頭脳派たちよ、ようこそ実力至上主義の教室へ 作:NO NAME NO LIFE
第五話 無人島試験
俺、秋山深一は今、高育が用意する豪華客船に乗っていた。
「はしゃいでるな。これから試験が始まるというのに」
俺のグループのリーダー、葛城はそのように言った。確かにその通りだが、こいつらは試験の存在を知らないからな。そう思うと、少し同情心が湧いてくる。
「お前はもっと休息をとれ。どんなルールかもわからない試験に思いを馳せるより、栄養とってきっちり寝た方が試験のためになる」
すると葛城は、確かにそれもそうか。と言って自分の部屋へと言った。よし、今のクラスの状況を整理していこう。俺ら葛城グループは、坂柳グループとの抗争に勝利し、そのままAクラスを掌握した。そして現在、Bクラスと同盟を結んでいる。
そしてCクラスはいまだに3つのグループが抗争を続けている。1つ目のグループ、渡久地グループは、特にバックがいるわけではないが、Bクラスのメンバーが多く存在している。これが強みだ。だが、渡久地グループのメンバーは渡久地グループに起こるであろう惨状に、まだ気づいていないらしい。
2つ目のグループ、二階堂グループは、Dクラスのアカギグループと同盟を結んでいる。櫛田グループとアカギグループ、どちらにつくか疑問だったが、どうやら順当にアカギグループについたらしい。
3つ目のグループ、龍園グループは、現在櫛田グループと同盟を結んでいる。どうやら、先日の龍園への暴行事件の和解金500万PPを櫛田が支払い、その後同盟関係を龍園が持ちかけたことで同盟が始まったらしいが、事実ではないだろうな。
そんなことを考えるが、やはり休息を取った方が合理的なため、俺は睡眠を取ることとした。
俺、龍園翔は担任、坂上によって招集がかけられたため、豪華客船のロビーへと赴いた。すると、坂上は島に着いた時の諸注意事項を説明すると言った。やはりくるか、思考力を試す試験が。すると、Dクラス担任の茶柱と呼ばれる人物が、注意事項を語りだす。
「Dクラス担任の茶柱だ。今回の島では学生証は学校に提出してもらう。代わりに、この腕時計を全員に配布する。もし許可なく外したり、紛失した場合、ペナルティを貸すから注意しろ」
かなり慎重に行なっている。俺の推測どおり、試験は夏休み、それも今から行われるのか。
「Aクラス担任の真嶋だ。今日、この場に無事に着けたことに、一安心している。それではこれより、今年度最初の特別試験を開始する」
アカギや一ノ瀬など、各グループのリーダーや幹部はあまり驚いた様子を見せていないが、それ以外の人物は、「試験をするの?」とかなり動揺してるようだ。まぁ、ここで試験の存在に気づかないような奴は要注意人物には当てはまらないため、俺は気にせずルールを聞くこととした。
「期間はこれより1週間。君たちは、無人島でこれより共同生活をしてもらう。ここから先は、全て君たち自身で決めてもらうこととなる。詳しいルールは、到着後、説明書を配布するので、それを確認して欲しい。では、私からは以上だ」
無人島に着いた俺たちに説明書が配られた。そこにはこう記されてる。
テントや衛生用品は最低限配られるものの、飲料水や食料などは試験専用の300ポイントを消費して購入する必要がある。また、購入できるものに特に制限はない。学校側が用意してるものであればなんでも購入できる。
試験終了時、各クラスに残っているポイントはその全てをクラスポイントに加算した上で夏休み明けに反映される。また、ポイントが一位だったクラスのリーダーである生徒に、2000万PPが支給される。
無人島内にはスポットと呼ばれる地点があり、占有したクラスのみ使用可能になる。
スポットを占有するには専用のキーカードが必要である。
1度の占有につき1ポイントを得る。占有したスポットは自由に使用できる。
スポットの占有権は8時間しか効力を持たず、更新しないと自動的に権利が切れる。
キーカードを使用することが出来るのはリーダーとなった生徒のみとなる。
正当な理由無くリーダーを変更することは出来ない。
7日目の最終日、点呼のタイミングで他クラスのリーダーを言い当てる権利が与えられる。
その際、見事他クラスのリーダーを的中させることが出来た場合、的中させたクラス1つに付き50ポイントを得る。
ただし他クラスのリーダーを間違えた場合、マイナス50ポイントされてしまう。
逆に言い当てられたクラスは代償として50ポイントを支払わなければならない。
なるほど。こんなルールなのか。俺はアカギを完全に陥れるための戦略を思いついた。そして、チームメイトにこう言う。
「今回の試験、俺らのクラスのリーダーはどうでもいい。おそらく、多数決で順当にCクラスで人数が一番多い二階堂グループの誰かになるのだろうが、もっと大事なことがある」
「もっと大事なことってなんなのさ?」
伊吹が聞くが、俺は口角を上げ即座に答えた。
「アカギグループを俺らの傘下にすることだよ」
ーーAクラスにて、
俺、秋山深一はこのルールを見てある戦略を思いついた。
「お前ら、このルール説明だが、『正当な理由なくリーダーを変更することはできない』とあるよな。つまり、裏を返せば『正当な理由があればリーダーを変更することができる』と言うことだ。だから、占有スポットをどんどんとってリーダーを他クラスに知らしめた後、正当な理由を作り出しリーダーを変更して、他クラスのリーダー回答を不正解にしたいんだが、いいか?」
すると坂柳は、「どうやって正当な理由を作り出すのですか?」と聞いた。俺は答える。
「ここに、ポイントで買えないものは基本ない。学校が用意したものならなんでも買える。とあるよな。だからインフルエンザワクチンを買う」
すると佑はなるほど、と言った様子で俺の戦略を語った。
「インフルエンザワクチンは弱らせたウイルスだ。水風呂などで体を弱らせれば、簡単にインフルにかかることができる。それでリーダーを変更するのか。だが、最初にリーダーをやるのは誰だ?自ら望んでインフルにかかりたいやつなんかいないだろ」
「当然、それは俺だ。この戦略の言い出しっぺは俺なんだからな。それで、みんなもこの戦略で納得してくれるか?」
すると、みんな納得した様子だった。この調子なら、問題なくAクラスが勝つことができるだろう。また、勝利したクラスのリーダーは2000万PPをもらえる。これを類家に渡せば、契約も果たされる。なんとかなりそうだな。
ーー龍園グループにて、
「確かに、その戦略ならアカギを傘下にできそうね」
どうやら、伊吹やアルベルトなど、俺のグループのメンバーは全員納得してくれたらしい。
「じゃあ、そのため早速櫛田に情報をくれるようLINEを送るぞ」
俺は櫛田のLINEにに、「返信が来たら俺のLINEから削除する。お前も削除してくれ。要件だが、Dクラスのリーダーを教えて欲しい。アカギを潰すために必要だ」と送った
まったく、アカギが俺に跪くのを想像すると、明日が楽しみで仕方ない。
そう思い、櫛田から返信が来たのでスクショした後にLINEからメッセージを削除し、眠りへつくのだった。