「学園に行ったら…あなたに、勝てるようになりますか・・・?」
「…さぁな。だが…これまで以上に強くはなる。だから…」
遊記はユナの頭を撫でた
「行ってこい、そして…俺を超えてみせろ」
「…うん!私…私!学園に行く!」
「おう」
ユナは決意のこもった目で遊記に宣言した
~~~
数日後、村長の下に学園から手紙が戻ってきて、ユナの学園の編入が認められた
そして、ユナが学園に行く当日になった
学園から来た馬車の前で、遊記と村長がユナを見送っていた
「…それじゃあ、そろそろ行くね」
「…ああ、頑張ってこい」
「ユナ…何かつらいことがあったら、気軽に村に戻ってくるんじゃぞ?」
「あはは…そんなぽんぽん戻ってこられないと思うけど…ありがとう、村長」
「ユナ様、そろそろ…」
馬車の御者が話しかけてきた
「あ、はい。…それじゃあ、行ってきます!」
「いってら」
「気を付けるんじゃぞ~!」
ユナは馬車に乗って、馬車は走り始めた
数分すると馬車はトップスピードに乗り、すぐに消えて見えなくなった
「…いってしまったのう…」
「そうだな」
「…あれ?そういえば、ドラクレア様は…?」
「ああ、あいつか?あいつはユナについていったぞ」
「ユナに?どうやって?あの場にはいなかったが…」
~~~
馬車の中、ユナは座って景色を眺めていた
「・・・」
突如、ユナの荷物が突然ガサゴソと物音を立てて動き出した
『…お~い、ユナ~?もういいか~?』
「…うん、もういいよ」
荷物の中から、1体の龍のマスコット…ドラクレアが頭を出した
『ふぅ…息苦しくてかなわん…』
「あはは…さすがに人の姿のままの訳にはいかなかったから」
『むぅ、まぁそうか…』
『…それよりユナ、ようやくだな』
「うん、そうだね…」
ユナは荷物からドラクレアと持ち上げて、一緒に風景を見た
『…学園で成長して、いつかユウキに勝つ』
「そうだね、ユウキさんに…勝つ」
「…できるかな」
『さぁな。だが…お前は一人ではない』
「…そうだね、クレアがいるから」
『大船に乗ったつもりで頼るといいぞ!』
「うん、たくさん頼らせてもらうよ」
そんな話を、馬車の中で話し合った
はい、というわけで投稿です
この話をもって、序章終了です
さて、これからの展開ですが。遊記sideとユナsideの2つに分けてストーリーをお送りいたします。
それぞれで章を分けて投稿していくので、よろしくお願いします
(一応それぞれでやりたいことは考えています)
というわけで、それでは
感想、質問、ご指摘等々大変励みになっております!
感謝感激ありがとうございます!
凍河の氷様