頭脳派たちよ、ようこそ実力至上主義の教室へ 作:NO NAME NO LIFE
第一話 それぞれの思惑
私の名前は神崎直。人はよく私を、馬鹿正直の直と呼びます。今日は、私の一生でもっとも楽しみでもっとも不安な1日。そう、高校の入学式です。しかも私が通うのは普通の高校じゃない。高度育成高等学校。政府が特別に作った超進学校で、この学校を卒業すれば、どんな職業だろうと就くことができるほどの学校です。そんな私はスクールバスに乗りながら、友達を作らなければ……と慌てて色んな人に話しかけていました。
その結果私は、秋山さん、ルルーシュさん、照朝さんと連絡先を交換できました。
しかし、時間が足りなくてその3人しか話すことができませんでした。もっと話したかったのに…….。心残りはありましたが、そのまま入学式へと向かい、学校説明を済ませました。私のクラス、Dクラスの人たちはとても話しやすくて、すぐ友達ができました。新たに始まる学校生活に胸を踊らせた私は、寮へと入り、眠りへ落ちるのでした。
俺の名前は秋山深一。類家という知らない男に呼び出され、校門前へと来ている高育の新入生だ。その場には、同じAクラスのルルーシュと織田照朝という人物もいた。その2人も類家に呼び出されたらしい。すると、自分で呼び出した類家と思われるモジャモジャ頭にメガネが特徴的な人物が予定より3分も遅れてきた。
「いやぁ、すみません。3分も遅れてしまったようだ」
「要件はなんだ?俺たちを集めて何がしたい?」
俺は質問を繰り出すも、類家は即座に応える。
「あなた方はこの学校のシステムについて気づいていますか?」
うすうす勘づいてはいたが、やはりこの学校何か特殊なシステムがあるよな。
「何かあるんじゃないか?とは思ってるが、やはり特殊なシステムがあるのか?信頼できる情報なのか?」
そう質問したのは織田照朝という人物だった。
「まぁまぁ、落ち着いてください。情報という情報はありませんが、入学式や高度育成高等学校の特性を考えれば即座にわかるはずです」
なるほど、推理を聞くまではわからないが、それほどの情報なくここまで自信のある推理ができるのか。こいつはやり手かもしれないな。
「入学式で2年生と3年生の生徒達が我々を迎え入れるという名目で上級生全員と対面したわけですが、休みがいたとしてもあまりにも人数が少ないとは思いませんでしたか?」
そういうことか。こいつの言いたいことがだんだんわかってきたぞ。
「この学校に入学できるのは一握りのエリートだけですよね。そんな人物達が自主退学するとも思えないし、ましてや強制退学なんてもってのほかです。つまり、この学校は退学が日常的に起こり得る。そして、政府直属の学校であるにもかかわらず、DクラスやCクラスなどの実力のあまりない、もしくはどれかの実力一つのみに特化した人物も入れてるということ。これらから考えるに……」
「中間考査や期末考査などではない思考力をためす試験が存在するということだな。そしてそれで退学が起こり得ると」
類家が言い切る前に俺が言う。すると類家は、流石Aクラスだ。物分かりが良くて助かる。と発言した。
「さしずめ俺たちを呼んだのは、Aクラスの試験をサポートする代わりにAクラスに入れる協力をしてくれってことだな」
「ルルーシュさん、でしたっけ?説明するまでもないとは驚きました。そうです。入学式でこの学校ではPPで買えないものは存在しないと説明されましたよね? つまり、クラスの移籍権も、いくらかはわからないが買うことができるんです。なので、Aクラスのあなた方を集めさせていただきました」
なるほど。類家がどうやって俺らの連絡先を入手したのかわからなかったがやっとわかった。こいつはおそらく、バスに乗ってる時点で周りを見渡しておいて、全員の顔を把握し、入学式の席で俺らがAクラスであることを理解。そして、俺ら全員と連絡先を繋げた直と連絡先を交換し、仲良くなって俺たちの連絡先を入手したのか。
「俺らにとってデメリットはない。俺らをサポートしてくれて、なおかつこんな推理ができる有能な類家がAクラスになってくれるからな。俺は賛成するが、他の二人もいいよな?」
俺は他二人に同意を求めるが、もちろん二人ともOKしてくれた。
「しかし、一つだけ疑問がある。例えば試験で俺らAクラスが勝ち、勝ち分のPPをお前に渡そうとなっても、渡さずにお前は協力し損になる可能性がある。なぜそこまで俺らを信じられる?」
ルルーシュの質問に対し、類家は即答する。
「あーそれは今から説明しようとしてたんですけどね」
類家がポケットからスマホを取り出してこう言い放つ。
「この会話録音してたんですよ。流しますか?」
すると、俺らの会話が完全に録音されていた。
「なるほど、俺たちを脅してると言うわけか」
この学校は舐められたら終わりだ。類家と契約をしつつもその契約を破ったとなれば俺たちは舐められて、そのまま学年全体に狙われる可能性がある。それにこのような優秀な人間を取り逃したとすれば、Aクラス内から反発を喰らうことも間違いないだろう。
「まったく、恐ろしいやつだな。」
「あなたにそう言ってもらえると光栄ですよ。織田グループの現会長。私はあなた方のため、とりあえずBクラスの副リーダーを目指します」
契約を交わした俺たちは、その場で解散することにした。類家、全く恐ろしいやつだな。
ーー翌日。
俺、斑目貘は食堂で、昨日できたばかりの他クラスの友達。蛇喰夢子と食事する約束をしていた。
「せっかくの入学して初の昼休憩ですから、人気メニューを食べたいですよね」
「え?夢子ちゃんまだ食券買ってなかったの?まぁ今日は入学したてだからか食堂も空いてるしよかったじゃん」
「えぇ、そうですね」
そう言い俺たちは食事を始めた。そこで俺はある話題を振る。
「夢子ちゃん、Cクラスの内部情報について興味ない?」
「Cクラスの内部情報ですか……1日やそこらで変わってしまうものなんですかね?」
「それが、そうなんだよね。昨日龍園ってやつが暴力をちらつかせてCクラスを支配しようとしたんだけど、その後渡久地って奴がそれに反抗しておもちゃの銃を発砲したんだ。おもちゃとはいえ、人に向けちゃいけないやつね。それにヒロって人が『この状況は正しくない!!』異議を唱えて、クラスが三分割しちゃったんだよ」
予定通りここまでは事実を言う。
「まぁ、そうなんですね。ところで、今のところどのチームが優勢なんですか?」
よし、食いついてきた。ここで予定通り俺は偽りを含めた情報を伝える。
「俺はまだどのチームにも入ってないんだけど、渡久地チームが優勢なんじゃないかな?他チームも暴力をちらつかせてはいるけど、渡久地チームは発砲してるからね。こいつはやばいやつだ!!って印象が結構ついてるんだよ。実際昨日の時点でDクラスのスズキタゴサクってやつと、ジョーカーって名乗る不気味なやつが渡久地チームに加入したみたいだしね」
ジョーカーとタゴサクが渡久地チームに入ったのは本当。だが、俺はすでに渡久地チームに入っていて、無所属じゃない。
「てことで俺渡久地チームに行く予定なんだけど、夢子ちゃんも一緒に来ない?」
「メリットがあれば良いのですが、私になんのメリットがあるのでしょうか?特にメリットを感じません」
当然の返事だ。俺は答える。
「それは行ってみたらわかるんじゃない?だってメリットがなきゃ他クラスのタゴサクやジョーカーは入らないでしょ?実際、他チームは他クラスがまだ一切いないからね。1日でチームに入ることを即決するくらい魅力的な条件だったんでしょ」
「確かにそれもそうですね。行ってみましょうか」
放課後、俺と夢子ちゃんは渡久地チームに加入するため渡久地の寮へと赴いた。
「なるほど、2人か、そこの蛇喰夢子はBクラスなんだな」
「えぇ、気になるのですが、私が入った時どのようなメリットがあるのですか?」
「臆さず単刀直入に聞くか。そうだな、まずは、このチームに入るとAクラスに上がれる可能性が上がる。そして、去りたくなったら去るのも自由だ」
「Aクラスに入りやすくなるとは、どう言うことですか?」
当然出てくる疑問だが、渡久地は難なく答える。
「まず俺は、このグループ全員がAクラスに上がることを目標としてる。そしてそのためには、Bクラスの数が必要だ。BクラスをAクラスにして、残りのメンバーをPPのクラス交換権を使って入ればいい。情報操作で俺らのチームの他クラスはジョーカーとタゴサクだけになってるが、すでにBクラスから6名が俺らのチームに加入している。そして試験を利用してBクラスをAクラスにランクアップさせ、それまでにPPを大量に稼ごうと言うわけだ」
「なるほど、試験の存在に気づいてるのが私以外にいることが驚きですが、CクラスとDクラスを操作できる自分たちがAクラスになれるというのは少々傲慢かと。足がかかってないAクラスは操作できないではないですか?」
「いや、そんなことはない。なぜなら、俺たちのチームがAクラスに今後入るからだ。Aクラスに入ったやつがAクラスの信用を勝ち取れれば、簡単に情報操作できる。さらに、そいつがもし裏切った場合はそこにいるジョーカーが録音した会話を学校中にながしてそいつは終わりとなるからだ」
夢子ちゃんはAクラスに入れる人物が本当にいるのか疑問に思ってる様子だったので、その彼を連れてきた。
「どうも、類家です」