世紀末ヒャッハー伝説 〈汚物は消毒だァ!!〉   作:ヒツジ(ラム肉

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第四章 「宣戦布告イベント」
第20話 「宣戦布告イベント」


ヒャッハー!!

 

軍閥との意味不明停戦成立!!

 

荒野に訪れる束の間の静寂!!

 

……だが忘れるな!!

 

相手はあのヒャッハー!!

 

平和?理性?自制心?

 

そんなもん存在するわけねぇ!!

 

そして今回――

 

世紀末史上最悪のイベントが発動するゥゥゥ!!

 

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ハンターギルド。

 

荒野における数少ない中立地帯。

 

情報。

 

依頼。

 

賞金。

 

そして欲望が渦巻く場所。

 

昼下がり。

 

いつも通りの喧騒。

 

酒。

 

怒号。

 

取引。

 

その空気を――

 

ブチ壊す爆音が響いた。

 

バラララララララララ……!!

 

「……は?」

 

入口付近のハンターが振り向く。

 

次の瞬間。

 

ドォォォン!!

 

扉が開く。

 

いや、ほぼ爆音で侵入。

 

黒塗りのバイク。

 

溶接跡だらけの装甲。

 

異様な威圧感。

 

そして――

 

「ヒャッハー!!」

 

絶叫。

 

完全に場違いな歓喜。

 

場の空気が一瞬で凍り付いた。

 

「おい……」

 

「まさか……」

 

「本物……か……?」

 

ざわめき。

 

恐怖。

 

伝説。

 

災害指定存在。

 

帰らずのダムの怪物。

 

生存者ゼロの男。

 

ヒャッハー。

 

受付カウンター。

 

受付嬢の顔が引き攣る。

 

職業的笑顔が完全に崩壊していた。

 

「……ほ、本日は……どのようなご用件で……」

 

声が震える。

 

当然だった。

 

苦情対応の相手ではない。

 

災害の受付である。

 

だが。

 

ヒャッハーは笑顔だった。

 

異様なほど爽やか。

 

異様なほど機嫌がいい。

 

「ちょっとなァ」

 

軽い調子で言う。

 

「車両が溜まっててよォ」

 

ギルド内がざわつく。

 

嫌な予感しかしない。

 

「まとめて買い取ってくれ」

 

沈黙。

 

意味が理解できない。

 

受付嬢が恐る恐る尋ねる。

 

「……ど、どちらからの車両でしょうか……」

 

ヒャッハーは即答した。

 

「帰らなかった連中のだ」

 

空気が死んだ。

 

一瞬で。

 

誰もが視線を逸らす。

 

誰もが理解してしまう。

 

帰らなかった。

 

つまり。

 

全滅。

 

「ヒャッハッハァ!!」

 

当の本人だけが楽しそうだった。

 

だが本題はここからだった。

 

「ついでだ」

 

懐へ手を突っ込む。

 

ギルド側が一斉に身構える。

 

武器か。

 

爆薬か。

 

狂気の何かか。

 

だが。

 

取り出されたのは。

 

大量の通貨チップ。

 

ジャラジャラジャラ!!

 

無造作に机へ叩きつける。

 

「……は?」

 

受付嬢が固まる。

 

ヒャッハーは満面の笑み。

 

「ここに俺の全財産がある」

 

騒然。

 

ギルド中がどよめく。

 

桁が違う。

 

異常な量。

 

だがさらに続く。

 

「あとダムの支配権もだ」

 

完全フリーズ。

 

誰も理解できない。

 

意味不明。

 

理屈崩壊。

 

ヒャッハーは笑っていた。

 

実に楽しそうに。

 

実に狂っている。

 

「賞金に足しとけ」

 

静寂。

 

耳鳴りのような沈黙。

 

受付嬢の思考が停止する。

 

「……え……?」

 

ヒャッハーは続けた。

 

異様に楽しそうに。

 

「一ヶ月後だ」

 

ざわめき。

 

緊張。

 

異様な空気。

 

「俺の首が欲しい奴」

 

「ダムが欲しい奴」

 

「復讐したい奴」

 

ニヤリと笑う。

 

完全に楽しんでいる顔。

 

「全部まとめて来い」

 

誰も言葉を発せない。

 

理解不能。

 

異常宣言。

 

「最終決戦だ」

 

場の全員が理解する。

 

こいつは。

 

本気だ。

 

止められない。

 

思考が違う。

 

次元が違う。

 

受付嬢が震えながら問う。

 

「……な、なぜそんな……」

 

ヒャッハーは笑った。

 

心底楽しそうに。

 

「ヒャッハッハァ!!」

 

そして。

 

この男の本質を語る一言。

 

「その方が面白ぇだろ?」

 

理屈ではない。

 

戦略でもない。

 

利益でもない。

 

娯楽。

 

純粋な娯楽。

 

戦争すら遊び。

 

殺し合いすらイベント。

 

この瞬間。

 

荒野最大の厄災は。

 

正式に。

 

自らの首へ賞金を積み上げた。

 

宣戦布告。

 

いや違う。

 

祭りの告知である。

 

ヒャッハーはバイクへ跨る。

 

爆音再来。

 

「じゃぁなァ!!」

 

最後に振り返り、

 

満面の笑みで叫ぶ。

 

「ヒャッハー!!」

 

ドォォォン!!

 

走り去る怪物。

 

残されたギルド。

 

完全沈黙。

 

誰かが呟いた。

 

かすれた声で。

 

「……なんなんだ……あいつは……」

 

誰も答えない。

 

だが。

 

荒野全域へ。

 

最悪の噂が解き放たれた。

 

ヒャッハー最終決戦。

 

全財産投入。

 

ダム争奪戦。

 

世紀末最大級の殺し合い。

 

開幕確定。

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