世紀末ヒャッハー伝説 〈汚物は消毒だァ!!〉   作:ヒツジ(ラム肉

26 / 45
第24話 「総力突撃」

ヒャッハー!!

 

レーザーバズーカ二連射!!

 

戦車蒸発!!

 

部隊消失!!

 

大地抉り飛ばし!!

 

だが世紀末世界に後退の文字はねぇ!!

 

恐怖?絶望?関係ねぇ!!

 

なぜなら――止まった者から死ぬからだァ!!

 

全軍!!理性焼却突撃開始ィィィ!!

 

--------------------

 

「突撃ィィィィィ!!」

 

絶叫が荒野を引き裂いた。

 

誰の声だったのか。

 

もはや判別不能。

 

軍閥の指揮官か。

 

賊徒の頭目か。

 

錯乱した誰かか。

 

だが。

 

その一声だけで十分だった。

 

戦場の均衡。

 

理性。

 

恐怖。

 

すべてが吹き飛んだからだ。

 

戦車が前へ出る。

 

履帯が大地を噛み砕く。

 

装甲車が加速する。

 

エンジンが悲鳴を上げる。

 

武装バイクが雪崩れ込む。

 

爆音。

 

振動。

 

煙。

 

炎。

 

地獄が一気に沸騰する。

 

レーザーで抉られた地面など障害にならない。

 

消滅した部隊の痕跡など意味を持たない。

 

死はこの世界の日常。

 

問題はただ一つ。

 

今、生きているかどうか。

 

「進めェ!!」

 

「距離を詰めろォ!!」

 

「撃ち続けろォ!!」

 

砲撃。

 

銃撃。

 

ロケット。

 

ミサイル。

 

あらゆる火力が空間を埋め尽くす。

 

弾幕が荒野を塗り潰す。

 

だが。

 

ダム上部。

 

ただ一人。

 

ヒャッハーは笑っていた。

 

「ヒャッハー!!」

 

心底楽しそうに。

 

狂気そのものの笑顔で。

 

「いいぞォ!!」

 

まるで祝祭を見るかのような眼差し。

 

「それでいい!!」

 

次の瞬間。

 

ドバァァァァァッ!!

 

熱水。

 

超高温。

 

超圧力。

 

超理不尽。

 

白煙が噴き荒れる。

 

前進部隊が悲鳴を上げる。

 

「ぎゃあああああ!!」

 

「熱ィィィィ!!」

 

皮膚が焼ける。

 

視界が奪われる。

 

戦意が崩壊する。

 

だが。

 

止まらない。

 

止まれない。

 

後続が押し寄せる。

 

押し流す。

 

踏み越える。

 

世紀末の真理。

 

仲間の悲鳴より前進優先。

 

「どけェェ!!」

 

賊徒車両が横入りする。

 

衝突。

 

転倒。

 

爆発。

 

「邪魔だァ!!」

 

軍閥兵が掃射する。

 

敵か味方か。

 

そんな区別は曖昧だった。

 

「まとめて吹き飛べェ!!」

 

戦車砲が咆哮する。

 

轟音。

 

爆炎。

 

衝撃。

 

混沌が加速する。

 

統制は崩壊し、

 

秩序は溶解し、

 

戦場は純粋な暴力空間へ変質する。

 

ヒャッハーは爆炎の中で笑っていた。

 

「ヒャッハッハァ!!」

 

銃撃を浴びながら。

 

熱水を撒き散らしながら。

 

火炎を背負いながら。

 

まるで舞台の主役。

 

いや違う。

 

舞台そのものだった。

 

「最高じゃねぇか……!!」

 

狂喜。

 

純粋な狂喜。

 

戦場を見下ろしながら叫ぶ。

 

「もっとだァ!!」

 

「もっと暴れろォ!!」

 

「もっと足掻けェ!!」

 

理性ではない。

 

戦術でもない。

 

ただの生存衝動。

 

世紀末の住民たちは理解していた。

 

恐怖に飲まれた者から死ぬ。

 

立ち止まった者から撃たれる。

 

怯えた者から潰される。

 

ならば。

 

進むしかない。

 

撃つしかない。

 

暴れるしかない。

 

それがこの世界の生存論理。

 

戦場は完全な混沌へ沈む。

 

車両同士が衝突し、

 

砲撃が交錯し、

 

銃撃が乱舞する。

 

ヒャッハーは笑い続ける。

 

絶対的中心で。

 

「ヒャッハー!!」

 

戦場。

 

暴力。

 

混乱。

 

絶望。

 

そのすべてを歓喜へ変換する怪物。

 

誰も止まらない。

 

誰も退かない。

 

誰も正気ではない。

 

なぜなら。

 

ここは世紀末。

 

理性の価値が最も低い世界なのだから。

 

そして。

 

その地獄の頂点で。

 

ヒャッハーは満面の笑みを浮かべていた。

 

「ショーはまだ始まったばかりだぜェ……!!」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。