世紀末ヒャッハー伝説 〈汚物は消毒だァ!!〉 作:ヒツジ(ラム肉
ヒャッハー!!
怪物本人による最終決戦宣言!!
首も財産もダムも全部賭ける超弩級事態!!
荒野全域に激震走るゥ!!
軍閥!ハンター!賊徒!集落連合!
ありとあらゆる勢力が動き出す!!
世紀末最大級のショー開幕準備だァ!!
--------------------
荒野に噂が走った。
風より速く。
銃弾より鋭く。
「ヒャッハーが全財産を賞金に加算」
「ダムを賭けた決戦宣言」
「一ヶ月後、全面衝突」
最初に笑った者がいた。
「バカか?」
「自分で賞金首額を吊り上げるとか正気じゃねぇ」
だが。
次第に誰も笑わなくなる。
なぜなら。
言い出したのがヒャッハーだったからだ。
帰らずのダム。
戦車粉砕。
軍閥壊滅。
災害指定存在。
理屈の通じぬ怪物。
「……冗談じゃねぇ」
歴戦のハンターが低く呟く。
「だが事実なら……」
視線が鋭くなる。
欲望。
計算。
野心。
「最大のチャンスだ」
別の賊徒が笑う。
目が血走っている。
「怪物だろうがなんだろうが関係ねぇ」
「首を取れば英雄だ」
軍閥内部。
空気は重い。
誰もが苦い記憶を持っている。
戦車群壊滅。
総力戦壊滅。
恐怖の記録。
「……罠だ」
幹部の一人が断言する。
「確実にな」
だが。
別の声が重く返す。
「だが無視はできん」
理由は単純。
ダム。
水。
電力。
補給。
支配。
それは荒野秩序の中枢資源。
「……出るぞ」
苦渋の決断。
再び。
あの災害と相対するために。
集落連合。
ざわめきが広がる。
「ダムを手に入れれば……」
希望。
欲望。
恐怖。
入り混じった感情。
「交易路が変わる」
「生存圏が変わる」
「世界が変わる」
ヒャッハーの名は、
もはや個人ではなく、
世界を揺らす装置と化していた。
そして。
荒野を歩く一人の少年。
背には重刃刀。
足取りは静か。
瞳は揺れない。
「……来たか」
感情は薄い。
怒りではない。
興奮でもない。
確定事項。
ヒャッハーとの決着。
それは彼にとって運命ではない。
義務だった。
「終わらせる」
ただそれだけ。
時間は流れる。
準備が進む。
兵器が動く。
弾薬が集まる。
車両が整備される。
そして決戦前日。
ヒャッハーダム周辺。
地平線が埋まっていた。
戦車。
装甲車。
武装バイク。
改造トラック。
見渡す限りの軍勢。
「あれ全部……」
若手ハンターが絶句する。
「正気かよ……」
誰もが理解していた。
これは通常戦闘ではない。
略奪でもない。
戦争ですらない。
祭り。
世紀末最大級の殺し合い。
全勢力参加型地獄イベント。
だが。
ダム上部。
「ヒャッハー……♪」
当の主催者。
異様なほど上機嫌。
双眼鏡を覗きながら笑っている。
「よく集まったじゃねぇか……!」
震える声。
恐怖ではない。
純粋な歓喜で。
「最高の舞台だ……!」
硬鞭を担ぐ。
熱水装置確認。
予備武装確認。
すべてが楽しげ。
まるで。
子供が遠足前夜を迎えたかのような笑顔。
「さぁて……」
荒野を見下ろし、
心底嬉しそうに呟く。
「最高なショーにしようぜ……」
ヒャッハーは理解していた。
全軍勢。
全火力。
全欲望。
全因果。
それらすべてが、
自分へ向けられているという事実を。
だが。
だからこそ。
笑う。
「ヒャッハー!!」
歓喜の絶叫。
世紀末最大級の狂宴。
開幕直前。