世紀末ヒャッハー伝説 〈汚物は消毒だァ!!〉 作:ヒツジ(ラム肉
ヒャッハー!!
狂気の演説終了!!
逃走禁止!!
降伏無効!!
退路完全消滅!!
そして今――
ヒャッハーによる“開戦の挨拶”が炸裂するゥゥゥ!!
常識?戦術?倫理観?
全部まとめて蒸発だァ!!
--------------------
沈黙。
それは異様な沈黙だった。
数千の兵。
無数の銃口。
戦車。
装甲車。
武装車両。
それらすべてが、
ただ一人の男を見上げていた。
ダム上部。
ヒャッハー。
怪物。
災害。
理解不能領域。
「……ではだ」
ヒャッハーが呟く。
拡声器から離れ、
ゆっくりと背後へ歩き出す。
その動作だけで、
戦場の空気が軋んだ。
誰もが理解していた。
絶対に碌なことにならない。
ヒャッハーの足が止まる。
そこに鎮座していたもの。
旧世界の遺物。
異様な質量。
異様な威圧感。
異様な存在感。
「ヒャッハー……♪」
愛おしげに撫でる。
まるで恋人でも扱うかのような仕草。
レーザーバズーカ。
その瞬間。
戦場の温度が変わった。
ざわめき。
恐怖。
理解。
「おい……」
「まさか……」
「ふざけんな……」
荒野において滅多に見ぬ超級兵器。
対戦車どころではない。
対軍規模。
対地形規模。
「手始めに」
ヒャッハーが振り返る。
満面の笑み。
異様なほど楽しそうな顔。
「俺からの挨拶だァ!!」
次の瞬間。
ギュゥゥゥゥゥゥン……!!
光。
音すら置き去りにする閃光。
世界が焼き切れる。
一瞬の白。
そして。
大地が消えた。
「な――」
誰かの声が途中で途切れる。
理由は単純。
蒸発したからだ。
戦車が消える。
装甲が消える。
人影が消える。
爆発ですらない。
破壊ですらない。
存在の否定。
レーザーの通過した軌跡だけが残る。
抉られた荒野。
焼け焦げた大地。
消失した部隊。
戦場が凍り付く。
誰も理解できない。
理解したくない。
だが現実だった。
ヒャッハーは笑っていた。
腹を抱えて。
「ヒャッハッハァ!!」
歓喜。
純粋な歓喜。
そして。
さらに最悪の一言。
「まぁ」
軽い口調。
あまりにも軽い。
「一個とは言ってねぇ」
空気が死ぬ。
ヒャッハーがもう一つを持ち上げた。
二門目。
レーザーバズーカ。
戦場絶句。
恐怖が臨界点を突破する。
「ヒャッハー!!」
再び照準。
再び閃光。
再び世界が焼き切れる。
ギュゥゥゥゥン!!!
光の暴力。
戦場薙ぎ払い。
車両列消失。
兵員蒸発。
地形破壊。
何もかもが意味を失う。
それは戦闘ではない。
災害現象。
ヒャッハーだけが笑っていた。
「ヒャッハッハァ!!」
心底楽しそうに。
心底嬉しそうに。
「さぁて……!」
煙と閃光の向こう。
まだ動く影たちへ向けて叫ぶ。
「ショーの始まりだぜェ!!」
世紀末最大火力。
理不尽スターター。
開戦確定。