NieR:Automata JUSTICE   作:うぇいかた

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ゲーム4周目・・Dエンドで2つ選択肢があるので、ついに推しのA2の Cルートへ行ける・・!!人類に栄光あれ!!蒼き清浄なる世界の為に!!


Phase2「鋼鉄ノ騎士」

 

   ◇

 

命も無いのに殺し合う。コレは呪いか?それとも罰か?

 

私たちは、終わりのない死と生の螺旋に囚われ続けている。

 

不可解なパズルのピースを渡した神に、私たちは弓を引く日が来るのだろうか?

 

 

 

    ◇

 

 

 

西暦11945年

 

 

『こちら2B。廃墟工場周辺の哨戒任務を開始する。』

黒いドレス型の戦闘服に身を包んだヨルハ二号B型――2Bは、飛行ユニットを操り、海風を切り裂いて進んでいた。

 

 

通信がなる。担当オペレーターからだ。

『こちらオペレーター6O。感度良好です。2Bさん、体調はいかがですか? あ、もちろんアンドロイドですからバイタルは正常でしょうけど、気分のほうというか!』

 

 

 通信ウィンドウに映る担当オペレーターの明るい声が、殺伐とした戦場に不釣り合いな彩りを添える。2Bの周囲には、同型の飛行ユニットが6機、V字編隊を組んで並走していた。

 

「問題ない。任務に集中する」

 

『はいはーい、了解です!』

 

ポッド042が機械的な声で報告を上げる。

『報告:前方、工場廃墟の沿岸部に異常なエネルギー反応を検知』

 

「機械生命体?」

 

『否定:既存のデータに該当する波形なし。大型機動兵器と思われる反応を確認』

2Bは黒いゴーグル越しにポッドにより提示されたモニターを睨む。錆びたクレーンの林立する岸壁に、一機の“蒼い影”が見えた。

 

「あれは……飛行ユニットではない。重力下用の高出力スラスターを装備している?」

 

2Bがの“蒼い影”に意識を向けた瞬間、通信回線が割り込みによって弾けた。

 

『2B……よそ見しないで。任務中だ。』

冷徹だが、どこか嗜めるような声。ヨルハ部隊の隊長格“1D”だ。

 

 彼女が駆る先頭機を中心に、4B、11B、7E、12D、12H。

2B含む計7機のヨルハが白銀の光条となって工場廃墟沖を駆け抜けていく。

 

「了解しました。……地上に未確認の反応があったため、報告に備えていただけです。」

『地上の掃討は後続部隊の仕事。私たちの目的は、工場内部に潜伏する超巨大機械生命体の完全破壊。地球奪還のための重要な露払いだ。私情や好奇心で足を止めることは許されない。』

 

 1Dの言葉は、ヨルハの掟そのものだった。2Bは微かな違和感を胸の奥に押し込み、操縦桿を握り直した。

 

だが、空が彼女たちの接近を拒むように黒く染まった。

『報告:前方より、飛行型機械生命体の群れが接近。その数48』

ポッド042が無機質に告げると同時に、工場の影から無数の球体状の機械が蜂の巣から溢れ出すように飛び出してきた。

 

『散れっ!!』

 

1Dの号令とともに、7機の飛行ユニットが扇状に展開し、機首の射撃兵器を咆哮させた。直後、空を埋め尽くすような禍々しい紅い光弾の雨の弾幕が彼女たちの行く手を阻んだ。

 

 

 

  ◇

 

 

一方、地上では・・・。

 

アスランは空を見上げ、愕然としていた。

「……モビルアーマー? いや、あれは……」

 

 見上げる空で繰り広げられてるのは、彼が知る“コズミック・イラ”の戦争技術とは根本的に異なる、狂気じみた空中戦だった。

空中に停止し、重力を無視して旋回する醜悪な円盤状の機械群。それらが撒き散らす不自然なほど巨大な紅い光の弾。

 

紅い光弾をバラ撒く醜悪な機械の群れと、それを華麗な機動で翻弄する、黒き飛行兵器の一団。

 

「アスランさん、あれ……人が乗ってるんですか!?」

意識を取り戻したメイリンが、震える指で空を指差す。

 

 アスランの“戦士”としての勘が警鐘を鳴らした。

 

「いや、動きが速すぎだ・・。重力加速を完全に無視している……あんなもの、人が乗っていられるはずがない・・。」

 

 だが、空の均衡が崩れるのは一瞬だった。

黒い飛行兵器の一機に主翼に紅い光弾が直撃した。機体から黒煙が吹き出し、少女の声とも、電子音ともつかない悲鳴が通信の漏れとなってアスランの耳に届く。

 

「くっ……理由を考えている暇はないか!」

 

彼はメイリンを横抱きにすると、傍らに鎮座する。蒼い巨躯 “ ZGMF-2000 グフイグナイテッド”のコクピットへ飛び込んだ。

ハッチが閉まり、外部の音が遮断される。

シートにメイリンを固定し、アスランが起動キーを回した。

 

 電源を入れると、OSが驚くほど滑らかに立ち上がる。あの時、デスティニーに撃墜されたとは思えない・・。3面モニターに映し出されるのは、朽ち果てた世界と、絶望的な数差の空中戦。

 

「メイリン、しっかり掴まっていろ! アスラン・ザラ、出る!」

 

 ゴォォォォォォォン!!

 

 重厚な大気を切り裂き、蒼い巨体が噴射炎を上げる。背部の大型スラスターが、異世界の腐食した大気を焼き尽くすほどの高熱を放つ蒼き機体。それは重力に逆らう一筋の雷光となり、錆びついた大地を蹴って垂直に跳ね上がった。

未知の兵器同士がぶつかり合う戦場へと介入を開始した。

 

 

 

  ◇

 

 

 

工場廃墟沿岸部の空域にて・・

 

「12Dが中破!!直撃コースです!!」

11Bが仲間の危機に悲鳴を上げる。12Dの飛行ユニットは翼部から黒煙が焚き上がり、高度と速度がジワリと落ちていく。あと一撃を喰らえば確実に墜落になるだろう。

 

その時、上空で飛行型機械生命体と交戦していたヨルハ部隊のセンサーに、凄まじい警告音が響き渡った。

 

 

「なっ……何事!?」

 

 

ポッドたちの電子音声が一斉に重なる。

『警告:後方直下より、高エネルギー反応が接近。この波形は……既存の融合炉、およびブラックボックスのいずれとも不一致。』

 

「未確認機!? 機械生命体の新型か!」

隊長の1Dが機体を反転させ、地上から迫る“蒼”を視界に捉えた。

それは、彼女たちが知る“兵器”の概念を根底から覆す加速だった。

飛行ユニットに匹敵する、あるいはそれを凌駕する機動力。

そして何より、その機体から放出されるエネルギーの質が、この世界の常識を逸脱していた。

 

「速い……! 11B、7E、回避して!」

2Bの叫びが通信に割り込む。

 

飛行型機械生命体の放つ紅い光弾が、機動を失った12Dに集中しようとしたその時。

戦場を横切る、一筋の“蒼い雷光”があった。

 

「そこまでだっ!」

 

 大気を震わせる重低音と共に、グフイグナイテッドが戦場の中心に割って入った。

蒼き巨体は左腕の耐ビームシールドを前に突き出すように構える。ヨルハの飛行ユニットさえ貫く紅い光弾を、2つのトゲがある蒼き盾が完璧に受け止め、霧散させる。

 

『報告:未知の機動兵器による防衛行動を確認。敵味方識別、不能』

ポッド042が驚異的な速度で情報を更新する。

 

2Bの目に映ったのは、これまで見てきた機械生命体とも、人類軍の兵器とも異なる、巨大で武骨で力強い“人型”のシルエットだった。

 

「防衛……!?私たちを、助けた?」

その蒼い機体は、盾を構えたまま背部のスラスターを最大噴射し、機械生命体の群れへと突進した。

 

「メイリン、照準サポートを頼む!!敵の数が多い、一気に叩くぞ!」

 

「は、はい!!ロックオン……24、32、……これ、全部敵なんですよね!?」

 

「ああ、形は不格好だがな!」

アスランの指がトリガーを引く。

 

 グフの前腕部に装備された4連装ビームガンが火を噴いた。ヨルハの飛行ユニットの射撃攻撃とは比較にならないほどの質量と熱量を持ったビームの雨が、空を切り裂き、球体状の機械生命体を次々と爆砕していく。

 

「普通じゃない……‼︎この動き、この火器……」

1Dの声に驚愕が混じる。

 

アンドロイドの計算能力をもってしても、その蒼い機体の機動は“非論理的”だった。

グフは右腕から熱線を帯びた鞭“スレイヤーウィップ”を射出。

それは生き物のようにしなり、接近してきた三機の中型飛行型機械生命体を一瞬で絡め取り、過電流によって内部から焼き切った。

 

『下がれ!!ここは俺が引き受ける!!』

アスランの声が、全オープン回線を通じてヨルハたちの飛行ユニット内に響き渡った。

 

 

「男の声……⁉︎レジスタンスからの援軍!?」

2Bが呟く。ゴーグル越しの視界で、蒼い巨躯が再び加速する。それは美しくも残酷な、戦場の英雄の姿だった。

 

ヨルハたちが見入ってる中、

この空域に現存してる全ての飛行型機械生命体たちの単純かつ冷徹な演算回路が書き換えられた。突如として、紅い弾幕の指向性が変わる。

数百という紅い光の粒が、まるで意思を持つ巨大な生き物のようにうねり、一斉にアスランの駆るグフへとその砲口を向けたのだ。

 

「アスランさん!!あの未知の飛行物体の多くがこっちに攻撃の照準を合わせてます!!」

3面モニターの一角、索敵ウィンドウを凝視していたメイリンが悲鳴を上げる。

 

コンソールには、無数の“LOCK ON”の警告が重なり合い、不吉な紅い点滅を繰り返していた。

 

 

「どうやら、俺たちを完全に“敵認定”したと言うわけか・・。」

 

アスランは、冷静だった。

いや、極限の状況であればあるほど、彼の精神は研ぎ澄まされ、氷のような静寂へと沈んでいく。彼は操縦桿を握り直し、メインスロットルを一段押し込んだ。

 

「メイリン、パッシブ・センサーの感度を最大に。周囲の熱源反応を全てマッピングしてくれ。一機も漏らすな!」

 

「は、はい! 了解しました!」

 

アスランの視界には“黒い小型モビルアーマー”・・・ヨルハ部隊の飛行ユニットが映っている。彼にとって、彼女たちは正体不明の勢力だが、この異形の機械兵器から必死に戦ってる様を見れば、守るべき対象であることに変わりはなかった。

 

「来るぞ!」

 

 アスランの掛け声と同時に、空が紅く染まった。

全方位から降り注ぐ光弾。それは“コズミック・イラ”の世界でのビーム兵器ほど速くはないが、密度が異常だった。逃げ場を完全に塞ぐような、回避不能の檻。

 

だが、彼ににとって、これは“戦い”の日常に過ぎなかったのだ。

「これだけの弾数、まとめて撃ち落とす!」

 

グフの右前腕が、意志を持つかのように跳ね上がった。

装備された4連装ビームガン“ドラウプニル”が異形の機械兵器群に向けられた。

 

 

ドッ、ドッ、ドッ、ドッ!!

 

緑色の光条が、紅い光弾の波を次々と空中で相殺していく。爆炎が空に咲き乱れ、紅い粒が飛沫となって霧散する。

それは、ヨルハの飛行ユニットが“回避”と“防磁スキン”でしか対処出来なかった弾幕を、正面から“粉砕”する圧倒的な力だった。

 

『……信じられん。あの出力……あの巨体で、個々の弾丸を全て撃ち落としているというか!?』

1Dの驚愕の声が通信回線に漏れる。

 

ヨルハ部隊にとって、機械生命体の弾幕は“避けるもの”だ。防御システムの“防磁スキン”は発動にリスクがある為万策尽きた時にしか使えない。だが、目の前の蒼い巨人は、その弾幕そのものを暴力的に消滅させていた。

 

「よし、メイリン! 次はあいつらだ!」

 

「座標固定! 右後方から接近する集団、12機!」

 

アスランはグフを急旋回させた。フライトユニットのメインスラスターが爆音を上げ、重力に逆らって蒼い巨体が跳ねる。

彼の認識では、この機動に耐えうるのはコーディネイターのエースパイロットだけだ。彼は、背後の“小型モビルアーマー”の搭乗員たちが人間であると信じて疑わなかった。

 

 

『『 ―― Android ーー 』』

 

一瞬、オープン回線から表示された単語。

アスランは首を傾げた。

(アンドロイド……最新の携帯通信端末の事か? なぜそんな言葉を……いや、今はいい!)

 

弾幕を抜けたグフが、機械生命体の集団の真っ只中へと飛び込んだ。

距離、わずか数十メートル。

ドーム状の醜悪な機械たちが、自爆を厭わぬ体当たりを仕掛けてくる。

 

「当たるかっ!」

アスランは右の操縦桿のトリガーを引く。

グフの右腕から、熱線を帯びた**スレイヤーウィップ**が再度射出される。

 

それは、無機質な死神の如しであった。

アスランの脳波と直結しているかの如くしなる鞭が、空中に“死の軌跡”を描く。一振りで、正面の二機を縦に両断。

折り返しの二振り目で、左側の三機の推進部を絡め取り、そのまま超高圧電流を流し込む。

 

 

ガガガガッ!!

 

 

機械生命体たちは、悲鳴を上げる間もなく内部回路を焼き切られ、火花を散らして墜落していく。

アスランの操るグフは、もはやモビルスーツという枠を超え、戦場を統べる一柱の魔神と化していた。

 

 

「……何、あの戦い方……」

2Bは、自身の飛行ユニットのモニター越しにその光景を見ていた。

 

彼女たちが苦戦していた飛行型機械生命体が、まるで紙細工のように、あるいはゴミを掃き出すかのように解体されていく。流麗で、かつ重厚。

 

無駄のない動きの中に宿る、圧倒的な“殺意”と“守護”の共存。

「ポッド、あの機体の所属を!」

 

『報告:既存のいかなる記録にも該当なし。しかし、その骨格構造、動力源、武装システムは、現行のアンドロイド技術を上回る、未知の物理法則に基づいていると推測。』

 

「未知の物理法則……!?レジスタンスの隠し玉なんてレベルじゃない・・。」

 

 

最後の締めであるのように、グフはシールドに収納される伸縮式のビームソード“テンペスト”を抜いた。一振りからの一閃によって、残りの機械生命体達は一塊のスクラップ化した。

爆煙が潮風に流され、廃墟の空に束の間の静寂が戻る。

 

アスランは、機体のバランスを保ちながら、ゆっくりとヨルハ部隊の方を向いた。モニターには、傷ついた黒い小型の飛行型兵器たちが浮遊しているのが見える。

 

「こちら聞こえるか?モビルアーマーの搭乗員たち。」

アスランの声は、全周波数に向けたオープン回線で放たれた。

 

「今の攻撃は防衛行動だ。俺に敵意はない。怪我人……いや、脱出ポッドの損傷はないか? 随分と無理な機動をしていたようだが・・・」

アスランの問いかけに対し、7人のヨルハには一瞬の沈黙が流れた。

 

“モビルアーマー”、“脱出ポッド”という概念。そして“搭乗員”という呼び方。

 

彼が自分たちを“守るべき対象”だと思っている。その事実が、感情を抑制されているはずのアンドロイドたちに、奇妙な困惑をもたらした。

 

数十秒の沈黙の後・・意を決して、隊長の1Dが代表して通信を繋ごうとした矢先・・!!

 

海面が大きく盛り上がり、空気が震えるほどの重低音が工場地帯を揺らした。

 

「アスランさん!!海の底から、とてつもないエネルギー反応です!! 今までのとは、桁が違います!!」

メイリンが叫ぶような声を上げる。

 

海を割り、空を覆い隠すほどの巨大な鉄の腕が、廃墟の岸壁を握り潰した。その目は、紅い怒りに燃えている。

 

「1D隊長!!アレが私たちのターゲットです!!」

4Bが吠えるかのように驚く。なぜなら、彼女達が目的である対象が姿を現したのだから。

 

 

!!!! WARNING !!!

超巨大機械生命体“エンゲルス級”

 

 

 

「前座は終わり、というわけか……」

アスランは、未知の組織の者たちの対話を諦め、再び操縦桿を強く握りしめた。目の前の“鉄山”のような敵を前に、彼の瞳には不屈の“戦士”の火が灯っていた。

 

「メイリン、出力を最大に。ここからは……この機体の性能じゃ足りない戦いになるかもしれない。」

 

「はいっ、アスランさん!!」

 

 

“コズミック・イラ”からの亡命者と、偽りの神を仰ぐ機械仕掛けの人形(アンドロイド)たち・・・・。運命が交錯するこの戦場で、死と生の螺旋は、新たな歪みを生み出そうとしていたのだ。

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