五十嵐遥のVtuber活動録   作:バンバ

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 初投稿です、が例のアレネタなのを知らずに「何かしらの投稿者のネタなんだろうなー」とか知らずに擦っていました。すみませんでした……。

 当たり判定広すぎないか?


11話「RtoV体力テスト企画!①」

 

安藤マネ:五十嵐さん、少々時間よろしいですか?

 

Haruka:大丈夫です。なんでしょうか。

 

安藤マネ:先日の雑談での体力テストの事なんですが、あれ、本格的に進めてもよろしいですか?

 

Haruka:ボク3Dモデルとか無いですよ?

 

安藤マネ:大丈夫です。配信形式ではなく、動画として投稿する形になるので。

 

Haruka:コラボに自信がないんですけど、大丈夫ですか。

 

安藤マネ:伝え方を変えるわね。あなたとコラボしたいって人が多いのよ、RtoVには。

 

Haruka:2人も出てくれるなら、参加します。

 

安藤マネ:ヨシ!2人にはOK貰ってたの!

 

 そんなやり取りが5月の中頃にあった。

 なんとなく、ハメられた気がするけど気のせいだよね。たぶん。

 

 そうしたら、まぁ、ビックリだよね。トントン拍子の爆速で話が進んだみたい。

 

 というかRtoVのストリーマー2名、Vtuber5名参加とかいう、そこそこな規模の企画になってしまったらしい。

 

 ホンマか??? ドッキリとかじゃなくてか???

 RtoVのフットワークの軽さに戦々恐々としつつ、迎えた撮影日当日。6月初頭の気温は上がりきる前の24℃程で、絶好の運動日和。

 

 東京のスポーツセンターを貸し切って行われる事になっているらしく、身バレ防止の為一度Dream Planetに立ち寄って、社用車に乗っての移動となった。

 

「にしても、RtoV:Aは3人まとめてで良かったねー」

「どうして?」

「いやほら、遥ちゃん初見の人だと絶対何かやるでしょ」

「ああー……」

「小鷺さん?」

 

 数日ぶりに顔を合わせた2人は、元気そうだった。ハイタッチをしたら小鷺さんが手を押さえてうずくまる事件があったが、それはともかく。

 

 安藤さんが私たちの送迎をやってくれるとは思わなかった。マネージャーって、色々大変なんだな。

 

「それにしても、RtoV:Aのマネになれてよかったわー。3人ともそんなに手が掛からないんだもの」

「えっ」

「ボクは?」

「五十嵐さんは可愛い方よ。私、前は別の中小規模のVtuber事務所に居たんだけど、凄い人は色んな意味で凄かったもの」

「えー、気になるなぁ」

「ごめんなさいね、辞めたって言っても、守秘義務があるから」

 

 はえーと何処か呆けた頭で聞きながら、お腹も声を上げた。

 朝、少しバタついたのもあって食べ損ねていた朝食を食べてしまうことにする。

 

「おー、何それ。胡麻煎餅?」

「自作した。試供品。あげない」

「えー、良いじゃん良いじゃん一個くらいー!」

「いいよ」

「よっしゃ。いただきまーす!」

「小鷺さんも?」

「…………」

「?」

 

 何だろう、少し、小崎さんの眉間に皺が寄っている。怒っていると言うより、引きつってる?

 言葉にするなら「マジでやりやがった」みたいな、初めて会った時の「コケコッコー」の時並みの視線の圧を感じる。

 

「んー、何だろこれ。ナッツ? ……香ばしくて良い味してる……海老っぽさも……?」

「あの、えーっと……飛鳥さん」

「えっ、なに、どうしたの?」

「たぶん、それ、アレです…………」

「アレ?」

 

 ぽく、ぽく、ぽく、ちーん。

 そのような音が、織原さんに響いた気がする。聞こえたわけじゃないけど。

 

「遥ちゃん」

「何」

「試供品って、前に言ってたアレのこと?」

「他に何か?」

「…………むにゅるぁあ!!?」

 

 その後、顔を青くしたり赤くしたり忙しない様子の織原さんに「かわいい」とか言ったらどつかれた。痛かった。

 織原さんはその後、吹っ切れたように食べていた。「悔しいけど本当に美味しい」と言われたので、方向性的には正しいはずだ。

 

 運転していた安藤さんは小鷺さんから経緯を聞き、ゲラゲラ笑っていた。笑いすぎて咽せていた。

 

 

 

 

 そうして撮影地、都内のスポーツセンターの体育館に入ったボクたちを待ち受けていたのは、先に到着していたと思われる男性2人、女性2人だった。

 あ、服着ててもわかる。1人は確実に駒井さんだ。ボクよりも頭ひとつは大きいし。ハゲだし。腕周りジャージが悲鳴あげてない?

 

「やーやー! こないだぶり、てぇてぇ3人娘!」

「この前ぶりです、先輩」

 

 ハキハキと声を張り上げて手を振っているのはいつか出会った廻木ゼツ先輩だった。

 運動しやすそうな格好である。……そのジャージ姿のアクリルスタンドとか販売予定ありません? 買う予定はありませんけど。ちょっと欲しいだけで。

 

「初めまして。RtoV:Aの御三方。RtoV、R側の一期生、筋肉モリモリマッチョメンのイイ男こと、駒井ハジメです。よろしくね」

 

 駒井さんの挨拶、やっぱり濃いな。

 ポージングしながら挨拶するのは、やっぱり極めてキャラ立ちしてると言わざるを得ない。

 タンクトップとかならバッキバキの筋肉が見れそうだったけど、そうもいかないらしい。残念。

 

 安藤さんから、一応RtoV内での挨拶はこんな感じ、とはレクチャーされている。

 あと、間違っても本名はNGとのことで、収録中は基本的に芸名、Vtuberとしての、或いはストリーマーとしての名前を名乗ってと厳命されている。

 

「おはようございまーす! モナ・トナトです! 本日はよろしくお願いします!」

 

 手慣れたように挨拶するのは、織原さん、モナだった。声優志望だったのもあって、こういう場所の雰囲気に慣れておるのだろうか。

 

「おはようございます。伊鶴城ルキアです。本日は、よろしくお願いします」

 

 続いて丁寧に挨拶する小鷺さん、ルキア。モナよりも大人の余裕のようなものを感じる。ハタチを過ぎたらみんな大人とは言うけど、ボクは大人になれているのかな。

 

「藤原澄です。よろしく。全員ぶっ飛ばします」

「ちょっと澄ちゃーん!!?」

「澄っち飛ばしてるねえ!?」

 

 やっっっべ。脳死で言ってしまった。モナもルキアもギョッとしてツッコミを入れてきた。

 どうしようと顔には出ずとも内心オロオロしても、廻木先輩は何か生暖かいものを見る目でボクを見ているし、駒井先輩も穏やかに笑ってるしで、とてもいたたまれない。気まずい。

 

 そこにゲラゲラと響く笑い声。この声をボクは知っている。

 

「ハハハハハ!! やるねェ後輩! そう来なきゃ面白くナイ!」

 

 RtoVのVtuber部門の2期生の愉快な姐さん!

 普段は人の世で生きながら、その正体は異世界へ渡ってはお宝を盗んで去っていく女怪盗!

 

「私はローラ・アンデルセン! 女怪盗の体の使い方、しっかり見せてやるヨ!」

「ローラ姐さん」

 

 モナ以上、ボク以下の身長で、何だか目線が近い高さにあるのは、同性の人だと新鮮かもしれない。

 

「……よし、ロープレ終わりー。よろしくねぇ、後輩ちゃん」

「は?」

 

 なんか、ふにゃっとした。ローラ姐さんが。

 眠たげな猫のような顔で、少しだけ肩を丸めて。

 さっきまで、キツめのアイラインの走った眦で

睨め付けてきそうな、気の強さを想起させる声色が。

 ふにゃっとした。

 

「え、……え?」

「あー、わかるぞ。ローラの素面、初めてみた時の衝撃。オレもそうなった。あんな荒っぽい言動が基本的に配信してる時限定のモンとは思わねえよな」

「……いまだに慣れませんね、俺も」

「RとVで区分け違いの同期だけど、未だに慣れないわよ、本当に」

 

 まだ自己紹介のできていない最後の方。彼女の声もしっかりと聞いたことがあった。

 あったんだけど、なんで言えばいいんだろう。ストリーマーさんだから顔もよく知っていたけど、ほんっとうに美人さんなんだなあって。

 

「あ、ごめんなさい。自己紹介が遅れたわね。RtoVのR側二期生、レイサよ。よろしく」

「……よろしくお願いします」

 

 レイサ。RtoVのR側二期生にしてRtoVのストリーマー、Vtuberにおける代表的な箱の顔……は言い過ぎにしても。

 大々的に表に出ている、新規参入者が辿り着く、RtoVの最初の入り口という意味では彼女がそうだ。

 

 ゲーム実況、料理、雑談をメインとして活動するかたわら、料理本を著す等、マルチに活躍している存在。

 

 えっと。生きて帰れるか、ボク。




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