音MADでしか呪術廻戦を知らない俺が禪院家にTS転生?!   作:ポ予

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最も歪んだ呪いの名前

 菜緒葉を斬った。

 

 今度こそ終わった、と甚爾は思った。

 斬って、甚爾の中の空洞はまた大きくなった。  

 

 人は誰かの心の中に像を結ばない限りそこにいないのと同じだ。あの女が死んでから、甚爾を映す鏡はどこにもなかった。菜緒葉の怒りだけが、数十合のあいだ、甚爾をかろうじて現実に戻した。その、歪んだ自分の現在を映す鏡は、たった今割れてしまった。

 そして、何もかもがまた透明へ還っていく。  

 

 雨が降っている。  

 

 あの喫茶店で甘いものを頬張り、目を細めた、作り物でない菜緒葉の表情。あれを見ているあいだだけは良かった。底の抜けた器に温かい泥のようなものが溜まる気がした。けれども彼女は狂い果てていた。

 

 菜緒葉は結局、絶望に適応するための邪悪な人格に取り憑かれて狂ってしまったのだろうか。わからない。前に会った時と、あまりにも何もかもが違う。強さも体の構造も、性格も、全部が変わった。観測し合う3つの魂の、どれがかつて自分が大切にしていた「菜緒葉」なのかすらわからなくなりながら一番気配の強い魂ごと斬って、甚爾は彼女に引導を渡した。

 

 それでも彼女は、甚爾を治すと言ってくれていた。呪いをくれてやる、透明じゃなくしてやる、と。混じり気のない純粋な善意で。だが、だからこそ甚爾にはその言葉がこう聞こえてしまったのだ──「今の呪力のない猿のままでは駄目だ」と。それは禪院の連中が浴びせた罵倒と、本質的にはどこも違わなかった。違うのは、それが最もやわらかい声で、甚爾を救うために差し出されたということだけ。

 そんな彼女に永遠に口を閉じてほしかったのか、あるいは苦しむ彼女をせめて一瞬で終わらせてやろうと思ったのか。それについては自分でも区別がつかない。けれども、大切な女を殺すのはどうせ初めてではなかった。よくある話だ。一度殺したのだから、二度目も三度目ももう変わらない。ただ、それだけの話。

 

 ──出会うべきではなかった。

 

 菜緒葉の何が罪かといえば、甚爾を本気で救おうとした、その一点に尽きる。この世には尊ぶべきものがまだ沢山あるのだと、知りたくもないことばかりを彼女は甚爾に教えた。菜緒葉のせいで、自分もきちんとした大人や優しい父親になれるのではないかと勘違いしてしまった時期すらある。不可能に決まっているのに。

 

 刀を呪霊の口に戻し、その呪霊を飲み込むと同時に、甚爾はこの感傷も底へ沈めようとした。近頃はその繰り返しで、何を沈めたのかさえじき思い出せなくなる。ただ息をしているだけの肉塊みたいに。

 だから菜緒葉のことも、いずれ──  

 

 

 しかしそこで、トン、と背に何かが触れた。  

 いや、刺されたのだ。

 

 あまりに小さく、あまりに浅い傷だ。骨にも臓腑にも届かず、ためらうように刃が止まっている。甚爾の強靭な肉体はこの程度のものを傷とは見なさない。これまでこの体に刻まれてきた傷は、どれも、もっと深く、もっと容赦のないものばかりだった。

 

 けれども甚爾は足を止め、少女を振り返った。

 

 純白だったハイネックは破れて泥と血に汚れているが、その裂け目から見える左肩から右脇腹へ走った致命傷は、傷痕ひとつ残さず完全に消え去っていた。雨に打たれ、丁寧に編まれていた髪は見る影もなく乱れ、白い頬に張り付いている。

 彼女の小さな手には、護身用のプッシュダガーが不格好に握り込まれていた。それを握る細い指先が、カタカタと哀れなほどに震えているのは、雨の冷たさのせいだけではないだろう。それは、彼女がまだ自らの手で直接他者の命を奪った経験がないことの、何よりの証明だった。

 

 甚爾は何も言わずに手を伸ばし、菜緒葉の刃物を持った細い手首を無造作に掴んだ。折ろうと思えば小枝のようにたやすく砕けるその手首を、ただ拘束するだけの力加減で。

 そして、本来なら反転術式で絶対に治らないはずの魂の太刀傷がなぜ完治しているのか、その理由を問いただすよりもさきに、ひどく掠れた、疲労の滲む声で言った。

 

「……普段の斬撃を使えば良かっただろ」

 

 菜緒葉は顔を伏せた。彼女だって、それくらいは百も承知だったはずだ。『偽解』を背後から音もなく放っていれば、あるいは油断しきっていた甚爾に一矢報いることができたかもしれない。なのに彼女はわざわざ自分の足で泥水の中を歩み寄り、おもちゃのような短い刃物を、ひどく震える手で直接突き立てるという、最も非合理的で愚かな選択をした。

 

 降りしきる雨の音だけが、重苦しい沈黙を埋めていく。やがて、菜緒葉はぽつりと、掠れた声で呟いた。

 

「……そう言う甚爾くんは、本気を出していたの?」

「あ?」

「あれが、あなたの本気だったのかって聞いてるんです!」

 

 弾かれたように顔を上げた菜緒葉の瞳は、激しい怒りと、それ以上のひどい悲痛さでぐしゃぐしゃに濡れていた。

 彼女は甚爾に掴まれていた手首を強引に振り払うと、握りしめていたプッシュダガーを、自ら泥水の中へと力任せに投げ捨てた。同時に、ダンッ、と重く泥を蹴り上げる音が響いた。

 

 菜緒葉が真っ向から甚爾の胸ぐらを目掛けて拳を振るってきた。だが、先ほどまで甚爾を苦しめていたあの見えない刃を纏った術式はもう使われていない。呪力で肉体を強化しただけの──いや、その精度すらも菜緒葉の本来の実力からすればお話にもならないような、ひどく単調で、戦術も何もない、ただの感情任せの殴り込みだった。

 甚爾はそれを躱そうともせず、飛んできた彼女の拳を無造作に真正面から受け止めた。

 追撃とばかりに放たれた蹴りも顔面を狙った鋭い肘打ちも、最小限の動きでいなし、弾き落とせる。多少筋力やスピードを底上げしようとも、2人の間には純粋な骨格の作り、筋肉の密度、そして重心の捉え方において、越えられない絶対的な壁が存在する。それはまるで、大の大人が、癇癪を起こして暴れる子供の八つ当たりを適当に捌いているのと何ら変わらない、あまりにも残酷で一方的な光景だった。

 

 甚爾の腹の中の格納呪霊にはまだ出し切っていない強力な呪具がいくつも眠っている。だが、もう一度武器を握り直す気にはもはや到底なれなかった。術式すら放棄して泣き喚くこのどうしようもない小娘を改めて殺し直すのは、今の甚爾にはあまりにも難しかった。

 

「もうやめろ。オマエじゃ無理だよ」

「うるさいッ……! うるさい、うるさいッ!!」

 

 菜緒葉は子供のように泣き叫びながら、甚爾の鳩尾へ向けて鋭い膝蹴りを叩き込もうとする。甚爾は短くため息をつき、その足の軌道を腕で乱暴に払い落とすと同時に、がら空きになった菜緒葉の懐へ、半歩だけ深く踏み込んだ。

 

 一瞬の出来事だった。

 甚爾は彼女の両手首を片手でまとめ上げると、背後にあった崩れたプレハブ小屋の錆びたトタン壁へと、無造作に、しかし逃げ場のない力で押し付けた。

 

「あ、ぐ……ッ」

 

 ガシャァン、というトタンが凹むくぐもった音とともに、菜緒葉の動きが完全に封じ込められた。

 圧倒的な質量と、天与の膂力による絶対的な制圧。どれだけ呪力を練り上げ、必死にもがこうとも、冷たい壁と甚爾の鋼鉄のような巨体に挟み込まれた彼女の細い体は、指一本、足先すら動かすことができない。

 拘束から逃れようと何度か身をよじっていた菜緒葉だったが、やがて万力のようなこの腕から抜け出すことが物理的に不可能であることを悟ったようだった。

 

 雨音だけが、密着した2人の間に重く落ちる。

 

「……どうして」

「…………」

「どうして、私達を置いて行ったの……?」

 

 甚爾に完全に押さえつけられたまま、菜緒葉はうつむき、ポロポロと大粒の涙をこぼし始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ──ようやく気がついた。

 

 結局、置いていかれたくなかっただけだ。

 菜緒葉ちゃんの体で、呪術なんてものすごい力が使えるようになって、色んなことがだんだん上手く行ってたのに、最悪なことになった。お姉様が死んで、甚爾くんが消えた。それがどうしても受け入れられなかっただけだ。無理やり甚爾くんを動かして、本当に元に戻りたいのは俺自身だった。甚爾くんの言う通り、お姉様がいなくなった時点で、そんなことは絶対に無理だったのに。

 

 本当は術式を使って甚爾くんの動きを封じるつもりだった。でも、甚爾くんをこれ以上に人間扱いせずに斬るということが、どうしてもできなかった。だから、ずっと前に護身用に持たされたナイフを使うしかなかった。「正しい目的」のためなら、どんな手でも使えると思ったけど──『人間にしてくれ』なんて頼んでない、か。そうだよな。俺は、あんな悲しいことを彼に言わせたくて、今まで必死に頑張ってきた訳じゃない。彼を俺の理想の枠にはめ込んで、モノのように扱うだなんて、やっぱり間違っていた。

 

 というか、戦闘の熱とアドレナリンが引いていくにつれ、急速に頭が冷えてきた。

 

 

 

 甚爾くんのアイデンティティを奪って普通の呪術師にするだけでも相当えぐいのに「TSさせて魔法少女にする」なんて、どう考えてもヤバすぎる。

 完全に狂人の思考じゃないか。

 

 

 

 ……何やってたんだろう、俺。

 

 自己嫌悪で頭を抱えそうになったその時、真なる菜緒葉ちゃんが安心したように、また頭の中から話しかけてきた。

 

『やれやれ、今更気づいたんですの? 本当におバカなマコくん』

 

 普段の言動がアレな菜緒葉ちゃんにだけは言われたくない台詞だったが、今回に限っては全く言い返せなかった。呆れたような彼女の声が、微かに泣いているように聞こえたからだ。

 

 ──拘束が解けた。

 

 支えを失った体が、為す術もなく崩れ落ちる。べしゃり、と情けない音を立てて泥の中へへたり込んだ。冷たい水たまりが破れた衣服に容赦なく染み込んでくるが、そんな不快感すら今の俺にはどうでもよかった。

 

 甚爾くんはもう、俺を見てすらいなかった。争う価値のない何か──たとえば道端で泣いている見知らぬ子供を持て余す通行人のような目で、俺の頭上を素通りして、暗く曇った空を見ていた。

 

 ひどく重たい沈黙が続いた。

 謝りたい気がした。ごめんなさい、独りよがりだった、と。けれども、よく考えると彼と俺の間のすれ違いはあまりにも致命的で、一体何から謝るべきなのかすらわからなくなってしまった。それに、甚爾くんが最低な仕事をして恵くんを放置していること自体には、俺自身まだ腑が煮えくり返るほど怒っているのだと思い出して、結局、口を閉ざした。

 

 雨だけが無遠慮に降り続く。

 長い沈黙の後で、先に口を開いたのは甚爾くんの方だった。

 

「術式が発現したら恵はオマエらにやるよ」

「……え?」

 

 何を言われているか、一拍置いて理解した。

 

「詳しくは直哉に聞け。多少は相談してるから」

「な、何を言ってるんですの!? 恵くんはあなたの子供でしょう!」

「だから手放すんだよ」

 

 甚爾くんはこちらを見もせずに吐き捨てた。

 親子は一緒に暮らすべきだと当たり前に考えていたし、ずっとその光景が見たかった。

 けれども今の冷淡な口調を聞いて、仕方ないのかもしれないとも思ってしまった。甚爾くんは人を殺しすぎている。もう後戻りはできないのだ。もっと早く気づくべきだったのだろうか。

 でもそれは、どうしても辛くて……。

 

「あと、財布貸せ」

「はぁ?」

 

 感傷に浸りかけていた俺の思考は、そのあまりにも唐突な要求によって見事にへし折られた。

 

「その服で帰れねえだろ」

「……あー、たしかに……」

 

 自分の姿を見下ろして、納得した。そういえば服は血まみれだし泥だらけだ。ついでに釈魂刀で斬られた部分は、反転術式で傷口こそ塞がっているものの、ぱっくりと布地が裂けて肌が露出してしまっていた。勝手に暴れた挙句に菜緒葉ちゃんの大切な体をこんなボロボロの状態にしてしまったことが、流石に申し訳なさすぎる。俺はとりあえず、破れた部分を両手で隠すように押さえた。俺自身は別に肌が見えても全く恥ずかしくないし、相手が甚爾くんなら危機感も一切ないのだが、今の外見は年頃の少女なのだ。菜緒葉ちゃんの名誉を思えば、照れ隠しっぽさを装っておくのが自然だろう。

 

「服を買ってきてくれるのはありがたいですけど。甚爾くんが弁償しなさいよ」

「あー、金ない」

「…………」

 

 堂々と言い切るその姿に、眩暈がした。

 まさかとは思うが、さっき喫茶店で俺にモンブランのケーキセットを奢ってくれたアレで、全財産を使い果たしたのだろうか。この男、行き当たりばったりにも程がある。

 

「わかりましたわ。私のお財布を持ってって頂戴。帰りの電車代さえ残しておいてくれたら、手間賃として多めにとってもいいから」

 

 言ってから自分でも可笑しくなった。前世でそれなりに生きた社会人の感覚だと、これは無防備にも程がある。相手は殺し屋で、今まさに俺を斬ったばかりの男だ。財布ごと持ったまま消えてそのまま帰ってきてくれなくても、何の不思議もない。しかし俺はそれを分かっていてなお、財布を渡さずにはいられなかった。

 結局途中で吐いてしまったけれど、彼が俺にケーキを奢ってくれたことが、心の底から嬉しかったから。自分が返せる物が、どんな些細なことでもいいから、何かひとつでも欲しかったのだ。昔はもっと、何の苦もなく彼のために色々なことをしてあげられたような気がしていたのに。

 

 甚爾くんは財布を受け取り、背を向けて歩き出そうとする。だから、これが今生の別れになった場合──彼がこのまま逃げて、二度と俺の前に姿を現さなかった場合に備えて、どうしてもこれだけは言っておかなければならないという重要な内容を口にすることを決意した。

 

「ねえ、甚爾くん」

「あ?」

「もう、二度とあなたの生き方に口を出さないようにする。だけど……五条悟とだけは、絶対に闘わないようにして」

 

 ピタリ、と。甚爾くんの足が止まった。

 

「……俺が、負けると思ってんのか」

 

 甚爾くんの声はこれまでにないほど凄まじく機嫌が悪かった。『術師殺し』としての強烈な自負とプライドを、無神経に踏みにじられた猛獣の凄み。

 

「そ、そんなことないけど……ッ」

 

 俺は咄嗟に身をすくませた。これはマズい。ここで「菜緒葉ちゃんの術式によればあなたは負けて死ぬみたいです」なんて言おうものなら、服を買ってきてもらえるどころか、今度こそ首の骨をへし折られかねない。

 俺は慌てて、さらっと誤魔化すように言葉を繋いだ。

 

「違うの! ただ、あなたにこれ以上、危ないことをして欲しくないだけだってば」

「…………」

 

 甚爾くんは依然としてこちらを振り返ってくれなかったが、背中から漂う不機嫌なオーラは隠しきれていなかった。

 だから俺は最後に付け加えた。高尚な目的なんか何もない、俺の個人的な感傷にすぎない、一番わがままでみっともない本音を。

 

「甚爾くんがいなくなったら寂しいよ」

 

 数秒経ってから、俺は気がついた。「寂しいですわ」という菜緒葉ちゃんの猫を被ったお嬢様口調ではなく。全く飾り気のない、俺本来の言葉遣いで彼に縋りついてしまっていたことに。

 でも、結局甚爾くんは一切追及してこなかった。ただ、鬱陶しそうにひらひらと適当に手を振って、振り返りもしなかった。その背中が雨霞の向こうに完全に溶けて見えなくなるまで、俺はずっと座り込んだまま、瞬きもせずに見送っていた。

 

 やがて、極度の疲労がどっと押し寄せてくる。俺はゆっくりと目を閉じ冷たい雨の感覚を切り離して、意識を深く自分たちの内面世界へと沈めていく。真っ白な生得領域。そこには、俺が苦しめてしまった、この身体の本来の主がいる。俺の相棒。守らなくちゃいけなかった女の子。魂の寄る辺。菜緒葉ちゃんだ。

 

「ごめんね、菜緒葉ちゃん」

 

 真っ先に口を突いて出たのは謝罪だった。

 菜緒葉ちゃんは心なしかボロボロ気味になっている真男佳を玉座代わりに頬杖をついて、「私に足蹴にされて光栄に思いなさいな」とでも言い放ちそうな、いかにも小悪魔的でサディスティックなポーズを取っている。その癖若干目が赤いのを隠せていないのは、ご愛嬌だ。

 

『……ビックリしちゃった。暴走は私の専売特許だと思っていましたわ。マコくんもあんな風になるんですのねぇ』

 

 菜緒葉ちゃんはくすくすと、雨音に溶けて消えそうに繊細な笑い声を漏らした。

 

「本当にごめん……」

 

 恥ずかしい。情けない。菜緒葉ちゃんには沢山迷惑をかけてしまった。

 しかもこれだけのドタバタ騒ぎを起こしたというのに、恵くんの件以外の問題は何ひとつ解決していない。甚爾くんは俺を依然として狂人だと思っているだろうし、俺にも甚爾くんの生き方の全部を肯定し、癒やすような器はなかった。恵くんと甚爾くんをよろしくって言われてるのに、お姉様との約束は半分しか守れていない。それでも、俺の独善の一番奥にあった友情と心配は、少しでも甚爾くんに届いただろうか。

 

「甚爾くんはちゃんとわかってくれたかな」

 

 つい弱音を漏らすと、菜緒葉ちゃんはひどく大人びた顔で目を細め、行き場を失った迷子をあやすかのような笑みを浮かべた。

 

『どうかしらね。でも、ちゃんと伝えられてよかったですわね」

「……」

『私達の気持ちを。──呪って(あいして)いたことを』

 

 彼女は普段は挑発的でワガママなのに、たまに慈愛に満ちている。

 その優しく昏い眼差しに赦されてしまって、初めは弱く壊れかけだった菜緒葉ちゃんがいつのまにかに大人になってきていることを強く感じながら、俺は外界の雨の音を聴いた。

 

 

 

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