世紀末ヒャッハー伝説 〈汚物は消毒だァ!!〉 作:ヒツジ(ラム肉
ヒャッハー!!
荒野全勢力、ヒャッハーダムへ集結完了!!
戦車も軍閥もハンターも賊徒も勢揃い!!
世紀末オールスター戦、開幕寸前!!
そしてついに――
あの男が口を開くゥゥゥ!!
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ダム上部。
風が吹き荒れていた。
眼下。
埋め尽くす軍勢。
銃口。
砲身。
装甲。
殺気。
それは戦場ではない。
圧縮された地獄そのものだった。
だが。
その中心。
拡声器の前に立つモヒカン。
一瞬の沈黙。
次の瞬間。
「ヒャッハー!!」
開幕の咆哮。
音圧。
狂気。
理不尽。
「レディース&ジェントルメェェェン!!」
場が凍る。
あまりにも場違い。
あまりにも軽薄。
あまりにもヒャッハー。
だが本人は満面の笑み。
両腕を大きく広げる。
「よくぞ来てくれたァ!!」
歓喜。
純粋な歓喜。
まるで祝賀会の主催者。
「俺の首を狙う者!!」
「ダムを欲する者!!」
「復讐に燃える者共!!」
一拍。
そして爆笑。
「歓迎しようじゃねぇかァ!!」
ざわめきが走る。
違和感。
恐怖。
理解不能。
「ルールは単純だァ!!」
緊張が走る。
誰もが息を呑む。
だが続く言葉は、
常識をさらに破壊した。
「今までここで死んだ連中の道具」
背後を指差す。
そこに並ぶ異様な光景。
戦車残骸。
重火器。
砲塔。
装甲板。
兵器の墓場。
「そいつらで俺が妨害する!!」
絶句。
意味不明。
理屈崩壊。
ヒャッハーは続ける。
「突破できたら――」
ニヤリと笑う。
「首チャレンジだ」
空気が歪む。
理解できる理屈ではない。
だが。
誰もが理解してしまう。
この男は本気だ。
「だがなァ……」
突如として声色が変わる。
低く。
重く。
異様に冷たい。
「逃げるのは無しだ」
戦場が凍り付く。
殺気が変質する。
「途中で終わったら――」
ヒャッハーはダムを指差した。
「堆積物を全部流す」
ざわめき。
どよめき。
誰もが理解する。
それが意味するものを。
「この地域の集落も都市も流通網も」
一拍。
そして。
「全部泥の底だ」
静寂。
圧倒的沈黙。
脅し。
いや違う。
この男の場合、
実行可能性が否定できない。
それが恐怖だった。
そして。
満面の笑み。
いつもの狂気顔へ戻る。
「降伏は無駄だ」
言い切る。
断定。
容赦なし。
「抵抗しろ」
狂気ではない。
純粋なヒャッハー論理。
「戦え」
「足掻け」
「生き延びろ」
そして。
最悪の一言。
「その方が面白ぇだろ?」
場の誰もが理解する。
この怪物は。
戦争を。
絶望を。
恐怖を。
娯楽として認識している。
だからこそ。
最も危険だった。
沈黙の荒野。
誰も動かない。
誰も口を開かない。
その空気を――
ヒャッハーの爆笑が打ち破った。
「ヒャッハッハァ!!」
心底楽しそうに。
心底嬉しそうに。
「さぁて……」
拡声器を離れ、
武器へと手を伸ばす。
「ショータイムだぜェ……?」
世紀末最大級の殺し合い。
開幕確定。