五十嵐遥のVtuber活動録   作:バンバ

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 眠気に負け続けているので初投稿です。


第6話「ボクの日常とかつまらなくない?」

 

「ふっ、ふっ……」

 

 Vtuberデビューを果たしたボクだけど、あまり日常には大きな変化はない。というか、時期が良かった。

 

 というよりは高卒からバイトしかしてなかったフリーターの立場が、『株式会社DreamPlanetにそのまま就職』という形にはなったので、給与の面で見ればだいぶ跳ね上がった。

 

 配信時間次第で追加給与が出ると聞いた時は笑っちゃったけど。これに関しては社長とカンダタさんの意向らしい。

 

 サブロク協定に引っかからないように、かつ、その上で頑張ってくれているRtoVのメンバーたちを如何にして支えるか、考えた時にこうするのがベストだとかなんとか。

 

 説明を聞いててもなんとなくしかわかっていない部分も多いけど。

 

 とりあえず配信すればするほどお給料が増える、って認識で良かったみたい。

 

 他にも、収益化が通った後の投げ銭、スーパーチャットの内、その2割はボクの懐に入るらしい。この辺は一定金額を超え始めたら割合を増やせるらしいけど、今のところその予定はない。

 

 お金は待てば持つだけいいけど、特別今欲しいものもないし。

 

 まぁ、小鷺さんと安藤さんの話を聞いていたけど、10割とはいかないよね、そりゃ。個人勢だと話が違うらしい。

 

 でも税金とか考えただけでゾッとするお金の管理をやってもらえるのは、大変ありがたい。

 

 とまあ、そんな非日常的な経験を今現在進行形で味わっているボクなのだけど。

 

 それでも日常のルーティーンは変わらない。身についた生活リズムというのは、中々変えにくい。

 

 朝の5時くらいには一度起きて、おにぎりを一つ食べる。軽い準備運動の後、日課のランニング。

 

 ……父さんや淳さんが世の中物騒だからと言うから、そんなに言うなら着いてきてよと言ったら早々にリタイアしたのも、結構懐かしい。

 

 まあ、ペースも早いし、歩道以外にも裏山とかも走るしね。元々は1時間くらい。今は2時間は走るようにしてる。たぶん25kmかそれ以上は毎日走り回ってる。細かく測ったことはないけど。

 

 理由は特に無い。いや違う、無かった。

 

 RtoV:Aとして、アイドルVtuberとして、歌うだけじゃなく、歌って踊れるアイドルをやるなら体力は必須だ。

 

 やれることは、最低限やっておかないと。

 

 そういつ意識が無い訳でもなかった。そもそもとして、体を動かすのが好きってだけなんだけども。

 

 7時にはシャワーを浴びて、改めて朝食を摂る。

 

 五十嵐の親戚の畑の作業があれば手伝いに回って、お昼過ぎには切り上げる。

 

「遥ねーちゃんマジ体力お化け過ぎない……?」

「知らない。次は?」

「……それ、マジで誤解されっからなー。俺マジ心配」

 

 甥っ子の甥っ子くらいの遠い血縁の高校生が「ハーヤレヤレ」と言いたげにポーズをとっている。

 

 作業を手伝ってる手前、何だか腹立たしいけど、実際彼の言う通りなので何も言い返せない。もっとこう、あったろボク。

 

「苗は」

「今んとこジュンチョー。去年みたいにやらかしてないから」

「わかった。いじったの?」

「? ……ああ、土はもうやったよ。今は待ち。あと一週間後」

「そう」

 

 作業的なやり取りを終え、そしたらやること終わったし帰るか。

 

「帰る」

「うぃーお疲れー」

 

 

 

「……ねーちゃんの言葉、やーっぱトゲトゲしく聞こえんだよなぁ」

 

 

 

 ボクは、SNSをやっていない、というと語弊があるけど、『連絡手段としてしか利用していない』という意味では、やっていない。

 『私生活の楽しみ、暇つぶしの領域まで食い込んでいるかどうか』と聞かれると、動画サイトでRtoVの箱推しをしてた手前何も言えないけど。

 

 ただ、言い訳をさせて欲しい。

 

 なんかこう、悲しくなるからだ。友達もいなければ、絡みに行く相手もいない。ただの通りすがり、閲覧者として見るだけ見て、それで終わり。

 

 ボクの『友達がいない』という悩みを叩きつけてくるようで、勝手に苦しくなっていた。なので距離をとっていたのだ。

 

 でも、それも今日で終わり。そう、終わりなのである!

 

「ふふふ」

 

 支給されたスマホ。ボクがVtuber『藤原澄』として動く為の専用アプリの入った必需品。

 

 ……同期の2人と安藤さんに手取り足取り教えてもらったものの、細かい機能に関してはあまりピンと来てないけど。

 

 そのアプリと、SNSアプリ『X(クロス)』が入っている。同じアプリを使っている相手なら、何処にいる相手でも繋がりを持つことができ、タイムリーな情報を得たりするならうってつけのSNS、とのこと。

 

 問題は、その拡散性の高さからバズりやすく、炎上しやすいという『多くの人に見られている』という点では一致した、相反する側面が並び立っていること、とか。

 

 ……この辺を解説してくれた小鷺さん、目がガチだったなぁ。なんか色々あったっぽい。

 

 まあ、宣伝しつつゆるーくやれば良いでしょ、とか。まあナメてました。

 

『株式会社DreamPlanetさんからフォローされました』

『RtoV運営@RtoV:A始動!さんからフォローされました』

『伊鶴城ルキア♪ RtoV:Aさんからフォローされました』

『モナ・トナト@RtoV:A さんからフォローされました』

『デッドハード田山さんからフォローされました』

………………

…………

……

 

「多い多い多い多い……」

 

 まず初手のフォロー通知の多さにびびった。いや多いな!? 少なくとも現時点で2000人以上が、まだ何も投稿していないボクのアカウントをフォローしていた。

 

「……コンソメー。ちょっと写真撮らせてー」

 

 とりあえず何か文章と、写真でも投稿しようと、ボクの家族のコンソメを手に乗せて写真を撮らせてもらった。

 そのままデュビアもあげたけど、二匹食べたあたりで止まってしまった。ちょっと食い出が悪い。周期的にも、そろそろ脱皮前だろうから、かなぁ。

 

 とりあえず、『改めて、よろしく。こっちはボクの家族のコンソメ。何か語れることも少ないから、今はこれで』と。写真もヨシ。

 

 よし投稿!

 

 あ、プロフィールもいじらないと。えーと……いやマイクは入れるようにしよう。RtoV:Aを入れるかどうかは個人の采配で良いみたいだし、あ、でも2人とも色入れてるから……。

 

【藤原澄  】@RtoV:A _FGWRBLUE

【RtoV:Aの青色担当、藤原澄。歌います。】

 

 よし、そしたら昼の雑談、歌枠でもやろう。

 

…………

……

 

「おはよう、君ら。RtoV:Aの青色担当、藤原澄。早速お昼から雑談しながら歌枠だよ。てかファンネーム、君らでいい?」

 

【出たわね】

【おはよう(お昼)】

【おはよう】

【おはようございます】

【おはよう……よりはこんにちはじゃね?】

 

「? 始めてはおはようじゃないの?」

 

【まあ無くはない】

【夜勤とかフツーにおはようございますで挨拶してるしな】

【仕事かプライベートにもよるんでね】

【結構言葉端折ってるのな、こうして注意深く聞いてると】

 

 

 …………………………。

 

 

【これがルッキャさん曰く“魔を置く為の間”か】

【あれ本当に草だった】

【初手コッコーは本当に吹いたよww】

 

「………ボクはその辺意識したことなかったからなんとも言えないけど。ルキアは後でちょっとお話ししよう。とりあえず歌うか。君ら、何か適当にリクエストちょうだい。歌える範囲でアカペラで歌うから」

 

【よっしゃ!】

【良いのか!?】

伊鶴城ルキア【どおじで!?】

【“待”ってたぜェ!! この“瞬間”をよォ!!】

【でもアカペラなのね】

 

「好きに歌いたいんだ」

 

 …………なんやかんや4時間程、2〜30分毎に1分くらいだけコメント読みの時間を設けて歌い切ったボクに待っていたのは。

 

安藤マネ:マジで無理してません??? 喉壊さないでくださいね??? あ、私もリクエストさせて!

Haruka:良いですよ

安藤マネ:よっしゃあ!!

 

 よし、マネージャーからも好評だったみたいだ。 

 




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