世紀末ヒャッハー伝説 〈汚物は消毒だァ!!〉   作:ヒツジ(ラム肉

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第11話 「少年修行編② ― 必殺技開発」

ヒャッハー!

 

折れぬ刃を手に入れた少年!

だがそれだけでは足りない!

 

相手はあのヒャッハー!

ただの暴力では通用しない!

 

必要なのは決定打!

絶対に通す理不尽な一撃!

 

世紀末少年――

ついに物騒すぎる技術研究へ突入するゥ!!

 

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ヒャッハーは硬い。

 

少年の結論は単純だった。

 

だが極めて重大な事実。

 

装甲ではない。

 

防具でもない。

 

あの男そのものが異常な耐久を誇っていた。

 

「……通らない」

 

重刃刀を振るう。

 

叩き込む。

 

砕く。

 

だが想像するだけで理解できる。

 

足りない。

 

単純な質量破壊では届かない。

 

必要なのは――

 

「通す力」

 

少年は刃を地面へ突き立て、静かに思考を巡らせる。

 

荒野の戦闘は単純だ。

 

殴る。

 

撃つ。

 

焼く。

 

だがヒャッハーは違った。

 

被弾。

 

爆発。

 

衝撃。

 

それらをまるで意に介さぬ挙動。

 

常識の外側。

 

ならば同じ土俵では勝てない。

 

「貫く……」

 

呟き。

 

少年は重刃刀を持ち上げる。

 

通常の構えではない。

 

刃の中程の握り。

 

後部の柄。

 

二点保持。

 

重量武器特有の不安定な姿勢。

 

だが彼の視線は揺るがない。

 

「違う……」

 

踏み込み。

 

停止。

 

角度修正。

 

再試行。

 

「ただの突きでは弱い」

 

重刃刀は重い。

 

質量は十分。

 

だが刺突としては不向き。

 

速度が出ない。

 

初速が足りない。

 

「なら……」

 

少年の思考が一段深まる。

 

斬撃の理屈。

 

打撃の理屈。

 

刺突の理屈。

 

それらは本来別系統の攻撃様式。

 

だが荒野では常識など意味を持たない。

 

必要なのは結果のみ。

 

「融合させる」

 

刃を構える。

 

低姿勢。

 

重心固定。

 

そして。

 

踏み込みと同時に全身を回転させる。

 

遠心力。

 

質量加速。

 

慣性利用。

 

「――通せ」

 

次の瞬間。

 

ドォンッ!!

 

轟音。

 

衝撃。

 

地面が爆ぜる。

 

突き。

 

だがそれは通常の刺突ではない。

 

重量武器の運動エネルギーを極限まで圧縮し、

一点へ叩き込む暴力的技法。

 

衝撃が遅れて響く。

 

土煙。

 

砕けた岩盤。

 

深々と穿たれた地面。

 

少年の瞳がわずかに見開かれる。

 

「……これだ」

 

確信。

 

理屈ではない。

 

感覚的理解。

 

破壊ではなく貫通。

 

叩き潰すのではなく侵徹。

 

質量を通すための技。

 

彼は名付けた。

 

『重破貫(じゅうはかん)』

 

打撃の質量。

 

刺突の集中。

 

両者を強引に融合した荒野的必殺技。

 

極めて世紀末向き。

 

極めて物騒。

 

試し撃ちが始まる。

 

廃車両。

 

コンクリ塊。

 

鉄骨残骸。

 

すべてが同じ末路を辿る。

 

ズドォン!!

 

貫通。

 

破壊。

 

内部崩壊。

 

「いける……!」

 

少年の呼吸がわずかに荒れる。

 

興奮ではない。

 

確信の高まり。

 

ヒャッハーの異常耐久。

 

それすら貫ける可能性。

 

だが。

 

彼は知らない。

 

ヒャッハーという存在の本質。

 

あの怪物が最も得意とする行為。

 

それは暴力ではない。

 

狂気でもない。

 

適応。

 

「まだ改良の余地がある……」

 

少年は冷静だった。

 

衝撃角度。

 

踏み込み速度。

 

回転効率。

 

さらなる精度向上。

 

荒野では停止は死を意味する。

 

ゆえに進化は必須。

 

重刃刀が唸る。

 

風を裂く。

 

大地を穿つ。

 

繰り返し。

 

繰り返し。

 

繰り返し。

 

少年の技は研ぎ澄まされていく。

 

やがて彼の瞳には迷いが消えていた。

 

「待っていろ……ヒャッハー……」

 

それは怒りではない。

 

憎悪でもない。

 

因果の確認。

 

精算の予告。

 

荒野の風が吹き抜ける。

 

遠く。

 

災害拠点ヒャッハーダム。

 

そこに棲む怪物を思い浮かべながら。

 

少年は再び刃を構えた。

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