NieR:Automata JUSTICE   作:うぇいかた

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原作の11Bの形見で16Dと11Bの関係性から、色々と創作しすぎて11Bは最早オリジナルキャラみたいな感じになりました。


警告!!本作の11Bは原作と違って完全に別キャラになってます。そして今回の話はNieRでもSEEDでもあり得ないようなキャラの壊れっぷりと台詞回しが有りますので、苦手な人はブラウザバック完全推奨!!


Phase16 「壊レタ心」

 

 

 

白銀の回廊に、場違いなほど軽やかな足音が響く。

 

 

「えへへ」と、いつもの愛嬌ある笑みを浮かべ、両手を後ろに組みながら、メイリン・ホークはゆっくりと、しかし確実に「下卑た笑い」の源泉へと足を進めていた。

 

 

その背後では、アスランが複雑な表情で付き従っている。彼は知っている。メイリンがこの「含み笑い」を浮かべる時、それは彼女の中の「通信士としての正義」が、最も冷徹な形で発動する前兆であることを。

 

 

「キャハハハ! 2Bィ! テメェは阿婆擦れビッチのヨルハの17Bのように、その股座に9Sの短小ジョイスティックをブチ込んでもらうことしか考えてねぇんだろぉ!? このメス豚がっ……ふぎっ!?」

 

 

11Bの汚い笑い声が、唐突に途絶えた。

曲がり角から現れたメイリンの姿を視認した瞬間、彼女のニューラルネットワークに「人類への絶対服従」という強制プログラムが雷撃のように走り、その下劣な表情が、まるでスライドを差し替えたかのように「恭順の美徳」へと一変した。

 

 

「あ……あれ!? メメメ、メメメメメメ、メメメメメ………メメメイリン様!! ……そ、その、先ほどのご無礼をお許しくださいいいっ!!」

 

11Bは慌ててスライディング気味に跪き、16Dの胸ぐらを掴んでいた手を放して、床に額を擦り付けた。だが、メイリンの歩みは止まらない。彼女の額にはうっすらと青筋が浮かんでいるが、口元はあくまで穏やかな「笑顔」のままだ。

 

「あの……。さっきの言葉、なんですか? 結構遠くまで聞こえましたよ?」

 

メイリンは11Bの目の前でしゃがみ込み、視線を合わせるように顔を覗き込んだ。その距離わずか5cm。11Bの鼻先に人間の「体温」と、それとは真逆の「殺意に近い冷気」が突き刺さる。

 

「クソ女とか、マ○コとか、処女とか、阿婆擦れ、ビッチ、メス豚とか……、語彙力がずいぶん“泥の下”の方に偏ってるんですね。それが、私たちを守るヨルハの姿なんですか? 自分の不満を一番近くで支えてくれた人にぶつけるのが、11Bさんの誇りなのかしら?」

 

「そ、それは……! 情動プログラムの一時的な不具合で……ッ!」

 

「不具合で片付けないでください」

 

 

メイリンの声から温度が消えた。その瞳は、かつてミネルバのブリッジで敵軍の暗号通信を淡々と処理していた時の、冷徹なプロフェッショナルのそれだった。

 

「私のお姉ちゃんに今と同じことを言ってみます? 彼女は気が短いから、貴女のその汚い言語出力機能を物理的に引き抜いて、オルトロスでも撃ち込むと思いますよ?……それともグラディス艦長に報告しましょうか? 『アンドロイドは自分たちを神と崇めながら、裏では低レベルな便所の落書き以下の罵り合いに明け暮れて、自分より弱い個体を性的侮蔑用語でいたぶっています』って」

 

 

メイリンの背後から、アスランが静かに歩み出た。彼の纏う空気は、先ほど801Sを庇った時の慈悲深いものではなかった。それは、戦場を血で染め、平和のために友と刃を交えてきた男が放つ、真の「人類の怒り」だった。

 

 

「11B。……俺は、君たち“ヨルハ”が何を信じ、何のために戦っているのかを理解しようと努めてきた。だが、今の言葉は看過できない」

 

アスランの低い声が、回廊の壁に反響する。

 

「自分より立場の弱い者を、支えてきた戦友(仲間)を、そんな汚い言葉で蹴落として優位に立とうとする者は俺の意思に反する。そんな者が誰かを守れるはずがない。君の言う『人類の栄光』とは、他者を踏みにじった上に築く“虚飾の栄光”か?そんな君が一体誰を救えるというんだ!?」

 

 

「ア、アスラン様……っ!!違うんです!!誤解なんです!!」

 

11Bは震えた。アスランに声をかけられた歓喜よりも、その言葉に込められた「完全な拒絶」の重みに義体が物理的にきしむ。

 

「……もういい。これ以上、君の汚い言い訳を聞きたくない。……それを改めない限り、俺はキミを信用する事は出来ない」

 

アスランの口から出た“拒絶”に近しい言葉。

11Bにとって、それは「存在の否定」と同義だった。敬愛する神から、これほどまで冷酷に突き放されること。その「無関心」という名の刑罰に、11Bの機体は物理的にきしみ、悲鳴を上げた。

 

 

「2人とも、俺のせいで嫌な思いをさせたな。……メイリン、行こうか」

 

アスランが2人に目を向けると、16Dは呆然と立ち尽くし、2Bは拳を握りしめて俯いた。11Bの吐いた猛毒は、ヨルハという組織が抱える「歪んだ感情」の膿を一気に曝け出してしまったのだ。

 

「……11B。貴女の今の発言は全て記録させてもらった。」

 

2Bが静かに決然と言い放つ。

 

「司令官に報告し、貴女のパーソナルデータの再調整、……記憶の初期化を申請する。……神であるアスラン様とメイリン様の前で汚らわしい暴言を吐いた。私たちヨルハ部隊にとって最大の汚点よ」

 

 

「な……ッ!? 待って、2B! それだけは……!!」

 

「越えてはならない一線を超えてしまったは貴女よ。自分の発言に責任を持つべき。それ相応の処遇を覚悟しておくように。」

 

11Bの悲鳴が響く中、2B は背を向けて司令室の方へ足を進めて去って行った。

メイリンは再び「えへへ」と笑って、16Dの肩を優しく叩いた。

 

「16Dさん、もう大丈夫ですよ。……あんな言葉、データのゴミだと思って捨てちゃってくださいね。……アスランさん、行きましょう? このままだと空気がどんどん悪くなっちゃいそう」

 

「……そうだな。」

 

アスランは、去り際に11Bを一度も振り返らなかった。

 

その「無関心」という名の最大の刑罰に、11Bは床に崩れ落ち、ただ虚空を見つめるしかなかった。

 

一方、16Dはアスランとメイリンの背中を見送りながら、自分の中で何かがカチリと音を立てて切り替わるのを感じていた。

 

(……そうだ。……あんな汚い言葉を吐く女に執着してた私が馬鹿だった。……私は、あんなに強くて、優しくて……汚い言葉なんて一言も使わずに相手を制圧する、本物の『人間様』の側に行きたい……)

 

 

16Dの瞳に宿ったのは、11Bへの愛憎ではなく、アスランへの“新たなる感情”の萌芽だった。

 

 

「アスラン様、メイリン様、よろしければ私がバンカーへご案内いたしますよ。」

 

16Dは照れくさそうに赤面しながら、2人の後へ追うように歩み出した。

 

 

バンカーという箱舟の中でヨルハ部隊の規律に亀裂が走った。代わりに“アスラン・ザラ”という絶対的な座標を巡る、新たな波が動き始めていた。

 

 

「……アスランさん、さっきの“私兵”の話、本当に有効なんですよね?」

 

「……ああ。司令官が言ったことだ。当面は、それを盾にこの基地で過ごさせて貰うとするよ。」

 

 

 

二人の会話を、影からじっと見つめる無数の影。人類という名の神は、ヨルハたちが望んでいた「救済」ではなく「混迷」へと誘っていた……。

 

 

 

------------------------------

 

 

   ◇

 

 

誰もいなくなった通路。冷たい金属の床に膝をつき、取り残された11Bの喉から漏れ出たのは、もはやアンドロイドとは思えぬ不吉な、獣のような唸り声だった。

 

 

「うがああああああアアアアアアアアアアアアアアアアアアあああっ!!!」

 

 

理性を失い、唸り声と共に上げた拳は白皙な壁を撃ち抜いて、陥没穴が出来上がる。

 

 

「……ッ!! 司令部はクソだ!! ヨルハはクソだッ!! ぶっ殺してやるぅぅ……!!」

 

 

羞恥、嫉妬、そして“アスラン・ザラ”という「正論」を突きつける光への逆恨み。彼女のニューラルネットワークは、あまりの情動の負荷に論理回路を焼き切り、ありもしない「偽の記憶」を生成し始めていた。

 

 

「アスラン・ザラぁぁぁ!! お前は人間の皮を被ったエイリアンだ!! ……私の、私の貞操を汚しやがった……あのクソ男がぁぁッ!!」

 

 

身勝手極まりない逆ギレ。経験したこともない「辱め」をあたかも受けたかのように叫び、彼女は己の正当性を狂気の中に求めた。

 

「甘い言葉で私を誘惑して、部屋に誘い込んで貪るように私のマ○コ、オッ○イ、ア○ルを弄びやがってぇぇっ!! 抵抗する私に無理やり“アスランビーム”を撃ち込んで……その後に天狗突き、ハードファ○キン○、キャンドルウィップ………許せねぇ!! 清純な処女ヨルハだった私の女心を踏み躙りやがったクソアスランは万死に値しやがるぅぅ!!」

 

実際には指一本触れられていないどころか、距離を置く目で見られただけである。だが、彼女の脳内では今、アスランは「全ヨルハの純潔を食い散らかす稀代の淫魔」へと変換されていのだった。

 

「アスラァァァァン!! テメェは全女の敵だぁあぅ!! あのクソ男の粗末なチ○ポを切り落として、ズタズタに細切れにして、奴の肛門(ケツ)に“白の矜持”を根元までブッ刺して○✖︎△%▽◇にしてやるよっ!!」

 

 

量子化されてた“ヨルハ制式鋼刀”を実体化させて、息を荒げて吠える

 

 

「見てろよ……。テメェが『あーっ、11B様ぁ、僕のア○ルが壊れちゃうぅぅ』って泣き叫ぶまで、徹底的に可愛がってやるからなぁぁぁっ!!ギャハハハハハハハハハハハ‼︎」

 

激しい過呼吸(ファンノイズ)を撒き散らしながら、理性を失った猛獣のような目でアスランたちが消えた方向を睨み据えた。

 

 

その瞬間!!

 

 

   ザシュっ!!

 

 

背後から、大気を焼き切るほどの強烈な熱が迫った。

 

 

「…………え?」

 

11Bの思考が止まる。視線を落とすと、自分の胸の中央から、白く輝く刃の切先が突き出していた。痛みを感じるより先に、全システムが「致命的な損傷」のアラートを赤く点滅させる。

 

 

11Bは震える首を回し、背後の影を振り返る。

「……っ!? ……どうして……お前が……」

 

「自分の吐いた言葉すら、認識もしていないとはな」

 

声の主は深淵の底から響くように低く、一切の感情を排していた。

 

「私は処刑型だ………。」

 

11Bのゴーグル越しの目が見開かれる。

 

「処刑型……!? 聞い……たこと、ない……っ」

 

だが、11Bは近接戦闘特化のバトラー型だ。

生存本能が強制的に四肢を動かし、強引に胸の刃を抜いて飛び退く。震える手で愛刀“ヨルハ制式鋼刀”を構え、応戦の構えをとった。

 

 

「…………ヴぅ……何故だ……?私を殺すだと!?……アスランのクソ野郎の金玉に蹴り入れるまで………奴の精管を雑巾絞りにしてやるまで、私は……っ!」

 

11Bが剣を振り上げた、そのコンマ数秒前。

右手の感覚が、消失した。

 

「……ぁえ?」

 

カラン、と乾いた音を立てて“ヨルハ制式鋼刀”を握ったままの「右腕」が床に転がった。切断された断面から火花が散り、ようやく11Bの意識が欠損を認識する。

 

「うぁあああああっ!!わ……わわ私の腕がぁぁぁぁっ!! 嘘だぁぁ⁉︎見えなかった!?どうして⁉︎私は“B型5剣聖(ファイブソード)”の1人だぞっ!?バトラー型の中で優秀すぎる私がっ!?ありえねぇぇぇぇぇっ!!16Dを堕としたレズレズテクニック使えねぇじゃねぇーかっ!チクショうううっ!!」

 

 

「B型は戦場を駆ける剣だが、私のは同族の首を刈るための剣だ。……キサマの剣筋など、私にとっては静止画に等しいのよ。」

 

 

処刑型と名乗る彼女は一歩、また一歩と、死の足音を刻みながら歩み寄る。その手にある白い刀は、主の返り血すら拒絶するように純粋な白を保っていた。

 

 

しかし11Bは赤い義体液を口から吐き散らしながら、残った左腕で槍の“白の矜持”を握って、切先を彼女に向けた。

 

「…………ァァァ……、お前裏切り者か………?否……ヨルハに化けた進化型の機械生命体か……!?だ……だったら……これは一大事じゃねぇか……。」

 

 

「アスランのデカいナニが目当てで私を消そうってのか!? “磁石の戦士(マグネットウォーリアー)”みたいにアスラン様の股間に吸い寄せられてんじゃねーよ!!この鉄屑アマ!!」

 

 

呼吸が乱れ、融合炉のプロセッサー速度が乱れながらも弱音は決して吐かない11B。

 

「………き………機械生命体なら、私とアスラン様との“情熱ドッキングと愛のピストン運動”を邪魔しようと卑劣な分断工作仕掛けやがったんだな……。そうだ……、そうに違いねぇ……。私のしなやかな義体とアスラン様のマグナムが合体するのを恐れたんだろぉ……っ!」

 

 

「……アスラン様と出会って13時間35分6秒しか経過していないだろうが。貴様は何故、そこまでの記憶改竄ができる?」

 

処刑型の冷徹な指摘すら、狂った11Bの耳には届かない。

 

「うるせぇぇ! 恋に時間は関係ねぇんだよ! 私はなぁぁぁっ秒速で孕めるんだよ!!私がさっきアスラン様に部屋で犯されて、前後不覚になるまで“古代の機械巨人(アンティーク・ギア・ゴーレム)”みたいな巨大なブツで突き回された記憶……。あれは真実だ!! 私の人工頭脳と記憶領域がそう叫んでんだよぉぉっ!!!さっきの拒絶された瞬間のアスラン様の冷たい目に、機体人生最高の絶頂を感じたんだよぉ! !それをブチ壊しやがってぇぇ!!」

 

更にあろう事か、その下劣な叫びはメイリンの名前も含まれてた。

 

「アスラン様の腰巾着………あの“メイリン”とかいうメスガキ女狐も、どうせクスクス笑いながら『アスランさん、私もデータ転送(中出し)を手伝いますね』とか言い出してやがんだよぉぉっ!! あの通信ガキビッチ、絶対に“アスラン∞セイバーストライクマグナム”で貫かれながら、私の悪口言ってるに決まってやがるぅぅぅ!!」

 

事実無根。アンドロイド社会が震撼するほどの虚言である。しかし、11Bの論理回路は、羞恥と拒絶の負荷に耐えかね、今や「悲劇のヒロイン」としての妄想を真実として焼き付けていた。

 

 

「清楚を装ったクソビッチメイリンめぇぇっ‼︎しおらしい顔して、実はアスランの股座のフリーダムを自分専用の操縦桿にしてるんだろぉぉ!? 胸部装甲なんて私よりも矮小じゃねぇかぁぁっ!! 私の方が、あのアスラン様のマグナムの格納に相応しいんだよぉぉぉっ!!」

 

 

「……これ以上の汚染は、全システムの危機ね」

 

処刑型の顔から最後の一欠片の迷いも消えた。眼前で喚く11Bは戦友ではない。人類という名の神を汚す、低俗なデータの掃溜めだ

 

「メイリンの、あの『えへへ』とかいう笑い方!! あれは確実に、昨夜アスラン様のテクニックで三回は潮吹かされた女のツラだぞ!! 義体OS(フェロモン)で分かんだよ!!『電磁石の戦士マグネット・ベルセリオン』級の合体を見せつけられたってなぁぁっ!!」

 

 

そして意味不明すぎる罵詈雑言を叫びながら、11Bはバネが弾けるような速度で一気に処刑型ヨルハの懐へ目掛けて迫る。

 

「許さねぇ!!どいつもこいつも!!全員絶対に許さねぇ!!アスラン様を誑かす野蛮な雌犬と女狐と雌豚共めぇぇぇぇっ!!!!死ねェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェっ!!テメェをブッ殺して、司令官や他のヨルハの目の前で、私はアスラン様と“超電導戦機インペリオンマグナム”級の合体ファッ⚫︎ン⚫︎プレイを見せつけてやるんだアアアアアアあああっ!!」

 

稲妻の如く凄まじい闘気のオーラーを放ちながら咆哮と共に空間が切り取ったような爆速の突撃。11Bの固有性能(アビリティ)であり彼女の強みであったが、白の矜持が処刑型ヨルハに突き刺さる事は無かった。

 

 

 

   ザンっ!!

 

 

11Bの首筋に強烈な灼熱感が横切った。視界が不自然な角度で回転する。上下が反転し、視点は冷たい床面から見上げるような位置に固定された。

 

 

(あれ……? 倒れてるのに……なんで、自分の体がまだ“立って”いるんだ……?)

 

 

視線の先には首から上を失い、火花を噴き上げながらゆっくりと崩れ落ちる「自分の胴体」があった。

 

 

〔チクショウ………!!チクショウ………!!アスラン様と添い遂げられずに死ぬのか………。処女である私が同じヨルハに殺されるのか………。アハハハハ………。せめてバックから、アスラン様のジャスティス・ザラ・インパルス砲を浴びてから死にたかったよ………。そして、『11B、君は俺の最高の慰安ヨルハだ。君に無しでは俺の性欲は発散出来ない』と認められたかった………。〕

 

 

生命活動が途切れる寸前までアスランに対する想いを最期まで抱えてた11B。

次第に、視界の端から黒いノイズが侵食してくる。バックアップさえ許されない、完全な消去。

 

「残念だったな11B………。貴様の妄想が実現することもなく、アスラン様との“インペリオンマグナム”ドッキングを繰り出す前に私が無効化してLP(ライフポイント)を0にした」

 

 

足元に転がった11Bの頭部を見下ろし、感情の欠片もない瞳で言い放った。

 

 

「安心しろ。痕跡は一切残さない。……人間様に仇なすノイズは、存在しなかったことになるだけだ」

 

 

ポッドを操作すると、清掃用マシンが音もなく暗闇から現れた。

数分後、その通路には義血(オイル)の一滴も、“11B”というヨルハ機体が存在していた証拠も、何も残されていなかった。

 

 

 

 

 ヨルハ十一号B型 通称「11B」 LOST……

 

 

------------------------------

 

 

一方、16Dの案内の元、ブリーフィングルームへ向かう最中アスランは何とも言えない「胸騒ぎ」を感じて立ち止まった。

 

「……アスランさん? どうかしました?」

 

メイリンが不思議そうに顔を覗き込む。

 

「……いや。……嫌な予感がしただけだ」

 

 

アスランの脳裏に、先ほどの11Bの狂乱した姿が浮かぶ。彼は気づいていなかった。このバンカーという「聖域」の清浄さを保つために、自分たちの知らないところで、美しき天使たちがどれほど冷酷に「同族」を間引いているのかを。

 

 

「……メイリン。この基地、やっぱり何かがおかしい」

 

 

「ええ……。11Bさんの声が、急に聞こえなくなったのも気になります。あんなに騒いでたのに……」

 

 

二人の背後、暗い通路の奥からヨルハの1人が何食わぬ顔で歩み寄ってきた。

 

 

「アスラン様、メイリン様。……周囲の安全を確認いたしました。どうぞ、安心してブリーフィングルームへお向かいください。」

 

 

彼女の微笑みながら告げると、踵を返して立ち去った。彼女の雰囲気からアスランは言いようのない寒気を感じた。

 

 

 

どのカップリングが面白そうか?②

  • 9S×メイリン
  • 9S×ルナマリア
  • 9S×カガリ
  • 9S×ラクス
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