こちらは予約投稿した時点では暴風警報が発令されていて屋根は飛び、2m四方くらいの看板が道路のど真ん中に落っこちているのを見て戦々恐々としてあります。お気をつけて。
「第一回RtoV体力テスト!!」
「「「いええぇええーーーい!!」」」
「「ひゃーっはー!!!」」
「わー……」
廻木先輩の言葉を皮切りに、各々の挨拶が響き渡る。何と言うか、熱に若干置いてけぼりにされてる感が凄い。
発案者ボクだけど、まあ、ボクが仕切るのも違うし。ありがたいまであるかもしれない。
「今回の撮影にあたって、3Dモデルが実装されていないRtoV:Aの3名は、暫定的な色違い黒子……黒子でいいのか? ……で動いてもらいます! 顔にはキョンシーみたいな感じで顔写真だけ貼ってる感じで許して! RtoV:Aの3人娘!」
「アイドル路線なのにこれでいいのかアタシたち!? RtoV所属の歌のママ! 楽曲制作はアタシに任せろ! 作曲家キラキラアイドルVtuber、RtoV:Aの赤色担当、伊鶴城ルキア! 3D初衣装が黒子ってどうなのよー!?」
「はは、確かにねー! ハロー、ニューワールド! エルフの隠れ里からやってきた! 煌めくエルフの一番星、RtoV所属RtoV:Aの黄色担当、モナ・トナトでーす! 今日は頑張っちゃうぞー!」
「おはよう、君ら。RtoV:Aの青色担当、藤原澄。……コラボしないかもと言ったね。ごめん、嘘になった。爪痕残そうと思うよ」
廻木先輩がボクらに話を振ってくれるので、各々挨拶と一言を。
ちなみにだけど、モナとルキアは2人同士や、先輩たちとゲームや雑談でコラボしているので、RtoV:A内、箱内のコラボが初なのはボクだけだったりする。
チャットにはちょくちょく色んな人が来てくれているんだけどね。
「元気な挨拶ありがとう! 続いては……ローラで!」
「今日も派手に一日一盗! RtoVに潜む大怪盗とは私のことよ! ローラ・アンデルセン、ここに見参!」
「んじゃ、ついでにオレも。寄ってらっしゃい見てらっしゃい! RtoVのV側一期生、しがない退魔師やっております、廻木ゼツでーす!」
2人とも手慣れたように挨拶しているなあ。やっぱりお気に入り登録者数が多いとか、3DLIVEとか経験してるとその辺も違ってくるのだろうか。
「んじゃ、残りの2人も挨拶を! ハジメちゃん! レイサネキ!」
「雑だな!? んんっ、よお諸君! RtoV、R側の一期生、筋肉モリモリマッチョメンのイイ男こと、駒井ハジメ!」
「ネキ言うなし! RtoVのR側二期生、レイサです。今日はよろしく!」
そんなこんなで全員の挨拶を終えたところで、スタッフさんから次の指示があるまでは雑談パートを撮ることに。
ただの体力テストというより、それ+バライティ性を求められている関係で『通常の体力テストでは行わないものも行われる』とは事前に説明はされていたので、ボクはボクで準備運動をしていた。
「オマエが藤原かぁ。今日はよろしくナァ」
「ローラ先輩。…………今日はよろしくお願いします」
「オォ、よろしくゥ。……何か、大変な事、不安な事とかあったら言えヨ。相談くらいは乗ってやるからサ」
「…………ありがとうございます。そうしたら、ひとつだけ」
「オ、言え言え!」
「姐さんと呼んでも?」
「リスナーかよオマエェ!?」
何となく知ってはいたけど、この人凄く面倒見がいい人なんだなあ。
まあ、さっき知った素面があんなにふにゃっとした人柄だし。あり得なくはない、か。
「モナ、ルキア、大丈夫そう?」
「んへへ、大丈夫大丈夫! 緊張してるけどこのくらい!」
「アタシはちょーっと後悔中かなぁ。……体力周り、自信が……」
「ルキアの赤は赤ちゃんの赤?」
「ライン越えかっ飛ばすのやめろぉ!!?」
準備運動の最中にモナとルキアにも声を掛けた。
いや、何かこう、ルキアは小さいので可愛いなあって言いたかっただけなんです……本当なんです……。モナにも「あ、またやった」みたいな目で見られるし。
「よっ藤原。今日はよろしく。……たぶんオレと伊鶴城でドベ争いすると思うから、そん時は何かしらフォローしてくれ」
「…………わかりました」
「よぅし今言葉選ばなかったらなんて言ってたか正直に言え!」
「それで退魔師名乗れるんですか?」
「ゴフッ!?」
「あっはははははは! 廻木の奴後輩ちゃんに負けてやんのー!!」
「ギャハハハハハ!!」
弱気な発言をする廻木先輩に、何かしらトドメになるような事を言ってしまったりしたらしい。それを見てレイサ先輩はケラケラと、姐さんはゲラゲラと笑っている。
「藤原さん。今日はよろしく」
「ナイスバルク。よろしくお願いしマッスル」
「おや、結構古参だったりする?」
駒井先輩にも初期の頃だけ使っていた挨拶を返して、握手を交わす。すっごい掌の厚みがあった。ガチガチに硬くなった踵みたいな。マメも凄かったし。
そんなふうに準備している間に、スタッフさんから声が掛かった。
よし、やろう。
①握力
「ふんぬぎぎぎ……!」
「はいストーップ……鶴ちゃん右が24.5、左が22ね!」
「はっ、はっ……!」
「ギリギリセーフ……!」
「あ、握力測定なんていつ以来かな……はっ、はぁ……」
廻木先輩はホッとしているものの、やはり数値は低い気がする。さっき右31、左24とか言われてたし。
『ま、まあ? トップバッターですしぃ? 緊張とかも含めたらこんなもんでしょ!』
なんて、誰に向けてかわからない説明をしていたし。
「次、モナちゃん!」
「よーし、せーの、ふんっ!」
「おお、凄い! 右39! 左が35!」
「負けたああぁ!?」
「るっせーゾ廻木ィー!」
計測をやってくれているレイサ先輩が驚いたような声を上げつつ、モナもいい感じの数値。
ちなみにレイサ先輩は右25、左が20。姐さんは右22の左19だった。
「よし、次、澄ちゃん」
「はい。……ぬっ!」
ギュウウウッと力を込める。走る以外のトレーニングをするのも、良いかもしれない。
「お、おお!? え、マジ? ……ハイ次左も!」
「はい。……おりゃ!」
同じく左も。いや本当に、ルキアも言ってたけど握力測定なんて学生以来だ。
確か、学生の時は40の33とかだったかな。
「おおー、凄い! 右48! 左39!」
「……よし」
「いや強くない!? 澄っち思った以上に強くない!?」
「んへへ、負けたぁ……!」
「野生児のあだ名はダテじゃナイってカ」
よし、結構伸びた。
ちなみに語るまでもなく、駒井先輩は右88、左71とかいう論外の数値を出して1位だ。
ていうかボク2位か。ちょっとビックリ。
ていうかルキア、澄っち、って何だ。あだ名か? 嬉しいなちくしょう。
②上体起こし
「えー、スマン。オレの体ではハジメちゃんを受け止めきれない「言い方ぁ!?」事実だろうが! ……なので、急遽スタッフさんに抑えてもらってまーす。ていうか、全員スタッフさんに抑えてもらった方がいいなこれ?」
「マ、元々奇数だったしナ」
「よろしくお願いします。スタッフさん」
「はい、よろしくお願いしますね」
そんなこんなで始まった、人数を増やしての上体起こし。
スタッフさんの1人が、用意した旗を振り下ろしたらスタートだ。
声が混ざっても、後から編集で消したり誤魔化したりは出来るらしいので、気にしなくてもいいらしい。凄いな、技術。
で、結果。
「やっ、野生児が、はっ、はっ……本当に野生児してる……」
「……よし」
「藤原さんって女の子だよな!?」
「はーっ、はーっ……!」
「悔しいなぁ……!」
ボク、駒井先輩、31回。
モナ、26回。
レイサ先輩、25回。
姐さん、23回。
ルキア、廻木先輩、18回。
まさかの同率1位だ。やった。
……ボクって結構、強いのかもしれない。
「はーっ、はーっ!」
「だ、だい、はっ……だいじょぶか……伊鶴城……!」
「し、しぬ……」
ドベ2人はだいぶ死にそうな顔をしていた。というか廻木先輩、本当に身体能力に自信無いんだな……。
③反復横跳び
「反復横跳びは流石に大丈夫だろ……はぁ、いや野生児っていうガチモンのイレギュラーが居るからどうなってもおかしくないけど!」
「既に汗ダラッダラの人に言われても」
「ソウダソウダー!」
「レイサローラシャラップ! ほら、やるぞー!」
既に体力的に満身創痍な様子の廻木先輩のツッコミにスタッフさんたちの笑い声が混ざる。
ボクはボクで軽く構えて、合図を待った。
結果。
「……負けかな」
「っしゃオラァ!!」
「大人気ねーゾ筋肉チョビハゲェ!!」
「勝った方が正義じゃい!!」
「んへー……やっばいなぁ」
「わ、ワーストは回避ぃ……!」
「ウッソだろオレが最弱ぅ……」
「退魔師、名乗れなさそうね……」
駒井先輩、60回。
ボク、58回。
モナ、50回。
レイサ先輩、45回。
姐さん、40回。
ルキア、39回。
廻木先輩、38回。
「ちょ、長座なら自信あるから! 覚えてろよー!」
そんな捨て台詞が入ったあたりで、一度休憩になった。
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